甘い雷雨に絆されて~悲劇の令嬢は王の愛惜に啼く~

二階堂まや

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「んっ……!!」

 太い指が花弁を割り開き、愛蜜が彼の指へ蕩け落ちる。そしてギリェルメは、蜜壺の奥へと指を差し入れた。

「っ……、ぁ、ん……」

 拡げるように指が動く度、淫道は男の太い指を締め付ける。止めようとしても、私が本能的に望む場所を押してくるので、止めることはできない。そして喜ぶように中で指が握り締められる様を、彼は楽しんでいるようだった。

 快楽により尖りとなった乳首に口付けながらも、ギリェルメは指先を動かし続ける。そのまま秘種を刺激し始めたため、あられもない喘ぎが口から零れ始めた。

「あっ……んっ、……っ、ああっ、ギリェルメ様ぁ、」

「ん、我慢するな。……好きな時にいけ」

「ひっ、あっ、あっ、あああっ!!」

 シーツを握り締め、必死に気をやらぬように堪える。私が満足してしまったら、この行為は終わってしまう。だから、どうしても耐えなければならないのだ。

 私を満たそうとしてくれる彼の気持ちに背くようで、少しだけ胸が痛んだ。

「ギリェルメ様……っ、もう、……っ、は」

 秘所がすっかり蕩けきったところで、私は彼に''お強請り''をした。

「……ん。こっちが必要か?」

 指を引き抜き、ギリェルメは上体を起こした。

 硬い茂みの下、彼のぺニスは勃起して上向いていた。

 肉竿に刻まれているのは、牙の生えた雷の模様。浮き出た血管を背に描かれたそれは、息を飲む迫力がある。

 かつてこの地の人々は、雷を戦いの神として崇めたという。その信仰自体は廃れていったものの、雷を軍神の化身と捉える考えは受け継がれ、今でも軍服や武器には雷の印が刻まれていた。

 しかしその模様を身体に刻むのが許されているのは王のみであり、彼も王位を継いだ時、この模様を刻んだのだと聞いた。

 やや遠慮がちに竿の根元を蜜口に宛てがって、ギリェルメは腰を揺り動かす。先端ではないため、間違って入ることは無い。挿入を躊躇う彼の意思に反して、それは快楽を待ちわびるように震えていた。

「……っ、指だけでも良いんだぞ?」

 繋がる前、彼は必ず私にそう問いかける。今から引き返しても遅くは無いとばかりに、逃げ道を用意してくれるのだ。

 けれども、私がその逃げ道を使ったことは一度も無かった。

「ん……どうしても、貴方が必要ですの」

 先端に滲んだ透明な雫を竿全体に塗り伸ばしながら、私は言った。雨に打たれたように性器は濡れそぼり、さながら淫靡な雨模様となっていた。

「……っ、ならば、仕方無いな」

「ひっ、あっ、あっ、ああああ!!」

 上体を倒した後、少しずつ中に入り込むようしてギリェルメは私を貫いた。

「ぁ、……は、っあ、ん、」

「……っ、ぁ、ぐ、っ、痛くないか?」

 半ばまできたところで、彼は腰を埋めるのを一旦止めた。眉を寄せた豹の瞳は、不安げに揺らいでいた。

「大丈夫です……痛くないです、だから……もっと、奥、いらしてください」

 理性を崩しにかかるように、私は口付けた。

「ぐ……っ、ぁ、レティシア!!」

「ぁ、ギリェルメ様っ、あああ!!」

 最奥を貫かれ、歓喜するように身体が震える。ギリェルメの背中に手を回すと、上半身から下半身に至るまでぴたりと肌がくっついた。

 私達は、紛れも無く一繋がりとなっていた。
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