43 / 49
旅行。37
しおりを挟むマイクは歩きながら考えていた。男性に絡まれて3等車両から1等まで逃れてたのか?
この沈黙を彼女なりに推測して、もしかして3等から1等まで何しに来たのか?この時間帯に?とか思われてるかしら?
何か良い言い訳を考えないと。
「この寝台列車は、私にとっては贅沢な物で1等車両を見てみたかったから探索してたんです」
「成る程、そう言うことですか僕は貴女の知り合いの方が1等寝台列車に乗って居るで探しているのかと思いました」
侯爵令嬢が1等寝台列車が贅沢か・・・。
「まあ、誤解ですわ」
冷や汗って本当に出るのね、背中がビッショリだわ。
「そうでしたか、申し訳ありません、ご令嬢が美しい方なので、からかってしまいました」
ケラケラ笑って、さっきまでの不信感は消えた様子です。
「まあ、お上手ですこと」
マイクはシェーン公爵が日頃から女性に使っている言い回しを使ってみた。どうやら上手くいったようだ。
次の日、1等寝台列車で死体が発見された。
豪華寝台列車で死体が発見されたので大騒ぎで、シェーン公爵は知り合いのソリティ・ドルナリア警部補と、ベンジャミン・フランクリン巡査に連絡した。
丁度、隣街にあの2人が捜査で出張していて直ぐ駅に行くと話していた。
パトカーそれもサイレンを鳴らして1時間程で着いて、ソリティ警部補と、ベンジャミン巡査が到着した。
ハッキリ言うと無茶苦茶、目立っている犯人居てたら逃げ出したと思う。
まあ、ソリティ警部補みたいに爵位があって、警部補だと怒れる人も少ないだろう。シェーン公爵と一緒に捜査を始めた。
豪華1等寝台列車での殺人事件、被害者は男性で推定年齢20代前半、腹部を見ると出血している、シャツを、まくり上げて男の腹を見て刺されたと判断した。が、おかしい今、指が動いた!
うわぁ! ビビった、おもわず後ろに飛びはねていた。
死体だと思いこんでいたが生きているのか?
シェーン公爵が代わりに死体?寝ている?
男の脈診を診たら反応がある!
「救急車を頼む生きているぞ!」
車掌はシェーン公爵とソリティ警部補に報告した。
「あの方は、豪華1等寝台列車のお客様、エジンバラ・ケルセチン伯爵様です」
「なんだって!1等まで案内頼む」
「はい、こちらです」
1等寝台列車に着いて、中に入ると誰もいない車掌が言うには女性が一緒に居たと証言している。
ベンジャミン巡査が言い出した。
「女性は逃げ出したのでしょうか?」
シェーン公爵が独り言の様にぶつぶつ言い出した。
「犯人だから逃げ出した!だが、普通逃げ出すと疑われる・・・・・・自分が誰か解らないから消えても大丈夫と思ったのか?」
ソリティ警部補が車掌に訊ねた。
「名前とか住所は解りますか?」
車掌がメモを見て。
「男性は、エジンバラ・ケルセチン伯爵25歳です、女性は書かれませんでした」
「そうか、ありがとうエジンバラ伯爵は病院に運ばれたのですか?」
「はい、出血はありましたが死ぬ程の傷では、ないようです」
「ありがとう」
※
男女の影が月の光で長く伸びている、抱きあいながら話している。
先ほどまで、2等寝台列車で仰せを重ねていた女性だが最近何かと面倒臭い言動が増えていた。
「貴女に奥様がいるのは、知っていましたが、もう忍ぶ恋には耐えられないです」
「・・・・・・」
14
お気に入りに追加
192
あなたにおすすめの小説
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。
夢風 月
恋愛
カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。
顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。
我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。
そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。
「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」
そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。
「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」
「……好きだからだ」
「……はい?」
いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。
※タグをよくご確認ください※
酷い扱いを受けていたと気付いたので黙って家を出たら、家族が大変なことになったみたいです
柚木ゆず
恋愛
――わたしは、家族に尽くすために生まれてきた存在――。
子爵家の次女ベネディクトは幼い頃から家族にそう思い込まされていて、父と母と姉の幸せのために身を削る日々を送っていました。
ですがひょんなことからベネディクトは『思い込まれている』と気付き、こんな場所に居てはいけないとコッソリお屋敷を去りました。
それによって、ベネディクトは幸せな人生を歩み始めることになり――反対に3人は、不幸に満ちた人生を歩み始めることとなるのでした。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。
アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。
いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。
だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・
「いつわたしが婚約破棄すると言った?」
私に飽きたんじゃなかったんですか!?
……………………………
6月8日、HOTランキング1位にランクインしました。たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる