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第153話 その名はダリアス
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かつて、俺がテイマーとしての心得を説いた八人。
ノエリー。
ミネット。
メイ。
フィオナ。
アリアーヌ。
ティオグ。
ロザリン。
そして今――最後のひとりに疑惑の目が向けられている。
「ダリアス……」
呟くように彼の名を口にした。
正義感が強く、他の七人にとってはまさに長兄と呼べる存在。同じく年長者であるアリアーヌやティオグも彼をよく頼っていた。
常に中心として他の七人を気にかけ、エヴェリンによって誘拐されそうになった際、真っ先に反撃を提案したのが彼だった。
そして何より、テイマーという職種にもっとも強い関心を抱いていたのが彼だった。
他のみんなはパートナー魔獣を「友だち」という感覚で連れていたが、ダリアスだけは違っていた。
彼はパートナー魔獣とともに強くなりたいという願望があり、やがては当時の俺と同じ冒険者になると意気込んでいた。
それによって得た報酬で自分たちと同じような境遇で苦しんでいる子どもたちを救うための施設を造るんだっていつも語っていたな。
そんなダリアスが疑惑の人物であるかもしれないという可能性が浮上している。
王聖六将として声をかけたのは六人のはずだが、なぜか候補者は七人いる――つまり、何者かがそこへ紛れ込もうとしているのだ。
トラビスはダリアスがその紛れ込もうとしている人物ではないかと予想を立てているようだが……俺にはとても信じられなかった。
「候補者が七人いるというなら、推薦者をたどっていけば分かるんじゃないか? 誰からの推薦も受けていない者が必ずいるはずだ」
「そういう簡単な話でもなさそうなんです」
「何? どういうことだ?」
どうやら、トラビスは今回の件について独自の情報を掴んでいるようだ。
「この疑惑を解決するために、僕は以前からうちのメンバーを使って情報を集めていたのですが……その結果、興味深い事実が発覚しました」
「興味深い事実? どういうものだ?」
「王聖六将の候補者として挙げられているダリアスですが……どうも他国からのスパイではないかという疑惑が浮上しています」
「なんだって!?」
おいおい。
もしそれが事実だとすれば大変なことになるぞ!
ノエリー。
ミネット。
メイ。
フィオナ。
アリアーヌ。
ティオグ。
ロザリン。
そして今――最後のひとりに疑惑の目が向けられている。
「ダリアス……」
呟くように彼の名を口にした。
正義感が強く、他の七人にとってはまさに長兄と呼べる存在。同じく年長者であるアリアーヌやティオグも彼をよく頼っていた。
常に中心として他の七人を気にかけ、エヴェリンによって誘拐されそうになった際、真っ先に反撃を提案したのが彼だった。
そして何より、テイマーという職種にもっとも強い関心を抱いていたのが彼だった。
他のみんなはパートナー魔獣を「友だち」という感覚で連れていたが、ダリアスだけは違っていた。
彼はパートナー魔獣とともに強くなりたいという願望があり、やがては当時の俺と同じ冒険者になると意気込んでいた。
それによって得た報酬で自分たちと同じような境遇で苦しんでいる子どもたちを救うための施設を造るんだっていつも語っていたな。
そんなダリアスが疑惑の人物であるかもしれないという可能性が浮上している。
王聖六将として声をかけたのは六人のはずだが、なぜか候補者は七人いる――つまり、何者かがそこへ紛れ込もうとしているのだ。
トラビスはダリアスがその紛れ込もうとしている人物ではないかと予想を立てているようだが……俺にはとても信じられなかった。
「候補者が七人いるというなら、推薦者をたどっていけば分かるんじゃないか? 誰からの推薦も受けていない者が必ずいるはずだ」
「そういう簡単な話でもなさそうなんです」
「何? どういうことだ?」
どうやら、トラビスは今回の件について独自の情報を掴んでいるようだ。
「この疑惑を解決するために、僕は以前からうちのメンバーを使って情報を集めていたのですが……その結果、興味深い事実が発覚しました」
「興味深い事実? どういうものだ?」
「王聖六将の候補者として挙げられているダリアスですが……どうも他国からのスパイではないかという疑惑が浮上しています」
「なんだって!?」
おいおい。
もしそれが事実だとすれば大変なことになるぞ!
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