おっさん、異世界でドラゴンを育てる。

鈴木竜一

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2巻

2-1

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「準備のほどは?」

 真紅しんくくちびるなめらかに動いて言葉をつむぐ。
 薄暗いハルヴァ王都の路地裏。
 発光石はっこうせきが埋め込まれた街灯がいとう
 その人工的で頼りない光の下に、二人の女が立っていた。
 一人は蜂蜜はちみつ色の長髪に、あい色の瞳。その左側には泣きぼくろがひとつ。全身は夜の闇に同化するほどの黒いドレスに包まれている。
 もう一人は十歳程度の、女というより女の子といった外見で、長髪の女のスカートをがっしりとつかんで放そうとしない。オレンジ色のセミロングヘアー。色白で、どこか造られたような表情は、見ている者にはかなげな印象を抱かせる。頭には牡鹿おじかみたいな角があり、腰のすぐ下からはうろこのついた尻尾しっぽが生えている。
 少女の外見の異様さを除けば、仲むつまじい姉妹にしか見えない。

「仰せの通り、とどこおりなく進んでおります」

 その時、どこからか低い声が聞こえ、女を取り囲むように複数の影が並ぶ。
 影の正体はすべて男であった。
 丸太のように太い腕と凶悪な人相。
 そんな彼らが目の前にいる線の細い女性に敬語を使い、小間使こまづかい同然に扱われても文句ひとつ言わずにいる。このことから、黒いドレスの女は相当な力を持った人物であることがうかがえた。
 男の一人は報告を続ける。

「次の標的であるレインズ・ファーム周辺への人員配置は終了しています」
「順調に進んでいるようね」
「はい……ただ、気がかりなことが」

 満足そうにうなずいた女に、別の男が言った。

「何かしら?」
「それが、例のソラン王国の件で少しトラブルが」
「ソラン? ああ、ブランドン・ピースレイクの件ね」

 女がため息じりに言う。
 ソラン王国の元国王であるブランドンとは面識があったが、あの醜悪しゅうあくつらはできる限り思い出したくなかった。

「指示通りうちの者をブランドンの配下として潜り込ませ、その動向を探っていたのですが……厄介な事態になりまして」
「厄介な事態?」 

 眉をひそめ、女は男の言葉を繰り返す。
 彼女は最初、《歌竜かりゅう》ノエルバッツを味方に引き入れたブランドンがソランの守備隊を制圧して玉座に座り直したことで、調子に乗って手が負えなくなったとか、そういったたぐいの報告だと思っていた。しかし男の様子から察するに、どうも違うようだ。

「ブランドン・ピースレイクが死にました。ブランドンにおどされていたノエルバッツが彼を裏切り、ハルヴァ側についたのです」

 女は眉間にしわを寄せる。

「とことん使えない男ね。私たちがあそこまでお膳立ぜんだてしてあげたというのに……」

 呆れたように言った直後、女はあごに手を添えて言葉を続けた。

「それにしても妙ね……ノエルバッツの性格を考慮したら、裏切る可能性はほぼないと踏んでいたのだけれど」
もぐり込んでいた者の話では、ハルヴァ軍にドラゴンと意思疎通いしそつうできる男がいて、その男がノエルバッツを説得したとのことです」
「ドラゴンと意思疎通を? まさか、竜の言葉がわかるとでも……」

 女は何をバカなと鼻で笑ったが、すぐに真剣な顔になった。

「どうかされましたか?」
「いえ……ただ、気になるわね。その男のこと」
「調べますか?」
「ええ、そうして頂戴。あと、調査の過程でハルヴァ竜騎士団りゅうきしだんに何か動きがあった場合は、逐一ちくいちこちらへ報告すること」
「はっ!」

 女から指示を受けた男は、軽く頭を下げて一歩後退する。
 周りの男たちの視線はすべて女に注がれている。次の指示を待っているのだ。
 女は男たちに手際てぎわよく命令を下す。

「あなたたちは最後の準備が整うまで、これまで通りに街を訪れた旅の商人として過ごしなさい。残りの者は例の物をハルヴァ城内へばれずに送り込むこと。そして、舞踏会ぶとうかいの当日になったら……所定の場所へ戻るように。よろしいわね?」

 男たちは小さく頷き、その場をあとにした。

「これで手配はほぼ終わりね」

 女はそうつぶやいたあと、まるで幼子をあやす母親のごとき慈愛じあいに満ちた微笑みを浮かべて少女のほおでる。
 少女が不安げな顔で女を見上げた。
 その表情に気づいた女は、少女を安心させるために、子守唄を歌うような優しい声音で語りかける。

「あら、心配? 平気よ。多少のトラブルは付き物だから」

 そして力強く言い切った。

「絶対に成功する。失敗なんてあり得ないわ」

 最後にニコリと微笑むと、少女はようやく安心したのか、ゆっくりと首を縦に振った。
 女は顔を上げる。
 その視線の先にあるのは、王都にたたずむハルヴァ城。
 込み上げる笑いを押し殺し、女は少女を連れて夜の闇へと消えていった。


     ◆ ◆ ◆


「よし、と……こんなところか」

 穏やかな午後の陽射しを浴びながら、高峰颯太たかみねそうたは息を吐く。
 年間を通して温暖な気候であるハルヴァは、今日も絶好の仕事日和びよりであった。
 ソラン王国の一件から一週間。牧場の仕事がすっかり板についてきた颯太は、手際よくリンスウッド・ファーム竜舎りゅうしゃの清掃を終えて一息ついた。

「ちょっと前まで……こんなのんびりした時間を過ごすなんて考えられなかったなぁ……」

 思い出すのは地球でのサラリーマン時代。
 時間とノルマに追われ、明けても暮れても仕事だらけだった毎日。そんな日々に終止符を打つため退職届を用意したその日の朝に、颯太は異世界の見知らぬ森に飛ばされた。
 森の中をさまよっていた颯太は、そこで竜王レグジートと偶然出会い、彼からドラゴンと話せるようになる秘宝、竜の言霊ことだまを授かる。そして《銀竜ぎんりゅう》メアンガルドを潰れかけだったこのリンスウッド・ファームに導き、その功績と人柄を認められて牧場の新しいオーナーに就任したのだった。
 ちなみに、本来オーナー職にくはずである牧場の一人娘、キャロル・リンスウッドは現在竜舎にいない。
 いつもなら颯太と一緒に作業をしているのだが、今日は家事に専念するということで、竜舎での仕事は颯太に一任したのである。

「さて、もうひと仕事しますか」

 サラリーマン時代ではあり得ないほどの意欲で仕事に取り組む颯太。それくらい、この世界でのドラゴン育成牧場のオーナーという職を気に入っているし、やりがいを感じていた。

「だいぶ慣れてきたみたいだな」

 そんな颯太の頑張りをねぎらったのは、赤い鱗が特徴的な陸戦型りくせんがたドラゴンのイリウスだった。

「おかげさまでね」

 竜舎で寝そべるイリウスの言葉に軽く返す颯太。
 たしかに肉体的な疲労はあるが、精神的にはとても充実しているため、苦になることはなかった。運動をロクにせず取引先におべっかばかり使っていた日々に比べたら、遥かに健康的な生活と言えるだろう。
 その後もしばらくイリウスとたわいない会話をしていると、どこからともなく声が聞こえてきた。声は徐々にボリュームを増し、やがてそれがただの声ではなく歌であるとわかる。

「お?」
「ん?」

 その歌によって会話は中断され、一人と一匹の視線は同時に同じ方向へ向けられる。

「これは……」

 自然と、颯太の足は一歩前に出ていた。
 心が洗われるような透き通る歌声。顔を見なくても、誰が歌っているかわかる。先日新しく仲間に加わったハルヴァが誇る竜人族りゅうじんぞく、ノエルこと歌竜ノエルバッツだ。

「あいつもここが気に入ったみたいだな」
「よかったよ」

 颯太とイリウスは顔を見合わせて同時に笑った。
 それから、颯太は外に出てノエルの様子を窺う。
 人間の姿に変身しているノエルは積み上げられたわらの上で目を閉じ、首を小さく左右に振りながら気持ちよさそうに歌っていた。隣には同じく人間形態となって目を閉じて歌声に聴き入るもう一匹の竜人族、メアこと銀竜メアンガルドの姿もある。その光景は仲のいい姉妹のようにしか見えない。
 颯太に続いて外に出たイリウスがノエルたちを見て、ポツリとつぶやく。

「まるで本物の姉妹だな……って、あの二匹は実際姉妹なのか」
「前にメアから聞いたが、母竜は違うらしいぞ」
「じゃあ腹違いの姉妹ってヤツか」

 イリウスの言葉に頷いたあと、颯太は過去を思い返す。
 ソランの元国王であるブランドン・ピースレイクにだまされ、一時は敵対していた二匹。関係の修復はもはや不可能かと思われたが、颯太の説得に応じたことでノエルはブランドンのもとを離れ、リンスウッド・ファームに身を寄せることになったのである。そのため、今では一緒に暮らしていた頃と変わらぬ関係に戻れたのだ。
 ノエルとメアの仲睦まじい様子を確認したあと、颯太は手にしていたピッチフォークを道具置き場に戻した。
 イリウスがそれを見て不思議そうにたずねる。

「ん? どうした? 今日はもう終わりか?」
「牧場内での仕事は、な。このあと、城へ行くんだよ。出国申請をしようと思ってね」
「出国? 旅行にでも行くのか?」
「俺じゃないよ……ノエルが前に住んでいた山近くの村へ行けるようにするのさ」

 かつてノエルが親しくしていた人間たちの住む村。そこで疫病えきびょう流行はやったため、村人たちは治療を受けに一時的に近くの大きな町へ移住していた。しかし今では大勢が快復し、元の村に戻っているという情報を、颯太は竜騎士団を経由して聞いていた。
 旧ソラン城でノエルを説得する際、颯太は「またみんなに会わせる」と約束していた。その約束を果たすべく、村人たちとの再会の場を用意したいと考えたのである。
 颯太の言葉に、イリウスは納得したように頷く。

「ノエルの出国許可ってわけか……」
「ただ、やっぱり竜人族となると勝手が違うかな」

 一匹で通常種のドラゴン三十匹分の戦力に相当するとされる竜人族を、国家がそう易々やすやすと国外に出すとは思えない。食い下がるつもりではあるが、出国の許可が下りる確率は、五分五分と予想していた。

「まあ、別に問題はねぇと思うぜ。この国には以前から一匹の竜人族がいるが、そいつも牧場関係者と一緒にちょいちょい国外へ行っているみたいだし」

 イリウスの話を聞き、少し望みを持つ。
 ただ、それとは別のことにも颯太は関心を抱いた。

「ハルヴァの竜人族か……その子にも会ってみたいな」
「あいつは気が強ぇからあんまオススメしないぜ」

 イリウスはそう言うが、颯太の気持ちは変わらない。
 銀竜メアンガルドと歌竜ノエルバッツ。
 この二匹が加わる以前からハルヴァにいるというもう一匹の竜人族。まだ顔すら見たことないので、颯太としては会うのが楽しみであった。

「メアたちと仲良くやれればいいけどな」

 メアやノエルがその竜人族と良好な関係を築ければ、きっとどの国にも負けない竜騎士団になるだろう。
 未来のハルヴァ竜騎士団に思いをせながら、颯太は外出の準備を整えるため一旦家に戻った。


     ◆ ◆ ◆


 リンスウッド・ファームから出ると、舗装ほそうされていない土の道が、王都に向かって真っすぐ延びている。
 牧歌的な雰囲気のただよう道を歩いていくうちに、少しずつ人や建物の数が増え、数分後、王都南端部の商業区に到着した。
 前後左右、どこに目を向けても屋台が並んでいるが、市場はピークの時間帯を過ぎていたため、今はまったりとした空気が流れていた。朝から働いていた商人たちも、午後の商売に向けて腹ごしらえをしている。

「しかし……こうして改めて見ると、亜人も結構な数がいるな」

 エルフや獣人族じゅうじんぞくなどなど。
 地球ではファンタジーとされていた生き物たちが、この世界では当たり前のように暮らしている。最初こそ驚いたが、今ではもうすっかり慣れてしまった。
 街の様子に目をやりながら歩いていた颯太は、あることに気づく。

「……妙に兵士が多いな」

 ハルヴァ竜騎士団と思われる多くの兵士たちが街にいる。

「午前中に何か騒ぎでもあったのかな」

 とはいえ、この時は特に深刻に考えることなく歩き続け、城門前までたどり着いた。

「あ、ちょっといいですか?」

 入城許可を求めるため、颯太は近くの門番へ声をかけた。

「おや? リンスウッドのオーナーさんじゃないですか」

 その兵士には見覚えがあった。彼はソラン王国でノエルによる石化の歌を聴き、石にされていたマヒーリス分団の兵士だ。
 兵士は颯太に頭を下げる。

「先日はどうもありがとうございました。あなたのおかげで我らは今日もこうして元気に過ごせていますよ」
「いや、そんな……」

 ストレートに感謝の気持ちをぶつけられると、やっぱり気恥ずかしくなる。
 照れくささを振り払い、颯太は早速本題へ移った。

「ところで、ハドリーさんはいますか?」
「申し訳ありません。リンスウッド分団長でしたら、今朝早くから西方領との国境近辺へ警邏けいら任務に出ています。間もなく戻られると思いますが……」

 ハドリーが今日の午前中は王都不在であることは、事前に本人から聞いていた。そのため昼頃に城で合流するという話になっていたが、まだ戻っていないようだ。
 出直そうと思い、その旨を兵士に伝えようとした時だった。

「どうかしたのか?」

 颯太の方に歩み寄り、話しかけてくる一人の男。
 長い金髪が特徴的なその男は、ハルヴァ竜騎士団マヒーリス分団をまとめるジェイク・マヒーリスであった。

「ジェイクさん!」
「おおっ! 誰かと思ったらソータだったか! こんなところでどうした?」

 おおらかでフレンドリーな態度のジェイクと固く握手を交わしたところで、颯太は彼なら助けになってくれるかもしれないと思い、口を開く。

「今日はお願いがあって来たんです」
「お願い? なんだ?」
「実は、竜人族の出国手続きについての申請方法を教えていただきたくて」
「竜人族の出国手続き……」

 途端に、ジェイクの顔がくもった。

「え? な、何か俺、変なことを言いました?」
「いや、何も変じゃない。ただ……タイミングが悪かっただけだ」
「タイミング?」

 豹変ひょうへんしたジェイクの態度を見るに、どうやら竜人族の出国手続きをするにはあまりよろしくない事態が発生しているようだ。

「何かあったんですか?」
「……ここじゃちょっと話せないな。中に入ろう」

 外では語りにくい内容ということは、機密に関わることだろうか。さらに話の雲行きが怪しくなってきた。
 城内へ足を踏み入れると、以前訪れた時と変わらず、メイドさんや使用人たちがせわしなく働いていた。慌ただしいが、別段変わった様子はない。
 ジェイクと並んで歩く間、颯太は城へ来た経緯について簡単に説明する。ノエルの事情はジェイクにも伝わっているようで、「それは叶えてやりたいよな」と返してくれた。
 ジェイクに連れられ、使用されていない部屋にやってくる。
 しばらく待機するよう言われて、待つことおよそ三十分。

「すまないな、待たせてしまって」

 謝りながらジェイクが入室し、颯太と対面の椅子に腰を下ろした。

「ブロドリック大臣から部屋を借りる了承を得てきた。ハドリーが帰ってくるまで、竜人族の出国の詳細について説明するが……これから話すことは絶対に口外しないでくれよ。同じ牧場に勤める仲間であっても極力避けてくれ。混乱を防ぐため、オーナーである君の胸に留めておいてほしいんだ」
「わかりました」

 颯太が頷いても、ジェイクはさらに「絶対だぞ」と念を押す。やはり相当際どい内容のようだ。

「まず先に言っておくが……すまない、竜人族の出国は現在制限されていて、しばらくは出られそうにない」
「そうですか……」

 ジェイクの態度から、なんとなく断られるかもしれないと予想を立てていたので、それほど驚かない。ただ、ノエルは悲しむだろう。こうした事態を想定し、颯太はノエルに出国許可の件については話しておらず、おかげで彼女が落ち込まずに済んだのは不幸中の幸いと言えた。
 ただ、ノエルとの約束をずっと果たせないままでは困る。このまま大人しく帰るわけにはいかない。

「一体、何が起きたっていうんです?」

 颯太の問いかけに、ジェイクは黙り込んだまま。
 やがて口を開いたが、まるで唇に十キロ級の重りでもぶら下げてあるみたいに動きが遅い。

「まあ……おまえはブロドリック大臣にも認められたオーナーだし、大臣が話しても大丈夫だと言っているのだからいいだろう。いずれは知られてしまうことだしな。遅いか早いかの違いだ」

 自分自身に言い聞かせるようにつぶやくと、改めてジェイクは颯太に視線を向ける。

「実は、国内にいるドラゴンにトラブルが生じた」
「トラブル?」

 国内に約二百匹いる戦闘用ドラゴン。どうやら出国制限の原因は、そのドラゴンたちにあるらしい。

「昨日の夜から、複数の牧場で合計六匹のドラゴンが行方ゆくえ不明になっているんだ」
「えっ!」

 予想外の言葉に、颯太の口から大きな声が漏れる。 

「ゆ、行方不明ってどういうことなんですか?」
「言葉の通りさ。忽然こつぜんと姿を消したんだよ。ハドリーが不在なのも、警邏っていうのは表向きの理由で、本当はその件について他の分団と調査に向かったからだ。竜医りゅういのブリギッテ・サウアーズもそれについていったそうだぞ」
「そ、そうだったんですか……」

 国家戦力であるドラゴンが、理由もわからず同時に数匹いなくなるというのは非常事態だ。さらに、もし竜人族が国外でいなくなったりしたら大変だ。
 ハルヴァが大慌てで出国制限に踏み切ったのも頷ける。颯太のいた世界でたとえるなら、戦闘機や戦車が消失したというレベルの問題に匹敵するもの。そう考えたら当然の対応である。王都に兵士が大勢いたのも、警戒を強めているためだろう。

「まさか、他国に引き抜かれたとか?」
「今はどこの国も魔物に対抗するために協力体制を敷いている状況だ。お互いの足を引っ張り合うようなマネをするとは思えない……これは、俺の憶測おくそくなんだが」

 ジェイクはそう前置きをして、話を続ける。

「君たちが聞いたという、ブランドン・ピースレイクの最期の言葉が引っかかるんだ」
「ブランドンの?」

 ソラン王国の前国王であるブランドン・ピースレイク。
 彼の最期は壮絶なものであった。

『ひひひっ……今に見ていろ……が……あの男が……すべてを奪いに来るぞ……ははは……その日まで……せいぜい幸せに暮らすんだなっ! あっはっはっはっはっはっはっはっ!』

 それが、ブランドンの最期の言葉だった。

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