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【最終章①】廃界突入編
第188話 忠告
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「冷静にならぬか、バカ者め」
「……うん。ごめん。ちょっと取り乱していたよ」
エルメルガは暴走しかけていたニクスオードをたしなめる。
自分の力に絶対的な自信を持っているニクスオードであるが、エルメルガの言葉に対して素直に反省している様子――そこからも、エルメルガの実力がうかがえる。
「あいつが雷竜か……炎を操る方の竜人族をたしなめたところを見ると、やはりあいつの方が格上ってことらしいな」
イリウスに乗り、剣を構えた戦闘態勢をキープしたままのハドリーは、新たな強敵の登場に身震いしていた。
この場にいる騎士とドラゴンの総力を結集しても、焔竜ニクスオード1匹を抑え込むことで精一杯だったのに、それよりも強いと思われる雷竜が加わったことで戦況は一気に討伐部隊の圧倒的不利へと変わった。
こちら側の勝機――というより、まともに渡り合えそうなのは影竜トリストンただ1匹。
「…………」
そのトリストンは唇をキュッと締めて眼前の2匹から視線を外さない。
気持ちだけでも負けまいとするトリストンの意地だ。
――とはいえ、もちろんただ気持ちの問題だけではない。
間もなく援軍が駆けつけるだろう。
奏竜と磁竜の2匹と交戦中と未だ思われるキルカジルカとフェイゼルタットがこの場に来ることは望み薄だが、まだ同じハルヴァの竜人族のノエルをはじめ、各国の竜人族たちが控えている。
もうちょっと時間を稼げば――
「少しいいか」
「!?」
てっきり、雷撃で先制攻撃を仕掛けてくると思いきや、至って普通のトーンで話しかけてきた。肩に力の入っていたトリストンも、さすがに拍子抜けした。
「お主の着る服にあるその紋章はハルヴァのものだな? ……もしや、タカミネ・ソータの関係者か?」
「! パパをどうしようというの?」
「パパ? 我ら竜人族の父は竜王レグジートであろう?」
エルメルガの正論に、トリストンの全力の横首振りで「NO」の意思を伝える。
「理屈ではないというわけか……まあ、これ以上その話題については詮索しないでおく。――ただ、妾の質問には答えてもらうぞ?」
「質問?」
「うむ。――タカミネ・ソータはどうやって銀竜メアンガルドを変えたのじゃ?」
「?」
質問の意図が読み取れないと、トリストンは首を傾げた。
「銀竜は断じて人間に協力的な態度を取るようなヤツではなかった。それが、あのソータとかいう男と出会ってから――まるで爪牙が抜け落ちたように変わり果てた」
「…………」
仲間であるメアがバカにされているにも関わらず、トリストンは反論しない。――というより、しようにもそれを躊躇っていた。
雷竜は明らかに困惑していた。
ダステニア王都の外れにある森の中で、宿敵である銀竜メアンガルトと交戦し、念願の勝利をおさめたはずが、哀愁さえ漂ってきそうなその表情からはまるで嬉しさややり遂げた達成感のようなものは伝わってこない。
むしろのその逆――そう感じていたのはイリウスだった。
報告では、雷竜エルメルガは銀竜メアンガルドに勝利したとあった。
現に、ボロボロになってアークス学園に運ばれたメアを目の当たりにしているイリウスはそのことをよく知っている。
ところが、勝者であるはずのエルメルガは苦しんでいる。
その表情は敗者のそれであった。
「あいつ……」
イリウスはエルメルガの様子の変化に驚いていた。
奏竜ローリージン。
磁竜ベイランダム。
焔竜ニクスオード。
少なくとも、この3匹は戦うことに迷いがなかった。
エルメルガとメアンガルドの初顔合わせに立ち会ったわけではないが、今、エルメルガを包む深い迷いの原因が颯太にあるとするなら、メアとの戦闘後になんらかの心変わりがあったということだろう。
「エルメルガ、さっさとこいつらを倒そう」
「急かすな。妾はこの影竜とやらにたずねたいことがあるのじゃ」
エルメルガはニクスオードの要求を却下。
トリストンからの返事を待っている。
「あなたは……その真実を知ってどうするの?」
「どうするの、か……わからぬ。ただ、妙に気になるのじゃ。そのタカミネ・ソータという人間は、人と竜人族――その関係に大きな変化をもたらす存在となるやもしれぬ」
その点についてはイリウスもまた同感だった。
あの男は――高峰颯太はこれまであったどの人間とも異質だった。その能力だけでなく、人間性なども含め、会ったことがないタイプであった。
一方、答えを受け取ったトリストンは――ニコッと微笑んだ。
「? なぜ笑う?」
「あなたはメアお姉様にそっくり」
「何?」
「前に一度……眠れない夜の日にメアお姉様が話してくれた。パパとお姉様の出会いを――その時にお姉様がパパに言われた言葉――」
それは、山の洞窟で毒の矢を受けてうずくまっているメアに颯太が放った言葉。
『なら、なぜ貴様はそこまで我にこだわるのだ!?』
『苦しんでいるおまえを助けたいって以外にこだわる理由なんてないだろ!』
純粋な「助けたい」という颯太の心情。
それを聞いたメアは、トリストンにこう語っていた。
『我を変えたのは間違いなくソータだ。あの男は……きっと我ら竜人族と人間の絆を深める架け橋となる男だ』
まるで、エルメルガの言葉を先読みしたかのような発言だった。
「あの銀竜がそのようなことを……」
「あなただって、パパと会えばきっとこれまでと考え方が変わるはず」
「そんなわけがあるものか!」
焔竜ニクスオードは力いっぱい叫んで否定する。
「人間どもは僕たち竜人族を利用しているだけに過ぎない! そのタカミネ・ソータという人間だって、ハルヴァ国家から依頼されておまえたちを騙し、利用しているだけだ!」
人間に対して何かトラウマがあるのか、ニクスオードはトリストンの話を信じなかった。
その横で、口を閉ざしていたエルメルガがようやく話し始める。
「トリストン……戦力を整えたらオロム城へと来るがいい。そこが妾たちの――竜王選戦の決着の場となろう」
「え?」
「すでにこの世界で生き残っておる竜人族は、お主ら連合竜騎士団に所属している者たちのみじゃ。他の竜人族たちはすべて――ナインレウスによってその能力を奪われ、意識不明の状態にある」
「そ、そんな……」
「それと、周りの人間どもにも忠告しておく。魔族精製を食い止めたいなら、ここを調査しても無駄だ。同じくオロム城を目指せ。そこにすべての謎が隠されている。――タカミネ・ソータにその旨を伝えよ。それでもまだ妾たちに立ち向かうという意思があるのならば、オロム城にて待つ」
そう言い残して、エルメルガとニクスオードはオロム城へと戻っていった。ニクスオードは腑に落ちないといった様子であったが、エルメルガの意向に大人しく従い、その背中を追って行った。
「エルメルガ……」
影竜トリストンは飛び去る2匹を静かに見送った。
「……うん。ごめん。ちょっと取り乱していたよ」
エルメルガは暴走しかけていたニクスオードをたしなめる。
自分の力に絶対的な自信を持っているニクスオードであるが、エルメルガの言葉に対して素直に反省している様子――そこからも、エルメルガの実力がうかがえる。
「あいつが雷竜か……炎を操る方の竜人族をたしなめたところを見ると、やはりあいつの方が格上ってことらしいな」
イリウスに乗り、剣を構えた戦闘態勢をキープしたままのハドリーは、新たな強敵の登場に身震いしていた。
この場にいる騎士とドラゴンの総力を結集しても、焔竜ニクスオード1匹を抑え込むことで精一杯だったのに、それよりも強いと思われる雷竜が加わったことで戦況は一気に討伐部隊の圧倒的不利へと変わった。
こちら側の勝機――というより、まともに渡り合えそうなのは影竜トリストンただ1匹。
「…………」
そのトリストンは唇をキュッと締めて眼前の2匹から視線を外さない。
気持ちだけでも負けまいとするトリストンの意地だ。
――とはいえ、もちろんただ気持ちの問題だけではない。
間もなく援軍が駆けつけるだろう。
奏竜と磁竜の2匹と交戦中と未だ思われるキルカジルカとフェイゼルタットがこの場に来ることは望み薄だが、まだ同じハルヴァの竜人族のノエルをはじめ、各国の竜人族たちが控えている。
もうちょっと時間を稼げば――
「少しいいか」
「!?」
てっきり、雷撃で先制攻撃を仕掛けてくると思いきや、至って普通のトーンで話しかけてきた。肩に力の入っていたトリストンも、さすがに拍子抜けした。
「お主の着る服にあるその紋章はハルヴァのものだな? ……もしや、タカミネ・ソータの関係者か?」
「! パパをどうしようというの?」
「パパ? 我ら竜人族の父は竜王レグジートであろう?」
エルメルガの正論に、トリストンの全力の横首振りで「NO」の意思を伝える。
「理屈ではないというわけか……まあ、これ以上その話題については詮索しないでおく。――ただ、妾の質問には答えてもらうぞ?」
「質問?」
「うむ。――タカミネ・ソータはどうやって銀竜メアンガルドを変えたのじゃ?」
「?」
質問の意図が読み取れないと、トリストンは首を傾げた。
「銀竜は断じて人間に協力的な態度を取るようなヤツではなかった。それが、あのソータとかいう男と出会ってから――まるで爪牙が抜け落ちたように変わり果てた」
「…………」
仲間であるメアがバカにされているにも関わらず、トリストンは反論しない。――というより、しようにもそれを躊躇っていた。
雷竜は明らかに困惑していた。
ダステニア王都の外れにある森の中で、宿敵である銀竜メアンガルトと交戦し、念願の勝利をおさめたはずが、哀愁さえ漂ってきそうなその表情からはまるで嬉しさややり遂げた達成感のようなものは伝わってこない。
むしろのその逆――そう感じていたのはイリウスだった。
報告では、雷竜エルメルガは銀竜メアンガルドに勝利したとあった。
現に、ボロボロになってアークス学園に運ばれたメアを目の当たりにしているイリウスはそのことをよく知っている。
ところが、勝者であるはずのエルメルガは苦しんでいる。
その表情は敗者のそれであった。
「あいつ……」
イリウスはエルメルガの様子の変化に驚いていた。
奏竜ローリージン。
磁竜ベイランダム。
焔竜ニクスオード。
少なくとも、この3匹は戦うことに迷いがなかった。
エルメルガとメアンガルドの初顔合わせに立ち会ったわけではないが、今、エルメルガを包む深い迷いの原因が颯太にあるとするなら、メアとの戦闘後になんらかの心変わりがあったということだろう。
「エルメルガ、さっさとこいつらを倒そう」
「急かすな。妾はこの影竜とやらにたずねたいことがあるのじゃ」
エルメルガはニクスオードの要求を却下。
トリストンからの返事を待っている。
「あなたは……その真実を知ってどうするの?」
「どうするの、か……わからぬ。ただ、妙に気になるのじゃ。そのタカミネ・ソータという人間は、人と竜人族――その関係に大きな変化をもたらす存在となるやもしれぬ」
その点についてはイリウスもまた同感だった。
あの男は――高峰颯太はこれまであったどの人間とも異質だった。その能力だけでなく、人間性なども含め、会ったことがないタイプであった。
一方、答えを受け取ったトリストンは――ニコッと微笑んだ。
「? なぜ笑う?」
「あなたはメアお姉様にそっくり」
「何?」
「前に一度……眠れない夜の日にメアお姉様が話してくれた。パパとお姉様の出会いを――その時にお姉様がパパに言われた言葉――」
それは、山の洞窟で毒の矢を受けてうずくまっているメアに颯太が放った言葉。
『なら、なぜ貴様はそこまで我にこだわるのだ!?』
『苦しんでいるおまえを助けたいって以外にこだわる理由なんてないだろ!』
純粋な「助けたい」という颯太の心情。
それを聞いたメアは、トリストンにこう語っていた。
『我を変えたのは間違いなくソータだ。あの男は……きっと我ら竜人族と人間の絆を深める架け橋となる男だ』
まるで、エルメルガの言葉を先読みしたかのような発言だった。
「あの銀竜がそのようなことを……」
「あなただって、パパと会えばきっとこれまでと考え方が変わるはず」
「そんなわけがあるものか!」
焔竜ニクスオードは力いっぱい叫んで否定する。
「人間どもは僕たち竜人族を利用しているだけに過ぎない! そのタカミネ・ソータという人間だって、ハルヴァ国家から依頼されておまえたちを騙し、利用しているだけだ!」
人間に対して何かトラウマがあるのか、ニクスオードはトリストンの話を信じなかった。
その横で、口を閉ざしていたエルメルガがようやく話し始める。
「トリストン……戦力を整えたらオロム城へと来るがいい。そこが妾たちの――竜王選戦の決着の場となろう」
「え?」
「すでにこの世界で生き残っておる竜人族は、お主ら連合竜騎士団に所属している者たちのみじゃ。他の竜人族たちはすべて――ナインレウスによってその能力を奪われ、意識不明の状態にある」
「そ、そんな……」
「それと、周りの人間どもにも忠告しておく。魔族精製を食い止めたいなら、ここを調査しても無駄だ。同じくオロム城を目指せ。そこにすべての謎が隠されている。――タカミネ・ソータにその旨を伝えよ。それでもまだ妾たちに立ち向かうという意思があるのならば、オロム城にて待つ」
そう言い残して、エルメルガとニクスオードはオロム城へと戻っていった。ニクスオードは腑に落ちないといった様子であったが、エルメルガの意向に大人しく従い、その背中を追って行った。
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