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第8話 真実
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「そのタトゥー……風竜の力を封じ込めてあるな?」
「はい」
間髪入れずに答える。
その反応をうかがっていると――
「ふぅ」
ハリスさんはひとつ大きなため息をついてから続けた。
「帝国はその力をずっと追い求めている。四大聖竜の力を」
「四大聖竜の力……ということは、俺と同じように聖竜の力を持つ者が帝国側にも?」
「確かな情報ではないため、具体的な人数は分からない。ただ、消息を絶っていた風竜の魂以外はすでに誰かがその力を取り入れていると帝国が公式に発表している。――それから、最低でもひとりは確実に存在している」
「なぜそう言い切れるんですか?」
「俺がこの目で見たからさ。――君と同じタトゥーをした男を」
俺と同じタトゥーをした男。
そいつは一体、どんな力を使うのだろうか。
それから……なぜ帝国に加担するのか。
里を襲った連中が、俺を自軍へ引き入れようとしたように、そいつも招かれたっていうことなのか?
思えば、他の聖竜はどういう状況だったんだろうか。
シルヴァスト王国は代々俺たち風守衆が守ってきたけど……他の国では意外とほったらかしにされていたとか?
――もし、他の聖竜の力がまだ帝国の手に落ちていないのなら、その力を持つ者と協力体制を取りたいな。相手が帝国に対して敵対心を抱いていれば、という前提条件がつくけど。
「その男はまだ君やメイジーと同じくらいの年齢ということもあってか、まだ戦い方に粗があるというか、幼さが見える。恐らく、力は強いが師のもとで教えを受けながら鍛錬をしてきたタイプじゃないだろう」
俺とは正反対ってわけか。
「と、まあ、君や聖竜の力について語ってきたわけだが……そろそろこちらについても話をしておかないと」
そうだった。
そもそも彼らは何者なのか……思えば、俺はそんな基本的な情報も得ないままついてきてしまっていたな。少し軽率だったか。
「俺たちは言ってみれば――反乱軍だ」
「反乱軍!?」
思っていたよりもずっと物騒な集団だった。
……しかし、どういうわけだろう。そこまで殺伐としていないというか、血なまぐささがない。もっとこう、いかつい兵士の集団ってイメージだった。
「じゃ、じゃあ、君たちも?」
「そうだ。私とメイジー様もこの反乱軍のメンバーだ」
「特にメイジー様は我らの象徴とも呼べる御方だ」
「そ、そんな……私なんて……」
周りからの視線に耐えられなくなったのか、メイジーは顔をそむけた。
俺とたいして年齢が変わらないくらい若いメイジーが、なぜ彼ら反乱軍の象徴なのだろうか――そんな疑問を抱いていると、ハリスさんが続けた。
「君がシルヴァスト王国の者ならば、無関係とは言えないぞ」
「? どういう意味ですか?」
「彼女は――シルヴァスト王家の血を引く者なんだ」
「!?」
シルヴァスト王家だって!?
じゃ、じゃあ、俺たちの生きていた時代の……国王陛下の子孫!?
「そ、そんなことが……」
「俺たちだって驚いている。まさか、あの時代の人間が生きていた――いや、生きていたどころか、当時の姿のまま俺たちの前に姿を現すなんて、誰も想像していなかったからな」
ハリスさんの言葉は、あまり頭に入ってこなかった。
それくらい、俺にとって国王陛下の存在は大きかったのだ。
「はい」
間髪入れずに答える。
その反応をうかがっていると――
「ふぅ」
ハリスさんはひとつ大きなため息をついてから続けた。
「帝国はその力をずっと追い求めている。四大聖竜の力を」
「四大聖竜の力……ということは、俺と同じように聖竜の力を持つ者が帝国側にも?」
「確かな情報ではないため、具体的な人数は分からない。ただ、消息を絶っていた風竜の魂以外はすでに誰かがその力を取り入れていると帝国が公式に発表している。――それから、最低でもひとりは確実に存在している」
「なぜそう言い切れるんですか?」
「俺がこの目で見たからさ。――君と同じタトゥーをした男を」
俺と同じタトゥーをした男。
そいつは一体、どんな力を使うのだろうか。
それから……なぜ帝国に加担するのか。
里を襲った連中が、俺を自軍へ引き入れようとしたように、そいつも招かれたっていうことなのか?
思えば、他の聖竜はどういう状況だったんだろうか。
シルヴァスト王国は代々俺たち風守衆が守ってきたけど……他の国では意外とほったらかしにされていたとか?
――もし、他の聖竜の力がまだ帝国の手に落ちていないのなら、その力を持つ者と協力体制を取りたいな。相手が帝国に対して敵対心を抱いていれば、という前提条件がつくけど。
「その男はまだ君やメイジーと同じくらいの年齢ということもあってか、まだ戦い方に粗があるというか、幼さが見える。恐らく、力は強いが師のもとで教えを受けながら鍛錬をしてきたタイプじゃないだろう」
俺とは正反対ってわけか。
「と、まあ、君や聖竜の力について語ってきたわけだが……そろそろこちらについても話をしておかないと」
そうだった。
そもそも彼らは何者なのか……思えば、俺はそんな基本的な情報も得ないままついてきてしまっていたな。少し軽率だったか。
「俺たちは言ってみれば――反乱軍だ」
「反乱軍!?」
思っていたよりもずっと物騒な集団だった。
……しかし、どういうわけだろう。そこまで殺伐としていないというか、血なまぐささがない。もっとこう、いかつい兵士の集団ってイメージだった。
「じゃ、じゃあ、君たちも?」
「そうだ。私とメイジー様もこの反乱軍のメンバーだ」
「特にメイジー様は我らの象徴とも呼べる御方だ」
「そ、そんな……私なんて……」
周りからの視線に耐えられなくなったのか、メイジーは顔をそむけた。
俺とたいして年齢が変わらないくらい若いメイジーが、なぜ彼ら反乱軍の象徴なのだろうか――そんな疑問を抱いていると、ハリスさんが続けた。
「君がシルヴァスト王国の者ならば、無関係とは言えないぞ」
「? どういう意味ですか?」
「彼女は――シルヴァスト王家の血を引く者なんだ」
「!?」
シルヴァスト王家だって!?
じゃ、じゃあ、俺たちの生きていた時代の……国王陛下の子孫!?
「そ、そんなことが……」
「俺たちだって驚いている。まさか、あの時代の人間が生きていた――いや、生きていたどころか、当時の姿のまま俺たちの前に姿を現すなんて、誰も想像していなかったからな」
ハリスさんの言葉は、あまり頭に入ってこなかった。
それくらい、俺にとって国王陛下の存在は大きかったのだ。
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