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カウドゥール
突発創作文「9/2の事を尋ねてみてショックをうけるZn(Pナち)」
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「実はさぁ。あの時、Kさんに『襲うぞ』って言われてさぁ。んで『別にいいよ~』ってなやり取りをしていたんだ~」
P王が書類に目を通している間、隣で立ち尽くしているといろいろな事が脳裏に浮かんでくる。
手ブロの9月2日、あのKと2人っきりで何を話されていたのですか、とふと思いたったのでまた尋ねてみたら王は今度はさらりと答えた。
どうせ「秘密~」などとゆるく拒否されるものだと思っていたのでZnは答えてくれた事と、その内容とで二重に驚かされた。
時間も経ったことだしもう言っちゃってもいいかな、という王の思考が透けてみえた。
「ん………? ん? ん?! はいぃ?!」
Znは裏返った声を出しながらP王の方に振り返った。
当の爆弾発言をしたP王は、無表情のまま淡々と机上の書類に判を押し続けている。
「は……、え?! なんっ……何故にあいつとそんな話をされていっ……? えっ、ええええ?!」
「まぁ、話の流れで」
「なっ、んっで……そんな流れにっ……?! あんの、野郎っ……!」
Znは改めて、Kに強い殺意を覚えた。
悪い奴ではない、とは思う。だが、あいつは頭がおかしい。
さすが連続殺人鬼。何をしでかすか、ほざくかわからない。
今度、城に来たらP王と顔を合わせる前にその顔を八つ裂きに………。
「いや、今更あいつの言動のおかしさにつっこむのは、もういいです。……問題は、あなただ!」
Znは机を強く叩いた。P王が無表情のままZnを見上げる。
「『いいよ~』って、あなた……何をおっしゃっているのですか………」
「いやぁ、Kさんみたいなカッコイ~イ男性が男とのお初とか、なんか良くないか?」
「良くないです」
Znが光の速さで断固否定した。
「……良くないか?」
「良くないです。……というかあなた、そんな趣味がおありだったんですか?」
「ねぇよ」
今度はP王が素早く断固否定した。
「………しかし、そんなに“嫌だ嫌だ”と拒否するものでもないかな、と」
「拒否するものです!」
Znの本気の怒り顔を見て、王は不謹慎にもにやりと笑った。
あ。自分は遊ばれているな、と長年の付き合いからZnはすぐに察した。
「妬いているのか? Zn」
にやにやと、王が笑う。
…………ったく、この人は。
「違いますよ。何をおっしゃっているのですか」
この人は自分をからかい、煽り、ツッコミをやらせて弄ぶのが好きだ。
ネコがじゃれてきているようなものだ。
それで精神的に気が晴れるのなら仕方ない。
Znは“弄ばれてあげる”ことにした。
「お前でもいいぞ、Zn」
「………はいぃ?」
「男とのお初」
P王がじっ、とZnを見つめた。
「ん……。“でも”だなんて失礼だな。お前“が”いい、Zn」
この人、私の目を盗んでこっそり酒を呑んだのではないか、と思わず勘ぐってしまった。
「お前とは一番気心が知れてるし、それに今までの迷惑料だと思ってくれれば」
「………………はぁ?」
「俺は面倒くさいだろう? 殴りたい、と思った事が何度もあるだろう?」
自分の事をそう認識しているのなら、何故そういう性格を直そうとしないんだ。
「泣かせてやりたいとは思わないか? ん? ナっちゃん」
ゆるく笑みを浮かべながら、王が続ける。
「終始、にやにやしている生意気な友をきゃふんと言わせてみたくはないか……?」
王が席を立ち、Znに顔を近づけた。
「この薄ら笑い、崩してみたいとは思わぬか………?」
自分にそんな趣味はない。
だが、売り言葉に買い言葉で抱いてみたとして、きっとこの人は本当に拒否などせず流れに身を任せるのだろう。
笑いながら。
「そんな事をしなくても、あなたを泣かすのは簡単ですよ」
「ほほぅ?」P王が眉を上げる。
「明日、私は非番なので修道院からMさんを連れて来てあげますよ」
「ごわっ………!!?」
P王の余裕ある態度と表情が一瞬で崩れた。
「そして、この部屋に遊びに来てあげますよ……」
「やめろよ!!」
顔を真っ赤にしたP王がZnの広い額をぺしん、と叩いた。
“Mさん”とは、王とひょんな事から仲良くなった16,7歳の少女である。
10歳も年が離れているが、P王はどうも真剣に恋愛対象として彼女を見ているらしい。
普段のP王は誰にでも馴れ馴れしく接する事が出来るふてぶてしい人間なのだが、恋愛対象の女性には、何故か昔から柄ではない人見知りを発揮する。
普段はとてもキレのある言葉も歯切れが悪くなる(スベりまくる)。
目をまっすぐと見れなくなる(挙動不審)。
……とにかく、想い人の前での王の姿は無惨。無惨の一言に尽きる。
「わかった。俺が悪かった。言いすぎた。すんません」
「……そんなに謝らなくても……。何がそんなに怖いんだ、あんたは」
Znがため息をつく。
「しかし、面白いですよねぇ。いつもはシルクのように滑らかな滑舌も、Mさんの前ではまるでごわごわの粗雑な麻布のように………」
「うっせーな。なんだよ、その言い方。バッカ!」
P王がどかっ、と投げやりに椅子に座る。
やっと悪ふざけをやめたか、とZnは安堵して、王が席についている時の決められた護衛定位置に戻った。
「………まぁ、その気になったらいつでもどうぞ」
「はい?」
何の事だかわからない。
「お前になら安心してこの身を任せてもいい、と本気で思っているぞ」
照れ・光栄・怒り・疲れ………。
Znの小さい脳みその中で様々な感情が混ざり合い、それらはオーバーヒートを起こし、結果。
あろうことか、Znは一国の主である男、護衛対象である大事な存在であるお方の側頭部を思いっきりはたいてしまった。
P王が書類に目を通している間、隣で立ち尽くしているといろいろな事が脳裏に浮かんでくる。
手ブロの9月2日、あのKと2人っきりで何を話されていたのですか、とふと思いたったのでまた尋ねてみたら王は今度はさらりと答えた。
どうせ「秘密~」などとゆるく拒否されるものだと思っていたのでZnは答えてくれた事と、その内容とで二重に驚かされた。
時間も経ったことだしもう言っちゃってもいいかな、という王の思考が透けてみえた。
「ん………? ん? ん?! はいぃ?!」
Znは裏返った声を出しながらP王の方に振り返った。
当の爆弾発言をしたP王は、無表情のまま淡々と机上の書類に判を押し続けている。
「は……、え?! なんっ……何故にあいつとそんな話をされていっ……? えっ、ええええ?!」
「まぁ、話の流れで」
「なっ、んっで……そんな流れにっ……?! あんの、野郎っ……!」
Znは改めて、Kに強い殺意を覚えた。
悪い奴ではない、とは思う。だが、あいつは頭がおかしい。
さすが連続殺人鬼。何をしでかすか、ほざくかわからない。
今度、城に来たらP王と顔を合わせる前にその顔を八つ裂きに………。
「いや、今更あいつの言動のおかしさにつっこむのは、もういいです。……問題は、あなただ!」
Znは机を強く叩いた。P王が無表情のままZnを見上げる。
「『いいよ~』って、あなた……何をおっしゃっているのですか………」
「いやぁ、Kさんみたいなカッコイ~イ男性が男とのお初とか、なんか良くないか?」
「良くないです」
Znが光の速さで断固否定した。
「……良くないか?」
「良くないです。……というかあなた、そんな趣味がおありだったんですか?」
「ねぇよ」
今度はP王が素早く断固否定した。
「………しかし、そんなに“嫌だ嫌だ”と拒否するものでもないかな、と」
「拒否するものです!」
Znの本気の怒り顔を見て、王は不謹慎にもにやりと笑った。
あ。自分は遊ばれているな、と長年の付き合いからZnはすぐに察した。
「妬いているのか? Zn」
にやにやと、王が笑う。
…………ったく、この人は。
「違いますよ。何をおっしゃっているのですか」
この人は自分をからかい、煽り、ツッコミをやらせて弄ぶのが好きだ。
ネコがじゃれてきているようなものだ。
それで精神的に気が晴れるのなら仕方ない。
Znは“弄ばれてあげる”ことにした。
「お前でもいいぞ、Zn」
「………はいぃ?」
「男とのお初」
P王がじっ、とZnを見つめた。
「ん……。“でも”だなんて失礼だな。お前“が”いい、Zn」
この人、私の目を盗んでこっそり酒を呑んだのではないか、と思わず勘ぐってしまった。
「お前とは一番気心が知れてるし、それに今までの迷惑料だと思ってくれれば」
「………………はぁ?」
「俺は面倒くさいだろう? 殴りたい、と思った事が何度もあるだろう?」
自分の事をそう認識しているのなら、何故そういう性格を直そうとしないんだ。
「泣かせてやりたいとは思わないか? ん? ナっちゃん」
ゆるく笑みを浮かべながら、王が続ける。
「終始、にやにやしている生意気な友をきゃふんと言わせてみたくはないか……?」
王が席を立ち、Znに顔を近づけた。
「この薄ら笑い、崩してみたいとは思わぬか………?」
自分にそんな趣味はない。
だが、売り言葉に買い言葉で抱いてみたとして、きっとこの人は本当に拒否などせず流れに身を任せるのだろう。
笑いながら。
「そんな事をしなくても、あなたを泣かすのは簡単ですよ」
「ほほぅ?」P王が眉を上げる。
「明日、私は非番なので修道院からMさんを連れて来てあげますよ」
「ごわっ………!!?」
P王の余裕ある態度と表情が一瞬で崩れた。
「そして、この部屋に遊びに来てあげますよ……」
「やめろよ!!」
顔を真っ赤にしたP王がZnの広い額をぺしん、と叩いた。
“Mさん”とは、王とひょんな事から仲良くなった16,7歳の少女である。
10歳も年が離れているが、P王はどうも真剣に恋愛対象として彼女を見ているらしい。
普段のP王は誰にでも馴れ馴れしく接する事が出来るふてぶてしい人間なのだが、恋愛対象の女性には、何故か昔から柄ではない人見知りを発揮する。
普段はとてもキレのある言葉も歯切れが悪くなる(スベりまくる)。
目をまっすぐと見れなくなる(挙動不審)。
……とにかく、想い人の前での王の姿は無惨。無惨の一言に尽きる。
「わかった。俺が悪かった。言いすぎた。すんません」
「……そんなに謝らなくても……。何がそんなに怖いんだ、あんたは」
Znがため息をつく。
「しかし、面白いですよねぇ。いつもはシルクのように滑らかな滑舌も、Mさんの前ではまるでごわごわの粗雑な麻布のように………」
「うっせーな。なんだよ、その言い方。バッカ!」
P王がどかっ、と投げやりに椅子に座る。
やっと悪ふざけをやめたか、とZnは安堵して、王が席についている時の決められた護衛定位置に戻った。
「………まぁ、その気になったらいつでもどうぞ」
「はい?」
何の事だかわからない。
「お前になら安心してこの身を任せてもいい、と本気で思っているぞ」
照れ・光栄・怒り・疲れ………。
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