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第23話 急襲
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「なんだぁ……?」
突然の事態に帝国兵たちは慌てふためいているが、火喰いのアイゼルだけは冷静に状況を分析していた。
俺も一瞬怯んだが、すぐに体勢を立て直して周囲を見渡す。
先ほどの衝撃と巻き起こる土煙。
それが起きている場所はきっと――着弾地点。
「これは……砲撃か? どこから撃ってきている?」
かなり遠方から、ここを目がけて放たれた一発。肉眼ではどこからとんできたのか分からない。偶然ってわけじゃないだろうし、何者かが意図してここを狙い、砲撃しているとしか思えなかった。
なぜなら、着弾した場所には帝国軍のテントがいくつかあって、そのど真ん中に弾が落ちてきたのだ。おかげであちらさんのダメージはかなり大きい。
ただ……誰が、そして一体何の目的で砲撃してきたのか。そもそも、こちらの状況を分かってやったことなのか。すべてが謎に包まれていた。
「随分となめたマネをしてくれる……あんたの知り合いか?」
「……それはないな」
――って、何をバカ正直に答えているんだ。
うまく利用すれば、ハッタリでこの窮地を乗り越えることができたかもしれないのに。
「正直なヤツだなぁ、あんた。……じゃあ、誰が――」
話の途中で、再び砲撃が襲ってくる。
「ぐわあっ!?」
「どわあっ!?」
今度はテントではなく、武装した帝国兵が密集していた場所に落ちたようで、あちこちから悲鳴が聞こえてくる。
「どうなってやがる!」
ここまで来ると、向こうにも余裕がなくなってきたな。
間違いなく、砲撃を撃ってきた者たちにはこちらの様子が分かっているようだ。
しかも、その狙われた位置から察するに、帝国へ明確な敵意を持った者の仕業であることが分かる。
となると……まさか――反乱軍?
だが、ハリスさんやレイチェルたちは砲台なんて用意していなかったはず。俺に黙って一緒に持ってきたっていうのも無理がある。もしかしたら、俺の知らない第三の組織による攻撃かもしれない。
しかも、向こうには敵の位置がしっかりと把握できている。
つまり、こちらの様子を理解しているということだ。
「一体……何がどうなっているんだ……?」
追い込まれた俺に差し伸べられた救いの手――いや、本当にそれが救いの手であるかどうかすら予想できない状況であるが、少なくとも俺に有利な方向へ流れているという点は間違っていないはず。
さらに困惑が強まった中で、
「デューイ!!」
俺の名を叫ぶ、少女の声がした。
――ついさっきまでよく耳にした声だ。
「レイチェル!?」
振り返った俺の視界に、反乱軍の拠点へ戻ったはずのレイチェルがいた。
「ど、どうして!?」
「助けに来たんだ!」
助けにって……メイジーたちは大丈夫だったのか?
いろいろと疑問は残るが、それを解消するためにレイチェルが俺のところまでやってくる。
「あぁ? まだ死にてぇヤツがいたか」
そうこうしている間に、状況分析を終えたアイゼルがこちらへ視線を向け、レイチェルの存在に気づく。
……状況はますます厄介な方向へと進んで行っているようだ。
突然の事態に帝国兵たちは慌てふためいているが、火喰いのアイゼルだけは冷静に状況を分析していた。
俺も一瞬怯んだが、すぐに体勢を立て直して周囲を見渡す。
先ほどの衝撃と巻き起こる土煙。
それが起きている場所はきっと――着弾地点。
「これは……砲撃か? どこから撃ってきている?」
かなり遠方から、ここを目がけて放たれた一発。肉眼ではどこからとんできたのか分からない。偶然ってわけじゃないだろうし、何者かが意図してここを狙い、砲撃しているとしか思えなかった。
なぜなら、着弾した場所には帝国軍のテントがいくつかあって、そのど真ん中に弾が落ちてきたのだ。おかげであちらさんのダメージはかなり大きい。
ただ……誰が、そして一体何の目的で砲撃してきたのか。そもそも、こちらの状況を分かってやったことなのか。すべてが謎に包まれていた。
「随分となめたマネをしてくれる……あんたの知り合いか?」
「……それはないな」
――って、何をバカ正直に答えているんだ。
うまく利用すれば、ハッタリでこの窮地を乗り越えることができたかもしれないのに。
「正直なヤツだなぁ、あんた。……じゃあ、誰が――」
話の途中で、再び砲撃が襲ってくる。
「ぐわあっ!?」
「どわあっ!?」
今度はテントではなく、武装した帝国兵が密集していた場所に落ちたようで、あちこちから悲鳴が聞こえてくる。
「どうなってやがる!」
ここまで来ると、向こうにも余裕がなくなってきたな。
間違いなく、砲撃を撃ってきた者たちにはこちらの様子が分かっているようだ。
しかも、その狙われた位置から察するに、帝国へ明確な敵意を持った者の仕業であることが分かる。
となると……まさか――反乱軍?
だが、ハリスさんやレイチェルたちは砲台なんて用意していなかったはず。俺に黙って一緒に持ってきたっていうのも無理がある。もしかしたら、俺の知らない第三の組織による攻撃かもしれない。
しかも、向こうには敵の位置がしっかりと把握できている。
つまり、こちらの様子を理解しているということだ。
「一体……何がどうなっているんだ……?」
追い込まれた俺に差し伸べられた救いの手――いや、本当にそれが救いの手であるかどうかすら予想できない状況であるが、少なくとも俺に有利な方向へ流れているという点は間違っていないはず。
さらに困惑が強まった中で、
「デューイ!!」
俺の名を叫ぶ、少女の声がした。
――ついさっきまでよく耳にした声だ。
「レイチェル!?」
振り返った俺の視界に、反乱軍の拠点へ戻ったはずのレイチェルがいた。
「ど、どうして!?」
「助けに来たんだ!」
助けにって……メイジーたちは大丈夫だったのか?
いろいろと疑問は残るが、それを解消するためにレイチェルが俺のところまでやってくる。
「あぁ? まだ死にてぇヤツがいたか」
そうこうしている間に、状況分析を終えたアイゼルがこちらへ視線を向け、レイチェルの存在に気づく。
……状況はますます厄介な方向へと進んで行っているようだ。
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