39 / 108
第39話 解決策
しおりを挟む
※予約投稿失敗してました……
じっくり話を聞くため、ライナンさんを昼食にご招待。
俺とロミーナで釣り上げた魚を食べながら、土砂崩れによって閉ざされた交易路についてさらに詳しい話を聞いていく。
「復旧はいつ頃になりそうですか?」
「まったくもって見当もつきません……今も作業は続けられているのですが、人が通れるようになるのはいつになることやら」
さらにライナンさんの話では、仮に土砂の撤去が終了しても以前のように人が通れるような地形のままであるとも限らず、何もかもが不透明だという。
最近、父上が元気ないなぁとは思っていたが、まさかこんな重大な悩みだったとは……パルザン地方の未来を左右する大事件じゃないか。
「復旧作業を続ける以外に方法はないんですか?」
「はじめは近くの森を切り拓いて新たなルートを確保するという案も出されましたが……木こりたちは例の大橋に使用する木材を調達するのに手いっぱいでして」
フォルザンとの国境にかけるって橋だな。
あっちは以前から話が進んでいるので、そちらをないがしろにはしたくないっていう気持ちは分からなくもないが、だからといって対応を丸投げされても困るよなぁ。
「何かいい案は……あれ?」
地図を眺めていた俺は、ある点に気づく。
「この湖を向こう岸まで渡りきれば、近道になりません?」
広大な湖の対岸は例の渓谷からそれほど離れてはいない。こちらまで馬車で移動し、対岸から船でこちらへ渡ることができれば距離を従来のルートより大幅に短縮できるのではないかと俺は考えた。
「な、なるほど……しかし、どうやって船を調達しましょうか。このパルザン地方は海から遠く、近くに造船所もありませんし」
「そういう時こそ俺の生産魔法ですよ」
「で、できるの?」
真っ先に反応したのはロミーナだった。
「読み通りにいくかどうかは賭けだけど……現状のままでいるよりはずっといいと思うんだ」
間違いなく、これまでで一番の大仕事になるだろう。
成功できるかは分からない。
だが、やりとげられたら見返りも大きい。
試す価値はある。
「今日の夜に早速父上へ話をしてみるよ」
「アズベル様の生活魔法で新たな交易路を確保できれば……領主様もお喜びになります」
ライナンさんからも期待されているみたいだし、頑張ってみるか。
じっくり話を聞くため、ライナンさんを昼食にご招待。
俺とロミーナで釣り上げた魚を食べながら、土砂崩れによって閉ざされた交易路についてさらに詳しい話を聞いていく。
「復旧はいつ頃になりそうですか?」
「まったくもって見当もつきません……今も作業は続けられているのですが、人が通れるようになるのはいつになることやら」
さらにライナンさんの話では、仮に土砂の撤去が終了しても以前のように人が通れるような地形のままであるとも限らず、何もかもが不透明だという。
最近、父上が元気ないなぁとは思っていたが、まさかこんな重大な悩みだったとは……パルザン地方の未来を左右する大事件じゃないか。
「復旧作業を続ける以外に方法はないんですか?」
「はじめは近くの森を切り拓いて新たなルートを確保するという案も出されましたが……木こりたちは例の大橋に使用する木材を調達するのに手いっぱいでして」
フォルザンとの国境にかけるって橋だな。
あっちは以前から話が進んでいるので、そちらをないがしろにはしたくないっていう気持ちは分からなくもないが、だからといって対応を丸投げされても困るよなぁ。
「何かいい案は……あれ?」
地図を眺めていた俺は、ある点に気づく。
「この湖を向こう岸まで渡りきれば、近道になりません?」
広大な湖の対岸は例の渓谷からそれほど離れてはいない。こちらまで馬車で移動し、対岸から船でこちらへ渡ることができれば距離を従来のルートより大幅に短縮できるのではないかと俺は考えた。
「な、なるほど……しかし、どうやって船を調達しましょうか。このパルザン地方は海から遠く、近くに造船所もありませんし」
「そういう時こそ俺の生産魔法ですよ」
「で、できるの?」
真っ先に反応したのはロミーナだった。
「読み通りにいくかどうかは賭けだけど……現状のままでいるよりはずっといいと思うんだ」
間違いなく、これまでで一番の大仕事になるだろう。
成功できるかは分からない。
だが、やりとげられたら見返りも大きい。
試す価値はある。
「今日の夜に早速父上へ話をしてみるよ」
「アズベル様の生活魔法で新たな交易路を確保できれば……領主様もお喜びになります」
ライナンさんからも期待されているみたいだし、頑張ってみるか。
41
お気に入りに追加
1,160
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる