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元婚約者だった人の、お義父様と結婚することになりました。
しおりを挟む〖序章〗
私はダイアナ・マスカレード侯爵令嬢です、この結婚は政略結婚ですが不満などなく婚約者アルパート・ユルメイル公爵令息に嫁ぐと思っていました昨日までは。
今日は私の結婚式です、式場に着いたら義父親様から、アルパート様がマリアンヌ・フェイスフル男爵令嬢と駆け落ちして行方不明だと訊かされてショックを受けました。
ショックと言っても愛情は無いので、ダメージは少ないけど一応、婚約者ですしショックは受けました。
お義父様が仰いました。
「俺と結婚して白い結婚で離婚したら傷は浅く済むだろう今日は式を一通りこなして、この場を乗りきるんだ良いね?」
この時、私は、アルパート(元婚約者)を思う気持ちは薄く、お義父様も私も、この日を円滑に進める事だけを考えていました。
白い結婚その言葉が胸を傷付けていましたが原因はアルパート様ではありません、お義父様が離婚前提の結婚だと仰って私は、ショックを受けていました。
もしかして私は、お義父様を愛しているのかしら?まだこの気持ちが何か解りません。
神父様が仰いました。
「誓いのキスを!」
私とお義父様は一瞬、固まりましたがお義父様は慣れた様子で、スムーズにキスをすませたのです、口唇が触れて直ぐ離されたのが残念でした。私ったら、お恥ずかしいですわ!
父や母は喜んでくれました!
年は離れていますがお義父様は32歳、金髪碧眼、推定身長185Cm細マッチョ見た目が若くて美丈夫な方です、それに公爵様ですもの誰もが羨むでしょうね。
結局、結婚式をして皆様には後日、説明の書状を送って誤魔化すことに決断しました。
書状の内容は、こう書かれました。
年の離れた婚約なので皆さんからは息子の婚約者だと思われていたようですが彼女ダイアナ・マスカレード侯爵令嬢の婚約者は、ジャンポール・ユルメイル公爵です。
昨日の結婚式はジャンポールとダイアナですので、よろしくお願いいたします。
初めからジャンポール公爵とダイアナ侯爵令嬢との結婚式だ!で、通したようです。
お義父親様が美しく私との違和感なく結婚式を終えて、1つ難題が白い結婚を提案されたのですが私はそのまま、お義父様と夫婦になりたいと願ってます叶わないのでしょうか?
今日からユルメイル公爵家、屋敷に棲むことになります、お屋敷はお城のように絢爛豪華でドキドキしています。
白い結婚で離婚前提の結婚だから部屋は別々が良いかと考えたようですが私が説明しました。
「それだと花嫁は使用人達に虐められ大変らしいのでベッドは同じでお願いします」と、私は提案したのです。
お義父様は手は出さないと誓われました。
(手は出さない!エッ私に魅力無いのですか?)
私は少しガッカリしました同じベッドですよ何もしないのですか?と、言いたいけど、はしたないと思い我慢しました。
遠回しに話したのが解りにくかったのかしら?
湯浴みをして侍女の方たち5人係りでマッサージに香油を塗ってくれ寝間着を着せられてベッドで待ってるとジャンポール様が来られました。
ジャンポール様の寝間着姿は初めて見たのですが、美しくて、もう私の胸は鳴り響いて思わず右手で胸を押さえていました。
(カンカンカンと鳴り響いていました)
旦那様の色気が凄いです普通の結婚でしたら、キスしたり・・・・・・それ以上の事をするのでしょうが私達夫婦は白い結婚と言う約束があります、あああ!旦那様に提案された時、断わればよかったのに泣きそうです。
きっと寝れない!
〖ジャンポール公爵〗
寝台に並んで俺は心臓発作に襲われたと思う程ドキドキしている、ダイアナは俺より16歳下で粉雪のように白い肌、翡翠色の瞳、小ぶりで苺色の唇、ああ!駄目だこれ以上彼女を見てると俺は自制心を保てない、どうにかなりそうだ。
このドキドキは何だ暫く考えてみたが解らない俺の前妻の時は、こんな事はなかったが?
「では今日は、もう休もうか疲れたろう?」
私の胸が痛い程、五月蝿く高鳴っています、これから毎日この常態が続くのでしょうか?
「はい、おやすみなさいませ旦那様」
「おやすみダイアナ」
(ダイアナが、おやすみなさいませ旦那様)
なんて可愛いんだ!
俺は眠れぬ夜を過ごすことになり、なかなか寝れず身体の調子が悪く仕事に支障があるので次の日から寝酒を飲む事にした。
執務室で書類を眺めながら夜中の、ダイアナの可愛い寝顔を思いだして心が穏やかなのを感じ、年甲斐もなく彼女に恋をしたのだろうか?
意識しているのは確かだ結婚することになり、そうゆう感情が芽生えたのか?
だが彼女は俺より若く16歳、俺の息子より若い娘が年寄りと結婚だなんて気の毒だから白い結婚で彼女を早く解放してやろうと考えた。
だが本当に、それで良いのだろうか?
彼女の気持ちを確かめもせず、いいのか?
ダイアナなら直ぐ婚約希望者が現れるだろう俺は笑って手放す事ができるのか?
執事のセバスチャンが執務室に入ってきた。
「旦那様、お客様です」
こんな日に誰が来たんだ?ダイアナは、まだ寝ているのに。
「誰がこんな朝早く?」
「旦那様の幼馴染みのリリアン様です」
また来たのか何度、断わったことか。
「解った応接間に通せ」
〖リリアン伯爵令嬢〗
私はリリアン・テュラム伯爵令嬢でジャンポールとは幼馴染み将来はプロポーズされると思っていたのに、ジャンポール様は早い結婚だったから諦めたけど奥様が亡くなり次ぎは私が結婚できると思っていたら、気が付けばあんな娘と結婚してた。
嫉妬ってこんなにも苦しいものなのね、あの若くて可愛らしい少女に彼は心を奪われている私は頭が、おかしくなりそうだわ。
涙をハンカチーフで押さえながら思いをぶつけた。
「ジャンポール様、私の気持ちご存知なのに、何故ごく普通の娘と結婚したのですか?」
俺が結婚するたびに押し掛けて来る彼女は面倒な人だ!
顔を見るなり俺は言い出した。
「彼女は俺にとって大事な人なんだ」
彼は勘違いしてるのよ。
「息子さんの婚約者だった、それだけでしょう愛情なんて無いわよね?」
「それは違う年が15歳違うから息子の婚約者と誤解されていたんだ。セバスチャン帰ってもらえ」
「はい旦那様、リリアンお嬢様お帰り下さい」
「話はまだ終わってないわ、ジャンポール様訊いてますか?」
子供の頃からジャンポールが好きで公爵が15歳で結婚された時は10歳なので諦めたが、奥様は16歳で産後の日達が悪くて亡くなられた。
5年後に婚約を申し込んだが今はそんな気になれないと断わられてショックを受けたのを覚えている。
その後、1度伯爵と結婚したが上手くいかず離婚して戻ってきた。やっぱり私にはジャンポールでないと私達が結ばれるのは運命なのよ!
私は気に入らないアルパート公爵令息の元婚約者と思っていたら違っていた?ジャンポールの婚約者!ですって、妻の座を手に入れて気楽に暮らしているのだ、赦せる筈がないわジャンポールは私のものよ絶対諦めないわ。
〖旦那様と女性のやり取りを見て〗
ダイアナは朝起きると旦那様と女性の方が何やら揉めてるようなので執務室に入り朝のご挨拶をしたいのですが、そんな雰囲気ではないようです。
話が終わるのを待っていると旦那様が無理矢理女性を追い出すことにしたようで私はビックリしていました。
ジャンポール旦那様はとても優しい方で、あんなに邪険な扱い方をするのでビックリしました。
執事セバスチャンに連れていかれたようです。
私を見て彼女はビックリするような怖い声で話されました。
この女のせいでジャンポール様が私と愛しあう事ができない。
「あんた早く出ていきなさい迷惑よ息子と婚約したら良いのに何故、父親を誘惑して結婚なんてするの?私は赦さないから」
私は怒鳴り散らされ恐かったです。
執事セバスチャンは顔の目尻を上げ悪魔のような微笑みで話した。
「リリアン様、いい加減に私も怒りますよ」
彼女はビビりながら帰られました。
旦那様はドアを開けて私を見付けて抱きしめ。
「ごめんよ、彼女は幼馴染みで何時も断わっているんだが、諦めてくれない俺は幼馴染みとしか思ってないんだが彼女は違うようだ」
仕方ないは旦那様は爵位も財力も見た目も良いのだから、私はニッコリ笑い。
「はい、解っています」
そう返事をするしか、ありませんでした。
〖愛の告白〗
ベッドで俺はダイアナに告白していた。
「俺は君を愛してるかも知れない」
これは、もしかして告白されていますか?
「実は私も旦那様を愛してるかもと思ってます」
ハッキリ愛してると言えないのは仕方ないと思います少し前までジャンポール公爵様は愛する者は亡くなった妻のみ再婚はしないと宣言していたから。
自分の心がダイアナに向いていると自覚し始め隣に寝ているダイアナの寝息を訊いたらドキドキして10代の頃に戻ったような切ない恋をしていたのを思い出し今のこの思いは彼女を愛してると気付いたのだ。
あの頃もこんな気持ちだったな亡くなった妻を愛していたが、今はダイアナを愛してる。
前妻より今は、ダイアナを愛している!
ダイアナは婚約者だったアルパートに恋をしていた?
いや、それは無いわ、婚約者だから愛そうと努力していたけど愛ではないわ、だからアルパートが駆け落ちしてもショックだったが悲しいとかはなかった。
旦那様は違う隣で寝てるのを見てると寝れなくなる、そっと唇に私の唇を重ねたいと願ってしまう、早く本当の夫婦になりたいと毎日願っていました。
そんなこと考えていたら自然に寝ていました。
私はジャンポール様を愛してる隣に彼が寝ていて、こんなにも幸せだと感じています。
結婚して3ヶ月たった頃ベッドで毎日、2人は悶々としていた。
ある日、閨を共にした。
一緒に寝ていた2人は、お互い我慢していたが、ダイアナが等々ジャンポールに抱きつき、キスしていたのだ。
ジャンポールは拒むことはできない『愛してる』と言葉に出していた。
1年後、女の子が産まれてポーリーと名付けられ、ジャンポールは33歳で産まれた子が可愛くて仕方なかった、幸せに暮らしていたら噂を聞いてアルパートが戻ってきた。
自分がしたことは棚上げ元婚約者と父親の結婚、出産に文句をつけてダイアナが美しくなって父の隣で微笑んでいるのが気にくわない、嫉妬のような感情が自分の心の奥に潜んでいて、この気持ちは後悔しているのだと気付き屋敷に戻りたい婚約者に戻りたい俺は馬鹿な事をしたのだと悔やんでいた。
旦那様は私の元婚約者を廃嫡、国外追放しましたが商売で成功したら戻す事を約束していましす、これからの彼の行いで運命は変わり良い方向に進むでしょう。
3年経った頃隣国で大商人がいて、アルパート商会の会頭は元アルパート公爵令息と噂されていた。
ジャンポールに書状が届き読んだらアルパートが商売で大成功したことが書かれてあり屋敷に戻る許可を貰いたいと書いてある。
ダイアナに相談すると、アルパート様が商売を成功させたのですから約束は守りましょうと、ダイアナが言うので戻る事を赦して書状に書いて出した。
3ヶ月立って戻って着た彼は昔より美丈夫で細マッチョになられていました。
応接間で久し振りの再開を喜びあい、アルパートの考え方が紳士的になっていて、ジャンポールは喜び屋敷に戻るよう話しました。
アルパートは敷地内に屋敷を建て資金も自分で出したいと願って、自立した俺を見てほしいと思っているようです。
マリアンヌさんが一緒に居ないのが気になり訊いてみました。
「マリアンヌさんは一緒ではないのですか?」
「3年前別れたよ彼女は運命の人ではないと気付いたんだ、浮気されてね俺が商売で1ヶ月家を留守にしてる間にだ」
浮気した事実を知った日は思ったより冷静で自分でもビックリした。
「手切れ金金貨100枚渡したら喜んでいたよ彼女は俺を愛してた、ふりをしてたんだよ」
「知らないとはいえ質問して、ご免なさい」
ジャンポール様は悲しそうな顔で彼を見ています。
「アルパートも辛い思いをしたんだな」
「これからは4人で暮らすのだから幸せです、ポーリーは俺の妹だし可愛いよ」
❆
アルパートは元は自分の部屋で寛いでいた。
敷地内に建つはずの屋敷が完成するまで元、我が部屋に寝泊まりするよう父親から言われた。
ベッドに靴を履いたまま寝転んで色々考えていていた。
妹があんなに可愛いとは自分の子だともっと可愛いのだろうな、父は俺達より先に亡くなるだろうし、そうなると寄り添い2人の面倒をみても良いかもしれない。
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