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ダン・ドリンクの思い。19
しおりを挟む平民は無理でも、貴族や王族なら痕跡を消すことくらいできる!
死体が消えたなら、それが出来る程の権力者がしたはずです。
シェーン公爵とヴィヴィアンは見つめ合い、二人はひらめいた。感覚が瞬間的に着想をえたのだ。
「・・・・・・!?」
彼の死体の痕跡を消すことが出来る程の権力者は・・・・・・王族です。
❆
ダン・ドリンク侯爵が、3年前、故郷に戻る決心をしていたあの日、2人の男女の抱きあう姿を見てしまった。
その時の女性が彼を刺した犯人なのか?彼の妻役をしていた女性が犯人なのか正直、どちらとも言えない、判断する記憶があやふやだが2人に刺された可能性もあるだろう、もしも偶然あの時、見た女性なら、これからも屋敷に戻るわけにはいかない。
それ程の大物の妻なのだ。そう思う程、周りに護衛が居たのだ。初めは護衛が居る事は気づかずにいた。その護衛兵士は王家専属だと思う、軍服を着ていたわけではない庶民が着る服装だが、動き方、目つきで、そう確信したのだ。
最近、元上司が色々、教えてくれている相手の男も大物だった。噂話しが出たら俺が疑われて殺害命令がくだされるだろう、そう考えたら妻や娘のことを思うと我が屋敷に戻るのは止めた方が皆の為に、そう思い元上司が進めるアパートに住んでいる。
彼女が刺したのであれば大した事ではないが、彼は妻に何かあったら後悔するだろう、今はヒッソリ1人で暮らしている、寂しくないとは言わないだろう、恋しくて、妻と娘に会いたい。
❆
C長官は月に1度、ダン侯爵への生活費を届けに来ている。
組織のトップは彼だが彼も雇われの身だ、夕食の材料も買って台所にあるテーブルの上に置いた。
彼が住んでいる、アパートは外観もボロボロで中は匂いが鼻につく程、臭う。
「C長官お久しぶりです、よく来てくれました」
「すまないね、こんな生活させて君の娘婿の御友人が訪ねてこられてね少しだけ説明したよ」
「娘は元気にしていますか?」
「結婚しているよ、お相手はルーク・ダルシュール侯爵、君の娘は幸せに暮らしているよ」
「そうですか幸せなら良かったです」
「ただ、君の奥さんが離婚したいようだ」
一瞬ダンの顔色が曇った。
今まで連絡もしないで放置していたのだ。離婚したいと思うよな、だが僕は今でも彼女を愛している。
「・・・・・・僕は、まだ彼女を愛しています」
膝の上に両手を置いて握り締めて泣きそうなのを我慢していた。
「俺には分かってるよ、だが奥様には伝えないと、分からないと思うがね」
あんたが連絡するなって言ったんだろうが!と、怒鳴りたいのを我慢した。
「そうですね、手紙書くので渡してください」
「書くまで待つよ」
①帰れなかった理由。
②1回だけの過ち。
③Cと言う組織で働いていた。
④家族にもに嘘をついていた。
こんなふうに書き出してみると、仕事だと言いながら酷い仕打ちをしていたと自覚できた。
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