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第305話 直談判へ
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ラクロワ家をあとにしてジェロム地方のアダム村へと戻ってきた俺たちは、すぐにフルズさんやマクシムさんと古くからの付き合いがある相談役を屋敷へと招く。そしてダイールさんとレオニーさんも参加して今後の話し合いを行った。
話し合いとはいえ、やるべきことは決まっている。
アインレット家に乗り込んで一方的に決まったシルヴィアとの婚約破棄を撤回してもらうのだ。
「あの父上が素直に応じてくれるとは思えないけど……それでも、俺はシルヴィアとの婚約を破棄する気なんてこれっぽっちもないし、これからもジェロム地方の領主としてやっていくつもりでいます」
「よく言った、領主殿!」
「それでこそ我らの領主殿だ!」
ギルドマスターを務めるフルズさんと、村で唯一の診療所を運営するマクシムさんは立ち上がって拍手をしながら喜んでくれた。
あとは……これを実現させるだけだ。
「俺は抗議のために明日の早朝にはここを出て、アインレット家の屋敷へ向かおうと思っています」
「そ、それは……」
さっきまでの威勢が消え、口ごもるフルズさんとマクシムさん。ダイールさんとレオニーさんも似たような反応だ。
……みんな、俺がどんな経緯でこのジェロム地方へたどり着いたか知っているので、言及しづらいんだろうな。ここへ来てから実家に戻るのは初めてじゃないにしても、前回とは状況がまるで違う。だから、心配してくれているのだろう。
でも、このまま何もしないわけにはいかないからな。
「明日はまた遠征でしばらく留守にするので、おふたりにはその間に村のまとめ役をお願いします」
「任せてください」
「こちらは何も心配いりませんよ」
「ありがとうございます」
力強く言い切ってくれたふたり……本当に頼れる存在だよ。
「ロイス様、今回は私も同行します」
「私も護衛に全力を注ぎますぞ」
「わ、私もです!」
「テスラさん、ダイールさん、レオニーさん、ありがとう。頼りにしています」
具体的な対策は何も浮かばなかったけど、結束力は強まった。あとは父上と直接話をしてなんとか理解を得られるようにしないと。
それと……気になるのは婚約破棄の理由だ。
なぜこのタイミングでそんな話を切りだしたのだろうか。
あまりにも不自然すぎる。
ひょっとしたら、裏に別の思惑が隠れているのではないかと俺は勘繰っていた。
しかし、こればかりはどれだけ考えても答えは出ない。
父上の口から真実を語ってもらうしかないだろうな。
話し合いとはいえ、やるべきことは決まっている。
アインレット家に乗り込んで一方的に決まったシルヴィアとの婚約破棄を撤回してもらうのだ。
「あの父上が素直に応じてくれるとは思えないけど……それでも、俺はシルヴィアとの婚約を破棄する気なんてこれっぽっちもないし、これからもジェロム地方の領主としてやっていくつもりでいます」
「よく言った、領主殿!」
「それでこそ我らの領主殿だ!」
ギルドマスターを務めるフルズさんと、村で唯一の診療所を運営するマクシムさんは立ち上がって拍手をしながら喜んでくれた。
あとは……これを実現させるだけだ。
「俺は抗議のために明日の早朝にはここを出て、アインレット家の屋敷へ向かおうと思っています」
「そ、それは……」
さっきまでの威勢が消え、口ごもるフルズさんとマクシムさん。ダイールさんとレオニーさんも似たような反応だ。
……みんな、俺がどんな経緯でこのジェロム地方へたどり着いたか知っているので、言及しづらいんだろうな。ここへ来てから実家に戻るのは初めてじゃないにしても、前回とは状況がまるで違う。だから、心配してくれているのだろう。
でも、このまま何もしないわけにはいかないからな。
「明日はまた遠征でしばらく留守にするので、おふたりにはその間に村のまとめ役をお願いします」
「任せてください」
「こちらは何も心配いりませんよ」
「ありがとうございます」
力強く言い切ってくれたふたり……本当に頼れる存在だよ。
「ロイス様、今回は私も同行します」
「私も護衛に全力を注ぎますぞ」
「わ、私もです!」
「テスラさん、ダイールさん、レオニーさん、ありがとう。頼りにしています」
具体的な対策は何も浮かばなかったけど、結束力は強まった。あとは父上と直接話をしてなんとか理解を得られるようにしないと。
それと……気になるのは婚約破棄の理由だ。
なぜこのタイミングでそんな話を切りだしたのだろうか。
あまりにも不自然すぎる。
ひょっとしたら、裏に別の思惑が隠れているのではないかと俺は勘繰っていた。
しかし、こればかりはどれだけ考えても答えは出ない。
父上の口から真実を語ってもらうしかないだろうな。
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