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第102話 次のステップへ
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ゴーテル鉱山の件がひとまず形になりそうということで、ゲイリーたち騎士団の面々は次の任務へ就くため王都へと帰還していった。
「また今度ゆっくり酒でも飲もうや」
「そうだな」
以前なら俺も一緒に王都へと帰ったが、今の勤務地はこのアボット地方だ。王都の酒場に行けば各地方から取り寄せたいろんな酒が飲めるのだろうけど、正直、今はあまり魅力を感じないな。
それより、農作業のあとに飲む一杯の牛乳がいい。
こっちに移住してきてからすっかり健康志向になっちまったよ。
ゲイリーたちを見送った後、俺とエリナは駐在所へと戻ってきた――が、今回はふたりだけじゃないんだよなぁ。
「ここがカーティス村の駐在所なんですね!」
鼻息を荒くしながら周囲を見回しているのは公爵家が認める凄腕の魔法使いことアミーラお嬢ちゃん。
なぜ彼女がここにいるのかというと……非常にややこしい事態が発生してしまったからである。
事の発端はゴーテル鉱山を守るための結界魔法であった。
これを安定的に維持していくためには、使用者がある程度近くにいてこまめにチェックしなくてはいけないらしい。落ち着いてくればその必要もなくなるというが、これがどれくらいで安定するのかという目安も特にないという。
そんな話は初耳であったが、どうも想定以上に規模が大きかったため、維持が難しくなってきたとアミーラ自身が説明していた。
そのため、彼女は使い魔をマクリード家に使い魔を送って判断を仰いだのだが、その返事がまさかの「だったらそっちに住んじゃえば?」というノリのものだった。
マクリード家としては新しい経済活発地点としてあの山から採掘される魔鉱石に注目したいと考えているらしい。他の者たちが食いつくより先に外堀を埋めておきたいのだろう。実際、まだあの山で魔鉱石が採れるというのは広まっていないわけだし。
そういうわけで、アミーラは結界が安定するまでの間、俺たちのいる駐在所で共同生活を送ることになった。これについてはなんとアミーラ自身の要望らしい。
今回の任務では、特にエリナと親しくしていたからな。
彼女も本当の妹のようにアミーラと接していたし。
……昔の俺なら、公私混同などあり得ないと軽蔑していただろうな。
それが今じゃむしろ喜ばしいとさえ思っている。
本当に何もかも変わったよ。
俺だけじゃない。
このアボット地方全体が、ドイル様という若い領主を中心に生まれ変わろうとしている。
少しでも俺がそれに手伝えたら……いや、お手伝いさせていただこう。
もう俺にとってこの地は第二の故郷と呼べるくらいのものになっていたのだった。
「また今度ゆっくり酒でも飲もうや」
「そうだな」
以前なら俺も一緒に王都へと帰ったが、今の勤務地はこのアボット地方だ。王都の酒場に行けば各地方から取り寄せたいろんな酒が飲めるのだろうけど、正直、今はあまり魅力を感じないな。
それより、農作業のあとに飲む一杯の牛乳がいい。
こっちに移住してきてからすっかり健康志向になっちまったよ。
ゲイリーたちを見送った後、俺とエリナは駐在所へと戻ってきた――が、今回はふたりだけじゃないんだよなぁ。
「ここがカーティス村の駐在所なんですね!」
鼻息を荒くしながら周囲を見回しているのは公爵家が認める凄腕の魔法使いことアミーラお嬢ちゃん。
なぜ彼女がここにいるのかというと……非常にややこしい事態が発生してしまったからである。
事の発端はゴーテル鉱山を守るための結界魔法であった。
これを安定的に維持していくためには、使用者がある程度近くにいてこまめにチェックしなくてはいけないらしい。落ち着いてくればその必要もなくなるというが、これがどれくらいで安定するのかという目安も特にないという。
そんな話は初耳であったが、どうも想定以上に規模が大きかったため、維持が難しくなってきたとアミーラ自身が説明していた。
そのため、彼女は使い魔をマクリード家に使い魔を送って判断を仰いだのだが、その返事がまさかの「だったらそっちに住んじゃえば?」というノリのものだった。
マクリード家としては新しい経済活発地点としてあの山から採掘される魔鉱石に注目したいと考えているらしい。他の者たちが食いつくより先に外堀を埋めておきたいのだろう。実際、まだあの山で魔鉱石が採れるというのは広まっていないわけだし。
そういうわけで、アミーラは結界が安定するまでの間、俺たちのいる駐在所で共同生活を送ることになった。これについてはなんとアミーラ自身の要望らしい。
今回の任務では、特にエリナと親しくしていたからな。
彼女も本当の妹のようにアミーラと接していたし。
……昔の俺なら、公私混同などあり得ないと軽蔑していただろうな。
それが今じゃむしろ喜ばしいとさえ思っている。
本当に何もかも変わったよ。
俺だけじゃない。
このアボット地方全体が、ドイル様という若い領主を中心に生まれ変わろうとしている。
少しでも俺がそれに手伝えたら……いや、お手伝いさせていただこう。
もう俺にとってこの地は第二の故郷と呼べるくらいのものになっていたのだった。
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