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2巻

2-3

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「そっちの少女は召使めしつかいか?」
「い、いえ、私の友人のユリアーネです」
「は、はじめまして」

 地をうほど低い声に威圧感たっぷりの眼差まなざしがユリアーネに襲いかかる。こうなってしまうと、ユリアーネは完全に肉食獣ににらまれた獲物という感じでおびえてしまっていた。
 しかし、当のマーシャルさんはそんなユリアーネを意に介さず……

「友人? 平民が友人なのか?」

 と、シルヴィアに尋ねた。

「は、はい。彼女は私の友人です」

 口調にわずかな乱れがあったものの、そこだけは譲らなかった。
 シルヴィアの力強い眼差しを見て、逆にマーシャルさんはまゆをピクッと動かして驚いたように目を見開く。

「……そうか。そんな顔ができるようになったか」
「えっ?」
「いや、なんでもない。あと、そっちの羊は非常食か?」
「メッ!?」

 非常食扱いされたマックは驚き、俺の背中に隠れた。

「ち、違います! マックは俺の友だちですよ!」
「そうなのか……平民だけでなく羊も友人とは」

 生まれも育ちも由緒ゆいしょある貴族のマーシャルさんは、心底不思議そうに首を傾げた。
 それから少し考え込んでいたが、本題を思い出したらしく、ポンと手を叩いてから話題をガラリと変える。

「で、用事とのことだったが、ダンジョンになんの用事があるというのだ?」
「それは俺が説明します」

 ここは領主である俺が話した方がいいだろうと思い、一歩前に出た。

「ジェロム地方に――いや、正確に言えば、霊峰ガンティアに広大なダンジョンを見つけたんです」
「何っ?」

 ダンジョンという言葉を口にしたら、マーシャルさんの表情にけわしさが増した。何か気になることでもあったのか?

「あそこにダンジョンがあるという情報はないはずだが?」

 声と視線に威圧感が増す。
 それにめげず、俺は説明を続ける。

「ですが、俺たちは実際にダンジョンへ足を踏み入れ、中の様子を確認してきました。まだ完全に調査しきれてはいませんが、現段階ではギルドを設立すれば管理できると判断し、今日はその参考にアスコサ内にある関連施設を見て回っているんです」
「なるほど。ジェロムでギルド運営か……国への届け出は済んだか?」
「それはまだ……」
「ダンジョン近くでギルドを運営するならば、国に許可を取らなくてはならない。むろん、我ら騎士団への報告の義務もある」

 そ、そうだった。
 国への報告は覚えていたけど、騎士団にも話を通さなくちゃいけないんだったな。教えてくれて助かったよ……すっかり忘れていた。

「その顔だと、書類の準備はまだのようだな」
「は、はい……」

 指摘された俺は黙りこくってしまう。
 すると、マーシャルさんは馬から降りてこう言った。

「私はこれからアスコサの町長からの依頼でこのダンジョンの内部を調査するのだが――うっかり部下を置いてきてしまった。誰か、私の手伝いをしてくれる者がいると助かるのだが……心当たりはあるか?」
「「「えっ?」」」

 思わぬ質問に、俺たち三人から間の抜けた声が漏れる。
 ていうか、うっかり部下を置いてきたっていうのはたぶん嘘だろうな。
 騎士団長最有力候補にも名前が挙がるマーシャルさんが、初心者向けのダンジョンに仲間を引き連れて入るなんてしないだろう。ひとりでササッと目的を果たせるはずだ。
 そして何より……明らかに俺たちを誘っているとしか思えない発言。
 何か裏に隠された思惑でもあるのか。
 疑うあまりなかなか返事が出せない俺を見かねたのか、横に立つシルヴィアが勢いよく手を挙げた。

「マ、マーシャル兄さん! 私たちがお手伝いします!」

 挙手をした勢いのままに協力を申し出るシルヴィア。一歩を踏みだせずにいた俺の代わりに言ってくれたみたいだ。

「そうか。助かる。君たちはどうだ?」
「お、俺も行きます!」
「私も――戦闘以外でしたらお手伝いできます! ダンジョンがどんな場所なのかは前から気になっていたんです! だから一緒に行きたいです!」
「ならば来てもらおう」

 相変わらず表情も声色も変化しないから分かりづらいけど……もしかして、マーシャルさんなりに気をつかってくれたのかな?
 とにかく、いい機会だ。
 こうなったら、アスコサのダンジョンの内部を徹底的に見せてもらうとしよう。
 マーシャルさんは近くの木に馬をつなぐと、先頭を切ってダンジョンへ入っていく。俺たちも遅れないようにそれに続いた。
 陽光が当たらないということもあってか、ダンジョンの内部はひんやりとしていた。ムデル族の集落の近くにあったダンジョンはもうちょっと暖かかったな。
 それとここは発光石はっこうせきではなく、壁に張りついた光るこけのおかげで内部が明るく、歩くのに問題はない。
 それ以外に大きく違った点はないが、まあ、明らかに雰囲気が異なるダンジョンの方がめずらしいのかもしれない。
 俺やシルヴィアとしては、以前に探索したダンジョンと大きな違いがないということで、ひとつ安心できる材料だ。
 さて、ダンジョンに入れて願ったり叶ったりの展開なのだが……相変わらず、マーシャルさんは何を考えているのかサッパリつかめない。
 今も特に何か話すわけでもなく、ただひたすら黙々と前進し続けている。

「どうかしたのか、ロイス」
「っ! い、いえ!」

 ……まるでこちらの思考を見透みすかしているかのように、絶妙なタイミングで振り返って声をかけてくる。
 ……まあ、マーシャルさんの思惑は置いておくとして、今はこのダンジョンの探索で少しでも多くの情報を持ち帰ることに専念しなくては。あと、ダンジョン初挑戦となるユリアーネのフォローも忘れずに。


 しばらくダンジョンの内部を見て回ったのだが、特に異変らしい異変は起きていなかった。

「ふむ。別に変わった様子は見受けられないな」

 腕を組み、周囲を見渡しながらマーシャルさんはそう呟いた。
 ダンジョンに入ってかれこれ三十分ほど経過していたが、確かにここまでの道のりは非常に平坦なものであった。
 モンスターと遭遇そうぐうはしたがどれも雑魚ざこばかりで、これといって危険性のあるトラップも存在しないときている。正直言って、肩透かしを食らった気分だ。
 でもまあ、こちらの戦力を考慮したら、その方がありがたいか。非戦闘要員であるユリアーネも連れているわけだし。

「これ以上の調査は無駄そうだな。引きあげるとしよう」

 きびすを返し、元来た道を引き返そうとするマーシャルさん――と、急にその足がピタッと止まった。

「む?」

 眉根まゆねを寄せて、何やら一点を見つめているが……あそこに何かあるのか?
 警戒を強めながら辺りを見回していると、それは突然姿を現した。

「ガアアアアアアアアアッ!!」

 ダンジョンの奥から響いてくる謎の雄叫びに、俺とシルヴィアとユリアーネの三人はビクッと体を強張こわばらせる。
 モンスターであることは間違いないが――これまで相手にしてきた雑魚とは実力がまるで違う強敵だろう。鳴き声の迫力だけでそれが痛いほど伝わってきた。

「どうやら、一筋縄ではいかないモンスターのようだ」

 それはシルヴィアも感じ取ったらしい。
 剣を取り、戦う姿勢を見せたシルヴィアに頼もしさを覚えつつ、俺はユリアーネの安全確保に乗り出す。

「ユリアーネは俺たちの後ろに隠れて!」
「は、はい!」

 俺とシルヴィアはユリアーネを守るように前へ出る――が、そんな俺たちよりもさらに前にマーシャルさんが飛び出した。

「安心しろ」

 短くそう告げるマーシャルさん。
 静かでおだやかな口調だったが……どこか力強さがあった。

「グガアアアアアアアアアッ!」

 マーシャルさんの頼もしさを見習わなければと決意を新たにしていたら、とうとう雄叫びの主が姿を現した。
 その正体は――

「サラマンダー!?」

 オレンジと紫のまだら模様という、なんとも毒々しいちをしたオオトカゲ型モンスターのサラマンダーが現れた。体長はゆうに五メートルを超える大物だ。さすがのマックでもこいつを相手にするのは無理だろう。

「グルルゥ!」

 長い舌をチロチロと出しながら、四本の足を動かして近づいてくるサラマンダー。
 並みの冒険者ならば、戦うことを放棄して逃げだすだろう。
 ――しかし、マーシャルさんは違っていた。

「なるほど。初心者向けのダンジョンにこんなモンスターがみ着いていたとはな」

 眉ひとつ動かすことなく、淡々とした口調でそう言ったあと、目の前のサラマンダーをジッと見据みすえている。
 やがて、マーシャルさんと目が合ったサラマンダーは動きを止めた。

「「…………」」

 両者の睨み合いがしばらく続いたのち――サラマンダーに動きがあった。

「グルゥ……」

 先ほどに比べて、弱々しく鳴き始めたのだ。
 ……嘘だろ。
 ただ睨みつけているだけでモンスターをひるませるなんて。
 それも、体格では向こうが圧倒しているのだ。

「ふん! 図体ばかりデカくて情けない! 貴様、それでもモンスターか!」

 ついにマーシャルさんがモンスター相手にお説教をし始めた。
 とんでもないな、この人は。

「グゥッ!」

 マーシャルさんに言われたことを理解したとは思えないが、それでもモンスターは先ほどまでの弱々しい態度から一転し、忘れかけていた獰猛さを前面に押し出すと、牙をむいて襲いかかってきた。

「マーシャルさん!?」

 俺は咄嗟とっさに重力魔法でサラマンダーの動きを封じ込めようとした――が、それには及ばなかった。

「ふん!」

 短いかけ声が聞こえたと思った直後、突然サラマンダーの体が真っ二つに裂けた。

「「「なっ!?」」」

 俺もシルヴィアもユリアーネも、何が起きたのか瞬時には理解できず、ズシンと重量感のある音を立ててくずれ落ちるサラマンダーの体を呆然ぼうぜんと眺めることしかできなかった。
 一瞬の早業はやわざ
 サラマンダーは悲鳴を上げる間もなく斬られ、絶命したのだ。
 あれが……次の騎士団長ともくされる者の実力か。
 剣を抜いた瞬間さえ、俺にはまったく見えなかった。

「す、凄い……」

 ただただ、そんな感想しか出てこない。というより、この言葉以上に現状を表現できる言葉を俺は知らなった。それはきっと、ユリアーネも一緒だろう。
 ただひとり――シルヴィアだけは違っていた。

「さ、さすがはマーシャル兄さん……」

 マーシャルさんの実力をよく知っているシルヴィアは、俺やユリアーネみたいに驚愕しているというより、感動しているようだった。
 ――前から気にはなっていたんだ。
 シルヴィアの剣士としての実力は決して未熟ではない。なんだったら、現役の騎士と戦わせても好勝負になるはず。
 それでも彼女はラクロワ家ではお荷物扱いだった。アインレットの敷地内にあるあんなボロ屋敷で暮らすとなっても、親はクレームひとつ寄越さなかった。
 でも、兄がこれだけの実力者となれば、親も見る目がえるというか、シルヴィアの力量では物足りないと判断してしまうのは無理のないことかもしれない。
 だからといってあのような仕打ちを認めるわけじゃないけれど。いくら親だからって、もうちょっとやりようはあったはずだ。
 唯一ゆいいつの救い――という表現が適切なのか分からないが、シルヴィアのマーシャルさんを見つめる視線には、「怒り」とか「憎悪ぞうお」というようなものは微塵みじんも感じられず、むしろ「尊敬」とか「憧れ」という気持ちが強そうだった。
 先ほどマーシャルさんと会った時の表情を見るに多少の苦手意識はあるようだが、有能すぎた兄のせいで不当な扱いを受けているという感覚はなさそうに思える。
 俺たち三人の視線を独占するマーシャルさんは、剣にべったりとついたサラマンダーの血を振り払うと、そのままさやに収める。

「大きくても所詮しょせんはトカゲか」

 簡単そうに言うけど、あれをトカゲと同類に扱える騎士ってそうはいないと思うなぁ。
 マーシャルさんはいまだに動けない俺たちを不審に思ったのか、ゆっくりと近づいてくる。

「どうした? どこか怪我でもしたのか?」
「い、いや、その、凄いなぁと思って」

 小さな子どもみたいな感想を呟くと、マーシャルさんの口角がわずかに上がり、「ふっ」と声を漏らした。
 ……えっ?
 もしかして、マーシャルさん今――笑った?
 真相は不明のまま、当のマーシャルさんはサラマンダーに近づくと、その体をさらに細かくバラバラにする。そして持っていたバッグから特殊加工が施された冒険者御用達ごようたしの袋を取り出し、そこへ肉片を詰め始めた。

「な、何しているんですか?」
「サラマンダーの肉はギルドへ持って行くと高値で買い取ってくれるからな」
「あっ! き、聞いたことあります! とてもレアなんですよね!」

 ユリアーネが思い出したように叫ぶ。
 そういうことなら、俺たちもお手伝いをしないと。元々はそれ目的で一緒にダンジョンへ入ったわけだし。


 協力してサラマンダーの肉片を回収し終えると、俺たちはダンジョンの外に出た。
 マーシャルさんは俺たち三人の方へ顔を向け、ピシッと背筋を伸ばす。

「いい働きだった。感謝するぞ」
「そ、そんな! 俺たちもいい勉強になりました!」
「そうですよ、マーシャル兄さん! お礼を言うのはこっちの方です!」
「は、はい! その通りです!」
「いや、そこまでは――うん?」

 騒ぎが気になったのか、近くにテントを張っている冒険者たちが集まってくる。その視線は、俺たちが両手いっぱいに持っているサラマンダーの肉片に注がれていた。
 もしや横取りするつもりなのか――と警戒したが、彼らの反応はまったく違っていた。

「あんたら……あのサラマンダーを倒したのか?」
すげぇじゃねぇか!」
「たいしたもんだぜ!」

 集まってきた冒険者たちは、俺たちの成果をたたえてくれた。
 それから、どうやってサラマンダーを倒したのか、他にどんなモンスターを倒したことがあるのか、と質問攻めを食らう。
 マーシャルさんが、自分はライセンスを持つ本職の冒険者でないと告げると、彼らはさらに驚いた。
 その後、マーシャルさんからの提案もあり、このダンジョンに挑んでいる冒険者たちからいろいろな話を聞いて回ることに。
 おかげで、これからのギルド運営に大きなヒントをたくさんもらえた。現場に出て体験しなければ、分からないことだな。とても有意義な時間を過ごすことができたよ。
 冒険者たちからの話を聞き終えると、それに合わせたかのように大勢の武装した男たちがダンジョンに押し寄せてきた。
 冒険者じゃなさそうな雰囲気だ。

「な、なんだ!?」

 そろいの制服に整った装備。
 あれは……王国騎士団か?

「あっ! いました!」

 ひとりの騎士が、俺たちを見るなり声を上げた。
 そして、指差す先にいたのは――

「一体今までどこにいたんですか、マーシャル殿!」

 若い黒髪の騎士は、馬から降りると怒りながらマーシャルさんに近づく。

「任務からの帰りがけにギルド近くを通ったら、急に走りだしていなくなるんだから……騎士団長もカンカンですよ。さあ、戻りましょう」
「あ、ああ、すまない」

 バツが悪そうに頭を下げるマーシャルさん。
 ……うん?
 あれ?
 やってきた騎士の話と、事前にマーシャルさんから聞いていた話には何か矛盾があるような気がする。

「マ、マーシャルさん……確か、アスコサの町長に頼まれて、このダンジョンを探索していたんじゃ――」
「あー……どうやら、俺の勘違いだったようだ」
「へっ?」

 か、勘違い?
 そんなまさか……依頼を受けたかどうかなんて勘違いするわけがない。
 ……最初から、町長の依頼なんてなかったんじゃないか? 
 もしかして、マーシャルさんは俺たちのためにダンジョンへ?
 ギルドの近くでダンジョンへ向かう俺たちを発見して追いかけ、俺たちの目的を知ったあとは嘘の依頼を理由にして一緒に潜ってくれた――そう思えば、筋が通る。

「マーシャル兄さん……」

 シルヴィアが不安そうにマーシャルさんの顔を見上げる。
 しかし当の本人はいつもと同じく、無表情かつ平坦な口調でシルヴィアに言う。

「元気そうで何よりだ」
「えっ?」

 あまりにも意外だったのか、そのひと言にシルヴィアが固まる。
 さらに、マーシャルさんは俺の方へとやってきて……

「少しは役に立ったか?」

 短く、それだけを口にした。
 それでも、俺には彼が何を伝えようとしているのか――相変わらず無表情で何を考えているのか読みきれないところはあるけど、今ならそれが少し理解できる気がした。

「はい! 本当にありがとうございました!」
「それならいいんだ」

 真っ直ぐに感謝の言葉を告げると、またしても短い言葉で返すマーシャルさん。
 だが、愛馬を連れて仲間とともにアスコサへ戻ろうとした際、もう一度俺のところへ足を運んできた。

「何かありましたか?」
「いや――妹を頼むぞ」
「えっ?」

 そのまま不動のマーシャルさん。背後で騎士団の仲間が「行きますよ!」と叫んでいるが、まるで聞こえていないかのように反応しない。
 どうやら、俺からの返事を聞くまではテコでも動かない気らしい。
 だったら――こちらの返事は決まっている。

「もちろんです! 何があってもシルヴィアを守ります!」
「……その言葉を聞けて良かった」

 最後にそれだけ告げて、マーシャルさんは騎士団の方へと向かっていった。

「静かでちょっと怖い人でしたけど――いい人ですね」

 近くで一連の流れを見ていたユリアーネが、俺に向かって笑顔でそう告げた。

「あぁ……」

 ……うん。
 そうだな。
 マーシャルさんは妹想いの優しいお兄さんだ。
 無表情でいろいろと読み取れないことは多いけど、彼は本気でシルヴィアのことを案じているようだった。
 これは……心強い味方が増えたと見ていいかな?
 ――なんて思っていたら、騎士団の中に魔法兵団の制服を着たビシェル兄さんを発見。どうやら共同での作戦中だったらしい。
 兄さんとは一瞬だけ目が合ったのだが、すぐに向こうが視線を外す。
 全身から「話しかけるんじゃねぇぞ」ってオーラがただよっているな。
 まあ、向こうがそのつもりなら、それでいいさ。
 マーシャルさんのおかげでいいアイディアがたくさん浮かんできたんだ。すぐにでもそれらを実現させるために取り組みたい。
 はやる気持ちを抑えつつ、俺とシルヴィア、そして急遽きゅうきょ参戦となったユリアーネの三人は、アスコサの町へと戻ることにした。
 そういえば、ミゲルさんやフルズさんはあれからどうしたんだろう。
 楽しみに待つとしよう。


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