1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。

尾道小町

文字の大きさ
上 下
25 / 49

ダン・ドリンクの思い。19

しおりを挟む




平民は無理でも、貴族や王族なら痕跡を消すことくらいできる!


死体が消えたなら、それが出来る程の権力者がしたはずです。

シェーン公爵とヴィヴィアンは見つめ合い、二人はひらめいた。感覚が瞬間的に着想をえたのだ。
「・・・・・・!?」


彼の死体の痕跡を消すことが出来る程の権力者は・・・・・・王族です。






ダン・ドリンク侯爵が、3年前、故郷に戻る決心をしていたあの日、2人の男女の抱きあう姿を見てしまった。


その時の女性が彼を刺した犯人なのか?彼の妻役をしていた女性が犯人なのか正直、どちらとも言えない、判断する記憶があやふやだが2人に刺された可能性もあるだろう、もしも偶然あの時、見た女性なら、これからも屋敷に戻るわけにはいかない。


それ程の大物の妻なのだ。そう思う程、周りに護衛が居たのだ。初めは護衛が居る事は気づかずにいた。その護衛兵士は王家専属だと思う、軍服を着ていたわけではない庶民が着る服装だが、動き方、目つきで、そう確信したのだ。


最近、元上司が色々、教えてくれている相手の男も大物だった。噂話しが出たら俺が疑われて殺害命令がくだされるだろう、そう考えたら妻や娘のことを思うと我が屋敷に戻るのは止めた方が皆の為に、そう思い元上司が進めるアパートに住んでいる。

彼女が刺したのであれば大した事ではないが、彼は妻に何かあったら後悔するだろう、今はヒッソリ1人で暮らしている、寂しくないとは言わないだろう、恋しくて、妻と娘に会いたい。






C長官は月に1度、ダン侯爵への生活費を届けに来ている。


組織のトップは彼だが彼も雇われの身だ、夕食の材料も買って台所にあるテーブルの上に置いた。


彼が住んでいる、アパートは外観もボロボロで中は匂いが鼻につく程、臭う。


「C長官お久しぶりです、よく来てくれました」


「すまないね、こんな生活させて君の娘婿の御友人が訪ねてこられてね少しだけ説明したよ」


「娘は元気にしていますか?」


「結婚しているよ、お相手はルーク・ダルシュール侯爵、君の娘は幸せに暮らしているよ」


「そうですか幸せなら良かったです」


「ただ、君の奥さんが離婚したいようだ」


一瞬ダンの顔色が曇った。


今まで連絡もしないで放置していたのだ。離婚したいと思うよな、だが僕は今でも彼女を愛している。


「・・・・・・僕は、まだ彼女を愛しています」
膝の上に両手を置いて握り締めて泣きそうなのを我慢していた。


「俺には分かってるよ、だが奥様には伝えないと、分からないと思うがね」


あんたが連絡するなって言ったんだろうが!と、怒鳴りたいのを我慢した。
「そうですね、手紙書くので渡してください」


「書くまで待つよ」



①帰れなかった理由。

②1回だけの過ち。

③Cと言う組織で働いていた。

④家族にもに嘘をついていた。

こんなふうに書き出してみると、仕事だと言いながら酷い仕打ちをしていたと自覚できた。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女官になるはずだった妃

夜空 筒
恋愛
女官になる。 そう聞いていたはずなのに。 あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。 しかし、皇帝のお迎えもなく 「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」 そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。 秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。 朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。 そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。 皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。 縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。 誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。 更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。 多分…

私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。

夢風 月
恋愛
 カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。  顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。  我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。  そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。 「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」  そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。 「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」 「……好きだからだ」 「……はい?」  いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。 ※タグをよくご確認ください※

新婚なのに旦那様と会えません〜公爵夫人は宮廷魔術師〜

秋月乃衣
恋愛
ルクセイア公爵家の美形当主アレクセルの元に、嫁ぐこととなった宮廷魔術師シルヴィア。 宮廷魔術師を辞めたくないシルヴィアにとって、仕事は続けたままで良いとの好条件。 だけど新婚なのに旦那様に中々会えず、すれ違い結婚生活。旦那様には愛人がいるという噂も!? ※魔法のある特殊な世界なので公爵夫人がお仕事しています。

寡黙な貴方は今も彼女を想う

MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。 ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。 シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。 言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。 ※設定はゆるいです。 ※溺愛タグ追加しました。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

妹を溺愛したい旦那様は婚約者の私に出ていってほしそうなので、本当に出ていってあげます

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族令嬢であったアリアに幸せにすると声をかけ、婚約関係を結んだグレゴリー第一王子。しかしその後、グレゴリーはアリアの妹との関係を深めていく…。ある日、彼はアリアに出ていってほしいと独り言をつぶやいてしまう。それを耳にしたアリアは、その言葉の通りに家出することを決意するのだった…。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...