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エピローグ ~それからのお話し~
第241話 颯太の決断
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ピピピピピピピ――
無機質な電子音が響き渡る。
ベッドの布団がもぞもぞと盛り上がり、にゅっと伸びてきた手が枕元の目覚まし時計を鷲掴みにする。
「うぅ……」
寝ぼけまなこをこすりながら、颯太は起き上がる。
周りの光景は――リンスウッド・ファームのものではない。
木製のベッドも。
壁に飾られたポスターも。
本棚、クローゼット、テレビ――すべては昔と変わらぬ「自分」の部屋だった。
「牧場生活で早起きにはなれていたはずなのに……どうにも戻ってきてからは感覚がずれているというか……」
愚痴るように言って、颯太はカーテンをずらして窓を開ける。
爽やかな朝風に、思わず「ふぅ」と息を吐いた。
その向こう側に広がる風景は――幼い頃から見慣れたものだ。
静岡県某所。
高峰颯太が高校を卒業するまで住んでいた場所――生まれ故郷だ。
手の中に収まる目覚まし時計は午前6時を指している。
季節は初夏ということもあり、すでに日は昇っていて明るく、朝の支度が始まったのか、窓から見える家々の中は徐々に人の声が溢れてきていた。
そんな景色を眺めていると、しみじみと感じる。
「戻って来たんだな……」
…………………
………………………
……………………………
異世界から帰還して1週間が経過するのだが、毎朝起きるたびにもう何十年と見続けてきたこの光景は新鮮に映る。
あっちでは起床と共にまず竜舎へと足を運んでいた。
メアやトリストンはすでに起きていることが多かったのだが、朝の苦手なノエルやマキナはなかなか起き上がって来なかった。イリウスもリートもパーキースも朝は強く、颯太が竜舎に着く頃にはすでに談笑しているほどだった。
――だが、今この世界にその談笑はない。
ドラゴンの「ド」の字も感じさせないのどかな日本の田舎町。
朝刊を配達するバイクのエンジン音がした時、一瞬、颯太はドラゴンの羽ばたき音に聞こえて身構えた。すぐにそうでないと理解し、「これも職業病って言うのかな……?」と独り言を呟いて窓を閉めた。
魔竜イネスとの生存権を賭けた最後の戦い。
ベッドに腰を落とした颯太はその激闘を振り返っていた。
廃界への突入。
魔族や4匹の竜人族との戦い。
そして――竜の言霊に集めた魔力をシャルルペトラが放ち、長い年月をかけて人々を苦しめていた魔竜イネスを倒した。
魔族の残党狩りが始まった時、颯太は正気に戻ったシャルルペトラから元の世界へ戻るかどうかたずねられる。
苦悩する颯太であったが、まずみんなとした約束を果たす必要があると一旦返事を保留して残党狩りの続く廃界オロムをあとにしてハルヴァへと帰還した。
そこで、颯太はシャルルペトラを伴い、竜騎士団やブリギッテ、キャロル、アンジェリカたちを集めて自身の正体を語った。
異世界から来た人間――レグジートからのアドバイスがあったとはいえ、重大な秘密をずっとひた隠していたことを告白するのはとんでもない勇気が必要だった。
さらに緊張したのは告白後の周りの反応であった。
心配していた通り、周囲は沈黙に包まれた。
ドラゴン育成牧場のオーナーを務めている颯太には、その仕事がどれだけ国家にとって重要なものか肌身に感じて理解している。ゆえに、そのような重大な仕事に就く者が異世界から来た者だとわかれば、大罪に問われて最悪国外追放なんてこともあり得る。
――だが、
「あなたがどこから来たのかなんて関係ないわ」
最初に沈黙を破ったのはブリギッテだった。
それを皮切りに、
「わ、私も! 私も同じ気持ちです! ソータさんがこの世界の人じゃなくても、ソータさんは優しくてとってもいい人です!」
「わたくしもキャロルと同じですわ。生まれや育ちは関係ありませんもの。必要なのは人間性――それに、邪な考えを持った人間には、けしてドラゴンは懐きませんわ」
「おまえがこれまでどれほどこの国の発展に貢献してきたか俺は良く知っているつもりだ。たとえおまえが悪魔であろうと俺はおまえという人間を信じるぞ」
長い付き合いのキャロル、アンジェリカ、ハドリーは颯太のことをよく知っているため、今さらその人間性を疑うことはない。――だが、それはけして付き合いの長い者たちだけが抱いた気持ではなかった。
「我らもタカミネ・ソータ殿を信用する」
「彼はなんども命懸けで我ら竜騎士団を救ってくれた」
「そんな彼をどうして疑えようか」
竜騎士たちは誰ひとりとして颯太に不信感を抱いていなかった。
各大臣たちも考えは一緒だった。
スウィーニーの国土不正譲渡問題で揺れた外交局は、特に颯太への信頼度が高かった。レフティ大臣をはじめ、側近であるカレン・アルデンハークやアイザック・レーンも、高峰颯太の人間性を高く評価しており、今さら生まれた世界の違いなど小さなものだと一蹴した。
ハルヴァは異世界――日本生まれの高峰颯太をありのままに受け入れたのだった。
颯太の告白が終わった翌日。
リンスウッド・ファームを訪ねてきた1匹の竜人族がいた。
「答えは出たかしら?」
シャルルペトラだった。
「この世界にとどまるか、それとも戻るのか……」
シャルルペトラとしては、颯太本人に了解を得ずこの世界へ連れてきたことに責任を感じているようで、次元転移魔法を使用して颯太を元の世界へ戻すかどうか――その問題にこだわりを持っていた。
だからこそ、こうしてリンスウッド・ファームを訪ねたのだ。
キャロル、メア、ノエル、トリストン、マキナ、イリウス、リート、パーキース――みんなが見守る中で、颯太の下した決断は――
「俺を……元の世界へ戻してくれ」
…………………
………………………
……………………………
こうして、高峰颯太は元の世界へと戻って来た。
「さて……」
ベッドから飛び起きると、颯太は階段をおりて一階へ。
ギシギシと軋む廊下を進んで居間へと着くと、
「すっっっっっぱああああああい!!!」
梅干しを食べて悶絶しているシャルルペトラがいた。
「お? 起きたか、颯太」
「うん。……で、何があったの?」
「梅干を食べたいというので食べさせたらあの調子だ」
父が笑いながら言った。
「綺麗な色をしているからきっと甘いのだと思ったけど……これはかなりキツイわね」
「ふふ、あなたの住む世界にはなかったかしら?」
母が緑茶の入った湯呑をシャルルペトラに差し出す。
どこにでもありそうな日本の中流家庭の朝の食卓。
そこに、角と尻尾が生えたドラゴン少女が加わることで、ここまでファンタジーな世界観になるのか、と颯太は変に感心をしてしまう。
颯太は元の世界に戻った――が、それは1週間という期間限定のもの。
目的は両親への生存報告のため。
案の定、両親は警察に捜索願を出していたため、その心配はないということを颯太は伝えに戻ったのだ。もちろん、「異世界でドラゴン育成牧場のオーナーをしている」などという突拍子もない話をしたところで信じてもらえるはずがないので、シャルルペトラに同行をしてもらったのだった。
すっかりと我が家に馴染んだシャルルペトラは恐る恐るふたつ目の梅干しに手を伸ばしていた。
「酸っぱいんだけど……妙に食べたくなるのよね」
「それが梅干しってもんさ!」
豪快に笑い飛ばす父だが、颯太が行方不明の間はまるで別人のように意気消沈としていたらしく、逆に大人しい母に慰められていたという。昔から今のような明るい父しか知らない颯太には、なんとも意外に思えた。
シャルルペトラはこちらの世界とあちらの世界を行き来していたのだが、今日がハルヴァへと戻る約束の3日目ということで颯太を迎えに来たのだった。
「シャルル、ちょっと着替えてくるから待っていてくれ」
「わかったわ」
颯太は顔を洗ったりして身支度を整えたあと、ハルヴァへと戻るため再び居間へと戻って来る。そこにはすでに準備万端のシャルルペトラが待っていた。
「父さん、母さん……行ってくるよ」
「体には気をつけろよ」
「いつでも戻ってきていいんだからね?」
ブラック企業で働き続けていた颯太を心配していた両親――盆も年末年始も仕事に追われていた颯太が行方不明と知った時には自殺をしたのだと思っていた。
だが、こうして無事に戻り、そして、今の仕事に誇りを持っていると聞かされた時には颯太が就職を決めた時よりも嬉しさがあった。
それが例え異世界での仕事であっても。
「盆休みには戻るよ。その時には、何か向こうの世界のお土産を持ってくる」
「楽しみにしているぞ」
「頑張ってね」
魔力の供給を安定させることに成功したシャルルペトラに頼めば、またいつでもこの世界へ戻って来られる。次元転移魔法は禁忌魔法であるが、颯太のためならば特例だとシャルルペトラは語っていた――颯太はその言葉に甘えることにしたのである。
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
高峰家の庭に、シャルルペトラが魔法で生み出した異世界へと繋がるホールが出現。そこをくぐれば、その先はハルヴァへと通じている。
颯太は両親と最後の別れの挨拶を終えると、そのホールの中へと足を踏み入れた。
「向こうのみんなはなんて言っていた?」
「あなたが帰って来るのをずっと待っているわ。それに、あなたがいない間に、結構いろんなところで新しい動きがあったみたいよ」
「新しい動き、か……その報告を聞くのが楽しみだよ」
「私も楽しみよ。――あなたのお母様お手製の梅干しを食べるのが」
「気に入ったのか……」
すっかり日本食が気に入ったシャルルペトラと共に、颯太はハルヴァへ――第二の故郷へと戻って行った。
無機質な電子音が響き渡る。
ベッドの布団がもぞもぞと盛り上がり、にゅっと伸びてきた手が枕元の目覚まし時計を鷲掴みにする。
「うぅ……」
寝ぼけまなこをこすりながら、颯太は起き上がる。
周りの光景は――リンスウッド・ファームのものではない。
木製のベッドも。
壁に飾られたポスターも。
本棚、クローゼット、テレビ――すべては昔と変わらぬ「自分」の部屋だった。
「牧場生活で早起きにはなれていたはずなのに……どうにも戻ってきてからは感覚がずれているというか……」
愚痴るように言って、颯太はカーテンをずらして窓を開ける。
爽やかな朝風に、思わず「ふぅ」と息を吐いた。
その向こう側に広がる風景は――幼い頃から見慣れたものだ。
静岡県某所。
高峰颯太が高校を卒業するまで住んでいた場所――生まれ故郷だ。
手の中に収まる目覚まし時計は午前6時を指している。
季節は初夏ということもあり、すでに日は昇っていて明るく、朝の支度が始まったのか、窓から見える家々の中は徐々に人の声が溢れてきていた。
そんな景色を眺めていると、しみじみと感じる。
「戻って来たんだな……」
…………………
………………………
……………………………
異世界から帰還して1週間が経過するのだが、毎朝起きるたびにもう何十年と見続けてきたこの光景は新鮮に映る。
あっちでは起床と共にまず竜舎へと足を運んでいた。
メアやトリストンはすでに起きていることが多かったのだが、朝の苦手なノエルやマキナはなかなか起き上がって来なかった。イリウスもリートもパーキースも朝は強く、颯太が竜舎に着く頃にはすでに談笑しているほどだった。
――だが、今この世界にその談笑はない。
ドラゴンの「ド」の字も感じさせないのどかな日本の田舎町。
朝刊を配達するバイクのエンジン音がした時、一瞬、颯太はドラゴンの羽ばたき音に聞こえて身構えた。すぐにそうでないと理解し、「これも職業病って言うのかな……?」と独り言を呟いて窓を閉めた。
魔竜イネスとの生存権を賭けた最後の戦い。
ベッドに腰を落とした颯太はその激闘を振り返っていた。
廃界への突入。
魔族や4匹の竜人族との戦い。
そして――竜の言霊に集めた魔力をシャルルペトラが放ち、長い年月をかけて人々を苦しめていた魔竜イネスを倒した。
魔族の残党狩りが始まった時、颯太は正気に戻ったシャルルペトラから元の世界へ戻るかどうかたずねられる。
苦悩する颯太であったが、まずみんなとした約束を果たす必要があると一旦返事を保留して残党狩りの続く廃界オロムをあとにしてハルヴァへと帰還した。
そこで、颯太はシャルルペトラを伴い、竜騎士団やブリギッテ、キャロル、アンジェリカたちを集めて自身の正体を語った。
異世界から来た人間――レグジートからのアドバイスがあったとはいえ、重大な秘密をずっとひた隠していたことを告白するのはとんでもない勇気が必要だった。
さらに緊張したのは告白後の周りの反応であった。
心配していた通り、周囲は沈黙に包まれた。
ドラゴン育成牧場のオーナーを務めている颯太には、その仕事がどれだけ国家にとって重要なものか肌身に感じて理解している。ゆえに、そのような重大な仕事に就く者が異世界から来た者だとわかれば、大罪に問われて最悪国外追放なんてこともあり得る。
――だが、
「あなたがどこから来たのかなんて関係ないわ」
最初に沈黙を破ったのはブリギッテだった。
それを皮切りに、
「わ、私も! 私も同じ気持ちです! ソータさんがこの世界の人じゃなくても、ソータさんは優しくてとってもいい人です!」
「わたくしもキャロルと同じですわ。生まれや育ちは関係ありませんもの。必要なのは人間性――それに、邪な考えを持った人間には、けしてドラゴンは懐きませんわ」
「おまえがこれまでどれほどこの国の発展に貢献してきたか俺は良く知っているつもりだ。たとえおまえが悪魔であろうと俺はおまえという人間を信じるぞ」
長い付き合いのキャロル、アンジェリカ、ハドリーは颯太のことをよく知っているため、今さらその人間性を疑うことはない。――だが、それはけして付き合いの長い者たちだけが抱いた気持ではなかった。
「我らもタカミネ・ソータ殿を信用する」
「彼はなんども命懸けで我ら竜騎士団を救ってくれた」
「そんな彼をどうして疑えようか」
竜騎士たちは誰ひとりとして颯太に不信感を抱いていなかった。
各大臣たちも考えは一緒だった。
スウィーニーの国土不正譲渡問題で揺れた外交局は、特に颯太への信頼度が高かった。レフティ大臣をはじめ、側近であるカレン・アルデンハークやアイザック・レーンも、高峰颯太の人間性を高く評価しており、今さら生まれた世界の違いなど小さなものだと一蹴した。
ハルヴァは異世界――日本生まれの高峰颯太をありのままに受け入れたのだった。
颯太の告白が終わった翌日。
リンスウッド・ファームを訪ねてきた1匹の竜人族がいた。
「答えは出たかしら?」
シャルルペトラだった。
「この世界にとどまるか、それとも戻るのか……」
シャルルペトラとしては、颯太本人に了解を得ずこの世界へ連れてきたことに責任を感じているようで、次元転移魔法を使用して颯太を元の世界へ戻すかどうか――その問題にこだわりを持っていた。
だからこそ、こうしてリンスウッド・ファームを訪ねたのだ。
キャロル、メア、ノエル、トリストン、マキナ、イリウス、リート、パーキース――みんなが見守る中で、颯太の下した決断は――
「俺を……元の世界へ戻してくれ」
…………………
………………………
……………………………
こうして、高峰颯太は元の世界へと戻って来た。
「さて……」
ベッドから飛び起きると、颯太は階段をおりて一階へ。
ギシギシと軋む廊下を進んで居間へと着くと、
「すっっっっっぱああああああい!!!」
梅干しを食べて悶絶しているシャルルペトラがいた。
「お? 起きたか、颯太」
「うん。……で、何があったの?」
「梅干を食べたいというので食べさせたらあの調子だ」
父が笑いながら言った。
「綺麗な色をしているからきっと甘いのだと思ったけど……これはかなりキツイわね」
「ふふ、あなたの住む世界にはなかったかしら?」
母が緑茶の入った湯呑をシャルルペトラに差し出す。
どこにでもありそうな日本の中流家庭の朝の食卓。
そこに、角と尻尾が生えたドラゴン少女が加わることで、ここまでファンタジーな世界観になるのか、と颯太は変に感心をしてしまう。
颯太は元の世界に戻った――が、それは1週間という期間限定のもの。
目的は両親への生存報告のため。
案の定、両親は警察に捜索願を出していたため、その心配はないということを颯太は伝えに戻ったのだ。もちろん、「異世界でドラゴン育成牧場のオーナーをしている」などという突拍子もない話をしたところで信じてもらえるはずがないので、シャルルペトラに同行をしてもらったのだった。
すっかりと我が家に馴染んだシャルルペトラは恐る恐るふたつ目の梅干しに手を伸ばしていた。
「酸っぱいんだけど……妙に食べたくなるのよね」
「それが梅干しってもんさ!」
豪快に笑い飛ばす父だが、颯太が行方不明の間はまるで別人のように意気消沈としていたらしく、逆に大人しい母に慰められていたという。昔から今のような明るい父しか知らない颯太には、なんとも意外に思えた。
シャルルペトラはこちらの世界とあちらの世界を行き来していたのだが、今日がハルヴァへと戻る約束の3日目ということで颯太を迎えに来たのだった。
「シャルル、ちょっと着替えてくるから待っていてくれ」
「わかったわ」
颯太は顔を洗ったりして身支度を整えたあと、ハルヴァへと戻るため再び居間へと戻って来る。そこにはすでに準備万端のシャルルペトラが待っていた。
「父さん、母さん……行ってくるよ」
「体には気をつけろよ」
「いつでも戻ってきていいんだからね?」
ブラック企業で働き続けていた颯太を心配していた両親――盆も年末年始も仕事に追われていた颯太が行方不明と知った時には自殺をしたのだと思っていた。
だが、こうして無事に戻り、そして、今の仕事に誇りを持っていると聞かされた時には颯太が就職を決めた時よりも嬉しさがあった。
それが例え異世界での仕事であっても。
「盆休みには戻るよ。その時には、何か向こうの世界のお土産を持ってくる」
「楽しみにしているぞ」
「頑張ってね」
魔力の供給を安定させることに成功したシャルルペトラに頼めば、またいつでもこの世界へ戻って来られる。次元転移魔法は禁忌魔法であるが、颯太のためならば特例だとシャルルペトラは語っていた――颯太はその言葉に甘えることにしたのである。
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
高峰家の庭に、シャルルペトラが魔法で生み出した異世界へと繋がるホールが出現。そこをくぐれば、その先はハルヴァへと通じている。
颯太は両親と最後の別れの挨拶を終えると、そのホールの中へと足を踏み入れた。
「向こうのみんなはなんて言っていた?」
「あなたが帰って来るのをずっと待っているわ。それに、あなたがいない間に、結構いろんなところで新しい動きがあったみたいよ」
「新しい動き、か……その報告を聞くのが楽しみだよ」
「私も楽しみよ。――あなたのお母様お手製の梅干しを食べるのが」
「気に入ったのか……」
すっかり日本食が気に入ったシャルルペトラと共に、颯太はハルヴァへ――第二の故郷へと戻って行った。
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