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第83話 突破口
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三対一の戦い。
数ではこちらが有利と言えるが、それでも敵の魔法使いは余裕の態度を崩していない。ロミーナの氷魔法も俺の魔銃による攻撃も完封されてしまったからな……今のままではヤツにやられるのを待つだけだ。
しかし、イルデさんが活路を見出したらしい。
「君たちはさっきと同じように攻撃を仕掛けてくれ」
「えっ? で、でも――」
「気にかける必要はない。一斉攻撃で彼女の防御魔法を引きだしてくれ」
「っ! 分かりました!」
どうやらロミーナはイルデさんの狙いを理解したらしい。ここは魔法使い同士――そして師弟関係でもふたりだからこそ分かり合えるのだろう。
となると、俺は足を引っ張らないように指示通り行動しなくちゃいけない。
「行こう! ロミーナ!」
「えぇ!」
俺とロミーナは自分たちが標的であることも忘れて敵の魔法使いへと突っ込んでいく。向こうも向こうで捕まえようという素振りはなく、真正面から迎え撃つようだ。
それだけ勝つ自信があるということなのだろう。
……突くならそこしかない。
「絶対に自分が勝つ」――という揺らぐことのない自信が、わずかな隙を生みだす可能性もある。そこに賭けるしかなかった。
「「はああああああっ!」」
俺とロミーナはタイミングを合わせて敵の魔法使いへと攻撃開始。
案の定、あっさりと防がれてしまったわけだが――そこへさらに追撃の魔法攻撃がイルデさんから放たれた。
直後、敵の魔法使いの表情が崩れた。
目を見開き、明らかに動揺している様子が見て取れる。
「その防御壁は瞬間的な高威力魔法に弱い。とはいえ、単体での魔法攻撃ではダメージに限界があるため、こうした連続攻撃が有効なんだ。――君たちの勇気ある行動のおかげで突破口が開けたよ」
まるで俺たちに講義をしているような口調で教えてくれたイルデさん。
俺たちの奇襲が攻略の糸口となった……ダメージは与えられなかったけど、なんだか誇らしい気持ちだ。
――と、暢気に考えている場合じゃない。
イルデさんの魔法は魔力によって生みだされた防御壁に阻まれるも、それには大きなヒビが入っており、今にも砕け散りそうだった。
「頑張るじゃないか。――なら、これでどうだい?」
トドメとばかりに追撃を加えるイルデさん。
これが決定打となった。
防御壁は「ガシャン!」というガラスを割ったような音を立てて消滅。
これで敵の魔法使いを守る盾は完全になくなった。
さあ、ここからが本番だ。
数ではこちらが有利と言えるが、それでも敵の魔法使いは余裕の態度を崩していない。ロミーナの氷魔法も俺の魔銃による攻撃も完封されてしまったからな……今のままではヤツにやられるのを待つだけだ。
しかし、イルデさんが活路を見出したらしい。
「君たちはさっきと同じように攻撃を仕掛けてくれ」
「えっ? で、でも――」
「気にかける必要はない。一斉攻撃で彼女の防御魔法を引きだしてくれ」
「っ! 分かりました!」
どうやらロミーナはイルデさんの狙いを理解したらしい。ここは魔法使い同士――そして師弟関係でもふたりだからこそ分かり合えるのだろう。
となると、俺は足を引っ張らないように指示通り行動しなくちゃいけない。
「行こう! ロミーナ!」
「えぇ!」
俺とロミーナは自分たちが標的であることも忘れて敵の魔法使いへと突っ込んでいく。向こうも向こうで捕まえようという素振りはなく、真正面から迎え撃つようだ。
それだけ勝つ自信があるということなのだろう。
……突くならそこしかない。
「絶対に自分が勝つ」――という揺らぐことのない自信が、わずかな隙を生みだす可能性もある。そこに賭けるしかなかった。
「「はああああああっ!」」
俺とロミーナはタイミングを合わせて敵の魔法使いへと攻撃開始。
案の定、あっさりと防がれてしまったわけだが――そこへさらに追撃の魔法攻撃がイルデさんから放たれた。
直後、敵の魔法使いの表情が崩れた。
目を見開き、明らかに動揺している様子が見て取れる。
「その防御壁は瞬間的な高威力魔法に弱い。とはいえ、単体での魔法攻撃ではダメージに限界があるため、こうした連続攻撃が有効なんだ。――君たちの勇気ある行動のおかげで突破口が開けたよ」
まるで俺たちに講義をしているような口調で教えてくれたイルデさん。
俺たちの奇襲が攻略の糸口となった……ダメージは与えられなかったけど、なんだか誇らしい気持ちだ。
――と、暢気に考えている場合じゃない。
イルデさんの魔法は魔力によって生みだされた防御壁に阻まれるも、それには大きなヒビが入っており、今にも砕け散りそうだった。
「頑張るじゃないか。――なら、これでどうだい?」
トドメとばかりに追撃を加えるイルデさん。
これが決定打となった。
防御壁は「ガシャン!」というガラスを割ったような音を立てて消滅。
これで敵の魔法使いを守る盾は完全になくなった。
さあ、ここからが本番だ。
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