4 / 99
第4話 魔法特訓
しおりを挟む
場所をウィドマーク家の庭に移し、早速ロミーナの公開魔法特訓が始まった。
――「公開」とつけたのは、この場に俺とパウリーネさんだけでなく、ウィドマーク家とペンバートン家の関係者も見守っているからだ。
まあ、ペンバートン家の人たちの立場になってみれば、大事なご令嬢を預ける相手が酒臭い魔女ってなるとさすがに「ちょっと待て」と言いたくもなるよな。
一方、父上も母上も「イルデなら大丈夫」とまったく心配していない。
俺も自分の属性をスパッと見抜いてくれたという実績から、きっと大丈夫だろうと信じてはいるが……果たしてどうなるか。
ただ、気がかりなのはロミーナの魔法特訓は今回が初めてではないという点。
公爵家令嬢ともなれば、すでに腕利きの魔法使いたちにアドバイスを求めている――それでも改善しなかった魔力の暴走を無名の魔女が止められるのか。俺もこの点だけはちょっと不安なんだよな。
「ギャラリーも揃ったようだし……そろそろその強力な氷魔法とやらを見せてもらえないかい?」
「は、はい……」
イルデさんは「見せて」と言ったが、あれって確か感情が高ぶると突発的に発動するヤツじゃなかったっけ?
でも、ロミーナはすんなり返事をして集中し始めていた。
どうやら任意でもあれくらいの威力を有した発動させられるようだが、やはり完璧に制御はできないのだろう。
「遠慮はいらない。すべてをぶつけるつもりで放ってごらん」
「で、ですが……」
「いいから」
これまでの結果を知るロミーナには戸惑いがうかがえる。
王国でも名のある魔法使いたちでさえ、氷魔法の暴走を止められなかったわけだからな無理もないか。
それでも、自分の魔力をしっかり制御したいと願うロミーナは氷魔法を披露する。
案の定、ロミーナの魔力によって生みだされた氷は少しずつ巨大化していき、やがて氷山のようなサイズにまで成長する――が、突然、氷の巨大化が止まった。
「「「「「おぉ!?」」」」」
周りで見守っていた人たちから歓声があがる。
「いい魔法だ。魔力量も常人のそれを遥かに凌駕している。一流になり得る資格は十分にあるようだね」
ヒルデさんは宣言通り、ロミーナの氷魔法を自身の結界魔法によって抑え込むことに成功した。
おまけにロミーナの魔法の才能を手放しに褒めるくらい余裕がある。
さすがは原作【ブレイブ・クエスト】にて公式チートの呼び声高い有能スポット参戦キャラだ。マジでこの人はなんでうちの領地にある森でひっそりと暮らしていたのだろうか。そしてなぜ原作では敵対関係になってしまったのか。
諸々疑問は残るけど、これだけの実力者がそばにいてくれるのは本当に心強い。
「どうだい? これなら平気だろう?」
「た、確かに……」
「今ならこれ以上あんたの魔法は暴走しないよ。ほら、制御するためにまずは意識を集中させるんだ」
「わ、分かりました」
戸惑いながらも、ロミーナは指示通りに目を閉じて意識を集中。
すると、少しずつだが彼女が魔力で生みだした氷の塊は小さくなっていく。
「上出来だ」
満足そうに頷くイルデさん。
しかし、一体どういう仕組みなんだ?
首を傾げていると、すぐ横に立っていたパウリーネさんが語り始める。
「そうか……一度発動した氷魔法は魔力の暴走でどんどん大きくなり、やがて人を傷つけてしまうため、お嬢様は集中することができなかったのか」
「えっ? そ、それって……」
「あのように第三者が氷魔法を封じている間なら、魔力の制御に時間をかけられる。ロミーナ様ならば、それが可能だ」
つまり、制御できなかった一番の要因は発動したことによって誰かが被害を受けるかもしれないと気になって集中できていなかったからというわけか。
普通、魔法の修行を始める前っていうのはほとんどの人が魔法を使えない状態で行う。当然ロミーナもそうだったのだが、彼女の場合は秘められた魔力量が常人と比べて段違いに多かったことが逆に災いし、魔法の暴走を招いたのだ。
けど、パウリーネさんの言うように、ああやって氷魔法を抑え込んでおけば、ロミーナは魔力制御に集中できる――と、思われたのだが、事態はそう簡単に解決するようなものではなかった。
「あう……」
突然、ロミーナは膝から崩れ落ちた。
それと同時に氷もすべて消え去ってしまう。
「「「「「ロミーナお嬢様!?」」」」」
同行していたペンバートン家の使用人たちが駆け寄ろうとするも、それに気づいたロミーナは顔を上げて気丈にも笑顔を見せた。
「大丈夫よ……軽くめまいがしただけだから」
みんなに心配をかけまいとするロミーナ。
氷が消えた瞬間はうまく制御できたのかと喜んだが、どうも魔力が尽きかけていたのが原因で自然消滅したらしい。
「今日のところはこんなものでいいんじゃないかな。初めてにしては上々の結果だよ」
これを見て、イルデさんも特訓の終了を告げた。
しかし、ロミーナは納得してないようだ。
「す、少し休憩をしたらもう一度……」
「それは許可できないねぇ。そんなに焦る必要もないじゃないか。どうせ今日からこの屋敷で暮らすのだろう?」
「え、えぇ」
「魔法をきちんとコントロールしたければ体調管理も万全にしておくものだよ。そういうわけだから、明日に備えて休むんだ」
「……分かりました」
イルデさんの言う通りだな。
パルザン地方にいる間は、彼女に何かを強要するようなマネはしない。原作と同じく悪役女帝となってしまわないように穏やかで平和な日々を過ごしてもらいたいと俺は考えている。そのためには、やっぱりあの氷魔法の制御は欠かせない。
魔女イルデの実力は原作通りだ。
ここは彼女に任せておくのがベストだろう。
「ロミーナ、大丈夫?」
「アズベル……平気よ。でも、ちょっと疲れちゃった」
額からは玉のような汗が滴り落ち、息も荒い。
無理もないか。
本格的に氷魔法の制御を試みたのは今回が初めてだろうし、これから徐々に慣れていくしかない。
……俺も可能な限り協力をしていきたいな。
ロミーナと話をしていると、視界の端にイルデさんへ近づく女性の姿を発見する。
あれは……パウリーネさん?
「先ほどの無礼な振る舞い……申し訳ない」
そう言って、イルデさんに対し深々と頭を下げたパウリーネさん。
どうやら疑いを持ったことについて謝罪をしているようだ。
「問題はないよ。理解をしてもらえたのなら、これ以上何も求めはしないさ。それに、君の仕事の都合上、あたしのような人間を疑うのは職務に忠実な証拠だ」
「寛大な心遣いに感謝いたします」
ふたりは握手を交わして和解成立。
嫌なわだかまりが残らなくてよかったよ。
それから、ロミーナの荷物をうちの屋敷内へ運び込む作業が始まった。
父上も母上も妙に張りきっているが……公爵家に名前を売り込むチャンスと思っているのかな。あんまり効果はなさそうだけど。
ともかく、これにてロミーナ移住の準備は整った。
彼女以外にも、近衛騎士のパウリーネさんや専属メイドさん数人がうちに滞在する予定となっている。
「改めて、今日からよろしくね、アズベル」
「こちらこそ」
沈む夕日を背景に、俺とロミーナはこれからの生活を想像しながら笑い合うのだった。
◇◇◇
アズベルとロミーナの生活が上々の滑り出しを見せていた頃――ペンバートン家では家族会議が開かれていた。
とはいえ、参加しているのはロミーナのふたりの姉のみ。
つまり家族会議ではなく姉妹会議であった。
「聞きましたか、エクリアお姉さま!!」
次女であるカテリノ・ペンバートンが姉のエクリア・ペンバートンの私室のドアを勢いよくこじ開けるとそう叫んだ。
「うるさいわよ、カテリノ。相変わらず品がないわね、あなたは。あと声が大きい」
「あっ、ご、ごめんなさいですわ……で、でも、とんでもない情報が――」
「ロミーナのことでしょう?」
「っ!? ご存じだったのですか!?」
カテリノが驚いたように尋ねると、エクリアは「ふっ」と小さく笑い、持っていた書物を机に置き、腰かけていた椅子から立ち上がる。
「まさかあの子に婚約者ができるなんてって思ったけど、相手は王都からもっとも離れた辺境の地の領主一族……大方、公爵家令嬢の肩書につられて婚約をしたのでしょう。どうせ一ヵ月もしないうちに出戻ってくるわ」
不敵な笑みを浮かべるエクリアだが、カテリノはそれでは納得していない様子。
「しかし、それではお母様の計画が……」
「安心なさい。すでに手は打ってあるようよ」
「っ! さ、さすがはお母様ですわ!」
企てた計画が頓挫するかもしれないという焦りでいっぱいだったカテリノだが、母親がすでに対策を講じていると知って落ち着きを取り戻す。
「あの子には……すべてを抱えて沈んでもらわなくちゃいけないものね」
窓の外。
夜空に浮かぶ半月を見つめながら、エクリアはそう呟くのだった。
――「公開」とつけたのは、この場に俺とパウリーネさんだけでなく、ウィドマーク家とペンバートン家の関係者も見守っているからだ。
まあ、ペンバートン家の人たちの立場になってみれば、大事なご令嬢を預ける相手が酒臭い魔女ってなるとさすがに「ちょっと待て」と言いたくもなるよな。
一方、父上も母上も「イルデなら大丈夫」とまったく心配していない。
俺も自分の属性をスパッと見抜いてくれたという実績から、きっと大丈夫だろうと信じてはいるが……果たしてどうなるか。
ただ、気がかりなのはロミーナの魔法特訓は今回が初めてではないという点。
公爵家令嬢ともなれば、すでに腕利きの魔法使いたちにアドバイスを求めている――それでも改善しなかった魔力の暴走を無名の魔女が止められるのか。俺もこの点だけはちょっと不安なんだよな。
「ギャラリーも揃ったようだし……そろそろその強力な氷魔法とやらを見せてもらえないかい?」
「は、はい……」
イルデさんは「見せて」と言ったが、あれって確か感情が高ぶると突発的に発動するヤツじゃなかったっけ?
でも、ロミーナはすんなり返事をして集中し始めていた。
どうやら任意でもあれくらいの威力を有した発動させられるようだが、やはり完璧に制御はできないのだろう。
「遠慮はいらない。すべてをぶつけるつもりで放ってごらん」
「で、ですが……」
「いいから」
これまでの結果を知るロミーナには戸惑いがうかがえる。
王国でも名のある魔法使いたちでさえ、氷魔法の暴走を止められなかったわけだからな無理もないか。
それでも、自分の魔力をしっかり制御したいと願うロミーナは氷魔法を披露する。
案の定、ロミーナの魔力によって生みだされた氷は少しずつ巨大化していき、やがて氷山のようなサイズにまで成長する――が、突然、氷の巨大化が止まった。
「「「「「おぉ!?」」」」」
周りで見守っていた人たちから歓声があがる。
「いい魔法だ。魔力量も常人のそれを遥かに凌駕している。一流になり得る資格は十分にあるようだね」
ヒルデさんは宣言通り、ロミーナの氷魔法を自身の結界魔法によって抑え込むことに成功した。
おまけにロミーナの魔法の才能を手放しに褒めるくらい余裕がある。
さすがは原作【ブレイブ・クエスト】にて公式チートの呼び声高い有能スポット参戦キャラだ。マジでこの人はなんでうちの領地にある森でひっそりと暮らしていたのだろうか。そしてなぜ原作では敵対関係になってしまったのか。
諸々疑問は残るけど、これだけの実力者がそばにいてくれるのは本当に心強い。
「どうだい? これなら平気だろう?」
「た、確かに……」
「今ならこれ以上あんたの魔法は暴走しないよ。ほら、制御するためにまずは意識を集中させるんだ」
「わ、分かりました」
戸惑いながらも、ロミーナは指示通りに目を閉じて意識を集中。
すると、少しずつだが彼女が魔力で生みだした氷の塊は小さくなっていく。
「上出来だ」
満足そうに頷くイルデさん。
しかし、一体どういう仕組みなんだ?
首を傾げていると、すぐ横に立っていたパウリーネさんが語り始める。
「そうか……一度発動した氷魔法は魔力の暴走でどんどん大きくなり、やがて人を傷つけてしまうため、お嬢様は集中することができなかったのか」
「えっ? そ、それって……」
「あのように第三者が氷魔法を封じている間なら、魔力の制御に時間をかけられる。ロミーナ様ならば、それが可能だ」
つまり、制御できなかった一番の要因は発動したことによって誰かが被害を受けるかもしれないと気になって集中できていなかったからというわけか。
普通、魔法の修行を始める前っていうのはほとんどの人が魔法を使えない状態で行う。当然ロミーナもそうだったのだが、彼女の場合は秘められた魔力量が常人と比べて段違いに多かったことが逆に災いし、魔法の暴走を招いたのだ。
けど、パウリーネさんの言うように、ああやって氷魔法を抑え込んでおけば、ロミーナは魔力制御に集中できる――と、思われたのだが、事態はそう簡単に解決するようなものではなかった。
「あう……」
突然、ロミーナは膝から崩れ落ちた。
それと同時に氷もすべて消え去ってしまう。
「「「「「ロミーナお嬢様!?」」」」」
同行していたペンバートン家の使用人たちが駆け寄ろうとするも、それに気づいたロミーナは顔を上げて気丈にも笑顔を見せた。
「大丈夫よ……軽くめまいがしただけだから」
みんなに心配をかけまいとするロミーナ。
氷が消えた瞬間はうまく制御できたのかと喜んだが、どうも魔力が尽きかけていたのが原因で自然消滅したらしい。
「今日のところはこんなものでいいんじゃないかな。初めてにしては上々の結果だよ」
これを見て、イルデさんも特訓の終了を告げた。
しかし、ロミーナは納得してないようだ。
「す、少し休憩をしたらもう一度……」
「それは許可できないねぇ。そんなに焦る必要もないじゃないか。どうせ今日からこの屋敷で暮らすのだろう?」
「え、えぇ」
「魔法をきちんとコントロールしたければ体調管理も万全にしておくものだよ。そういうわけだから、明日に備えて休むんだ」
「……分かりました」
イルデさんの言う通りだな。
パルザン地方にいる間は、彼女に何かを強要するようなマネはしない。原作と同じく悪役女帝となってしまわないように穏やかで平和な日々を過ごしてもらいたいと俺は考えている。そのためには、やっぱりあの氷魔法の制御は欠かせない。
魔女イルデの実力は原作通りだ。
ここは彼女に任せておくのがベストだろう。
「ロミーナ、大丈夫?」
「アズベル……平気よ。でも、ちょっと疲れちゃった」
額からは玉のような汗が滴り落ち、息も荒い。
無理もないか。
本格的に氷魔法の制御を試みたのは今回が初めてだろうし、これから徐々に慣れていくしかない。
……俺も可能な限り協力をしていきたいな。
ロミーナと話をしていると、視界の端にイルデさんへ近づく女性の姿を発見する。
あれは……パウリーネさん?
「先ほどの無礼な振る舞い……申し訳ない」
そう言って、イルデさんに対し深々と頭を下げたパウリーネさん。
どうやら疑いを持ったことについて謝罪をしているようだ。
「問題はないよ。理解をしてもらえたのなら、これ以上何も求めはしないさ。それに、君の仕事の都合上、あたしのような人間を疑うのは職務に忠実な証拠だ」
「寛大な心遣いに感謝いたします」
ふたりは握手を交わして和解成立。
嫌なわだかまりが残らなくてよかったよ。
それから、ロミーナの荷物をうちの屋敷内へ運び込む作業が始まった。
父上も母上も妙に張りきっているが……公爵家に名前を売り込むチャンスと思っているのかな。あんまり効果はなさそうだけど。
ともかく、これにてロミーナ移住の準備は整った。
彼女以外にも、近衛騎士のパウリーネさんや専属メイドさん数人がうちに滞在する予定となっている。
「改めて、今日からよろしくね、アズベル」
「こちらこそ」
沈む夕日を背景に、俺とロミーナはこれからの生活を想像しながら笑い合うのだった。
◇◇◇
アズベルとロミーナの生活が上々の滑り出しを見せていた頃――ペンバートン家では家族会議が開かれていた。
とはいえ、参加しているのはロミーナのふたりの姉のみ。
つまり家族会議ではなく姉妹会議であった。
「聞きましたか、エクリアお姉さま!!」
次女であるカテリノ・ペンバートンが姉のエクリア・ペンバートンの私室のドアを勢いよくこじ開けるとそう叫んだ。
「うるさいわよ、カテリノ。相変わらず品がないわね、あなたは。あと声が大きい」
「あっ、ご、ごめんなさいですわ……で、でも、とんでもない情報が――」
「ロミーナのことでしょう?」
「っ!? ご存じだったのですか!?」
カテリノが驚いたように尋ねると、エクリアは「ふっ」と小さく笑い、持っていた書物を机に置き、腰かけていた椅子から立ち上がる。
「まさかあの子に婚約者ができるなんてって思ったけど、相手は王都からもっとも離れた辺境の地の領主一族……大方、公爵家令嬢の肩書につられて婚約をしたのでしょう。どうせ一ヵ月もしないうちに出戻ってくるわ」
不敵な笑みを浮かべるエクリアだが、カテリノはそれでは納得していない様子。
「しかし、それではお母様の計画が……」
「安心なさい。すでに手は打ってあるようよ」
「っ! さ、さすがはお母様ですわ!」
企てた計画が頓挫するかもしれないという焦りでいっぱいだったカテリノだが、母親がすでに対策を講じていると知って落ち着きを取り戻す。
「あの子には……すべてを抱えて沈んでもらわなくちゃいけないものね」
窓の外。
夜空に浮かぶ半月を見つめながら、エクリアはそう呟くのだった。
53
お気に入りに追加
1,170
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前。でも……。二人が自分たちの間違いを後で思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになる。
のんびりとゆっくり
恋愛
俺は島森海定(しまもりうみさだ)。高校一年生。
俺は先輩に恋人を寝取られた。
ラブラブな二人。
小学校六年生から続いた恋が終わり、俺は心が壊れていく。
そして、雪が激しさを増す中、公園のベンチに座り、このまま雪に埋もれてもいいという気持ちになっていると……。
前世の記憶が俺の中に流れ込んできた。
前世でも俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前になっていた。
その後、少しずつ立ち直っていき、高校二年生を迎える。
春の始業式の日、俺は素敵な女性に出会った。
俺は彼女のことが好きになる。
しかし、彼女とはつり合わないのでは、という意識が強く、想いを伝えることはできない。
つらくて苦しくて悲しい気持ちが俺の心の中であふれていく。
今世ではこのようなことは繰り返したくない。
今世に意識が戻ってくると、俺は強くそう思った。
既に前世と同じように、恋人を先輩に寝取られてしまっている。
しかし、その後は、前世とは違う人生にしていきたい。
俺はこれからの人生を幸せな人生にするべく、自分磨きを一生懸命行い始めた。
一方で、俺を寝取った先輩と、その相手で俺の恋人だった女性の仲は、少しずつ壊れていく。そして、今世での高校二年生の春の始業式の日、俺は今世でも素敵な女性に出会った。
その女性が好きになった俺は、想いを伝えて恋人どうしになり。結婚して幸せになりたい。
俺の新しい人生が始まろうとしている。
この作品は、「カクヨム」様でも投稿を行っております。
「カクヨム」様では。「俺は先輩に恋人を寝取られて心が壊れる寸前になる。でもその後、素敵な女性と同じクラスになった。間違っていたと、寝取った先輩とその相手が思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになっていく。」という題名で投稿を行っております。
彼女の浮気相手からNTRビデオレターが送られてきたから全力で反撃しますが、今さら許してくれと言われてももう遅い
うぱー
恋愛
彼女の浮気相手からハメ撮りを送られてきたことにより、浮気されていた事実を知る。
浮気相手はサークルの女性にモテまくりの先輩だった。
裏切られていた悲しみと憎しみを糧に社会的制裁を徹底的に加えて復讐することを誓う。
■一行あらすじ
浮気相手と彼女を地獄に落とすために頑張る話です(●´艸`)ィヒヒ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる