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第102話 混乱の中で
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大騒動になっている学園内。
そこで発見したのはロミーナの姉であるエクリアさんだった。
彼女もまた学園に通っているのだから、ここにいること自体に違和感はない。だが、俺が気になっているのはエクリアさんの冷静さだった。
以前、ロミーナはエクリアさんが学園でもトップクラスに優秀な成績を修めているエリートだと聞いた。
だからこういった場面に出くわしても他の生徒とは違って冷静に対処できる――とは思うのだが、あまりにも冷静すぎやしないか?
生徒は寮内へ避難をするよう指示が出ているにもかかわらず普通に外を出歩いているし、何より教職員も何が起きたか分からずてんてこ舞いの状態だ。
それでいてあの落ち着きよう……何かありそうだな。
「モリスさん」
「ダメですよ、アズベル様」
「まだ何も言ってないのに!?」
これからお願いしようとしたら先を越された。
さすがはモリスさんだ。
俺のことをよく分かっている。
「何か無茶をヤル気でしょう?」
「いやいや、まだ無茶かどうか……外にエクリアさんがいたんだ」
「エクリア様というと、ロミーナ様の姉の?」
「そう。何か様子も変だったし……もしかしたら、この結界魔法と関係があるかも」
「まさか」
まあ、モリスさんがそういう反応になってしまうのも無理はない。
表向きは品行方正で通っているらしいが……ロミーナにとってはあまりいい思い出のない姉だからな。
原作では名前すら存在しないモブキャラ以下の扱いだが、ロミーナが女帝として人々を苦しめるボスキャラになった影には間違いなく彼女の影響がある。
だとすると、放っておけない。
もしかしたらここでロミーナに対して何かを仕掛けるかもしれないからだ。
それならあの結界魔法も説明がつく。
ロミーナを逃がさないための策だろう。
……けど、なぜ今なのだろう。
学園見学もあっていつもより人が多く、悪事を働けばバレるリスクは高そうなのに。
もしかしたら……何か別の狙いがあるのか?
「とにかくエクリアさんに話を聞いてみるよ」
「お待ちください、アズベル様」
「大丈夫だって。すぐに戻ってくるから」
「いえ、そうではなく――私もおともいたします」
「モリスさん!」
「どのみち私の目を盗んで外に飛び出しそうですからね。それならば最初からついていった方がリスクは少ないので」
「ありがとう!」
「俺も行きますよ、アズベル様」
そう言ってくれたのはカルロだった。
「頼もしいな、カルロ。よろしく」
「お任せください」
こうして、俺たち三人はこっそり寮を出てエクリアさんの後を追った。
そこで発見したのはロミーナの姉であるエクリアさんだった。
彼女もまた学園に通っているのだから、ここにいること自体に違和感はない。だが、俺が気になっているのはエクリアさんの冷静さだった。
以前、ロミーナはエクリアさんが学園でもトップクラスに優秀な成績を修めているエリートだと聞いた。
だからこういった場面に出くわしても他の生徒とは違って冷静に対処できる――とは思うのだが、あまりにも冷静すぎやしないか?
生徒は寮内へ避難をするよう指示が出ているにもかかわらず普通に外を出歩いているし、何より教職員も何が起きたか分からずてんてこ舞いの状態だ。
それでいてあの落ち着きよう……何かありそうだな。
「モリスさん」
「ダメですよ、アズベル様」
「まだ何も言ってないのに!?」
これからお願いしようとしたら先を越された。
さすがはモリスさんだ。
俺のことをよく分かっている。
「何か無茶をヤル気でしょう?」
「いやいや、まだ無茶かどうか……外にエクリアさんがいたんだ」
「エクリア様というと、ロミーナ様の姉の?」
「そう。何か様子も変だったし……もしかしたら、この結界魔法と関係があるかも」
「まさか」
まあ、モリスさんがそういう反応になってしまうのも無理はない。
表向きは品行方正で通っているらしいが……ロミーナにとってはあまりいい思い出のない姉だからな。
原作では名前すら存在しないモブキャラ以下の扱いだが、ロミーナが女帝として人々を苦しめるボスキャラになった影には間違いなく彼女の影響がある。
だとすると、放っておけない。
もしかしたらここでロミーナに対して何かを仕掛けるかもしれないからだ。
それならあの結界魔法も説明がつく。
ロミーナを逃がさないための策だろう。
……けど、なぜ今なのだろう。
学園見学もあっていつもより人が多く、悪事を働けばバレるリスクは高そうなのに。
もしかしたら……何か別の狙いがあるのか?
「とにかくエクリアさんに話を聞いてみるよ」
「お待ちください、アズベル様」
「大丈夫だって。すぐに戻ってくるから」
「いえ、そうではなく――私もおともいたします」
「モリスさん!」
「どのみち私の目を盗んで外に飛び出しそうですからね。それならば最初からついていった方がリスクは少ないので」
「ありがとう!」
「俺も行きますよ、アズベル様」
そう言ってくれたのはカルロだった。
「頼もしいな、カルロ。よろしく」
「お任せください」
こうして、俺たち三人はこっそり寮を出てエクリアさんの後を追った。
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