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第12話 新発見
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俺たちの目の前に現れたのは――巨大な滝だった。
「大迫力ですね」
「す、凄いですぅ……」
「私は見慣れたものだがな」
この地で生活していたアルからすれば、この滝はよく足を運ぶ水浴びポイントだという。
周りにはモンスターの姿もなく、涼しげに水しぶきをあげている滝をのんびりと眺めることができた。
って、観光をしに来たというならそれでいいのだろうけど、今回は違う。
俺たちはこの先にある洞穴を目指さなくちゃいけないんだ。
「あの滝の近くに、俺の探していた洞穴があるはずなんだ」
「それも予言なんですね」
「なら、絶対にありますよぉ」
「うーむ……」
リリアンとヴィッキーのふたりはノリノリだったが、この地へ何度も来ているアルの反応はイマイチだった。その理由には大体見当がつく。
「この辺りで洞穴を見たことはないのか?」
「残念ながら……まあ、注意してチェックをしているわけではないから、見落としている可能性もあるが」
アルはそう言うが、これはさすがに望み薄か。
本来ならそこにある物じゃないからな。
もしかしたら、修正された後だったかもしれない。
それでも、念のため辺りを調べてみることにした。アルの言っていた通り、見逃している可能性だってあるからな。
「とりあえず、滝に近づいてみよう」
個人的に、あの滝を近くで見てみたいという願望もあった。
だって、滝をここに設置したのは他の誰でもない――この俺のアイディアだったからだ。
もう何度も経験してきたことだが、こうして自分が製作に携わったマップを自らの足で歩いて回り、そして自然物を目の当たりにする……たまらない感動があるな。
いずれ、もっと視野を広げていこうと思うのだが、当面の間はこの魔境の開拓に専念するとしよう。
徐々に滝へと近づきつつ、辺りに洞穴がないか確認していく。
――が、アルの言った通り、特にそれらしい場所は見受けられない。
「うーん……外れだったか」
「エ、エルカ様の予言が外れるなんて……」
「信じられないですぅ」
「いや、そういうこともあるさ。――まあ、大概のことは外さないけどね」
今回の場合は、半信半疑って感じだったからな。
ないならないで、他のアイテムゲットに力を注ぐまで。
幸い、この魔境にはまだまだ激レアアイテムが眠っている。
そちらの調査に切り替えよう。
ボチボチ引き返そうとみんなに提案しようとした――まさにその時、
「エルカ様! あそこを!」
突然、リリアンが叫んだ。
そして、彼女が指さす方向にあったのは、
「ほ、洞穴!?」
探し求めていた、洞穴の入口だった。
それは生い茂る木々によって隠されており、意識して探さないと見つけるのは困難だろう。アルが気づかなかったのも無理はない。ここを訪れた時の彼は、間違いなく洞穴のことなんて微塵も考えてはいなかっただろうからな。
とにかく、目的地は発見できた。
あとはここに眠っているお宝を回収するだけだ。
――それにしても、
「よく見つけられたな、リリアン」
「エルカ様の予言が外れるなどあり得ませんから。必ずどこかにあると思っていました」
淡々としながらも、凄い熱意を感じさせる口調だった。
信頼されているのは嬉しいんだけどね。
「大迫力ですね」
「す、凄いですぅ……」
「私は見慣れたものだがな」
この地で生活していたアルからすれば、この滝はよく足を運ぶ水浴びポイントだという。
周りにはモンスターの姿もなく、涼しげに水しぶきをあげている滝をのんびりと眺めることができた。
って、観光をしに来たというならそれでいいのだろうけど、今回は違う。
俺たちはこの先にある洞穴を目指さなくちゃいけないんだ。
「あの滝の近くに、俺の探していた洞穴があるはずなんだ」
「それも予言なんですね」
「なら、絶対にありますよぉ」
「うーむ……」
リリアンとヴィッキーのふたりはノリノリだったが、この地へ何度も来ているアルの反応はイマイチだった。その理由には大体見当がつく。
「この辺りで洞穴を見たことはないのか?」
「残念ながら……まあ、注意してチェックをしているわけではないから、見落としている可能性もあるが」
アルはそう言うが、これはさすがに望み薄か。
本来ならそこにある物じゃないからな。
もしかしたら、修正された後だったかもしれない。
それでも、念のため辺りを調べてみることにした。アルの言っていた通り、見逃している可能性だってあるからな。
「とりあえず、滝に近づいてみよう」
個人的に、あの滝を近くで見てみたいという願望もあった。
だって、滝をここに設置したのは他の誰でもない――この俺のアイディアだったからだ。
もう何度も経験してきたことだが、こうして自分が製作に携わったマップを自らの足で歩いて回り、そして自然物を目の当たりにする……たまらない感動があるな。
いずれ、もっと視野を広げていこうと思うのだが、当面の間はこの魔境の開拓に専念するとしよう。
徐々に滝へと近づきつつ、辺りに洞穴がないか確認していく。
――が、アルの言った通り、特にそれらしい場所は見受けられない。
「うーん……外れだったか」
「エ、エルカ様の予言が外れるなんて……」
「信じられないですぅ」
「いや、そういうこともあるさ。――まあ、大概のことは外さないけどね」
今回の場合は、半信半疑って感じだったからな。
ないならないで、他のアイテムゲットに力を注ぐまで。
幸い、この魔境にはまだまだ激レアアイテムが眠っている。
そちらの調査に切り替えよう。
ボチボチ引き返そうとみんなに提案しようとした――まさにその時、
「エルカ様! あそこを!」
突然、リリアンが叫んだ。
そして、彼女が指さす方向にあったのは、
「ほ、洞穴!?」
探し求めていた、洞穴の入口だった。
それは生い茂る木々によって隠されており、意識して探さないと見つけるのは困難だろう。アルが気づかなかったのも無理はない。ここを訪れた時の彼は、間違いなく洞穴のことなんて微塵も考えてはいなかっただろうからな。
とにかく、目的地は発見できた。
あとはここに眠っているお宝を回収するだけだ。
――それにしても、
「よく見つけられたな、リリアン」
「エルカ様の予言が外れるなどあり得ませんから。必ずどこかにあると思っていました」
淡々としながらも、凄い熱意を感じさせる口調だった。
信頼されているのは嬉しいんだけどね。
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