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第175話 ザクセンからの相談
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レメットたちはソニルの案内で翡翠島観光へと出かけた。
それを見送った後で俺はザクセンさんとともに彼の家へと移動。
今後について詳細な話と相談内容の確認を行った。
「悪いな、わざわざこんな遠くまで呼び出して」
「いえいえ。俺も久しぶりに翡翠島へ来ることができて嬉しいですよ」
「村長になったんだものな。同じ長の役職に就く者としてその大変さはよく分かる。何かあれば相談に乗るぞ」
「ありがとうございます」
「とはいえ、今日は俺が相談に乗ってもらうんだがな」
「ガハハハ!」といつもの豪快な笑い声を響かせつつ、その表情は少し不安さもあるように映った。
「それで、相談というのは?」
「うむ。実は……先日、この島に来訪者があってな」
「来訪者? 来島を許可したんですか?」
「まあな」
これには正直驚いた。
現在、翡翠島に住んでいるのは獣人族のみ。
これまでは来島どころか、この島に暮らす人が大陸側に渡ることさえなかった。完全に人間とのかかわりを断ち、独自の文化を築きあげてきたのだ。
ただ、最近になって人口減少や食料不足などの問題から、長であるザクセンさんはもっとも近い位置にあるメルキス王国との交易を目指すようになっていた。
俺を島へ受け入れてくれた最大の理由はソニルが気に入ったからというので間違いはないのだが、大陸側の様子を知るための情報源としての役割もあったのだ。
だが、これまで俺以外の誰かを島に招いたというケースはなかった。
その背後にはある理由が。
「彼らは住んでいる大陸こそ違うが、俺たちと同じ獣人族だった」
「別大陸の獣人族、ですか……」
なるほど。
それなら受け入れもしやすいか。
これまで人間社会との関係を断絶してきた翡翠島の獣人族たち。
中にはザクセンさんの考えに対して懐疑的な意見を持つ者もいたようだが、ガウリー大臣やアヴェルガ家のフリード様のように誠実で他者を尊重してくれる人物がいると知り、最近では大陸側との接触を歓迎する動きばかりになってきたという。
別の大陸の獣人族を招いたのも、今までの閉鎖的な島の文化から脱却したいという思いの表れというわけだ。
――が、どうもザクセンさんの悩みの種はその別大陸の獣人族たちにありそうだな。
彼らの話題に入った途端、表情が大きく変わったのがその証拠。
一体、何があったっていうんだ?
それを見送った後で俺はザクセンさんとともに彼の家へと移動。
今後について詳細な話と相談内容の確認を行った。
「悪いな、わざわざこんな遠くまで呼び出して」
「いえいえ。俺も久しぶりに翡翠島へ来ることができて嬉しいですよ」
「村長になったんだものな。同じ長の役職に就く者としてその大変さはよく分かる。何かあれば相談に乗るぞ」
「ありがとうございます」
「とはいえ、今日は俺が相談に乗ってもらうんだがな」
「ガハハハ!」といつもの豪快な笑い声を響かせつつ、その表情は少し不安さもあるように映った。
「それで、相談というのは?」
「うむ。実は……先日、この島に来訪者があってな」
「来訪者? 来島を許可したんですか?」
「まあな」
これには正直驚いた。
現在、翡翠島に住んでいるのは獣人族のみ。
これまでは来島どころか、この島に暮らす人が大陸側に渡ることさえなかった。完全に人間とのかかわりを断ち、独自の文化を築きあげてきたのだ。
ただ、最近になって人口減少や食料不足などの問題から、長であるザクセンさんはもっとも近い位置にあるメルキス王国との交易を目指すようになっていた。
俺を島へ受け入れてくれた最大の理由はソニルが気に入ったからというので間違いはないのだが、大陸側の様子を知るための情報源としての役割もあったのだ。
だが、これまで俺以外の誰かを島に招いたというケースはなかった。
その背後にはある理由が。
「彼らは住んでいる大陸こそ違うが、俺たちと同じ獣人族だった」
「別大陸の獣人族、ですか……」
なるほど。
それなら受け入れもしやすいか。
これまで人間社会との関係を断絶してきた翡翠島の獣人族たち。
中にはザクセンさんの考えに対して懐疑的な意見を持つ者もいたようだが、ガウリー大臣やアヴェルガ家のフリード様のように誠実で他者を尊重してくれる人物がいると知り、最近では大陸側との接触を歓迎する動きばかりになってきたという。
別の大陸の獣人族を招いたのも、今までの閉鎖的な島の文化から脱却したいという思いの表れというわけだ。
――が、どうもザクセンさんの悩みの種はその別大陸の獣人族たちにありそうだな。
彼らの話題に入った途端、表情が大きく変わったのがその証拠。
一体、何があったっていうんだ?
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