7 / 11
【僕とお嬢さん】
2「どうも。“上の下の”美青年です」
しおりを挟む
お嬢様は「アレ食べたい」だの「読みたい」だのうるせぇのなんの、だった。
おんぶや抱っこも、さんざ要求してきた。
俺のお得意の“作り穏やか笑顔”を信じて、さんざなめきった態度をとりまくった。
屋敷内の家事もこなしてやった。
掃除、縫い物、料理、洗濯……。昔の友人に教わったスキルを遺憾なく使った。
ちなみに、その友人の顔はぼんやりとしか思い出せなくなっていた。
********
ところで、その友人いわく俺は“上の下<じょうのげ>の美青年”だそうだ。
そう評価された当時は「そんな事ないです」と否定していたが…………成程。
屋敷内の家政婦たちが、友人いわく<穏やかスマートイケメンな俺>に言い寄ってくる。
ちょっと優しくすると、家政婦たちはきゃあきゃあ言った。…………のでたまに相手をした。
女は俺に抱かれて嬉しい。俺は心の謎の寂しさを一瞬でも埋めることができていい。
昔は気がつかなかったが、顔がいいのは得である。
その友人は昔、俺に「女と付き合え」とやたら出会いの場を設けた。
しかし、俺はことごとくその場から逃げ続けた。
人と親しくなる事が怖かった。
人と仲良くなって、最終的に行き着く先は“性行為”だ。当時の俺は“性行為”を嫌悪していた。金をもらえたり、脅されれば仕方なくソレをしたが、基本的にはしたくなかった。
友人は俺を「可哀想なヤツ」と嘆いた。
その友人が今の俺を見たら「女を抱けるようになったのかぁ!」と喜んでくれるだろうか。
そう考え事をしている間に、俺の下の女が果てた。
********
自分には何もほしい物がなかったので、いただいたお給料はお嬢様が欲しがっていた物を買ってあげて消費した。
すると、ひどく喜ばれて更になつかれた。
おんぶや抱っこも、さんざ要求してきた。
俺のお得意の“作り穏やか笑顔”を信じて、さんざなめきった態度をとりまくった。
屋敷内の家事もこなしてやった。
掃除、縫い物、料理、洗濯……。昔の友人に教わったスキルを遺憾なく使った。
ちなみに、その友人の顔はぼんやりとしか思い出せなくなっていた。
********
ところで、その友人いわく俺は“上の下<じょうのげ>の美青年”だそうだ。
そう評価された当時は「そんな事ないです」と否定していたが…………成程。
屋敷内の家政婦たちが、友人いわく<穏やかスマートイケメンな俺>に言い寄ってくる。
ちょっと優しくすると、家政婦たちはきゃあきゃあ言った。…………のでたまに相手をした。
女は俺に抱かれて嬉しい。俺は心の謎の寂しさを一瞬でも埋めることができていい。
昔は気がつかなかったが、顔がいいのは得である。
その友人は昔、俺に「女と付き合え」とやたら出会いの場を設けた。
しかし、俺はことごとくその場から逃げ続けた。
人と親しくなる事が怖かった。
人と仲良くなって、最終的に行き着く先は“性行為”だ。当時の俺は“性行為”を嫌悪していた。金をもらえたり、脅されれば仕方なくソレをしたが、基本的にはしたくなかった。
友人は俺を「可哀想なヤツ」と嘆いた。
その友人が今の俺を見たら「女を抱けるようになったのかぁ!」と喜んでくれるだろうか。
そう考え事をしている間に、俺の下の女が果てた。
********
自分には何もほしい物がなかったので、いただいたお給料はお嬢様が欲しがっていた物を買ってあげて消費した。
すると、ひどく喜ばれて更になつかれた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
花は全てを語る
ゆーる
恋愛
甘く切ないラブストーリー。
16歳の初恋
学校での虐め。
唯一の支えからの裏切り
今限世界で問題となっている事も
含んだこの作品です。
みなさんは花言葉をどのくらいご存知ですか?
この物語は花言葉を交えて
人の心を読み取れたらと思い
書きます。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる