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学園パロ
食堂のナッちゃんVS理不尽なP6世
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「あ。ところで、食堂の設定とかあんのかな?」
Bが、教室でK先生に尋ねた。さすが、食い意地のはったB。気になる所はそこですか。
「あぁ、ありますよ。担当は………ナッちゃんさんです」
その言葉を聞いた、教室の全員がどよめいた。
“あの”超甘党のZn・St……通称ナッちゃん、が食堂の、担当だと………?
クラスの1人は“カレーにケーキが混入されている様”を想像して顔を歪ませ、1人は“練乳をかけたイチゴカツ丼”を想像して倒れた。
「──ダメだ! ナッちゃんなんかに食堂を任せては………! おい、皆の者! 我々の食堂をもっとマトモな味覚の人に譲渡するよう、抗議しに行こうではないか!」
勇ましい声をあげて立ち上がったのは、P6世だった。何やら楽しそうなのは、きっと容赦なくZnをいびれるからであろう。どこから出したのか、ハリセンを持って素振りなどをしている。
それを受けて、皆の者も同意の雄叫びをあげた。
「………ん? P様は生徒役なのですか? 先生役ではないのですか?」
Pの“生徒服装”を疑問に思ったRがそう尋ねると、Pは「生徒も先生もやりたいので、気分で変わるよっ☆」と、抜かした。
食堂に大勢で行き、カウンターのメニューを見て全員が驚愕した。
普通の焼き魚定食、普通の焼き肉定食、普通の具のおにぎり、普通の惣菜パン、普通の麦茶etc飲み物………。
……………普通だった。何もかもが“普通”だった。
既に何かしらの定食を頼んでいる、席についている生徒達は、普通にこれらを食して歓談している。味も、どうやら問題ないらしい。
騒がしさに何事か、と厨房の奥からエプロン姿のZnが顔を出した。そして、目を丸くしているBと目が合った。
「………あれっ? ナッちゃんさん……だよね? ここの管理……」
「え? ……あ、はい」
「メニュー、普通だけど。……どうしたの?」
「………何がですか?」
キョトンとしているZnに、更にLが訊く。
「なんかもっと、ピンクでファンシーでお菓子まみれの甘ったるい気持ち悪いモノばかり置いていると思ったんですけど……?」
可愛らしい容貌のLの言葉は、意外にも容赦がない。
「えっ……。そんな事、するわけないじゃないですか……。だって、ここは学生の皆さんが成長期に栄養を補給する大事な場所ですよ? お菓子なんか置きませんよ」
Znは、意外にもTPOをわきまえていた。
皆がよかったぁ、と安堵の声をもらすなか、1人だけぶすくれた顔の者がいた。Znにズカズカと近づき、持っていたハリセンを強く振り上げてZnの頭をはたいた。
「いって!」
「オイ、何マトモな事してんだよ……」
不愉快な気分を隠そうともしないPが、Znにつっかかる。
「ここは【皆が食堂に行ったら、甘ったるい匂いが充満している気持ち悪い食堂内で喜々としてお菓子を精製しながらニヤニヤしているお前を発見して、それを皆が抗議するもお前は全く聞き入れず、そのまま気持ち悪いお菓子を作り続けて俺に怒られる】とか……そういう流れになるギャグじゃないのか……?」
「…………は……はぁあああ!?」
Pは、自分が想像していた流れと違っていたことに大層不満だった。
「なんだよ! 人を勝手にそんなキチガイキャラにしてるなよ……」
「たとえそうでなくとも、せめてそう“演じて”いろよ。何、なんなの? 何マトモにフツーの事して終わらせようとしてるの? ふざけるサービス精神はないの?」
Pは、恐ろしく理不尽な事でZnを責めたてた。Znが眉間にシワを寄せて、泣きそうな顔をしている。
「お前……芸人失格だよ?」
「別に目指してねぇよ!?」
見つめられた者が凍ってしまうほどの冷たく、凛々しい目で最高級の決め顔をしたPに、Znが本気で抗議した。
知らない人の目から見れば、きっとPが本気でそう言っているのだと思うかもしれないが、2人と付き合いの長いK先生やR、L、Bはわかっていた。
この人は、とにかくZnが何をしようが難癖をつけていじめたいたけなのだ、と。
Bが、教室でK先生に尋ねた。さすが、食い意地のはったB。気になる所はそこですか。
「あぁ、ありますよ。担当は………ナッちゃんさんです」
その言葉を聞いた、教室の全員がどよめいた。
“あの”超甘党のZn・St……通称ナッちゃん、が食堂の、担当だと………?
クラスの1人は“カレーにケーキが混入されている様”を想像して顔を歪ませ、1人は“練乳をかけたイチゴカツ丼”を想像して倒れた。
「──ダメだ! ナッちゃんなんかに食堂を任せては………! おい、皆の者! 我々の食堂をもっとマトモな味覚の人に譲渡するよう、抗議しに行こうではないか!」
勇ましい声をあげて立ち上がったのは、P6世だった。何やら楽しそうなのは、きっと容赦なくZnをいびれるからであろう。どこから出したのか、ハリセンを持って素振りなどをしている。
それを受けて、皆の者も同意の雄叫びをあげた。
「………ん? P様は生徒役なのですか? 先生役ではないのですか?」
Pの“生徒服装”を疑問に思ったRがそう尋ねると、Pは「生徒も先生もやりたいので、気分で変わるよっ☆」と、抜かした。
食堂に大勢で行き、カウンターのメニューを見て全員が驚愕した。
普通の焼き魚定食、普通の焼き肉定食、普通の具のおにぎり、普通の惣菜パン、普通の麦茶etc飲み物………。
……………普通だった。何もかもが“普通”だった。
既に何かしらの定食を頼んでいる、席についている生徒達は、普通にこれらを食して歓談している。味も、どうやら問題ないらしい。
騒がしさに何事か、と厨房の奥からエプロン姿のZnが顔を出した。そして、目を丸くしているBと目が合った。
「………あれっ? ナッちゃんさん……だよね? ここの管理……」
「え? ……あ、はい」
「メニュー、普通だけど。……どうしたの?」
「………何がですか?」
キョトンとしているZnに、更にLが訊く。
「なんかもっと、ピンクでファンシーでお菓子まみれの甘ったるい気持ち悪いモノばかり置いていると思ったんですけど……?」
可愛らしい容貌のLの言葉は、意外にも容赦がない。
「えっ……。そんな事、するわけないじゃないですか……。だって、ここは学生の皆さんが成長期に栄養を補給する大事な場所ですよ? お菓子なんか置きませんよ」
Znは、意外にもTPOをわきまえていた。
皆がよかったぁ、と安堵の声をもらすなか、1人だけぶすくれた顔の者がいた。Znにズカズカと近づき、持っていたハリセンを強く振り上げてZnの頭をはたいた。
「いって!」
「オイ、何マトモな事してんだよ……」
不愉快な気分を隠そうともしないPが、Znにつっかかる。
「ここは【皆が食堂に行ったら、甘ったるい匂いが充満している気持ち悪い食堂内で喜々としてお菓子を精製しながらニヤニヤしているお前を発見して、それを皆が抗議するもお前は全く聞き入れず、そのまま気持ち悪いお菓子を作り続けて俺に怒られる】とか……そういう流れになるギャグじゃないのか……?」
「…………は……はぁあああ!?」
Pは、自分が想像していた流れと違っていたことに大層不満だった。
「なんだよ! 人を勝手にそんなキチガイキャラにしてるなよ……」
「たとえそうでなくとも、せめてそう“演じて”いろよ。何、なんなの? 何マトモにフツーの事して終わらせようとしてるの? ふざけるサービス精神はないの?」
Pは、恐ろしく理不尽な事でZnを責めたてた。Znが眉間にシワを寄せて、泣きそうな顔をしている。
「お前……芸人失格だよ?」
「別に目指してねぇよ!?」
見つめられた者が凍ってしまうほどの冷たく、凛々しい目で最高級の決め顔をしたPに、Znが本気で抗議した。
知らない人の目から見れば、きっとPが本気でそう言っているのだと思うかもしれないが、2人と付き合いの長いK先生やR、L、Bはわかっていた。
この人は、とにかくZnが何をしようが難癖をつけていじめたいたけなのだ、と。
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