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第16話 生産魔法の見せどころ
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林業に従事する村人たちをお助けするため、俺は生産魔法で新たなアイテムを生みだすことにした。
その元ネタとも言えるのが――チェーンソーだ。
素材としては鉄と風属性の魔鉱石をベースにして、強度をアップできそうな石や木材の切れ端なんかも入れていく。
「そ、それで本当にできるんですかい?」
初めて生産魔法を目の当たりにするゲイリーさんは半信半疑といった様子。一方、すでに何度も目の前で見てきたロミーナやパウリーネさんは何ができるのだろうという関心が強く視線に表れていた。
「よし。こんなところかな」
最終的に完成したアイテムが光に包まれて魔法庫から出てくる。
こちらでは見慣れない形状に、見守っていた三人は一斉にクビを傾げた。
「ア、アズベル様、これは一体どうやって使う物で?」
「試してみます。危ないから、少し下がっていてください」
そう言って、俺は魔鉱石内蔵型チェーンソーを手にする。
動力は風の魔鉱石。
魔力を込めて実際に動かしてみると、前世で一般的に使われていた物に比べて音がほとんどしないというのが第一印象だった。それでいて刃の部分の回転力はあり、切れ味も鋭そう。おまけにかなり軽量だ。
……本来、十歳の子どもが持つべきじゃないんだけど、実際に使用している場面を見せなくちゃ分からないよなぁ。
一応、前世では使ったことがある。
盆に実家へ帰ると爺ちゃんに何度か手伝わされたんだよなぁ。
あの頃のことを思い出しつつ、実際に木を切ってみる。
すると、俺のような子どもでもそれほど力を入れずに大きな木を切り倒すことに成功。これにはロミーナたちだけでなく、居合わせた木こりたちからも驚きの声が出た。
「す、凄い!」
「こいつがあれば作業がずっと楽になるぜ!」
「もちろん、これはみなさんに託します。あっ、でも扱いには注意してください。切れ味は凄まじいですから」
「そうだぞ、おまえら! このような素晴らしいアイテムを提供してくださったアズベル様に感謝するのだ!」
「「「「「ありがとうございます!!」」」」」
綺麗に揃ったお礼の言葉とお辞儀。
とりあえず、これで作業が進んでくれるなら作った甲斐がある。残念な点をあげるとするなら、風の魔鉱石は非常に希少度が高いため、量産できなかったことか。ただでさえ、この近辺では魔鉱石が採れないからなぁ。
見渡すと、辺りには標高の高い山もあるので、鉱脈を探そうと思えば出て来るんじゃないかって気になる。まあ、実際はそう簡単にいかないんだろうけど。
はしゃぐ木こりたちを眺めていると、ふとロミーナのことが気になって視線を向ける。
彼女は何かを考えるように顎へ手を添え、一点を見つめていた。
「何か気になる点でもあるの、ロミーナ」
「っ! い、いえ、そんな大げさなものではないんだけど……国王陛下はどうしてあの橋を急に造ろうと言いだしたのかなって」
あの橋――それは、このガナス村で用意した木材を使用して造られる予定の橋。
確か、めちゃくちゃ大掛かりな計画って聞いている。
隣国との国境でもある河川にかかる橋で、父上曰く、その橋の上に町まで造ってしまおうらしい。
個人的にはとてもロマンがあってよい話だと思うのだが……ロミーナの言う通り、なんでまた急にそんな話が出てきたのか。
……この間のエンペラー・スパイダーの件といい、なんだかちょっと嫌な感じがするな。
※明日は1日2話投稿!
第1弾はお昼の12:00に!
その元ネタとも言えるのが――チェーンソーだ。
素材としては鉄と風属性の魔鉱石をベースにして、強度をアップできそうな石や木材の切れ端なんかも入れていく。
「そ、それで本当にできるんですかい?」
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「よし。こんなところかな」
最終的に完成したアイテムが光に包まれて魔法庫から出てくる。
こちらでは見慣れない形状に、見守っていた三人は一斉にクビを傾げた。
「ア、アズベル様、これは一体どうやって使う物で?」
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そう言って、俺は魔鉱石内蔵型チェーンソーを手にする。
動力は風の魔鉱石。
魔力を込めて実際に動かしてみると、前世で一般的に使われていた物に比べて音がほとんどしないというのが第一印象だった。それでいて刃の部分の回転力はあり、切れ味も鋭そう。おまけにかなり軽量だ。
……本来、十歳の子どもが持つべきじゃないんだけど、実際に使用している場面を見せなくちゃ分からないよなぁ。
一応、前世では使ったことがある。
盆に実家へ帰ると爺ちゃんに何度か手伝わされたんだよなぁ。
あの頃のことを思い出しつつ、実際に木を切ってみる。
すると、俺のような子どもでもそれほど力を入れずに大きな木を切り倒すことに成功。これにはロミーナたちだけでなく、居合わせた木こりたちからも驚きの声が出た。
「す、凄い!」
「こいつがあれば作業がずっと楽になるぜ!」
「もちろん、これはみなさんに託します。あっ、でも扱いには注意してください。切れ味は凄まじいですから」
「そうだぞ、おまえら! このような素晴らしいアイテムを提供してくださったアズベル様に感謝するのだ!」
「「「「「ありがとうございます!!」」」」」
綺麗に揃ったお礼の言葉とお辞儀。
とりあえず、これで作業が進んでくれるなら作った甲斐がある。残念な点をあげるとするなら、風の魔鉱石は非常に希少度が高いため、量産できなかったことか。ただでさえ、この近辺では魔鉱石が採れないからなぁ。
見渡すと、辺りには標高の高い山もあるので、鉱脈を探そうと思えば出て来るんじゃないかって気になる。まあ、実際はそう簡単にいかないんだろうけど。
はしゃぐ木こりたちを眺めていると、ふとロミーナのことが気になって視線を向ける。
彼女は何かを考えるように顎へ手を添え、一点を見つめていた。
「何か気になる点でもあるの、ロミーナ」
「っ! い、いえ、そんな大げさなものではないんだけど……国王陛下はどうしてあの橋を急に造ろうと言いだしたのかなって」
あの橋――それは、このガナス村で用意した木材を使用して造られる予定の橋。
確か、めちゃくちゃ大掛かりな計画って聞いている。
隣国との国境でもある河川にかかる橋で、父上曰く、その橋の上に町まで造ってしまおうらしい。
個人的にはとてもロマンがあってよい話だと思うのだが……ロミーナの言う通り、なんでまた急にそんな話が出てきたのか。
……この間のエンペラー・スパイダーの件といい、なんだかちょっと嫌な感じがするな。
※明日は1日2話投稿!
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