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第315話 衝撃の事実
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霊峰ガンティア――その山頂へと続く最後のダンジョン内部には、明らかに人の手が加えられた痕跡があった。
「これって……俺たちが来る遥か昔から、山頂付近に足を踏み入れた人たちがいるっていう何よりの証拠だよね?」
確認するように呟くと、周りのみんなも動揺しつつ首を縦に振った。
祖父アダム・カルーゾでさえたどり着けなかったこの場所に、少なくとも百年以上は昔の人たちが足を踏み入れていたなんて。
おまけにダンジョン内部を改装しているってことは、長らくこの場に滞在していたという驚愕の事実につながる。ワーウィックの住んでいる遺跡ほどではないが、ここもそれなりの規模があるみたいだし。
「とりあえず、先へ進もう。ここを詳しく調べるのはもうちょっとあとだ」
まずは最終目的地である山頂を目指してダンジョン内の階段を上っていく。
上に向かって進んでいるのだから、着実にてっぺんへ近づいているはず。
そう考えつつ歩き続けていくと、やがて階段が終わり、長い直線が目の前に現れた。
照明魔法で前方を照らしつつ、さらに奥へ。
「モンスターは出てきそうにないな」
「それだけは救いだ」
ホッと胸を撫でおろすシルヴィア。
それについては完全に同意する。
さて、それからしばらく歩いていくと、徐々に空間が広がっていくのが分かった。
出口が近いのかもしれないと思い、自然と足の動きが速まる。
だが、俺たちを待ち受けていたのはまったく違うものだった。
「っ! こ、ここは……」
広い空間。
高い天井。
これまでとはまったく異なる雰囲気の場所へと出た。
さらにここにはあの遺跡と同じ構造と思われる建築物がある――が、こちらは何らかの理由で崩壊してしまったようだ。
「空間の規模からすると、ワーウィックのいる遺跡よりは小さいようですな」
「あっちは地底湖もありましたからねぇ」
周辺を見渡しながら話すダイールさんとレオニーさん。
俺たちはワーウィックのところで一度目の当たりにしているから驚きつつもまだ冷静さを保っていた。
一方、これまでにこういった遺跡などを見た経験がないオティエノさんやディランさんは口が半開き状態となりながら忙しなく首を動かしている。
それにしても、なぜ壊れているのだろう。
何か意図があるのだろうか……少し気がかりだな。
この先はこれまで以上に慎重さを持って進むとしよう。
「これって……俺たちが来る遥か昔から、山頂付近に足を踏み入れた人たちがいるっていう何よりの証拠だよね?」
確認するように呟くと、周りのみんなも動揺しつつ首を縦に振った。
祖父アダム・カルーゾでさえたどり着けなかったこの場所に、少なくとも百年以上は昔の人たちが足を踏み入れていたなんて。
おまけにダンジョン内部を改装しているってことは、長らくこの場に滞在していたという驚愕の事実につながる。ワーウィックの住んでいる遺跡ほどではないが、ここもそれなりの規模があるみたいだし。
「とりあえず、先へ進もう。ここを詳しく調べるのはもうちょっとあとだ」
まずは最終目的地である山頂を目指してダンジョン内の階段を上っていく。
上に向かって進んでいるのだから、着実にてっぺんへ近づいているはず。
そう考えつつ歩き続けていくと、やがて階段が終わり、長い直線が目の前に現れた。
照明魔法で前方を照らしつつ、さらに奥へ。
「モンスターは出てきそうにないな」
「それだけは救いだ」
ホッと胸を撫でおろすシルヴィア。
それについては完全に同意する。
さて、それからしばらく歩いていくと、徐々に空間が広がっていくのが分かった。
出口が近いのかもしれないと思い、自然と足の動きが速まる。
だが、俺たちを待ち受けていたのはまったく違うものだった。
「っ! こ、ここは……」
広い空間。
高い天井。
これまでとはまったく異なる雰囲気の場所へと出た。
さらにここにはあの遺跡と同じ構造と思われる建築物がある――が、こちらは何らかの理由で崩壊してしまったようだ。
「空間の規模からすると、ワーウィックのいる遺跡よりは小さいようですな」
「あっちは地底湖もありましたからねぇ」
周辺を見渡しながら話すダイールさんとレオニーさん。
俺たちはワーウィックのところで一度目の当たりにしているから驚きつつもまだ冷静さを保っていた。
一方、これまでにこういった遺跡などを見た経験がないオティエノさんやディランさんは口が半開き状態となりながら忙しなく首を動かしている。
それにしても、なぜ壊れているのだろう。
何か意図があるのだろうか……少し気がかりだな。
この先はこれまで以上に慎重さを持って進むとしよう。
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