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第40話 女帝《エンプレス》
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未だにハッキリと主人公が誰なのか分からないまま、このゲームにおける最初のビッグイベントである舞踏パーティーの日が近づいてきた。
まず俺が取りかからなくてはいけないのは……誰をエスコートするか、だ。
現在のところ最有力候補として挙がっているのは婚約者でもあるテオリア。
原作でも彼女と一緒に参加するのでもっとも可能性が高い――というか、ここは無難にテオリアでいった方がよさそうだ。
本来であれば両者の関係は冷え切っており、エスコートも婚約者という間柄で何もしないのは不自然だと、ただ世間体を気にしてやっただけに過ぎない。
しかし、今の俺とテオリアは非常に仲がいい。
それも無理ないことで、彼女が主人公と接触するフラグを俺が片っ端から叩き折っているからだ。
ゲームの原作者としてはなるべく避けたいのだが、命には代えられない。
それに、主人公の存在がハッキリすればきっと彼女もそちらに流れるはず。
さて、その主人公だが……俺はこの舞踏パーティーでその正体が判明するだろうと睨んでいた。
というのも、原作ではこのパーティーでベストカップルに選ばれることがヒロインとのフラグ成立に大きくかかわっているからである。
つまり、ベストカップルに選ばれた女子がヒロインで男子が主人公となるのだ。
「ベストカップル……果たして誰が選ばれるのか」
「私とエナードで決まりでしょう?」
「……いや、そう簡単にいくかどうか」
「あら、珍しく弱気ね」
どう足掻いても主人公には勝てないからなぁ。
もちろん、やるからには全力で挑むつもりでいるが――と、その時、背後から何やら凄い圧を感じ、勢いよく振り返った。
そこにはこちらへと歩いてくるひとりの女子生徒が。
「ごきげんよう、エナード・ガディウスさん」
優雅な足取りでやってきたのは――
「サ、サラ・クロフォード……先輩」
ヒロインのひとりであり、ゲーム内でも最強格という扱いを受ける女帝《エンプレス》ことサラ・クロフォードであった。
「話題の新入生であるあなたに名前を覚えてもらえるなんて光栄ですね」
「そんな。むしろこちらの方が光栄ですよ」
まさか女帝《エンプレス》の方から接触をしてくるなんて。
しかし、本当に驚くのはここからだった。
「ちょうどよかったわ。これからあなたに会おうと教室を訪れるつもりでしたから」
「俺に?」
「そうです。単刀直入に言わせてもらいますが――舞踏パーティーではこの私とペアを組みなさい」
「「えぇっ!?」」
あまりにも予想外な提案に思わずテオリアと声を合わせて驚いた。
まず俺が取りかからなくてはいけないのは……誰をエスコートするか、だ。
現在のところ最有力候補として挙がっているのは婚約者でもあるテオリア。
原作でも彼女と一緒に参加するのでもっとも可能性が高い――というか、ここは無難にテオリアでいった方がよさそうだ。
本来であれば両者の関係は冷え切っており、エスコートも婚約者という間柄で何もしないのは不自然だと、ただ世間体を気にしてやっただけに過ぎない。
しかし、今の俺とテオリアは非常に仲がいい。
それも無理ないことで、彼女が主人公と接触するフラグを俺が片っ端から叩き折っているからだ。
ゲームの原作者としてはなるべく避けたいのだが、命には代えられない。
それに、主人公の存在がハッキリすればきっと彼女もそちらに流れるはず。
さて、その主人公だが……俺はこの舞踏パーティーでその正体が判明するだろうと睨んでいた。
というのも、原作ではこのパーティーでベストカップルに選ばれることがヒロインとのフラグ成立に大きくかかわっているからである。
つまり、ベストカップルに選ばれた女子がヒロインで男子が主人公となるのだ。
「ベストカップル……果たして誰が選ばれるのか」
「私とエナードで決まりでしょう?」
「……いや、そう簡単にいくかどうか」
「あら、珍しく弱気ね」
どう足掻いても主人公には勝てないからなぁ。
もちろん、やるからには全力で挑むつもりでいるが――と、その時、背後から何やら凄い圧を感じ、勢いよく振り返った。
そこにはこちらへと歩いてくるひとりの女子生徒が。
「ごきげんよう、エナード・ガディウスさん」
優雅な足取りでやってきたのは――
「サ、サラ・クロフォード……先輩」
ヒロインのひとりであり、ゲーム内でも最強格という扱いを受ける女帝《エンプレス》ことサラ・クロフォードであった。
「話題の新入生であるあなたに名前を覚えてもらえるなんて光栄ですね」
「そんな。むしろこちらの方が光栄ですよ」
まさか女帝《エンプレス》の方から接触をしてくるなんて。
しかし、本当に驚くのはここからだった。
「ちょうどよかったわ。これからあなたに会おうと教室を訪れるつもりでしたから」
「俺に?」
「そうです。単刀直入に言わせてもらいますが――舞踏パーティーではこの私とペアを組みなさい」
「「えぇっ!?」」
あまりにも予想外な提案に思わずテオリアと声を合わせて驚いた。
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