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第79話 驚異の存在
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着実に屋敷へと近づいてくる敵の魔法使い。
こちらで戦える術を持っているのは、俺とイルデさんくらいしかいない。
二対一。
数で言えばこちらが有利なのだが、相手の魔法使いはあのイルデさんの目を欺くほどの実力者。こちらにもうひとりくらい、イルデさんに匹敵するような魔法使いがいてくれたら――
「っ!」
不意に頭をよぎったのは……ロミーナの存在であった。
原作ゲームではボスキャラのひとりとなっており、その圧倒的な氷魔法の力で主人公たちを苦しめる――って、ダメだ。彼女を戦いには巻き込めない。せっかくそういったところから遠ざかり始めているのに台無しとなってしまう。
「アズベル、ロミーナ、ふたりはここから絶対に出ないでね」
悩んでいたら、突然イルデさんがそんなことを告げる。
そして次の瞬間、窓を開けて外へと飛びだした。
「イ、イルデさん!?」
ここは二階だ。
落ちたらタダではすまない。
俺とロミーナは慌てて窓へと駆け寄って外を見回す。
すると、そこにはさも当然かのように宙に浮くイルデさんの姿が……そりゃあ魔法使いなんだか空くらい飛べるか。
安心をしつつ、俺はロミーナと一緒に窓を閉めた。
「ど、どうしよう……イルデさんが……」
「大丈夫だよ、ロミーナ。あの人は君の師匠じゃないか。その強さは誰よりも君自身が一番よく分かっているはずだろ?」
「そ、それは……そうよね。きっと勝ってくれるよね」
「もちろん。イルデさんが負けるところなんて想像できないよ」
これについては嘘偽りのない本音だ。
魔法使いとしての実力は上位に位置する本物の魔女。今回もきっとあっさりと片づけてくれるはず。……まあ、願望も入っているけどね。
しばらくすると、俺たちの知らない魔力が接近してくるのが分かった。こうやって肌で感じられるということは、それだけ相手との距離が縮まっている証拠だ。
同時に、イルデさんも魔力を集め始めた。
……本気で戦う気だ。
本気を出さないといけないくらいの相手だって認めているのだ。
やはり俺も加勢に行くべきだろうか。
魔銃の方へ眼をやった瞬間、隣にいたロミーナが「あっ!」と声をあげる。それにつられて俺も外へと視線を向けると――ついに敵の魔法使いがその姿を現す。
だが、
「なっ!?」
その意外すぎる姿に、俺は思わず叫んだ。
こちらで戦える術を持っているのは、俺とイルデさんくらいしかいない。
二対一。
数で言えばこちらが有利なのだが、相手の魔法使いはあのイルデさんの目を欺くほどの実力者。こちらにもうひとりくらい、イルデさんに匹敵するような魔法使いがいてくれたら――
「っ!」
不意に頭をよぎったのは……ロミーナの存在であった。
原作ゲームではボスキャラのひとりとなっており、その圧倒的な氷魔法の力で主人公たちを苦しめる――って、ダメだ。彼女を戦いには巻き込めない。せっかくそういったところから遠ざかり始めているのに台無しとなってしまう。
「アズベル、ロミーナ、ふたりはここから絶対に出ないでね」
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そして次の瞬間、窓を開けて外へと飛びだした。
「イ、イルデさん!?」
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落ちたらタダではすまない。
俺とロミーナは慌てて窓へと駆け寄って外を見回す。
すると、そこにはさも当然かのように宙に浮くイルデさんの姿が……そりゃあ魔法使いなんだか空くらい飛べるか。
安心をしつつ、俺はロミーナと一緒に窓を閉めた。
「ど、どうしよう……イルデさんが……」
「大丈夫だよ、ロミーナ。あの人は君の師匠じゃないか。その強さは誰よりも君自身が一番よく分かっているはずだろ?」
「そ、それは……そうよね。きっと勝ってくれるよね」
「もちろん。イルデさんが負けるところなんて想像できないよ」
これについては嘘偽りのない本音だ。
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しばらくすると、俺たちの知らない魔力が接近してくるのが分かった。こうやって肌で感じられるということは、それだけ相手との距離が縮まっている証拠だ。
同時に、イルデさんも魔力を集め始めた。
……本気で戦う気だ。
本気を出さないといけないくらいの相手だって認めているのだ。
やはり俺も加勢に行くべきだろうか。
魔銃の方へ眼をやった瞬間、隣にいたロミーナが「あっ!」と声をあげる。それにつられて俺も外へと視線を向けると――ついに敵の魔法使いがその姿を現す。
だが、
「なっ!?」
その意外すぎる姿に、俺は思わず叫んだ。
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