3 / 91
1巻
1-3
しおりを挟む
「お? これは使えそうだな」
森の中ということもあって、外にもたくさんの素材が落ちているし、どれだけ要求しても別に誰も困らない。俺がこの森を選んだ理由のひとつがまさにこれ――クラフトスキルを使用する際に必要となる素材の豊富さだった。
というわけで、指定された量の木片と鉄を調達。
時間にしておよそ十五分。
いいペースできているな。
集めた素材の数々を寝室に定めた部屋へと運び、先ほどと同じ手順でクラフトスキルを発動させてみる。
今度はさっきのように単調な作業とはいかない。
【修繕】は元になる物があるため、いくらか手間が省けるが……一から新しく作り出すとなると話は別だ。
具体的な完成形を頭の中でイメージする。
それを用意した素材で具現化していくのだが、慣れるまでこの工程がなかなか難しい。工芸職人を目指す者ならば最初にぶち当たる壁だ。
――けど、ここを乗り越えたら、これ以上ないくらい便利なスキルが使用可能になる。あとは経験を積んでいくと、そこまで難しく感じない。まあ、ようは場数を踏めばいいのだ。
頭の中に思い浮かべたイメージをクラフトスキルによって徐々に鮮明化させていくと、先ほどのドアの時と同じように、素材が光に包まれる。
ここまでくれば、あともうひと息。
仕上げに魔力を注ぎ込めば――ベッドの完成だ。
「よし……こんなもんかな」
部屋全体はボロボロのままだが、クラフトスキルを使用して作りあげたベッドは新品同然。
なので、明らかに周りからは浮いているが……まあ、今後周囲を直していけばそれも解消されるだろう。
「スタートとしては上出来だ」
シーツなどは後日ベルガン村で調達することにして、とりあえず雨風をしのげて横になれる空間が手に入った。
ベッド作りを終えると、なんだか腹が減ってきた。
ふと窓の外を見ると、すでに空はオレンジ色に染まっていた。
「もうこんな時間か」
ちょっと休憩したら、周辺を散策してみようかと思っていたけど……それは明日に持ち越しになりそうだ。
今日のところはこれでお仕事終了とするか。
「ルディ、晩ご飯の準備をするから手伝ってくれないか?」
「キーッ!」
俺の仕事が終わるまで待っていたルディを呼び、早速準備開始。
まず外へ出て焚火の用意をする。
ここまでまだモンスターに襲われていないし、そもそも目撃情報がないってアトキンスさんは言っていたけど、用心するに越したことはない。
焚火ができると、次はリュックの中にある食料へと手を伸ばす。
長距離移動と作業の連続で疲れたから、今日は簡単な夕食にしてさっさと寝ちゃおうかな。
ちなみに、このリュックは空間魔法を応用して作られた逸品で、結構値が張る。その分、見た目以上に多くの荷物を収納できる、今巷で流行しつつある便利グッズだ。
さて、肝心の食事だが……今日はパンと干し肉のサンドウィッチでいいかな。
近くには小川もあったし、あそこで魚が捕れないかどうか明日チェックしに行こう。
……なんか、魔法がなくても十分やっていけそうな気がしてきた。
とはいえ、やっぱり魔法は使ってみたい。
せっかく神杖リスティックがあるんだ、せめて、火や水くらいは自在に操れるようになりたいなぁ……時間を見て鍛錬していこう。
将来的にはこの山小屋を自分好みの工房に改装できたらいいなと思いつつ、俺は黙々と夕食の準備に取りかかるのだった。
[幕間] 冒険者パーティー【月光】
大陸南東部にあるアドン渓谷。
そこは別名迷宮渓谷と呼ばれており、あちこちにダンジョンの入口がある。その規模は大陸最大と言われており、多くの冒険者たちが隠された秘宝を求めて探索を行っていた。
中でも有名なのが【月光】というSランク冒険者パーティー。
大陸でも屈指の実力者が顔を揃え、現段階における迷宮渓谷のダンジョン最深部まで調査の手を伸ばしている。
そんな猛者が集う【月光】のリーダーはエリ・タチバナという極東国出身の女性だ。
長い黒髪を後ろで束ねたポニーテール。
右目は眼帯で覆われた、いわゆる隻眼の冒険者であった。
彼女の扱う武器は鞭であり、これはウィルムのクラフトスキルを用いて威力が強化されている特注品だった。
この装備により、元々強かったエリの戦闘力はさらに上昇。
「氷鞭!」
今も、まるでヘビのごとくしなやかな動きでダンジョンに潜む甲虫型モンスターを一瞬にして氷漬けにしてしまった。
「やったぜ!」
「さすがは姐御だ!」
「あのキングヘラクロスをたった一撃で倒すなんて!」
エリの活躍に沸き立つパーティーメンバー。
――だが、賑やかで明るい雰囲気とは裏腹に、エリ自身は内心イラついていた。
事の発端は数日前に遡る。
エリが贔屓にしていた工芸職人のウィルムが、勤めていた商会をクビになり、近々後任が来ると伝えに来たことから始まった。
それだけでもエリにとっては十分ショックな出来事であったが、最大の問題はその後任を務めるラストンの実力があまりにもひどすぎるという点だった。
優秀なウィルムのあとを継ぐ工芸職人であるなら、最低でも同等か、あるいは彼を超える実力者でなければならない。しかし当のラストンは、ヘラヘラするばかりで未熟とすら呼べなかった。
そもそも、ウィルムは交渉のために危険なダンジョンへ自ら足を運ぶほどの熱心さがあったが、ラストンは「靴が汚れるから」という理由で一歩も入ろうとはしなかった。
ウィルムのようなタイプは例外中の例外だとしても、せめてコンタクトを取るためにダンジョンへ潜ろうとする気概だけでも見せてくれたら印象は変わったのだろうが、ラストンはそのような素振りさえ見せなかった。
そのため、バーネット商会への信用は大幅に下落。
これを機に関係を断ち切ろうとエリは密かに考えたが、武器を定期的に仕入れる必要があるため、大陸最大手であるバーネット商会との関係を完全にシャットアウトするのはためらわれた。
悩むエリのもとへ、ひとりの少女が駆け寄っていく。
「お疲れ様です、母上。タオルとドリンクを持ってまいりました」
「ああ。すまない、アキノ」
笑顔でエリにタオルとドリンクを手渡したのは、彼女のひとり娘であるアキノ・タチバナ。
母親譲りの黒髪を後ろでまとめたポニーテールがよく似合い、父親似の赤い瞳は吸い込まれそうな輝きを放っている。
その実力はまだまだ未熟――というのは、あくまでも大陸屈指の冒険者である母親のエリの評価であり、十七歳という年齢を考慮したら伸び代は十分。周りの仲間も、彼女が後継者になることを期待していた。
そんなアキノはウィルムととても仲がよかった。
ほとんどパーティー公認といった仲で、エリは日頃からウィルムにアキノを嫁にもらってくれないかと持ちかけるつもりでもいたのだ。
こうした事情も、彼女が商会への信用をなくす理由に大きく関係していた。
その後、【月光】の面々はエリの倒したキングヘラクロスを素材としてギルドに売り払うべく解体を始めた――が、その時、仲間の冒険者の男が慌てた様子で駆け寄ってくる。
「姉御! 大変だ!」
「ドラン? おまえには地上での仕事を与えていたはずだが?」
「じ、実は、姐御に急な来客でして」
「客だと?」
「へ、へい。アヴェルガ家の使いって者でして」
「アヴェルガ家だと?」
その名はよく知っている。
この迷宮渓谷のあるロデル地方を治める大貴族だ。
しかし、なぜそのような大貴族が、自分にコンタクトを取ってきたのか――それが分からなかった。
「なぜアヴェルガ家が私に?」
「そ、それが、どうもバーネット商会をクビになったウィルムの件について話がしたいと」
「何っ!?」
ウィルムのことだというなら、無視はできない。
無愛想でぶっきらぼうなだけでなく、戦闘力が非常に高いエリを敬遠する商人もいる中、工芸職人でもあるウィルムは真摯にエリと向き合った。
最初は気にも留めていなかったが、次第にウィルムの仕事に対する姿勢に関心を持ったエリは、自分の武器である鞭に付与効果のある強化加工を施すように依頼する。
これに対し、ウィルムは迅速かつ完璧な仕事をした。
氷を自在に操れる力を得たエリは、それから活躍の場が広がり、気がつけばリーダーを務めるパーティーは大陸でも有数の実力者が揃う巨大組織となっていた。
エリはウィルムに深い恩があった。
そんな彼について、アヴェルガ家は話があると出向いてきたのだ。
「連中は今どこにいる?」
「ギ、ギルドで待っているみたいです」
「……今すぐに行く」
アヴェルガ家がウィルム絡みで自分たちとの接触を試みた。
その事実を思い浮かべた時、エリの表情が険しくなる。
「私に声をかけてきたということは……当然、《彼ら》にもコンタクトを取っているというわけか」
ウィルムが常連客として接していた大物は他にもいる。
彼自身は顧客情報を漏らさなかったが、その客たちが自ら「ウィルムと接点がある」と話しているのをエリは何度か耳にしていた。
確証はないが――恐らく、アヴェルガ家は他の影響力が強い大物たちにも声をかけているだろう。
「ふっ……のんびりとティータイムを楽しんでいる余裕はなさそうだな」
エリは小さく笑い、アヴェルガ家の使いが待つギルドへと向かった。
第三章 専属契約
翌朝。
近くの小川で顔を洗い、朝食の支度を始める。
今日のテーマは小屋をもうちょっと豪勢にすること。昨日は寝るために必要な物をササッと揃えた程度で終わったけど、今日は工房となる部屋作りとか、とにかくいろいろと着手していきたい。
それと、午後になったら近くの小川へ魚を捕りに行こう。
昨日チラッとだけ見たが、結構いいサイズが泳いでいたんだよなぁ。それに、小川からもう少し歩いたところには湖もあった。あとで釣竿を作り、それからルアーやワームなんかも用意しておこう。
それから、畑も作りたい。クラフトスキルで作った物を町へ売りに行くことはあっても、それは最小限にとどめ、ここでのんびり自給自足ができたら最高だ。
そのためには野菜だけじゃなく、家畜も飼育したいところだ。まずは鶏あたりかな。
ただ、野菜や家畜は購入するための資金が必要になってくる。それを稼ぐためにも、クラフトスキルを存分に発揮できる工房作りを最優先とすべきか。
うーん……労働環境最悪なバーネット商会から解き放たれたはずなのに、忙しさは変わらないな。まあ、質で言えばこっちの方がずっといいんだけど。
「まずは床を強化していくか」
一部が抜け落ちていた床。
新しく作り直すほどの損傷はないが、放置しておくのは危険。
こういう時は、クラフトスキルに宿る三つの能力のうちのひとつ――【強化】を使うべきだろう。
ただ、【強化】を行うには素材を追加しなければならない。
それを確保するために外へ出ると、何やら遠くからこちらへと迫ってくる気配を感じ取る。
「……なんだ?」
それはだんだんと近づいてきているようだった。
ルディもさっきから妙に騒がしいし……まさか山賊の類か?
「アトキンスさんからはその手の輩は居座っていないという報告を受けているけど……」
あの人が嘘をつくとは思えないから、ひょっとすると割と最近になって住み着いた者である可能性もある。
俺は料理するために持ってきていた鉄製の鍋と石と木片を、クラフトスキルによって鉄剣へと変えて備えた。
――もっとも、きちんとした剣術を学んできたわけではなくて、ほとんど独学だ。こんなことなら、もっと早く魔法の鍛錬をしておくべきだったと今さら後悔しているよ。
緊張しながら、近づいてくる者たちの正体を探ろうとした――その時、
「ようやく見つけましたよ、ウィルムさん!」
どこかで聞いた少女の声が、俺の名を呼ぶ。
視線を向けると、この手つかずの大自然には合わない、素人目でも高価と分かるドレス調の服を着た少女が元気に手を振りながら近づいてきた。
この子は――
「レメット様!?」
大陸でも三指に入る大貴族のアヴェルガ家ご令嬢――レメット・アヴェルガ様だった。さらにその後ろからは、彼女専属のメイドさんたちが総勢五人ついてくる。
「ど、どうしてここに!?」
「それはこちらのセリフですよ」
俺が駆け寄ると、レメット様はいきなりそう告げた。
「大陸内でも影響力の強い大物たちを常連客とする超一流の工芸職人のあなたが、どうしてバーネット商会をクビになって、こんな山の中でひっそりと暮らすことになるんですか!?」
「い、いや、それは……」
アヴェルガ家の当主であるフリード様には引き継ぎの挨拶をしつつ、諸々の事情を説明しておいたが……どうもそれだけでは納得がいかなかったようだ。
だからって、まさかこの森にまでやってくるとは夢にも思わなかったよ。
「も、申し訳ありません。このたびは多大なご迷惑をおかけして」
「そういうことを言っているのではありません。――ただ、なぜこんな山奥を選択したのですか? ガウリー大臣にも話を聞きましたが、メルキスの王都に店を構えようとは考えなかったのですか?」
「で、できれば、静かにひっそりと暮らせたらと思いまして」
「……残念ですが、ひっそりと暮らすにはあなたが抱えている常連客のレベルがとんでもなく高すぎます。もちろん、我がアヴェルガ家も含めてですが」
確かに……アヴェルガ家当主であるフリード・アヴェルガ様以外も、非常に影響力のある人たちだ。まあ、だからこそ、バーネット代表は俺の常連を息子のラストンへ引き継がせたのだ。
「ともかく、あなたがバーネット商会から去ったと聞いて、お父様と話し合いを重ねた結果――私たちアヴェルガ家はある決断を下したのです」
「け、決断?」
なんだか、だんだんと話がおかしな方向へ進んでいる気がするんだけど……?
俺の不安をよそに、レメット様は高らかに宣言した。
「私たちアヴェルガ家はバーネット商会との取引をやめ、今後はウィルムさんと専属契約を結ぶ方向で考えています」
「えぇっ!?」
せ、専属契約だって!?
「で、ですが、俺はもうバーネット商会には――」
「バーネット商会などどうでもいいのです。前々からそうですが、私たちアヴェルガ家は、あなたがバーネット商会の人間だから仕事を依頼していたのではないのですよ?」
「えっ……?」
「あなただからです。お父様も言っていましたよ。いい仕事をする工芸職人のウィルムさんがいるから、バーネット商会に仕事を依頼する、と。だから、まったく逆なんですよ」
そうだったのか……俺はてっきり、大陸でも最大手のバーネット商会にいる人間だから仕事を依頼されていると思っていたけど――どうやら、それは違ったみたいだ。
「私たちとしては、これからも末永いお付き合いをお願いしたいのですが?」
「……よ、よろしくお願いします」
俺は深々と、力いっぱい頭を下げた。
こうすることでしか、感謝の気持ちを表現できなかったのだ。
ゼロからのスタートとなった俺の新生活。
しかし、どうやらゼロだと思っていたのは俺だけだったようだ。
◇ ◇ ◇
――といったわけで、クビになったことで解消したと思っていたアヴェルガ家との契約は、俺個人との専属契約という形で続行することとなった。
本音を言わせてもらえばありがたいし、俺のことをそこまで思っていてくれたと嬉しくもあった――が、どうもそれだけでは済まなそうだ。
というのも、レメット様と一緒に来ていたメイドさんたちが、何やら慌ただしく動き回っているのだ。
何事かと思って見ていると、彼女たちはテントの設営を始めていた。
「テントでの寝食……これこそ、山での生活の醍醐味です!」
瞳を輝かせながら語るレメット様。
そういえば、憧れの職業に「冒険者」って答えていたことがあったな。まあ、さすがにフリード様が許さないだろうけど。
「申し訳ありません、ウィルム様」
テンション爆上がりのレメット様に圧倒されていると、一緒についてきたメイドたちのまとめ役を務めるアニエスさんがそう言って頭を下げた。
腰まで伸びた長い紫色の髪と、右目の下にある泣きぼくろが特徴的な美人――彼女とも面識がある。
アヴェルガ家には何度も顔を出したが、よく応対してくれたのがアニエスさんだった。レメット様の専属メイド長を任されていることからも、厚い信頼を寄せられているのが分かる。
そういった事情から、アニエスさんとは顔を合わせる機会が多く、次第に仕事とは関係のない世間話をする間柄になった。年齢的にも年上なので(一歳上)、俺としては優しくて美人なお姉さんという感覚で接している。
「お嬢様は商会をクビになったウィルム様をずっと心配しておられましたから、こうして新しく生活拠点を見つけてホッと安心しているのです」
「それに加えて、ずっとやってみたかった冒険者生活っぽいことができて、めちゃくちゃ上機嫌ですね」
「はい。……あとから来たバーネット商会の親子にもかなりの不快感があったようですし」
「あぁ……」
きっと、ラストンがジロジロといやらしい視線を送っていたんだろうな。前職場でもそれが女性商人たちの間で散々話題になっていたし。
「まあ、何はともあれ、アヴェルガ家の後ろ盾があるというのは、これから工芸職人をしていくうえで非常に重要かと」
「確かにそれはありますけど……俺としては、そこまで必死になって金儲けをしようとは思っていないんですよね」
「そうなのですか? 私はてっきり、わざとクビになるように仕向けたのかと。そしてゆくゆくは、クラフトスキルを駆使して世界を牛耳ろうと画策しての独立かと思っていましたが?」
「…………」
この人は俺をなんだと思っているのか。
とはいえ、アニエスさんが突拍子もないことを言いだすのは今に始まったことじゃない。これもまた、彼女なりのユーモアってヤツだ。
「そんなつもりは毛頭ありませんよ」
「しかし、あなたの抱えていた顧客といえば、その道の超大物ばかりとうかがっていますが?」
「えっ?」
「すいません。旦那様が調べていたようでしたので、つい」
いや、「つい」って……いや、そもそも常連のお客さん自身が情報を提供したって可能性もなくはないな。それくらいアヴェルガ家は顔が広いし。
「とにかく、俺はここでのんびりとセカンドライフを楽しみたいだけです」
「それならばよかったです」
ニコッと微笑むアニエスさん。
……黙っていれば凄い美人なんだけどなぁ。
なんだか照れ臭くなってきたので、話題を変えるとするか。
森の中ということもあって、外にもたくさんの素材が落ちているし、どれだけ要求しても別に誰も困らない。俺がこの森を選んだ理由のひとつがまさにこれ――クラフトスキルを使用する際に必要となる素材の豊富さだった。
というわけで、指定された量の木片と鉄を調達。
時間にしておよそ十五分。
いいペースできているな。
集めた素材の数々を寝室に定めた部屋へと運び、先ほどと同じ手順でクラフトスキルを発動させてみる。
今度はさっきのように単調な作業とはいかない。
【修繕】は元になる物があるため、いくらか手間が省けるが……一から新しく作り出すとなると話は別だ。
具体的な完成形を頭の中でイメージする。
それを用意した素材で具現化していくのだが、慣れるまでこの工程がなかなか難しい。工芸職人を目指す者ならば最初にぶち当たる壁だ。
――けど、ここを乗り越えたら、これ以上ないくらい便利なスキルが使用可能になる。あとは経験を積んでいくと、そこまで難しく感じない。まあ、ようは場数を踏めばいいのだ。
頭の中に思い浮かべたイメージをクラフトスキルによって徐々に鮮明化させていくと、先ほどのドアの時と同じように、素材が光に包まれる。
ここまでくれば、あともうひと息。
仕上げに魔力を注ぎ込めば――ベッドの完成だ。
「よし……こんなもんかな」
部屋全体はボロボロのままだが、クラフトスキルを使用して作りあげたベッドは新品同然。
なので、明らかに周りからは浮いているが……まあ、今後周囲を直していけばそれも解消されるだろう。
「スタートとしては上出来だ」
シーツなどは後日ベルガン村で調達することにして、とりあえず雨風をしのげて横になれる空間が手に入った。
ベッド作りを終えると、なんだか腹が減ってきた。
ふと窓の外を見ると、すでに空はオレンジ色に染まっていた。
「もうこんな時間か」
ちょっと休憩したら、周辺を散策してみようかと思っていたけど……それは明日に持ち越しになりそうだ。
今日のところはこれでお仕事終了とするか。
「ルディ、晩ご飯の準備をするから手伝ってくれないか?」
「キーッ!」
俺の仕事が終わるまで待っていたルディを呼び、早速準備開始。
まず外へ出て焚火の用意をする。
ここまでまだモンスターに襲われていないし、そもそも目撃情報がないってアトキンスさんは言っていたけど、用心するに越したことはない。
焚火ができると、次はリュックの中にある食料へと手を伸ばす。
長距離移動と作業の連続で疲れたから、今日は簡単な夕食にしてさっさと寝ちゃおうかな。
ちなみに、このリュックは空間魔法を応用して作られた逸品で、結構値が張る。その分、見た目以上に多くの荷物を収納できる、今巷で流行しつつある便利グッズだ。
さて、肝心の食事だが……今日はパンと干し肉のサンドウィッチでいいかな。
近くには小川もあったし、あそこで魚が捕れないかどうか明日チェックしに行こう。
……なんか、魔法がなくても十分やっていけそうな気がしてきた。
とはいえ、やっぱり魔法は使ってみたい。
せっかく神杖リスティックがあるんだ、せめて、火や水くらいは自在に操れるようになりたいなぁ……時間を見て鍛錬していこう。
将来的にはこの山小屋を自分好みの工房に改装できたらいいなと思いつつ、俺は黙々と夕食の準備に取りかかるのだった。
[幕間] 冒険者パーティー【月光】
大陸南東部にあるアドン渓谷。
そこは別名迷宮渓谷と呼ばれており、あちこちにダンジョンの入口がある。その規模は大陸最大と言われており、多くの冒険者たちが隠された秘宝を求めて探索を行っていた。
中でも有名なのが【月光】というSランク冒険者パーティー。
大陸でも屈指の実力者が顔を揃え、現段階における迷宮渓谷のダンジョン最深部まで調査の手を伸ばしている。
そんな猛者が集う【月光】のリーダーはエリ・タチバナという極東国出身の女性だ。
長い黒髪を後ろで束ねたポニーテール。
右目は眼帯で覆われた、いわゆる隻眼の冒険者であった。
彼女の扱う武器は鞭であり、これはウィルムのクラフトスキルを用いて威力が強化されている特注品だった。
この装備により、元々強かったエリの戦闘力はさらに上昇。
「氷鞭!」
今も、まるでヘビのごとくしなやかな動きでダンジョンに潜む甲虫型モンスターを一瞬にして氷漬けにしてしまった。
「やったぜ!」
「さすがは姐御だ!」
「あのキングヘラクロスをたった一撃で倒すなんて!」
エリの活躍に沸き立つパーティーメンバー。
――だが、賑やかで明るい雰囲気とは裏腹に、エリ自身は内心イラついていた。
事の発端は数日前に遡る。
エリが贔屓にしていた工芸職人のウィルムが、勤めていた商会をクビになり、近々後任が来ると伝えに来たことから始まった。
それだけでもエリにとっては十分ショックな出来事であったが、最大の問題はその後任を務めるラストンの実力があまりにもひどすぎるという点だった。
優秀なウィルムのあとを継ぐ工芸職人であるなら、最低でも同等か、あるいは彼を超える実力者でなければならない。しかし当のラストンは、ヘラヘラするばかりで未熟とすら呼べなかった。
そもそも、ウィルムは交渉のために危険なダンジョンへ自ら足を運ぶほどの熱心さがあったが、ラストンは「靴が汚れるから」という理由で一歩も入ろうとはしなかった。
ウィルムのようなタイプは例外中の例外だとしても、せめてコンタクトを取るためにダンジョンへ潜ろうとする気概だけでも見せてくれたら印象は変わったのだろうが、ラストンはそのような素振りさえ見せなかった。
そのため、バーネット商会への信用は大幅に下落。
これを機に関係を断ち切ろうとエリは密かに考えたが、武器を定期的に仕入れる必要があるため、大陸最大手であるバーネット商会との関係を完全にシャットアウトするのはためらわれた。
悩むエリのもとへ、ひとりの少女が駆け寄っていく。
「お疲れ様です、母上。タオルとドリンクを持ってまいりました」
「ああ。すまない、アキノ」
笑顔でエリにタオルとドリンクを手渡したのは、彼女のひとり娘であるアキノ・タチバナ。
母親譲りの黒髪を後ろでまとめたポニーテールがよく似合い、父親似の赤い瞳は吸い込まれそうな輝きを放っている。
その実力はまだまだ未熟――というのは、あくまでも大陸屈指の冒険者である母親のエリの評価であり、十七歳という年齢を考慮したら伸び代は十分。周りの仲間も、彼女が後継者になることを期待していた。
そんなアキノはウィルムととても仲がよかった。
ほとんどパーティー公認といった仲で、エリは日頃からウィルムにアキノを嫁にもらってくれないかと持ちかけるつもりでもいたのだ。
こうした事情も、彼女が商会への信用をなくす理由に大きく関係していた。
その後、【月光】の面々はエリの倒したキングヘラクロスを素材としてギルドに売り払うべく解体を始めた――が、その時、仲間の冒険者の男が慌てた様子で駆け寄ってくる。
「姉御! 大変だ!」
「ドラン? おまえには地上での仕事を与えていたはずだが?」
「じ、実は、姐御に急な来客でして」
「客だと?」
「へ、へい。アヴェルガ家の使いって者でして」
「アヴェルガ家だと?」
その名はよく知っている。
この迷宮渓谷のあるロデル地方を治める大貴族だ。
しかし、なぜそのような大貴族が、自分にコンタクトを取ってきたのか――それが分からなかった。
「なぜアヴェルガ家が私に?」
「そ、それが、どうもバーネット商会をクビになったウィルムの件について話がしたいと」
「何っ!?」
ウィルムのことだというなら、無視はできない。
無愛想でぶっきらぼうなだけでなく、戦闘力が非常に高いエリを敬遠する商人もいる中、工芸職人でもあるウィルムは真摯にエリと向き合った。
最初は気にも留めていなかったが、次第にウィルムの仕事に対する姿勢に関心を持ったエリは、自分の武器である鞭に付与効果のある強化加工を施すように依頼する。
これに対し、ウィルムは迅速かつ完璧な仕事をした。
氷を自在に操れる力を得たエリは、それから活躍の場が広がり、気がつけばリーダーを務めるパーティーは大陸でも有数の実力者が揃う巨大組織となっていた。
エリはウィルムに深い恩があった。
そんな彼について、アヴェルガ家は話があると出向いてきたのだ。
「連中は今どこにいる?」
「ギ、ギルドで待っているみたいです」
「……今すぐに行く」
アヴェルガ家がウィルム絡みで自分たちとの接触を試みた。
その事実を思い浮かべた時、エリの表情が険しくなる。
「私に声をかけてきたということは……当然、《彼ら》にもコンタクトを取っているというわけか」
ウィルムが常連客として接していた大物は他にもいる。
彼自身は顧客情報を漏らさなかったが、その客たちが自ら「ウィルムと接点がある」と話しているのをエリは何度か耳にしていた。
確証はないが――恐らく、アヴェルガ家は他の影響力が強い大物たちにも声をかけているだろう。
「ふっ……のんびりとティータイムを楽しんでいる余裕はなさそうだな」
エリは小さく笑い、アヴェルガ家の使いが待つギルドへと向かった。
第三章 専属契約
翌朝。
近くの小川で顔を洗い、朝食の支度を始める。
今日のテーマは小屋をもうちょっと豪勢にすること。昨日は寝るために必要な物をササッと揃えた程度で終わったけど、今日は工房となる部屋作りとか、とにかくいろいろと着手していきたい。
それと、午後になったら近くの小川へ魚を捕りに行こう。
昨日チラッとだけ見たが、結構いいサイズが泳いでいたんだよなぁ。それに、小川からもう少し歩いたところには湖もあった。あとで釣竿を作り、それからルアーやワームなんかも用意しておこう。
それから、畑も作りたい。クラフトスキルで作った物を町へ売りに行くことはあっても、それは最小限にとどめ、ここでのんびり自給自足ができたら最高だ。
そのためには野菜だけじゃなく、家畜も飼育したいところだ。まずは鶏あたりかな。
ただ、野菜や家畜は購入するための資金が必要になってくる。それを稼ぐためにも、クラフトスキルを存分に発揮できる工房作りを最優先とすべきか。
うーん……労働環境最悪なバーネット商会から解き放たれたはずなのに、忙しさは変わらないな。まあ、質で言えばこっちの方がずっといいんだけど。
「まずは床を強化していくか」
一部が抜け落ちていた床。
新しく作り直すほどの損傷はないが、放置しておくのは危険。
こういう時は、クラフトスキルに宿る三つの能力のうちのひとつ――【強化】を使うべきだろう。
ただ、【強化】を行うには素材を追加しなければならない。
それを確保するために外へ出ると、何やら遠くからこちらへと迫ってくる気配を感じ取る。
「……なんだ?」
それはだんだんと近づいてきているようだった。
ルディもさっきから妙に騒がしいし……まさか山賊の類か?
「アトキンスさんからはその手の輩は居座っていないという報告を受けているけど……」
あの人が嘘をつくとは思えないから、ひょっとすると割と最近になって住み着いた者である可能性もある。
俺は料理するために持ってきていた鉄製の鍋と石と木片を、クラフトスキルによって鉄剣へと変えて備えた。
――もっとも、きちんとした剣術を学んできたわけではなくて、ほとんど独学だ。こんなことなら、もっと早く魔法の鍛錬をしておくべきだったと今さら後悔しているよ。
緊張しながら、近づいてくる者たちの正体を探ろうとした――その時、
「ようやく見つけましたよ、ウィルムさん!」
どこかで聞いた少女の声が、俺の名を呼ぶ。
視線を向けると、この手つかずの大自然には合わない、素人目でも高価と分かるドレス調の服を着た少女が元気に手を振りながら近づいてきた。
この子は――
「レメット様!?」
大陸でも三指に入る大貴族のアヴェルガ家ご令嬢――レメット・アヴェルガ様だった。さらにその後ろからは、彼女専属のメイドさんたちが総勢五人ついてくる。
「ど、どうしてここに!?」
「それはこちらのセリフですよ」
俺が駆け寄ると、レメット様はいきなりそう告げた。
「大陸内でも影響力の強い大物たちを常連客とする超一流の工芸職人のあなたが、どうしてバーネット商会をクビになって、こんな山の中でひっそりと暮らすことになるんですか!?」
「い、いや、それは……」
アヴェルガ家の当主であるフリード様には引き継ぎの挨拶をしつつ、諸々の事情を説明しておいたが……どうもそれだけでは納得がいかなかったようだ。
だからって、まさかこの森にまでやってくるとは夢にも思わなかったよ。
「も、申し訳ありません。このたびは多大なご迷惑をおかけして」
「そういうことを言っているのではありません。――ただ、なぜこんな山奥を選択したのですか? ガウリー大臣にも話を聞きましたが、メルキスの王都に店を構えようとは考えなかったのですか?」
「で、できれば、静かにひっそりと暮らせたらと思いまして」
「……残念ですが、ひっそりと暮らすにはあなたが抱えている常連客のレベルがとんでもなく高すぎます。もちろん、我がアヴェルガ家も含めてですが」
確かに……アヴェルガ家当主であるフリード・アヴェルガ様以外も、非常に影響力のある人たちだ。まあ、だからこそ、バーネット代表は俺の常連を息子のラストンへ引き継がせたのだ。
「ともかく、あなたがバーネット商会から去ったと聞いて、お父様と話し合いを重ねた結果――私たちアヴェルガ家はある決断を下したのです」
「け、決断?」
なんだか、だんだんと話がおかしな方向へ進んでいる気がするんだけど……?
俺の不安をよそに、レメット様は高らかに宣言した。
「私たちアヴェルガ家はバーネット商会との取引をやめ、今後はウィルムさんと専属契約を結ぶ方向で考えています」
「えぇっ!?」
せ、専属契約だって!?
「で、ですが、俺はもうバーネット商会には――」
「バーネット商会などどうでもいいのです。前々からそうですが、私たちアヴェルガ家は、あなたがバーネット商会の人間だから仕事を依頼していたのではないのですよ?」
「えっ……?」
「あなただからです。お父様も言っていましたよ。いい仕事をする工芸職人のウィルムさんがいるから、バーネット商会に仕事を依頼する、と。だから、まったく逆なんですよ」
そうだったのか……俺はてっきり、大陸でも最大手のバーネット商会にいる人間だから仕事を依頼されていると思っていたけど――どうやら、それは違ったみたいだ。
「私たちとしては、これからも末永いお付き合いをお願いしたいのですが?」
「……よ、よろしくお願いします」
俺は深々と、力いっぱい頭を下げた。
こうすることでしか、感謝の気持ちを表現できなかったのだ。
ゼロからのスタートとなった俺の新生活。
しかし、どうやらゼロだと思っていたのは俺だけだったようだ。
◇ ◇ ◇
――といったわけで、クビになったことで解消したと思っていたアヴェルガ家との契約は、俺個人との専属契約という形で続行することとなった。
本音を言わせてもらえばありがたいし、俺のことをそこまで思っていてくれたと嬉しくもあった――が、どうもそれだけでは済まなそうだ。
というのも、レメット様と一緒に来ていたメイドさんたちが、何やら慌ただしく動き回っているのだ。
何事かと思って見ていると、彼女たちはテントの設営を始めていた。
「テントでの寝食……これこそ、山での生活の醍醐味です!」
瞳を輝かせながら語るレメット様。
そういえば、憧れの職業に「冒険者」って答えていたことがあったな。まあ、さすがにフリード様が許さないだろうけど。
「申し訳ありません、ウィルム様」
テンション爆上がりのレメット様に圧倒されていると、一緒についてきたメイドたちのまとめ役を務めるアニエスさんがそう言って頭を下げた。
腰まで伸びた長い紫色の髪と、右目の下にある泣きぼくろが特徴的な美人――彼女とも面識がある。
アヴェルガ家には何度も顔を出したが、よく応対してくれたのがアニエスさんだった。レメット様の専属メイド長を任されていることからも、厚い信頼を寄せられているのが分かる。
そういった事情から、アニエスさんとは顔を合わせる機会が多く、次第に仕事とは関係のない世間話をする間柄になった。年齢的にも年上なので(一歳上)、俺としては優しくて美人なお姉さんという感覚で接している。
「お嬢様は商会をクビになったウィルム様をずっと心配しておられましたから、こうして新しく生活拠点を見つけてホッと安心しているのです」
「それに加えて、ずっとやってみたかった冒険者生活っぽいことができて、めちゃくちゃ上機嫌ですね」
「はい。……あとから来たバーネット商会の親子にもかなりの不快感があったようですし」
「あぁ……」
きっと、ラストンがジロジロといやらしい視線を送っていたんだろうな。前職場でもそれが女性商人たちの間で散々話題になっていたし。
「まあ、何はともあれ、アヴェルガ家の後ろ盾があるというのは、これから工芸職人をしていくうえで非常に重要かと」
「確かにそれはありますけど……俺としては、そこまで必死になって金儲けをしようとは思っていないんですよね」
「そうなのですか? 私はてっきり、わざとクビになるように仕向けたのかと。そしてゆくゆくは、クラフトスキルを駆使して世界を牛耳ろうと画策しての独立かと思っていましたが?」
「…………」
この人は俺をなんだと思っているのか。
とはいえ、アニエスさんが突拍子もないことを言いだすのは今に始まったことじゃない。これもまた、彼女なりのユーモアってヤツだ。
「そんなつもりは毛頭ありませんよ」
「しかし、あなたの抱えていた顧客といえば、その道の超大物ばかりとうかがっていますが?」
「えっ?」
「すいません。旦那様が調べていたようでしたので、つい」
いや、「つい」って……いや、そもそも常連のお客さん自身が情報を提供したって可能性もなくはないな。それくらいアヴェルガ家は顔が広いし。
「とにかく、俺はここでのんびりとセカンドライフを楽しみたいだけです」
「それならばよかったです」
ニコッと微笑むアニエスさん。
……黙っていれば凄い美人なんだけどなぁ。
なんだか照れ臭くなってきたので、話題を変えるとするか。
378
お気に入りに追加
5,189
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。