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番外編 南国での休暇
第101話 浜辺での出来事
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燦々と照りつける太陽の光が肌を焦がす。
分厚い雲に覆われたペルゼミネとは異なり、ガドウィンはいかにも南国といった気候で立っているだけでも汗がにじんでくる。
「この辺でいいかな」
女性陣よりも一足先に砂浜へとやって来た颯太は、手にしていたパラソルを適当な位置に突き刺して一息つく。ここはマーズナーの別荘からほど近い位置にあり、一般人は立ち入れない完全プライベートビーチなんだとか。
ここで遊ぶ予定なのはメア、ノエル、キルカの竜人族組と颯太、キャロル、ブリギッテ、アンジェリカ、カレン――となっている。イリウスたちドラゴン組は、ヘレナ率いるマーズナー・ファームのメイドさんたちと共に少し離れた位置の浜辺で水浴びを楽しんでいた。
正直なところ、颯太としては今回の休暇――あまり休まる気がしなかった。
というのも、ハルヴァの抱えている問題を考えると、暢気に休んでいていいのだろうかという焦りの気持ちが生まれてしまうからだ。
禁竜教。
ローブの男の一派。
怪しい動きの外交局。
ブロドリックの気遣いはありがたいが、どうしてもその辺りが気になってソワソワしてしまうのである。
「せっかく海に来ているというのに険しい顔つきですわね」
眉間にシワを寄せていた颯太のもとへ先陣を切ってやってきたのはアンジェリカ・マーズナーだった。
いつもは肌の露出がほとんどない服装のため、スタイル面については不透明な部分が多かったアンジェリカだが、真っ赤なビキニを着た今の姿は10代半ばの女子と考えるとかなりハイレベルと言える。――もちろん、サイズ的な意味で。
「いかがですか、この水着は?」
「あ、ああ……いいんじゃないか」
「ふふ、ありがとうございます」
とても倍近く年齢の離れた女の子とは思えない物静かな対応。
いろんな意味で相当な場数を踏んでいるのは間違いない。
戸惑う颯太の横を人影が横切って行った。
ハッと我に返った颯太が、その人影を目で追うと――その正体はキャロルとメアとノエルであった。
「みんな、海に入る前にはちゃんと準備運動しましょうね」
「「「はーい」」」
メアとノエルとキルカに優しく言うと、「私と同じ動きをしてくださいね」と準備運動を始めた。それはこの世界独特の動きで、どことなく日本のラジオ体操を彷彿とさせる動きもいくつか見受けられた。運動前に体を解すという名目でやるものなので、その動きも似てくるのだろう。
「マキナとトリストンはちょっと待っていてくださいね」
「「くえー」」
赤ちゃんドラゴン組は準備運動終了まで待機。
――ちなみに、トリストンというのは颯太がペルゼミネで譲り受けた赤ちゃんドラゴンの名前で、昨夜の夕食後にキャロルが名付けた。
すっかり竜人族+赤ちゃんドラゴンの保護者が板について来たキャロル。――だが、その胸部の膨らみに関してはとても板などという安い言葉では括りきれない逸品であった。
――しかし、問題なのはむしろその水着だった。
「なあ、アンジェリカ」
「なんですの?」
「キャロルたちの着ている水着についてなんだが」
「あら、お目が高いですわね。アレは近年ハルヴァで開発された高性能の水着ですわ」
「高性能?」
「なんでも、そのデザインはスピードを追求し、その素材は水の抵抗を極限まで抑え込むため微量の魔力が込められた魔草を特殊な工法を用いて加工し、練り込んであるそうですわ」
「なるほど……」
とりあえず、とんでもない手間暇をかけて生み出された物であるというのは理解できた。
キャロルたちはその高性能水着を着用していのだが――そのデザインはどう見ても、
「スク水じゃないか……」
そう――スク水なのである。
ご丁寧に胸の部分は白地になっていて、そこには名前が書かれてある。さらに、メアとノエルとキルカのものにはちゃんと尻尾の部分が外に出るよう穴が空けられた特注品だ。
「恐ろしいまでにスク水だな……」
「すくみず?」
「あ、いや、こっちの話だ」
邪な思考に絡めとられてはダメだ。
あの水着に下心はない。たまたま――そうたまたま、日本のスク水とデザインが奇跡的なまでに一致しただけ。そもそも、日本のスク水だって本来は男の欲望を叶えるためのものではなく純粋な目的のために作られたものなのだ。そのことを努々忘れてはならない。
戒めのように心中で呟いていたら、
「おまたせ」
続いてやってきたのはブリギッテ。
こちらもビキニだが、大人枠ということもあって見事に着こなしている。スタイル面についても文句なし。もしここに一般客がいたならきっと視線をかき集めていたことだろう。
「当たり前だけど、ペルゼミネとはまったく気候が違うわね。どちらかといえば、私はガドウィンの方が好みかしら」
太陽の光を全身に行き渡らせるように「うーん」と伸びをするブリギッテ。別になんてことはない行動なのに、ジッと眺めていては失礼になると颯太は視線を逸らすが――逸らした先がまずかった。
「待ってくださいよー」
遠くから駆けてくるのはカレン。
走る動きに連動して激しく上下に揺れ動く大きな胸。
「!?」
その衝撃に、颯太は開いた口が塞がらない。
凶悪なドラゴンと対峙した時はまったく異質の緊張感に「ゴクリ」と喉が鳴る。
「カレンさん――な、なかなかのモノをお持ちですのね」
「……あれは反則よね」
カレンの迫力あるモノをまざまざと見せつけられたブリギッテとアンジェリカはまったく同じタイミングで「はあ」と息を吐くとしばらく水平線の彼方を眺めていた。
「あ、あの」
そんな2人の様子を見ていた颯太に、カレンがおずおずと話しかける。
「ど、どうでしょうか? 水着というのは初めて着たのですが……どこかおかしくはないですか?」
「ナニモオカシクハナイヨ」
なるべく胸元へ目が向かないように気をつけていたら日本語を覚えたての外国人みたいなイントネーションになった。明らかに様子のおかしい颯太にカレンは首を傾げている――どうも自身が有している凶悪兵器について自覚はないようだ。
「ソータ! 早く泳ごう!」
「泳ぎましょうよ、ソータさん!」
「あたしも久々に泳ぎまくるわよ! 付き合いなさい!」
メアとノエルとキルカが固まる颯太の腕を両サイドから引っ張る。遊びたくて仕方がないといった感じだ。
「そ、そうだな。よし、みんなで泳ごう」
「そうしましょうか」
「ですわね」
「わ、私、あまり泳ぎは……」
「ならこのボールで遊びましょう」
はしゃぎなら海へと入って行く女性陣。
その光景を眺める颯太の頭には、この世界へ来てからのことが思い出されていた。
竜王レグジートと出会い、銀竜メアンガルドの説得し、ソラン王国の内乱を止めて舞踏会に参加――それから旧レイノア王都奪還作戦に加わり、ペルゼミネ遠征にも行った。
怒涛のごとく過ぎ去っていったここ数ヶ月。
たった数ヶ月の出来事なのに、もう何年も経過しているように感じる。そう思えるのは、それだけ濃密な時間をこの世界に来てから味わっているという証明でもあった。
そう振り返れば、
「……たまには羽を伸ばすのも悪くない、かな」
根を詰めるというわけではないが、客観的に自分の勤務状況を見てみたらたしかに休みは必要だ。精神的に楽だという心境と肉体的な疲労は別物。気持ちでは「まだまだ」と粋がっていても身体は正直だ。時に、限界を知らせるSOS信号が出されていても気づかず、過労で倒れてしまうケースもある。
そういう人の話を聞くたびに、「そこまで仕事に熱心になれるなんて変わっているな」と昔の颯太なら思うだろう。――だが、今ならそんな人たちの気持ちがよくわかる。だからこそ、今はゆっくりと体を休めよう。休めるうちにしっかり休養を取って、それから山積みの問題に取りかかればいい。
気持ちの整理がついた颯太は思いっきり海へとダイブ。
飛び散る水しぶきを浴びたキャロルとブリギッテにお返しだとばかりに手ですくった海水をぶっかけられる。
その様子を、微笑みながら眺めるアンジェリカとカレン。
一方、メアとノエルとキルカは砂場で城づくりに励んでいた。
銘々が思うままに過ごす楽しいひと時。
それは照り付ける太陽が夕陽に代わるまで続くのだった。
分厚い雲に覆われたペルゼミネとは異なり、ガドウィンはいかにも南国といった気候で立っているだけでも汗がにじんでくる。
「この辺でいいかな」
女性陣よりも一足先に砂浜へとやって来た颯太は、手にしていたパラソルを適当な位置に突き刺して一息つく。ここはマーズナーの別荘からほど近い位置にあり、一般人は立ち入れない完全プライベートビーチなんだとか。
ここで遊ぶ予定なのはメア、ノエル、キルカの竜人族組と颯太、キャロル、ブリギッテ、アンジェリカ、カレン――となっている。イリウスたちドラゴン組は、ヘレナ率いるマーズナー・ファームのメイドさんたちと共に少し離れた位置の浜辺で水浴びを楽しんでいた。
正直なところ、颯太としては今回の休暇――あまり休まる気がしなかった。
というのも、ハルヴァの抱えている問題を考えると、暢気に休んでいていいのだろうかという焦りの気持ちが生まれてしまうからだ。
禁竜教。
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ブロドリックの気遣いはありがたいが、どうしてもその辺りが気になってソワソワしてしまうのである。
「せっかく海に来ているというのに険しい顔つきですわね」
眉間にシワを寄せていた颯太のもとへ先陣を切ってやってきたのはアンジェリカ・マーズナーだった。
いつもは肌の露出がほとんどない服装のため、スタイル面については不透明な部分が多かったアンジェリカだが、真っ赤なビキニを着た今の姿は10代半ばの女子と考えるとかなりハイレベルと言える。――もちろん、サイズ的な意味で。
「いかがですか、この水着は?」
「あ、ああ……いいんじゃないか」
「ふふ、ありがとうございます」
とても倍近く年齢の離れた女の子とは思えない物静かな対応。
いろんな意味で相当な場数を踏んでいるのは間違いない。
戸惑う颯太の横を人影が横切って行った。
ハッと我に返った颯太が、その人影を目で追うと――その正体はキャロルとメアとノエルであった。
「みんな、海に入る前にはちゃんと準備運動しましょうね」
「「「はーい」」」
メアとノエルとキルカに優しく言うと、「私と同じ動きをしてくださいね」と準備運動を始めた。それはこの世界独特の動きで、どことなく日本のラジオ体操を彷彿とさせる動きもいくつか見受けられた。運動前に体を解すという名目でやるものなので、その動きも似てくるのだろう。
「マキナとトリストンはちょっと待っていてくださいね」
「「くえー」」
赤ちゃんドラゴン組は準備運動終了まで待機。
――ちなみに、トリストンというのは颯太がペルゼミネで譲り受けた赤ちゃんドラゴンの名前で、昨夜の夕食後にキャロルが名付けた。
すっかり竜人族+赤ちゃんドラゴンの保護者が板について来たキャロル。――だが、その胸部の膨らみに関してはとても板などという安い言葉では括りきれない逸品であった。
――しかし、問題なのはむしろその水着だった。
「なあ、アンジェリカ」
「なんですの?」
「キャロルたちの着ている水着についてなんだが」
「あら、お目が高いですわね。アレは近年ハルヴァで開発された高性能の水着ですわ」
「高性能?」
「なんでも、そのデザインはスピードを追求し、その素材は水の抵抗を極限まで抑え込むため微量の魔力が込められた魔草を特殊な工法を用いて加工し、練り込んであるそうですわ」
「なるほど……」
とりあえず、とんでもない手間暇をかけて生み出された物であるというのは理解できた。
キャロルたちはその高性能水着を着用していのだが――そのデザインはどう見ても、
「スク水じゃないか……」
そう――スク水なのである。
ご丁寧に胸の部分は白地になっていて、そこには名前が書かれてある。さらに、メアとノエルとキルカのものにはちゃんと尻尾の部分が外に出るよう穴が空けられた特注品だ。
「恐ろしいまでにスク水だな……」
「すくみず?」
「あ、いや、こっちの話だ」
邪な思考に絡めとられてはダメだ。
あの水着に下心はない。たまたま――そうたまたま、日本のスク水とデザインが奇跡的なまでに一致しただけ。そもそも、日本のスク水だって本来は男の欲望を叶えるためのものではなく純粋な目的のために作られたものなのだ。そのことを努々忘れてはならない。
戒めのように心中で呟いていたら、
「おまたせ」
続いてやってきたのはブリギッテ。
こちらもビキニだが、大人枠ということもあって見事に着こなしている。スタイル面についても文句なし。もしここに一般客がいたならきっと視線をかき集めていたことだろう。
「当たり前だけど、ペルゼミネとはまったく気候が違うわね。どちらかといえば、私はガドウィンの方が好みかしら」
太陽の光を全身に行き渡らせるように「うーん」と伸びをするブリギッテ。別になんてことはない行動なのに、ジッと眺めていては失礼になると颯太は視線を逸らすが――逸らした先がまずかった。
「待ってくださいよー」
遠くから駆けてくるのはカレン。
走る動きに連動して激しく上下に揺れ動く大きな胸。
「!?」
その衝撃に、颯太は開いた口が塞がらない。
凶悪なドラゴンと対峙した時はまったく異質の緊張感に「ゴクリ」と喉が鳴る。
「カレンさん――な、なかなかのモノをお持ちですのね」
「……あれは反則よね」
カレンの迫力あるモノをまざまざと見せつけられたブリギッテとアンジェリカはまったく同じタイミングで「はあ」と息を吐くとしばらく水平線の彼方を眺めていた。
「あ、あの」
そんな2人の様子を見ていた颯太に、カレンがおずおずと話しかける。
「ど、どうでしょうか? 水着というのは初めて着たのですが……どこかおかしくはないですか?」
「ナニモオカシクハナイヨ」
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「ソータ! 早く泳ごう!」
「泳ぎましょうよ、ソータさん!」
「あたしも久々に泳ぎまくるわよ! 付き合いなさい!」
メアとノエルとキルカが固まる颯太の腕を両サイドから引っ張る。遊びたくて仕方がないといった感じだ。
「そ、そうだな。よし、みんなで泳ごう」
「そうしましょうか」
「ですわね」
「わ、私、あまり泳ぎは……」
「ならこのボールで遊びましょう」
はしゃぎなら海へと入って行く女性陣。
その光景を眺める颯太の頭には、この世界へ来てからのことが思い出されていた。
竜王レグジートと出会い、銀竜メアンガルドの説得し、ソラン王国の内乱を止めて舞踏会に参加――それから旧レイノア王都奪還作戦に加わり、ペルゼミネ遠征にも行った。
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たった数ヶ月の出来事なのに、もう何年も経過しているように感じる。そう思えるのは、それだけ濃密な時間をこの世界に来てから味わっているという証明でもあった。
そう振り返れば、
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根を詰めるというわけではないが、客観的に自分の勤務状況を見てみたらたしかに休みは必要だ。精神的に楽だという心境と肉体的な疲労は別物。気持ちでは「まだまだ」と粋がっていても身体は正直だ。時に、限界を知らせるSOS信号が出されていても気づかず、過労で倒れてしまうケースもある。
そういう人の話を聞くたびに、「そこまで仕事に熱心になれるなんて変わっているな」と昔の颯太なら思うだろう。――だが、今ならそんな人たちの気持ちがよくわかる。だからこそ、今はゆっくりと体を休めよう。休めるうちにしっかり休養を取って、それから山積みの問題に取りかかればいい。
気持ちの整理がついた颯太は思いっきり海へとダイブ。
飛び散る水しぶきを浴びたキャロルとブリギッテにお返しだとばかりに手ですくった海水をぶっかけられる。
その様子を、微笑みながら眺めるアンジェリカとカレン。
一方、メアとノエルとキルカは砂場で城づくりに励んでいた。
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