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第5話 教会襲撃
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不審な気配を感じ取り、教会の外へ出た俺とミレイン。
すると、ちょうどその気配の持ち主たちが姿を現した。
数は男ばかり六人。
武器を携えているし、何よりどいつもこいつも敬虔な信者って面構えじゃない。間違いなく懺悔や聖歌とは無縁の連中だ。
「あ? なんだ? どうして男がいる? 確か美人シスターがひとりで切り盛りしているって話だったよな」
「どうせ村人だろう? 構うことはない。邪魔をするなら痛い目に遭わせてやれ」
教会の前だというのに、なんとも物騒な話し合いをしているな。
「おまえたち、教会へは何の用だ?」
「うちのリーダーがここのシスターを気に入ってなぁ」
「パーティーに入ってもらおうと誘いに来たんだよ」
誘いに、か。
そんな穏やかな空気じゃないな。
あれはもう強制的に拉致しようとしている。
というか、こいつら冒険者だったのか……確か、ここから馬車で二時間ほど移動した先に冒険者ギルドのあるリゾムって町があったな。そこから流れてきた連中か?
しかし、あそこを拠点としている冒険者たちの中には知り合いもいるが、そこまで荒れた町じゃなかったはず。
それに、ギルドマスターのライソンは昔からよく知る酒飲み仲間だ。
しっかりした人で、なかなかのやり手だったから次期町長の筆頭候補なんて囁かれてもいたな。
一番の功績は評判の良い有力なパーティーを数組招き入れ、同盟を結び、その手の連中を厳しく取り締まらせていたことだ。
あれで町民や冒険者たちから絶大な支持を得たんだよな。
でも、それが機能しなくなったってことは……もしかしたら、その同盟にヒビが入って荒れだしたか?
アルゴたちとパーティーを組んでいた町もそうだったが、最近はどこも治安が悪くなってきているな。
それを改善するために救世主パーティーっていうのが国で認められるようになったわけだが……アルゴたちを見ていると、下手に権力を与える方がつけ上がらせて大変な事態を招きそうな気はする。
ともかく、このガラの悪い連中にはお引き取り願おう。
「悪いが、シスターにはシスターの仕事がある。それに、彼女は冒険者をするようなタイプじゃない」
「だが、シスターっていうくらいだから回復や防御系の魔法は使えるだろう?」
「そもそも冒険者としての実績は求めちゃいないんだよ」
「疲れて帰ってきたら癒してもらいたいわけだ――身も心もな」
「っ!」
ミレインの顔つきが変わった。
すると、ちょうどその気配の持ち主たちが姿を現した。
数は男ばかり六人。
武器を携えているし、何よりどいつもこいつも敬虔な信者って面構えじゃない。間違いなく懺悔や聖歌とは無縁の連中だ。
「あ? なんだ? どうして男がいる? 確か美人シスターがひとりで切り盛りしているって話だったよな」
「どうせ村人だろう? 構うことはない。邪魔をするなら痛い目に遭わせてやれ」
教会の前だというのに、なんとも物騒な話し合いをしているな。
「おまえたち、教会へは何の用だ?」
「うちのリーダーがここのシスターを気に入ってなぁ」
「パーティーに入ってもらおうと誘いに来たんだよ」
誘いに、か。
そんな穏やかな空気じゃないな。
あれはもう強制的に拉致しようとしている。
というか、こいつら冒険者だったのか……確か、ここから馬車で二時間ほど移動した先に冒険者ギルドのあるリゾムって町があったな。そこから流れてきた連中か?
しかし、あそこを拠点としている冒険者たちの中には知り合いもいるが、そこまで荒れた町じゃなかったはず。
それに、ギルドマスターのライソンは昔からよく知る酒飲み仲間だ。
しっかりした人で、なかなかのやり手だったから次期町長の筆頭候補なんて囁かれてもいたな。
一番の功績は評判の良い有力なパーティーを数組招き入れ、同盟を結び、その手の連中を厳しく取り締まらせていたことだ。
あれで町民や冒険者たちから絶大な支持を得たんだよな。
でも、それが機能しなくなったってことは……もしかしたら、その同盟にヒビが入って荒れだしたか?
アルゴたちとパーティーを組んでいた町もそうだったが、最近はどこも治安が悪くなってきているな。
それを改善するために救世主パーティーっていうのが国で認められるようになったわけだが……アルゴたちを見ていると、下手に権力を与える方がつけ上がらせて大変な事態を招きそうな気はする。
ともかく、このガラの悪い連中にはお引き取り願おう。
「悪いが、シスターにはシスターの仕事がある。それに、彼女は冒険者をするようなタイプじゃない」
「だが、シスターっていうくらいだから回復や防御系の魔法は使えるだろう?」
「そもそも冒険者としての実績は求めちゃいないんだよ」
「疲れて帰ってきたら癒してもらいたいわけだ――身も心もな」
「っ!」
ミレインの顔つきが変わった。
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