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第5話 野菜もいいけどお肉もね!
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やはり野菜だけでは限界がある。
力をつけるためには肉が必要だ。
そこで、俺は先日この村に出現した巨大イノシシに目をつけた。
前世の記憶を取り戻すきっかけになったとはいえ、思いっきり吹っ飛ばされているわけだからな。
今回は俺の護衛騎士を務めているローチと彼の部下であるベック、デビットのふたり、さらには村の男たち数人で捕獲作戦を行う。
「イノシシの捕獲だけど、やっぱりここは罠を仕掛けるべきか?」
「そうですね。真正面から戦っては不利でしょう」
ローチは決して弱い騎士ではない。
あのイノシシが規格外にデカいだけなのだ。
その分、食料としてはこの上ないほど魅力的な存在と言えた。
村人たちの腹を満たし、余ったら干し肉にすれば保存食となる。毛皮も丹念に洗って獣臭を取り除けば立派な防寒具となるだろう。さらに、頑丈な骨は武器や農具を作るための素材になる。まさに捨てるところがない、全身お宝みたいな存在だ。
そんなイノシシを捕獲するため、俺たちは近くの森へと足を踏み入れる。
ここではリーノ村の男たちが山菜を取りに入ることがあるらしく、一部の道はきちんと整備されていた。
農作業で忙しいはずなのに、自分たちの食料を得るためにこんな努力をしていたのか。
頭が下がる思いを抱くと同時に、前世の記憶が戻るまでのソリス・アースロードがいかに無能であったか、それを肌で感じているよ。
「凄いな。こんな立派な道を作るなんて」
「山菜は貴重な食糧ですからね。それに木の枝からはいろいろな物が作れますから」
イノシシ捕獲作戦に参加しているノアンという若者が教えてくれた。
彼の年齢は十六歳で、俺よりもかなり若い。
だが弓の名手らしく、村の農作物を食い荒らす害獣相手を仕留めたりしているらしい。
それならここで鹿とか野鳥を狩ってもよさそうだな。
今度提案してみるか。
ある程度進むと、巨大イノシシ型モンスターの動きを封じるトラップを仕掛ける。今回使用するのは普通のトラップではなく、魔道具の一種だという。
「よくそんなトラップがあったな」
「これ、僕が作ったんですよ」
そう語ったのはノアンと並んで最年少の参加者であるハーヴェイだった。
「村の作物がやられるケースが相次いだので、その対策に。完全に動きを封じるのは難しいかもしれませんが、鈍らせることはできると思います」
「それだけで十分だ。あとは俺たちがやる」
鞘に手をかけるローチの目には闘志の炎が燃えていた。
この前はだいぶ苦戦していたからなぁ。
リベンジしてやると気合十分だ。
その後、持ってきた罠はすべて設置し終えたので一旦引き返すことに――しようと思ったのだが、想定よりもだいぶ早くイノシシは罠にかかった。
「ブオオオオオオオオッ!」
凄まじい咆哮が森の中に響き渡る。
「っ! ヤツか!」
「ソリス様はお下がりください! ここは我らが相手をします!」
ローチ、デビット、ベックの三人は前回の雪辱を晴らすべく、イノシシの鳴き声がした方へと駆け出す。
「俺たちも行きます!」
「何かの役に足すはずですから!」
さらに弓使いのノアンと魔道具使いのハーヴェイが続いた。
俺は待機しているように言われたが……さすがにこのままというわけにはいかない。
一応、屋敷から護身用にと剣を持ってきておいて正解だったな。
村の者たちからは止められたが、居ても立ってもいられなくなって気がついたらローチたちを追って走り出していた。
イノシシのいた場所はそれほど離れておらず、すぐに合流することができた――が、やはりその大きさには圧倒される。
戦況はだいぶ優位のようだ。
どうやら、ハーヴェイ手製のトラップが効果を発揮して動きを鈍らせることに成功しているらしい。
「どうやら勝利は時間の問題だな」
「ソ、ソリス様!」
遠くから指揮を執っていたローチに声をかける。
意外にも、彼は焦っているようだった。
「何かあったのか? 事態は優勢に進んでいるようだが」
「じ、実は、ヤツの強度が思った以上に高く、我々の武器ではトドメを刺しきれないのです」
あぁ……そういうことか。
それは完全に俺の責任だ。
何せ、彼らに支給している武器は安物だからなぁ。
これもソリス・アースロードが金をケチった結果だ。
とはいえ、今は恨んでいる暇もない。
なんとかしてあのイノシシを倒しきらないと。
その時、剣を手にした俺の手に強い力を感じた。
な、なんだ、これは……今までに経験のない感覚だ。
困惑していると、ふとここが前世で好きだった小説と酷似した世界観であるのを思い出す。
「そういえば……ソリス・アースロードにはスキルがあった」
ここが本当にあの小説と同じ世界というなら、俺の持つスキルは――【斬撃強化】。
剣など斬撃によるダメージが飛躍的に上昇するスキルだ。
こいつがあれば、あの巨大なイノシシ型モンスターを倒せるかもしれない。
「やるしかないか!」
気合一閃。
やり方なんて教わっていないから正しいかどうか分からないけど、とにかく本能のままにスキルを発動させてみる。
すると、両手を通じて剣に力が注がれているのを感じる。
どうやら第一段階は成功と見ていいようだ。
あとは食料確保のため――ヤツの首を斬り落とす。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
俺は叫びながらイノシシへと突っ込んでいく。
ローチやノアンたちが何事かを叫んでいるようだが、今の俺には何も聞こえない。
ただ、村のみんなのためにあの巨大イノシシを仕留めなくてはという使命感によって体が動いていた。
俺は剣を振りかぶると、そのまま目の前の空間を斬る。
空振りをしたわけじゃない。
原作通りなら、これが正しい攻撃方法なのだ。
次の瞬間――俺の狙いは的中した。
放たれた斬撃は白く発光しながらイノシシへと真っ直ぐに伸びていき、首を切断する。
大木のように太い骨が露出し、鮮血が宙を舞った。
やがてその巨体はゆっくりと横に倒れ、ピクリとも動かなくなる。
「や、やった……やったぞ!」
勝利を確信した俺は思わず叫んだ。
それから、茫然としていたローチたちがやってきてもみくちゃにされる。
テンションが高まっての行動であり、みんなすぐに謝罪の言葉を述べていったが、俺は素直に嬉しかったと伝えてこの場は収まった。
なんだかみんなとの距離が少し縮まったような気がしたよ。
倒したイノシシは全員でリーノ村まで運んでいく。
到着する頃には夕方になっており、ちょうど晩御飯の支度に精を出す時間帯。
今日は大きな食材が手に入ったということで数年ぶりに大宴会を開く運びとなった。
村の女性たちにも協力をしてもらい、イノシシをさばいてその肉を焼きまくり、俺が返却した野菜と一緒にいただく。
ちなみにお酒も振る舞われたが、俺は断った。
この世界の飲酒については特に年齢の制限がないようだが、前世の俺は下戸だったこともあってあまり酒に良い思い出がないんだよな。こちらでの年齢的にも控えておいた方がいいだろう。
一方、村人たちは浮かれ倒していた。
久しぶりに食べるおいしい料理に、中には泣き出す者まで現れる。
それだけ辛い生活を送ってきたってことだよな。
……これからは領民のために働くいい領主となるよう心がけよう。
何もしないで悪行を重ねていては、原作と同じ末路をたどるわけだしね。
ともかく、こうしてリーノ村での楽しい夜はゆったりと過ぎていくのだった。
力をつけるためには肉が必要だ。
そこで、俺は先日この村に出現した巨大イノシシに目をつけた。
前世の記憶を取り戻すきっかけになったとはいえ、思いっきり吹っ飛ばされているわけだからな。
今回は俺の護衛騎士を務めているローチと彼の部下であるベック、デビットのふたり、さらには村の男たち数人で捕獲作戦を行う。
「イノシシの捕獲だけど、やっぱりここは罠を仕掛けるべきか?」
「そうですね。真正面から戦っては不利でしょう」
ローチは決して弱い騎士ではない。
あのイノシシが規格外にデカいだけなのだ。
その分、食料としてはこの上ないほど魅力的な存在と言えた。
村人たちの腹を満たし、余ったら干し肉にすれば保存食となる。毛皮も丹念に洗って獣臭を取り除けば立派な防寒具となるだろう。さらに、頑丈な骨は武器や農具を作るための素材になる。まさに捨てるところがない、全身お宝みたいな存在だ。
そんなイノシシを捕獲するため、俺たちは近くの森へと足を踏み入れる。
ここではリーノ村の男たちが山菜を取りに入ることがあるらしく、一部の道はきちんと整備されていた。
農作業で忙しいはずなのに、自分たちの食料を得るためにこんな努力をしていたのか。
頭が下がる思いを抱くと同時に、前世の記憶が戻るまでのソリス・アースロードがいかに無能であったか、それを肌で感じているよ。
「凄いな。こんな立派な道を作るなんて」
「山菜は貴重な食糧ですからね。それに木の枝からはいろいろな物が作れますから」
イノシシ捕獲作戦に参加しているノアンという若者が教えてくれた。
彼の年齢は十六歳で、俺よりもかなり若い。
だが弓の名手らしく、村の農作物を食い荒らす害獣相手を仕留めたりしているらしい。
それならここで鹿とか野鳥を狩ってもよさそうだな。
今度提案してみるか。
ある程度進むと、巨大イノシシ型モンスターの動きを封じるトラップを仕掛ける。今回使用するのは普通のトラップではなく、魔道具の一種だという。
「よくそんなトラップがあったな」
「これ、僕が作ったんですよ」
そう語ったのはノアンと並んで最年少の参加者であるハーヴェイだった。
「村の作物がやられるケースが相次いだので、その対策に。完全に動きを封じるのは難しいかもしれませんが、鈍らせることはできると思います」
「それだけで十分だ。あとは俺たちがやる」
鞘に手をかけるローチの目には闘志の炎が燃えていた。
この前はだいぶ苦戦していたからなぁ。
リベンジしてやると気合十分だ。
その後、持ってきた罠はすべて設置し終えたので一旦引き返すことに――しようと思ったのだが、想定よりもだいぶ早くイノシシは罠にかかった。
「ブオオオオオオオオッ!」
凄まじい咆哮が森の中に響き渡る。
「っ! ヤツか!」
「ソリス様はお下がりください! ここは我らが相手をします!」
ローチ、デビット、ベックの三人は前回の雪辱を晴らすべく、イノシシの鳴き声がした方へと駆け出す。
「俺たちも行きます!」
「何かの役に足すはずですから!」
さらに弓使いのノアンと魔道具使いのハーヴェイが続いた。
俺は待機しているように言われたが……さすがにこのままというわけにはいかない。
一応、屋敷から護身用にと剣を持ってきておいて正解だったな。
村の者たちからは止められたが、居ても立ってもいられなくなって気がついたらローチたちを追って走り出していた。
イノシシのいた場所はそれほど離れておらず、すぐに合流することができた――が、やはりその大きさには圧倒される。
戦況はだいぶ優位のようだ。
どうやら、ハーヴェイ手製のトラップが効果を発揮して動きを鈍らせることに成功しているらしい。
「どうやら勝利は時間の問題だな」
「ソ、ソリス様!」
遠くから指揮を執っていたローチに声をかける。
意外にも、彼は焦っているようだった。
「何かあったのか? 事態は優勢に進んでいるようだが」
「じ、実は、ヤツの強度が思った以上に高く、我々の武器ではトドメを刺しきれないのです」
あぁ……そういうことか。
それは完全に俺の責任だ。
何せ、彼らに支給している武器は安物だからなぁ。
これもソリス・アースロードが金をケチった結果だ。
とはいえ、今は恨んでいる暇もない。
なんとかしてあのイノシシを倒しきらないと。
その時、剣を手にした俺の手に強い力を感じた。
な、なんだ、これは……今までに経験のない感覚だ。
困惑していると、ふとここが前世で好きだった小説と酷似した世界観であるのを思い出す。
「そういえば……ソリス・アースロードにはスキルがあった」
ここが本当にあの小説と同じ世界というなら、俺の持つスキルは――【斬撃強化】。
剣など斬撃によるダメージが飛躍的に上昇するスキルだ。
こいつがあれば、あの巨大なイノシシ型モンスターを倒せるかもしれない。
「やるしかないか!」
気合一閃。
やり方なんて教わっていないから正しいかどうか分からないけど、とにかく本能のままにスキルを発動させてみる。
すると、両手を通じて剣に力が注がれているのを感じる。
どうやら第一段階は成功と見ていいようだ。
あとは食料確保のため――ヤツの首を斬り落とす。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
俺は叫びながらイノシシへと突っ込んでいく。
ローチやノアンたちが何事かを叫んでいるようだが、今の俺には何も聞こえない。
ただ、村のみんなのためにあの巨大イノシシを仕留めなくてはという使命感によって体が動いていた。
俺は剣を振りかぶると、そのまま目の前の空間を斬る。
空振りをしたわけじゃない。
原作通りなら、これが正しい攻撃方法なのだ。
次の瞬間――俺の狙いは的中した。
放たれた斬撃は白く発光しながらイノシシへと真っ直ぐに伸びていき、首を切断する。
大木のように太い骨が露出し、鮮血が宙を舞った。
やがてその巨体はゆっくりと横に倒れ、ピクリとも動かなくなる。
「や、やった……やったぞ!」
勝利を確信した俺は思わず叫んだ。
それから、茫然としていたローチたちがやってきてもみくちゃにされる。
テンションが高まっての行動であり、みんなすぐに謝罪の言葉を述べていったが、俺は素直に嬉しかったと伝えてこの場は収まった。
なんだかみんなとの距離が少し縮まったような気がしたよ。
倒したイノシシは全員でリーノ村まで運んでいく。
到着する頃には夕方になっており、ちょうど晩御飯の支度に精を出す時間帯。
今日は大きな食材が手に入ったということで数年ぶりに大宴会を開く運びとなった。
村の女性たちにも協力をしてもらい、イノシシをさばいてその肉を焼きまくり、俺が返却した野菜と一緒にいただく。
ちなみにお酒も振る舞われたが、俺は断った。
この世界の飲酒については特に年齢の制限がないようだが、前世の俺は下戸だったこともあってあまり酒に良い思い出がないんだよな。こちらでの年齢的にも控えておいた方がいいだろう。
一方、村人たちは浮かれ倒していた。
久しぶりに食べるおいしい料理に、中には泣き出す者まで現れる。
それだけ辛い生活を送ってきたってことだよな。
……これからは領民のために働くいい領主となるよう心がけよう。
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