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第67話 魔女の住処
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森の中にあるという魔女イルデさんの家。
お馴染みとなりつつあるメンバー四人でそこを訪れようとしたのだが、これがなかなかに険しい道のりだった。
イルデさんは魔法の箒で空を飛び、俺たちよりも先に家へとたどり着いている。案内役としては使い魔である蝶々が務めてくれるのだが、問題は道のコンディション。
「足元が悪いから、気をつけて」
「う、うん」
ロミーナが転ばないように手を取ってエスコートする。最初はパウリーネさんが手伝おうとしていたが、それをモリスさんが無言で止め、こちらへアイコンとを送ってきた。
それでピンときた俺はロミーナに手を差し伸べたわけだけど、本当ならこういう動きがもっと自然に自分からできるようにならないとな。
モリスさんの大人の対応を見習いつつ、案内役の蝶々を追って森の中を進んでいく。
この森はイルデさんにとって庭のような場所であるらしく、侵入者用にさまざまな仕掛けが施されているらしい。使い魔である蝶々の導きがなければその仕掛けにハマって大変なことになるらしい。
「しかし、広範囲にトラップ系魔法を仕掛けるとは……イルデという魔女の名前はパルザンへ来て初めて聞きましたが、魔法使いとして相当な実力者のようですね」
「俺も過去についてはよく知らないんですよ。曾祖父より以前の時代から、この森で魔女をやっているらしいんですけど……」
ホントに謎が多い人だよなぁ。
父上は全幅の信頼を寄せているが、すべてを把握しているわけじゃなさそうだし。
そんなことを考えているうちに目的地であるイルデさんの家に到着。
外観は普通の山小屋(二階建て)っぽいな。
「こう言っちゃなんだけど……意外な造りだなぁ」
「わ、私も同じこと考えていたわ」
魔女が暮らしている場所だから、もっとこう……お屋敷風なイメージだったんだけどな。
山小屋へと近づいていくと、気配を察知したのかイルデさんが出てきた。
「やあ、待っていたよ。さあ、入ってくれたまえ」
「は、はい」
俺たちは招かれるまま家の中へと入っていく。
まず目についたのはとんでもない数の本棚だった。一体どれだけあるのだろう――って、ちょっと待てよ。
「あ、あの、イルデさん」
「うん? どうかしたのかい?」
「いや、その……外から見ていた様子だと、こんなにたくさんの本棚が収まりきれるとは思えないんですけど」
「空間魔法というものさ。オルメド城の宝物庫と同じ原理だよ」
「そういえば――っと、なぜあなたがそのことを! 城内の魔法絡みの仕組みは魔法兵団の幹部しか知らないはずだ!」
モリスさんが驚いて迫るが、イルデさんはいつものように軽い調子で「昔ちょっといろいろあったのさ」と含みのある笑みを浮かべていた。
ひょっとして……イルデさんって元魔法兵団の人?
それも、かなり大昔の。
詳しく聞いてみようかなと思ったが、こちらの動きを察知していたらしいイルデさんに先手を打たれる。
「女性に過去を聞くのは野暮というものだよ、アズベルくん」
……そう言われてしまっては何も言い返せない。
まあ、今回は新しいアイテムのアイディアについて話し合うのが本題だし、これに関しては次に機会に取っておくか。
「さて……ではそろそろ始めようか」
イルデさんがパチンと指を鳴らすと、さっきまで何もなかった床からイスとテーブルが出てくる。
……この魔力を最大限に生かせるアイテムを作りださないとな。
お馴染みとなりつつあるメンバー四人でそこを訪れようとしたのだが、これがなかなかに険しい道のりだった。
イルデさんは魔法の箒で空を飛び、俺たちよりも先に家へとたどり着いている。案内役としては使い魔である蝶々が務めてくれるのだが、問題は道のコンディション。
「足元が悪いから、気をつけて」
「う、うん」
ロミーナが転ばないように手を取ってエスコートする。最初はパウリーネさんが手伝おうとしていたが、それをモリスさんが無言で止め、こちらへアイコンとを送ってきた。
それでピンときた俺はロミーナに手を差し伸べたわけだけど、本当ならこういう動きがもっと自然に自分からできるようにならないとな。
モリスさんの大人の対応を見習いつつ、案内役の蝶々を追って森の中を進んでいく。
この森はイルデさんにとって庭のような場所であるらしく、侵入者用にさまざまな仕掛けが施されているらしい。使い魔である蝶々の導きがなければその仕掛けにハマって大変なことになるらしい。
「しかし、広範囲にトラップ系魔法を仕掛けるとは……イルデという魔女の名前はパルザンへ来て初めて聞きましたが、魔法使いとして相当な実力者のようですね」
「俺も過去についてはよく知らないんですよ。曾祖父より以前の時代から、この森で魔女をやっているらしいんですけど……」
ホントに謎が多い人だよなぁ。
父上は全幅の信頼を寄せているが、すべてを把握しているわけじゃなさそうだし。
そんなことを考えているうちに目的地であるイルデさんの家に到着。
外観は普通の山小屋(二階建て)っぽいな。
「こう言っちゃなんだけど……意外な造りだなぁ」
「わ、私も同じこと考えていたわ」
魔女が暮らしている場所だから、もっとこう……お屋敷風なイメージだったんだけどな。
山小屋へと近づいていくと、気配を察知したのかイルデさんが出てきた。
「やあ、待っていたよ。さあ、入ってくれたまえ」
「は、はい」
俺たちは招かれるまま家の中へと入っていく。
まず目についたのはとんでもない数の本棚だった。一体どれだけあるのだろう――って、ちょっと待てよ。
「あ、あの、イルデさん」
「うん? どうかしたのかい?」
「いや、その……外から見ていた様子だと、こんなにたくさんの本棚が収まりきれるとは思えないんですけど」
「空間魔法というものさ。オルメド城の宝物庫と同じ原理だよ」
「そういえば――っと、なぜあなたがそのことを! 城内の魔法絡みの仕組みは魔法兵団の幹部しか知らないはずだ!」
モリスさんが驚いて迫るが、イルデさんはいつものように軽い調子で「昔ちょっといろいろあったのさ」と含みのある笑みを浮かべていた。
ひょっとして……イルデさんって元魔法兵団の人?
それも、かなり大昔の。
詳しく聞いてみようかなと思ったが、こちらの動きを察知していたらしいイルデさんに先手を打たれる。
「女性に過去を聞くのは野暮というものだよ、アズベルくん」
……そう言われてしまっては何も言い返せない。
まあ、今回は新しいアイテムのアイディアについて話し合うのが本題だし、これに関しては次に機会に取っておくか。
「さて……ではそろそろ始めようか」
イルデさんがパチンと指を鳴らすと、さっきまで何もなかった床からイスとテーブルが出てくる。
……この魔力を最大限に生かせるアイテムを作りださないとな。
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