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第90話 夢と希望の学園生活
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いよいよ学園見学当日がやってきた。
見学とはいえ、実際に授業や演習を受けたりするらしいので、どちらかというと体験入学って方が正しいのかもしれない。
俺とロミーナは楽しみにしているが、両親はそういうわけにもいかないらしい。
特に父上はウィドマーク家の総力を結集して挑むみたいな雰囲気を醸しだしており、当日は馬車を十台近く用意しての大移動をする気だという。
これはただ単に見栄を張っているというわけではなく、ロミーナのためでもあった。
何せもとは公爵家のご令嬢だからな。
恥をかかせまいと奮闘してくれていたのだ。
父上が学園見学の準備に汗を流す中、俺とロミーナはいつもと変わらない穏やかな日々を送っていた。
氷魔法をさらに極めるため、ロミーナとイルデさんの魔法特訓はかなりハイレベルなものへと突入。魔法兵団とも親交のあるパウリーネさんやモリスさんは「魔法兵団よりもハードな鍛錬じゃないか?」と呆気に取られていた。
一方、俺は相変わらず物づくりに精を出している。
ここ最近はよからぬ連中の横槍もあってなかなか集中できなかったけど、それが落ち着いたら急に創作意欲が湧いてきていろんなアイテムを作っては生産魔法に磨きをかけていった。
領民たちの生活に少しでも役に立ってもらえたらという一心で作りつつ、愛用の魔銃の強化にも余念がなかった。
本音を言えば、もう戦うようなマネはしたくないけど……黒幕がまだ捕まっていない以上は油断できない。特に学園へ通うようになったらこれまでのようにパウリーネさんやモリスさんがベッタリそばについて護衛してくれるというわけにはいかなくなるからな。
「アズベル様、そろそろ出発の準備が整うようです」
そうこうしているうちに、モリスさんが俺を呼びに来る。
「ありがとう、モリスさん」
「馬車にはロミーナ様の他に私とパウリーネも同乗します。少々狭くなってしまいますが、ご容赦ください」
「頼もしいふたりがいてくれるんだから心強いよ」
「ありがとうございます」
相変わらず真面目だなぁ、モリスさんは。
もうちょっと砕けた感じでもいいと思うんだけど――って、それはロミーナがパウリーネさんに対しても抱いていた唯一の不満点だったな。まあ、それくらいきっちりしてくれていた方が守られる側としては頼れるポイントになるわけだけど。
ともかく、遠征の準備はできたらしいので屋敷の外へ。
「うわっ……」
思わず声が出てしまうほどの大所帯であった。
本当にこの数で学園に行くのか……?
多少の不安を抱えつつ、俺たちは用意された馬車に乗り込み、学園を目指して屋敷を出発した。
見学とはいえ、実際に授業や演習を受けたりするらしいので、どちらかというと体験入学って方が正しいのかもしれない。
俺とロミーナは楽しみにしているが、両親はそういうわけにもいかないらしい。
特に父上はウィドマーク家の総力を結集して挑むみたいな雰囲気を醸しだしており、当日は馬車を十台近く用意しての大移動をする気だという。
これはただ単に見栄を張っているというわけではなく、ロミーナのためでもあった。
何せもとは公爵家のご令嬢だからな。
恥をかかせまいと奮闘してくれていたのだ。
父上が学園見学の準備に汗を流す中、俺とロミーナはいつもと変わらない穏やかな日々を送っていた。
氷魔法をさらに極めるため、ロミーナとイルデさんの魔法特訓はかなりハイレベルなものへと突入。魔法兵団とも親交のあるパウリーネさんやモリスさんは「魔法兵団よりもハードな鍛錬じゃないか?」と呆気に取られていた。
一方、俺は相変わらず物づくりに精を出している。
ここ最近はよからぬ連中の横槍もあってなかなか集中できなかったけど、それが落ち着いたら急に創作意欲が湧いてきていろんなアイテムを作っては生産魔法に磨きをかけていった。
領民たちの生活に少しでも役に立ってもらえたらという一心で作りつつ、愛用の魔銃の強化にも余念がなかった。
本音を言えば、もう戦うようなマネはしたくないけど……黒幕がまだ捕まっていない以上は油断できない。特に学園へ通うようになったらこれまでのようにパウリーネさんやモリスさんがベッタリそばについて護衛してくれるというわけにはいかなくなるからな。
「アズベル様、そろそろ出発の準備が整うようです」
そうこうしているうちに、モリスさんが俺を呼びに来る。
「ありがとう、モリスさん」
「馬車にはロミーナ様の他に私とパウリーネも同乗します。少々狭くなってしまいますが、ご容赦ください」
「頼もしいふたりがいてくれるんだから心強いよ」
「ありがとうございます」
相変わらず真面目だなぁ、モリスさんは。
もうちょっと砕けた感じでもいいと思うんだけど――って、それはロミーナがパウリーネさんに対しても抱いていた唯一の不満点だったな。まあ、それくらいきっちりしてくれていた方が守られる側としては頼れるポイントになるわけだけど。
ともかく、遠征の準備はできたらしいので屋敷の外へ。
「うわっ……」
思わず声が出てしまうほどの大所帯であった。
本当にこの数で学園に行くのか……?
多少の不安を抱えつつ、俺たちは用意された馬車に乗り込み、学園を目指して屋敷を出発した。
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