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第77話 新しい力
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あれから二日が経った。
普段は穏やかな空気が流れているパルザン地方だが、ここ数日の間は物々しい空気に包まれている。理由は王都から派遣された騎士団と魔法兵団の大部隊が原因だった。
しかし、ここまで派手にやったら相手も気づいて逃げだすんじゃないかって可能性もあったが、未だに現状維持を貫いている。よほど自身があるのか、それともこの事態に気づいていないのか……まあ、間違いなく前者だろうな。
「それでは、私たちは一度本隊と合流しますので」
「うむ。気をつけてな」
モリスさん、パウリーネさん、そしてミリーさんの三人も魔法使いを捕らえる作戦に参加するため、一時的に屋敷を離れることになった。
その間、この屋敷は別の騎士たちが警護することに。
三人とも優秀な人材だからな。
ただ、モリスさんはまだ万全とは言い切れない。一応、俺の作った義手によって以前よりずっと剣を扱いやすくなったと言ってくれているのだが、それでも全盛期に比べたらまだまだだろう。
それでも、騎士団は一級の戦力としてモリスさんをカウントしているようだ。
ちなみに、屋敷の守りには他にもイルデさんが加わっていた。
そのイルデさんは俺とロミーナのすぐそばにいると自ら申し出て、今も部屋で一緒に待機している状態だ。
しかし、さすがにやることがない……せっかくだし、強化した魔銃をイルデさんに評価してもらうかな。ロミーナにもまだ見せていなかったし、初お披露目も兼ねてお願いしてみるとしよう。
「イルデさん、魔銃を強化したので見てくれませんか?」
「ほう……以前君が使用したあの魔銃も十分完成された魔道具だと思っていたが、そこからさらに進化させたのか」
「凄いじゃない、アズベル!」
どちらも驚きながら、俺の新しくなった魔銃を見せる――が、外見に目立った変化は見られない。というか、そこに関してはほとんど手つかずだ。
俺が強化した点は銃というより弾の方。
前回は限られた属性の弾しか撃てなかったが、新たにバリエーションを三つ増やしてどんな状況にも対応できるようにしたのである。
「弾を変えることで属性も変える、か……なるほど、面白い着眼点だ」
興味深げに用意した弾を眺めるイルデさん。
魔女としては、やっぱりそういった仕組みが気になるようだ。
しばらく新しい魔銃の性能について語っていると、
「む?」
突然、イルデさんの眼光が鋭くなる。
それが向けられているのは――部屋の窓だ。
「どうかしたんですか?」
「まさか……いや、あり得ない」
「イ、イルデさん?」
いつもとまったく違う様子のイルデさんに、俺もロミーナも戸惑いを隠せなかった。
しかし、彼女がそうなってしまう原因については心当たりがある。
もしかして……例の魔法使いが攻めてきたのか?
普段は穏やかな空気が流れているパルザン地方だが、ここ数日の間は物々しい空気に包まれている。理由は王都から派遣された騎士団と魔法兵団の大部隊が原因だった。
しかし、ここまで派手にやったら相手も気づいて逃げだすんじゃないかって可能性もあったが、未だに現状維持を貫いている。よほど自身があるのか、それともこの事態に気づいていないのか……まあ、間違いなく前者だろうな。
「それでは、私たちは一度本隊と合流しますので」
「うむ。気をつけてな」
モリスさん、パウリーネさん、そしてミリーさんの三人も魔法使いを捕らえる作戦に参加するため、一時的に屋敷を離れることになった。
その間、この屋敷は別の騎士たちが警護することに。
三人とも優秀な人材だからな。
ただ、モリスさんはまだ万全とは言い切れない。一応、俺の作った義手によって以前よりずっと剣を扱いやすくなったと言ってくれているのだが、それでも全盛期に比べたらまだまだだろう。
それでも、騎士団は一級の戦力としてモリスさんをカウントしているようだ。
ちなみに、屋敷の守りには他にもイルデさんが加わっていた。
そのイルデさんは俺とロミーナのすぐそばにいると自ら申し出て、今も部屋で一緒に待機している状態だ。
しかし、さすがにやることがない……せっかくだし、強化した魔銃をイルデさんに評価してもらうかな。ロミーナにもまだ見せていなかったし、初お披露目も兼ねてお願いしてみるとしよう。
「イルデさん、魔銃を強化したので見てくれませんか?」
「ほう……以前君が使用したあの魔銃も十分完成された魔道具だと思っていたが、そこからさらに進化させたのか」
「凄いじゃない、アズベル!」
どちらも驚きながら、俺の新しくなった魔銃を見せる――が、外見に目立った変化は見られない。というか、そこに関してはほとんど手つかずだ。
俺が強化した点は銃というより弾の方。
前回は限られた属性の弾しか撃てなかったが、新たにバリエーションを三つ増やしてどんな状況にも対応できるようにしたのである。
「弾を変えることで属性も変える、か……なるほど、面白い着眼点だ」
興味深げに用意した弾を眺めるイルデさん。
魔女としては、やっぱりそういった仕組みが気になるようだ。
しばらく新しい魔銃の性能について語っていると、
「む?」
突然、イルデさんの眼光が鋭くなる。
それが向けられているのは――部屋の窓だ。
「どうかしたんですか?」
「まさか……いや、あり得ない」
「イ、イルデさん?」
いつもとまったく違う様子のイルデさんに、俺もロミーナも戸惑いを隠せなかった。
しかし、彼女がそうなってしまう原因については心当たりがある。
もしかして……例の魔法使いが攻めてきたのか?
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