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旅行。41
しおりを挟む目覚める前、何時も誰かに謝っている夢を見ている、その人物がハッキリ誰か解れば良いのだが今のところ見当もつかないのだ。
この夢は子供の頃から、ほとんど毎日見ている夢の中で俺は誰かに懇願しているんだ。
起きると必ず水を飲み、朝食を取った後、鍛練して汗を拭きながら、思い出してしまった。
腐敗した彼女の匂いが、まだ脳内に残っているようだ。
「彼女の死体、見ますか?」と、尋ねられて!
「はい」と、答えてしまった。
グロくて、匂いが・・・・・・。暫くの間、食事は無理だな次は断わるぞ。
朝、食べた物を全て吐き出しそうだ。
口をハンカチーフで押さえて耐えていたが結局、俺は我慢できずに吐いてしまった。
愛犬ポチは俺の吐いた物を、クンクン匂いを嗅いでいた!?
きっと、まだ消化されてないから食べようとしてるのか?
執事セバスチャンが阻止して綺麗に片付けていた。
流石、執事セバスチャンである。
ポチはク~ンと残念そうに泣いていた。
「ありがとう、セバスチャン少し休んでくるよ」
暫く休んだ後ポチの散歩のついでに、マイクを迎えに行き1度、俺の部屋でスーツを着替えさせた。
姿見で、マイクは、いろんなポーズをして見ている、嬉しそうに楽しいのだろうか?マイクの嬉しそうな姿を見ると俺も気分が良い。
マイクと2人パーティーで聞き込みをしている。
あの日、船に乗り合わせた人や船に荷物を卸した人物を見ていないか?
思った通り、誰もいないのだ男爵令嬢は船には乗船していない?
じゃあ何処で何をしていたのか?
それは無いな乗船していたのは、俺も見ていないがこの時、初めて見たんだ。
俺は彼女とは初対面で顔や仕草に話し方に立ち振舞いも知らない、目を瞑りあの日の彼女を思い出していた。
そうだ初めて会った日は乗船する前の日で、サミエル子爵と腕を組み散歩の途中から喧嘩を始めたんだ。
あの時のルージュ男爵令嬢の左目下に泣きぼくろがあったが、船で会った彼女には無かったはずだ。
彼女は同じドレス同じアクセサリーを身に付けていた。其れで同じ人物と錯覚したのか?
私は、アップル・エンドル男爵令嬢です、サミエル子爵令息を、お慕いしております。
今日は、私にしか出来ない用事がある、と聞いて参りました。全身美しく磨き上げてくださり、幸せです。
侍女の方が磨き上げてくれたのです、誤解されませんように。
サミエル子爵令息は私にシーサイドホテル・リントのパーティーに参加して、ある男性と知り合ってほしいと言われて戸惑ったのです。
ここまで着飾り美しくしてくれたのには、ある方と親しくなれと言っているのです。
断ることはできません、これからパーティーに行きますが不安でたまりません。
彼は、やはり私のことは、どうでもよくて利用する為に会っていたのね、深い溜め息がでました。
はあ、右目から、ひらりと一滴・・・。
薄々、感じていたけど他の男性を誘惑しろ、と言われてショックです。ですが、私は、承諾しました。彼が喜んでくれるなら、それで幸せなんです。
それに彼を信じたいのです!
ああ、白い大きな扉が見えます。
もう、後戻りはできません!
今、ドアマン2人で観音開きの扉が開かれます。
キィィ
そして、私の名前を読み上げられます。
アップル・エンドル男爵令嬢です。
一瞬ですが、私に視線が向きました。
大広間の中心に向かい指示された男性に近づいていきます。
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