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第25話 即席パーティー(?)結成

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 主人公カルロを追ってきた俺をロミーナが追ってきた。
 まさかの展開に慌てつつ、まずはめちゃくちゃ焦っていたカルロの話を聞くことに。ロミーナの説得は状況を把握してからにしよう。

「さっき城内で見せた君の態度……あれが嘘だとはとても思えなかったんだ」
「大型モンスターが迫っているって話ね!」
「あ、ああ、うん」

 ……まずいな。
 ロミーナの表情がとんでもなくイキイキしている。瞳とかキラッキラに輝いているし、これはもう深くかかわる気満々だ。俺としては安全性を考慮して彼女にはダンスホールでおとなしくしていてもらいたいのだが……待てよ。

「ねぇ、ロミーナ」
「私の氷魔法ならいつでも準備万端よ!」

 こちらの思考を先取りするロミーナ。
 ――そう。 
 俺が気にかけていたのは彼女が得意とする氷魔法だ。最近の鍛錬の様子から、本当に制御がうまくなってきていて、イルデさんからの太鼓判を押されるほど。迫ってくるモンスターの数は多いらしいので、俺の魔銃だけでは対応できない可能性もある。
 そうなった時、ロミーナの強力な氷魔法があればこれほど心強いものはないのだ。

 けど、正直彼女を巻き込むのは気が引ける。
 これから間違いなくとんでもない危険が待ち構えているのだから……婚約者である俺としては何とかしてダンスホールに戻したいという気持ちがあった。
 しかし、

「お城にいる人たちを逃がしている時間はないわ。私たちだけで対応しましょう」

 真剣な顔つきでそう訴えかける彼女に「城内へ戻れ」とは言いづらかった。

「……分かった。カルロ、早速案内してくれないか?」
「は、はい。――って、どうして僕の名前を?」
「っ! な、何を言っているんだ。さっき自分から名乗ったじゃないか」
「そうでしたっけ?」
「そうだったよ。ほら、時間がないから急ごう」

 半ば強引にカルロの背中を押して目的地へと移動開始。
 怪しまれているかもしれないが、いちいち説明したり誤魔化したりしていたら大型モンスターたちが王都内に侵入してしまうからな。

 俺とロミーナはカルロの案内で王都の西門へと向かう。
 そこには多くの兵士が警備をしている――はずだったのだが、

「あ、あれ? 誰もいない?」

 どういうわけか、兵士はおろか通行人さえもいなかった。時間的には夜なのだが、王都が寝静まるにはまだ早い。
 ……なるほど。
 これがカルロの言っていた異変か。

「どういうことなの? なんで誰もいないの?」
「僕もそれが不思議で辺りを調べていたんです。そしたら――わわっ」
「きゃっ!?」
「な、なんだ、今の揺れは!?」

 突如襲ってきた横揺れに、俺たちは思わず倒れそうになるのをなんとか踏ん張る。
 これはひょっとしなくても……大型モンスターが接近している予兆ってヤツか。

 俺たちは慌てて西門から外へと出た。
 月明かりが照らす薄暗い道の先――わずかに見える大きな影がこちらへと近づいてくる。

「っ!? モ、モンスター!?」

 ロミーナがその正体に気づいて叫ぶ。
 そう。
 カルロの言葉通り、十メートルクラスの大型のモンスターが群れを成して王都へと迫ってきていたのだった。
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