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カウドゥール
ズケズケBsと酒ぶっかけられ弱り気味Kさん
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「なぁなぁ、男同士でするSEXってどうなんだ? やはり最初は痛いのか? 尻」
あまりにも直球な性的な質問に、思わずKの顔は不愉快そうに歪んだ。
思い出したくもない、思い出すだけで体中を引っ掻きまわして気を紛らわせたくなるような悲痛な過去を、平気な顔で訊いてくる目の前の無神経な酔っ払い女に殺意がわいた。
女は、不愉快さを隠そうともしないKの顔をニヤニヤしながら見つめ、コップの中の酒を呑んだ。
「………うるせぇ黙れ死ね」
「あぁ?」
Kのつれない態度に、女が不満気に声を出す。
「質問してるんだから答えろよ、Kt・Lf」
Kは大きく舌打ちをしたあと、女の首を締めようと手を伸ばすも、その手をはたき落とされ、おまけに再度、酒を頭からぶっかけられた。
ひぅ、とKが床に縮こまる。濃いアルコールの匂いで思わず泣きそうになる。先程からKは、酒で濡れた床の上で延々とゴロゴロ、転がされていた。
毒でもなんでも口に入れても何故か大丈夫なKだったが、これまた何故か“アルコール”にはめっぽう弱く、呑んでも、近くにあるだけでも気分が悪くなり、動きが悪くなる。
出会い頭、女にその弱みを知られたKはそれ以来、この女……Bsに世話をやかれていた。……いや、“飼われて”いた。
逃げようとしては酒をぶっかけられ、Bsを殺そうとしては酒を呑まされ、動けなくなったところで、怪我の治療をされたり、食事を食べさせられたり、根掘り葉掘り質問をされた。
暇つぶしとして、KはBsに弄ばれていた。
「……いいかげん、私の事を殺そうとしたりするのはやめないか、Kよ。この酒代、結構馬鹿にならないんだぞ」
Bsが呆れる。
「………じゃ、あ……いいかげん、俺を、解放しろっ……よ……」
酒でびしょ濡れの床でKが呻く。
「自由になったら、まぁたそのGという奴の所にまっすぐ御帰還して、抱かれる卑猥な生活を繰り返すのか?」
……なんでこの女は、俺が羞恥で死にたくなるような事をいちいちいちいち抜かしてくるのか。Kはうずくまったまま、自らの髪の毛をむしった。
Bsは、そっとその手を止めた。その目に今までのような愉悦の感情はなく、ただ憐憫の色が浮かんでいた事にKは気がつかない。
「………帰ら……ねぇよ……。でも、どうせ、どこに行っても……居場所は、バレちまう、し……。っつうか、てめぇには関係ねぇだろクソが……死ねっ……」
恨めしそうな顔で、KはBsの顔を見上げた。濡れそぼった自らの長い前髪のせいで、Bsの顔がよく視界に入らない。
どうせ、笑っているのだろう。バカにしているのだろう。Kは歯ぎしりした。
「……ふむ。Gとやらは、何故お前の居場所がわかるんだろうな……。理由さえわかれば、どうにかできそうなものを……」
それを聞いたKが乱れた呼吸を整えて、ぽつりと呟いた。
「……知り合いが調べてきたんだが、どうも、俺の頭の……中に、俺の居場所がわかるような魔具をぶちこんでやがる……らしい」
これはR……問題の“クソ野郎の娘”から得た情報だった。
嬉しそうにそう聞かせに来た笑顔のRに感謝はしたが、悔しさの感情が勝ってしまい「あっそ」とRに素っ気なく応答した事を、Kは今でも悔やんでいた。
「ふむ。では、お前の頭をカチ割って“ソレ”を取り出せばいいわけだな」
Bsはそう言うと、そばにあった伐採用の小斧を何の躊躇もなく、Kの頭に振り下ろした。
「がっ……!」
小斧とKの頭蓋骨がぶつかり、固い音がした。
「……んん? 頭蓋骨が割れてないな……」
BsはKの頭皮の裂け目を覗きこみ、指で開いてみたが、白い頭蓋骨にはヒビ割れもできていなかった。
KはBsを思いっきり突き飛ばした。
「いてぇな、やめろ! 頭ん中に何か入れられたのは“体が再生するようになる前”なんだよ!」
だから、頭をこじ開けて魔具を埋め込む事ができたのだ。
体が再生するようになってからは、特に、頭は砕けもしないし潰れもしないほど頑丈に護られているので取り出せもしない、とKは舌打ちをした。
「ん、すまんな。取り出してあげようと思ったのだが」
Bsが苦笑する。
「大きなお世話だ! ふざけんなクソが、死ねっ……っつーか……」
Kが目の前の酔っ払い女を見る。
「……てめぇ、本当に何がしてぇんだよ」
Kをいたぶったかと思えば介抱する。個人的な事を訊いてきては笑う。しかし、解決策を提案してくる。
「……なんだろうな。お前が……惨めだからかな」
Bsが微笑む。
「惨めで哀れで面白いから、気になってしまうんだよな」
……なんだソレ。Kは苦々しい顔で床に唾を吐いてBsに小斧で切り開かれた頭皮の部分を殴られ、悶絶した。
あまりにも直球な性的な質問に、思わずKの顔は不愉快そうに歪んだ。
思い出したくもない、思い出すだけで体中を引っ掻きまわして気を紛らわせたくなるような悲痛な過去を、平気な顔で訊いてくる目の前の無神経な酔っ払い女に殺意がわいた。
女は、不愉快さを隠そうともしないKの顔をニヤニヤしながら見つめ、コップの中の酒を呑んだ。
「………うるせぇ黙れ死ね」
「あぁ?」
Kのつれない態度に、女が不満気に声を出す。
「質問してるんだから答えろよ、Kt・Lf」
Kは大きく舌打ちをしたあと、女の首を締めようと手を伸ばすも、その手をはたき落とされ、おまけに再度、酒を頭からぶっかけられた。
ひぅ、とKが床に縮こまる。濃いアルコールの匂いで思わず泣きそうになる。先程からKは、酒で濡れた床の上で延々とゴロゴロ、転がされていた。
毒でもなんでも口に入れても何故か大丈夫なKだったが、これまた何故か“アルコール”にはめっぽう弱く、呑んでも、近くにあるだけでも気分が悪くなり、動きが悪くなる。
出会い頭、女にその弱みを知られたKはそれ以来、この女……Bsに世話をやかれていた。……いや、“飼われて”いた。
逃げようとしては酒をぶっかけられ、Bsを殺そうとしては酒を呑まされ、動けなくなったところで、怪我の治療をされたり、食事を食べさせられたり、根掘り葉掘り質問をされた。
暇つぶしとして、KはBsに弄ばれていた。
「……いいかげん、私の事を殺そうとしたりするのはやめないか、Kよ。この酒代、結構馬鹿にならないんだぞ」
Bsが呆れる。
「………じゃ、あ……いいかげん、俺を、解放しろっ……よ……」
酒でびしょ濡れの床でKが呻く。
「自由になったら、まぁたそのGという奴の所にまっすぐ御帰還して、抱かれる卑猥な生活を繰り返すのか?」
……なんでこの女は、俺が羞恥で死にたくなるような事をいちいちいちいち抜かしてくるのか。Kはうずくまったまま、自らの髪の毛をむしった。
Bsは、そっとその手を止めた。その目に今までのような愉悦の感情はなく、ただ憐憫の色が浮かんでいた事にKは気がつかない。
「………帰ら……ねぇよ……。でも、どうせ、どこに行っても……居場所は、バレちまう、し……。っつうか、てめぇには関係ねぇだろクソが……死ねっ……」
恨めしそうな顔で、KはBsの顔を見上げた。濡れそぼった自らの長い前髪のせいで、Bsの顔がよく視界に入らない。
どうせ、笑っているのだろう。バカにしているのだろう。Kは歯ぎしりした。
「……ふむ。Gとやらは、何故お前の居場所がわかるんだろうな……。理由さえわかれば、どうにかできそうなものを……」
それを聞いたKが乱れた呼吸を整えて、ぽつりと呟いた。
「……知り合いが調べてきたんだが、どうも、俺の頭の……中に、俺の居場所がわかるような魔具をぶちこんでやがる……らしい」
これはR……問題の“クソ野郎の娘”から得た情報だった。
嬉しそうにそう聞かせに来た笑顔のRに感謝はしたが、悔しさの感情が勝ってしまい「あっそ」とRに素っ気なく応答した事を、Kは今でも悔やんでいた。
「ふむ。では、お前の頭をカチ割って“ソレ”を取り出せばいいわけだな」
Bsはそう言うと、そばにあった伐採用の小斧を何の躊躇もなく、Kの頭に振り下ろした。
「がっ……!」
小斧とKの頭蓋骨がぶつかり、固い音がした。
「……んん? 頭蓋骨が割れてないな……」
BsはKの頭皮の裂け目を覗きこみ、指で開いてみたが、白い頭蓋骨にはヒビ割れもできていなかった。
KはBsを思いっきり突き飛ばした。
「いてぇな、やめろ! 頭ん中に何か入れられたのは“体が再生するようになる前”なんだよ!」
だから、頭をこじ開けて魔具を埋め込む事ができたのだ。
体が再生するようになってからは、特に、頭は砕けもしないし潰れもしないほど頑丈に護られているので取り出せもしない、とKは舌打ちをした。
「ん、すまんな。取り出してあげようと思ったのだが」
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Kをいたぶったかと思えば介抱する。個人的な事を訊いてきては笑う。しかし、解決策を提案してくる。
「……なんだろうな。お前が……惨めだからかな」
Bsが微笑む。
「惨めで哀れで面白いから、気になってしまうんだよな」
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