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第152話 トラビスからの情報
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突如襲ってきたアンデッド集団との戦闘。
パートナー魔獣不在の中で徐々に劣勢となりつつあったが、トラビスと彼の部下たちが加入してくれたおかげでなんとか撃退できた。
俺たちは場所をミネットの別荘にある一室へと移し、そこでトラビスからさまざまな情報を得ることに。
「しかし、とんでもない事態になったな」
「えぇ……セラノスもさすがにこのままではまずいと思ったようで、まだ正式に出揃ってはいないものの王聖六将を動かして事態の収束を計っています」
そういえば、まだ候補の段階だったな。
現状では――
冒険者のニーナ。
傭兵派遣商会のトラビス。
鉱山王ダレン。
さらに俺の元弟子であるアリアーヌにロザリン。
そして俺と最後の「あいつ」を加えたら……七人となる。
そんな話をトラビスにしていたら、急に彼の表情が険しくなった。
「そこなんですよ、バーツさん。王聖六将でありながら、候補者は七人いるんです」
「だから、ここから絞り込むつもりじゃないのか? もしかしたら断るヤツが出てくるかもしれないし」
「でも、最初に意思確認をされませんでした?」
「それは、まあ……」
俺を王聖六将の候補に加えたいと最初に話を持ってきたのはノエリーだった。
最初は半信半疑だったけど、正規のオファーだったようで話はトントン拍子に進んでいったんだよな。
――って、まさか……
「トラビスは……本来なら王聖六将に選ばれていない人物がそこへ紛れ込んでいると考えているのか?」
「……さすがにそれだとすぐにバレてしまいそうなものですが、だからと言って最初から人数オーバーの七人全員を王都へ招集しようとするのは変じゃないですか?」
「なるほど、確かに」
断るにしたって、最初から七人いたのではスタートの段階でお断りをするってわけだからなぁ。そりゃ呼ばれた本人からすれば失礼極まり行為に取るだろうし、王国側もそんなことはしないだろう。
となると、本当に偽物が紛れ込んでいるのか?
そして恐らく……そいつは今回の件にも深く関与している。
「特定はできそうなのか?」
「現段階では何とも……ただ、怪しい人物がひとりだけいます」
「誰だ?」
気になって質問してみたが、トラビスはちょっと答えづらそうにしている。
――それで大体察しはついた。
「あなたの元弟子ですよ」
やはりそうか。
パートナー魔獣不在の中で徐々に劣勢となりつつあったが、トラビスと彼の部下たちが加入してくれたおかげでなんとか撃退できた。
俺たちは場所をミネットの別荘にある一室へと移し、そこでトラビスからさまざまな情報を得ることに。
「しかし、とんでもない事態になったな」
「えぇ……セラノスもさすがにこのままではまずいと思ったようで、まだ正式に出揃ってはいないものの王聖六将を動かして事態の収束を計っています」
そういえば、まだ候補の段階だったな。
現状では――
冒険者のニーナ。
傭兵派遣商会のトラビス。
鉱山王ダレン。
さらに俺の元弟子であるアリアーヌにロザリン。
そして俺と最後の「あいつ」を加えたら……七人となる。
そんな話をトラビスにしていたら、急に彼の表情が険しくなった。
「そこなんですよ、バーツさん。王聖六将でありながら、候補者は七人いるんです」
「だから、ここから絞り込むつもりじゃないのか? もしかしたら断るヤツが出てくるかもしれないし」
「でも、最初に意思確認をされませんでした?」
「それは、まあ……」
俺を王聖六将の候補に加えたいと最初に話を持ってきたのはノエリーだった。
最初は半信半疑だったけど、正規のオファーだったようで話はトントン拍子に進んでいったんだよな。
――って、まさか……
「トラビスは……本来なら王聖六将に選ばれていない人物がそこへ紛れ込んでいると考えているのか?」
「……さすがにそれだとすぐにバレてしまいそうなものですが、だからと言って最初から人数オーバーの七人全員を王都へ招集しようとするのは変じゃないですか?」
「なるほど、確かに」
断るにしたって、最初から七人いたのではスタートの段階でお断りをするってわけだからなぁ。そりゃ呼ばれた本人からすれば失礼極まり行為に取るだろうし、王国側もそんなことはしないだろう。
となると、本当に偽物が紛れ込んでいるのか?
そして恐らく……そいつは今回の件にも深く関与している。
「特定はできそうなのか?」
「現段階では何とも……ただ、怪しい人物がひとりだけいます」
「誰だ?」
気になって質問してみたが、トラビスはちょっと答えづらそうにしている。
――それで大体察しはついた。
「あなたの元弟子ですよ」
やはりそうか。
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