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旅行。26
しおりを挟む僕はサミエル子爵令息、最近調子にのって色んな女性と付き合って、シルビア侯爵令嬢と喧嘩になりこのままだと僕は不味いことになる!
シルビア侯爵令嬢が僕の家より爵位も財産まで上なのに、彼女に優しい言葉も掛けていない、花の1輪のプレゼントも送った事もなく浮気ばかりする僕に愛想を尽かすだろう。
初めてシルビア侯爵令嬢の顔をじっくり見て、彼女なら他の相手が幾らでも見付かる、そうだこんな僕と結婚なんかするべきでは無い!
そう思いシルビア嬢に別れの言葉を、愛を語るように話した。
最後の言葉は辛かった。
「君を思わぬ日は無いだろう、愛してるが婚約解消してくれないか?」
「初めて私を見てくれた貴方は私に、別れの言葉を語られるのですね?」
シルビア侯爵令嬢は、涙を流してるように見えたが僕には見られたくないようだ。
言葉に出すのが難しく僕は、シルビア嬢の肩を掴み引き寄せて唇を重ねていた。
不味い!どうしたものかシルビア侯爵令嬢は今更、僕のものには出来ないのに、キスをしてどうするんだ。いや、違う彼女を愛しているんだ。
そうか・・・やっと分かった。
サミエル子爵は婚約者であるシルビア嬢と、ホテルのエンテランスの観葉植物に、隠れて目立たないと思って大胆に唇を重ねていた。
私は、見た目はパッとせず爵位は男爵ですがサミエル子爵様をお慕いするようになりました。今日は、私と過ごしてくれると約束したのに見知らぬ令嬢と接吻してるのを見てショックを受けています。
サミエル子爵とは始めに約束事をしていましたた。
婚約者が居るので、君は浮気相手になる面倒事は決して起こさない事、我が儘は言わない約束を破ると即、縁を切ると取り決めをしていたのです。
ですが他の女性と一緒にいる現場を見たら約束何て忘れていました。
彼女は誰なの?その女が大事な婚約者なの?
約束事を忘れて大声で叫んでいた。
「サミエル子爵様、その方は誰なのですか?」
声がする方を見ると、今日会う約束をしていた令嬢だった。すっかり忘れていたのだ。
婚約者はサミエル子爵令息から咄嗟に離れようとしたが彼がその行動を許さなかった。
「ごめん、また君を傷つけた。だが僕は君を忘れるのは無理みたいなんだ!」
サミエル子爵令息の言葉で決意をした。
「早く、あの方の所に!」
「君は?」
「このホテルのスイートに宿泊してるから待っているわ」
「必ず行くから待って、いてくれ」
手と手を握りあい放すのも嫌だったが仕方ない。
彼女に待っててと先に行かせてから、令嬢に俺の知り合いの女性に成りすまして欲しいと頼んだのだ。
ドレスを変えて化粧に髪型、帽子は綺麗な鳥の羽根や刺繍をしてある、高価な物で見違える程、美しい貴婦人の出来上がりだ。
彼女の名は・・・・・・エリーゼ?エリス?ん?アップルだった!アップル伯爵令嬢だ。
まあ、思い出したので良いよな!
明日、ホテルユートピアでのパーティーで聞き込みをするため、マイクのスーツが必要なのだ。
マイクのスーツをコミカで着せて見ると別人、まるで貴族の御子息の様だ。
これで、言葉遣いも品があれば完璧なのだが昨日今日で、身に付くわけは無いが・・・・・・。
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