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第48話 ミレインの行方

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 氷に覆われたダンジョンを探索中のミレインたちを追う中で、負傷した多くの冒険者と出くわす。
 彼らはアルゴとの戦闘に巻き込まれた者たちのようだった。
 痛々しい負傷者に対し、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 ヤツをここまで放置していた俺の責任だ。
 そして、その毒牙はミレインへと向けられようとしている。

 なんとしても食い止めなくてはならない。 
 そんな強い気持ちで進んでいくと、

「っ! トーラ! メルファ!」

 ついにトーラとメルファを発見――が、そこにミレインの姿はなかった。おまけにトーラは負傷しているようでメルファが必死に治癒魔法で治療中だった。

「大丈夫か!」
「きゅ、急に変な人が襲ってきて……」

 いつもクールなメルファがひどく動揺している。
 相当怖い目に遭ったようだな……おまけにその犯人はどうもミレインを追っていたアルゴらしい。
 トーラは問答無用で襲ってきたアルゴからメルファを守るために盾となったようだ。
 しかし、ミレインまでは守り切れず、彼女はアルゴを引き付けるためさらにダンジョンの奥地へと進んでいったらしい。

「どれくらい前の話だ?」
「本当についさっきだよ」

 くそっ!
 一歩違いだったか!

「立てるか、トーラ」
「あたしらのことはいいからミレインを……あいつまともじゃないよ……」

 あいつというのは……アルゴのことだな。

「メルファ、トーラを頼むぞ」
「う、うん」
「俺はミレインを助けに行く」

 歪みきり、もはや見境なく人を傷つけていくアルゴを止めるため、俺はダンジョンを進む決断を下す。

 トーラとメルファにはすぐにダンジョンの外へ出るように伝えたが、

「あたしも行くよ!」

 ここでトーラが参戦を表明――も、さすがに病み上がりである彼女を連れて行くわけにはいかない。

「ダメだ。君はメルファと一緒に外へ――」
「私も行きたい」

 今度はさっきまで怯え切っていたメルファまでもがともに戦うと訴えてきた。

「危険だ。ヤツはもうまともな判断力を失っている。今度はさっきほどの怪我では済まないかもしれないぞ」
「それでも……ミレインを助けなくちゃ!」
「私もミレインを救いたい!」
「ふたりとも……」

 ここまでミレインが慕われていたとはな。
 ……さすがは俺の一番弟子だ。

「分かった。けど、危険と判断したらすぐに退くんだぞ」
「おう!」
「分かった」

 時間もないし、何より俺が反対してもこっそりついてくるだろう。
 ならば最初からいるという想定でいた方が作戦も立てやすい。

 こうして、俺たちはミレイン救出のためさらに奥へと歩を進めていくのだった。
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