36 / 52
優しさの束縛
しおりを挟む
「うーん、どっちがいいと思う? レイチェル叔母様」
「そうねえ……今日はガーデンパーティーだから、こっちの方が良いんじゃないかしら?」
そう言って、私は鏡の前でナタリヤに小花柄のドレスを当ててみた。ちょうど、今の時期に庭園で咲いている花々と同じ色合いだったのである。
「ふふ、お花の妖精さんみたいでとっても可愛いわよ、ナタリヤ」
「本当? じゃあ、これにするわ!」
そこまで話していると、衣装部屋のドアがノックされたのだった。そして部屋へとやって来たのは、先に身支度を済ませた兄上であった。
「ドレスは決まったか? ナタリヤ」
「うん。ナタリヤね、今日は花の妖精さんになるの!」
「う、うん?」
「あ、私が言ったんです、妖精みたいだって。じゃあナタリヤ、奥の部屋でお着替えしてきなさい」
「はぁい、ちょっと待っててね!」
ナタリヤは元気に返事をして、メイドと共に奥の着替え用の部屋へと入って行ったのだった。
そして部屋に二人きりとなったタイミングで、兄上は口を開いたのだった。
「ナタリヤに付き合わせて、悪かったな。大変だっただろう。お前も自分の支度があるのに」
「いえ、私は身支度と言っても着替えて化粧するぐらいですから」
私が今日選んだのは、若草色のドレスであった。そして化粧はしたものの、髪は完全に下ろしている。
テルクスタへ帰ってきてから、私は一度も髪を結んでいない。ドレスもあえて赤を避けていた。無意識に、身体がそれらを拒絶してしまうのだ。
「やはり、お茶会なのに地味すぎましたか?」
「そんなことはない。それに、変なところで無理しなくていい」
「ふふ、ありがとうございます」
兄妹の和やかな会話。しかし、その穏やかな空気を破ったのは、以外にも兄上であった。
「やはり気になるか? ……ヴィルヘルムのことが」
「!!」
久々に耳にした、夫の名前。それを聞いた瞬間に、結婚指輪がはまった左薬指が締め付けられるように疼いたのだった。
「……はい」
「そうだよな。具体的な話も何もできてなくてすまなかった。ただ、その前に一つ聞きたい」
「?」
「レイチェル、お前はどうしたい?」
兄上の問いかけに、私は言葉を詰まらせた。
『今すぐにでも、ヴィルヘルム様に会いたい』
喉まで出かかった言葉。しかし、私はすぐに呑み込んだ。
ヴィルヘルムと夫婦でいたい。せめて、一目で良いから顔を見たい。それが私の願いである。
しかし、家族の彼に対する怒りを知ってしまった今、それを口にする勇気はなかった。
ヴィルヘルムは大切な家族だ。
けれども、だからといって兄上たちが家族でなくなった訳ではない。
私は悲しませたくないのだ。……家族‘‘みんな’’を。
「その……まだ頭の中の整理ができてないので、何とも言えません。……ごめんなさい」
「気にするな。そもそも、ひと月もせず今後のことを全部決めるだなんて無理な話だ。……ただな」
兄上は一度言葉を切った。いつしか彼の表情は、怒りを湛えたものとなっていた。
「お前を危険に晒しておいて、手紙一通でリュドミラに呼び戻すなんて真似は、絶対許さない」
「……っ」
「だからヴィルヘルムには……離婚するにしてもしないにしても、直接テルクスタに来るように言った。それくらいして当然だろう」
兄上の言葉を聞いて、私は足から崩れ落ちてしまいそうになっていた。なぜなら、その条件であれば夫婦関係の継続が絶望的だからだ。
離婚する場合は手続きを踏むだけだが、離婚しないならばそうはいかない。ヴィルヘルムに私を迎えに来させるということは、暗に謝罪を要求しているのだ。
対立する国の王族に国王自らが頭を下げるなんて、絶対ありえないことだ。それは個人のプライドだけの問題ではない。謝罪してしまえば、今後リュドミラはテルクスタに強く出れなくなってしまうからだ。
「残念だが、まだヴィルヘルムから連絡はない。だからしばらくは保留だ。お前は気分転換でもしながら、ゆっくり今後のことを考えていればいい」
「……はい、承知しました」
「ただ、奴が結婚を‘‘自然消滅’’とするならば、保留は無期限になることだってある。そこは覚悟してほしい」
「……」
自然消滅とは、そのままの意味だろう。私と離婚の手続きをしないまま、側妃を娶って世継ぎをもうけることだ。そもそも、敵国を訪れるなど我が身を危険に晒すに等しいことだ。離婚せずとも、彼がこれを選ぶ可能性は十分にある。
「……まあ、そんなふざけた態度をとった暁には、相応の報いを受けることを覚悟してもらわねばならないがな」
「っ、お兄様」
「悪い、物騒な物言いになってしまったな」
「お父様、レイチェル叔母様、お待たせー!」
そこまで話したところで、ナタリヤが奥の部屋から戻って来た。会話は途切れ、私はそれ以上何も聞けなかったのだった。
+
宮殿の庭園で行われたガーデンパーティーは、大勢の招待客で賑わっていた。花の香りを感じながら、みな歓談を楽しんでいる。今回招待したのは国内の貴族のみということもあり、庭園には和気あいあいとした和やかな空気が漂っていた。
本来ならば、私は参加しないはずのパーティー。しかし、兄上たちの提案で私も参加することになったのである。
兄夫婦家族と姉上はすでに会場入りして、来客を出迎えていた。そして私と父上と義母上も、庭園へと向かっていたのだった。
「……その、やっぱり私は場違いなのでは?」
歩きながら、私はそんな言葉を口にした。リュドミラ王妃としてではなくテルクスタ第二王女という立場であるならば、こんな立派なパーティーに参加するべきではないと今更ながら思い始めていたのだ。
「何言ってんの。誘った時も言ったけど、今日は何も心配しなくて大丈夫よ」
「ああ、歓談の時も何かあったら助けるから安心しなさい」
歓談。それこそが、私が一番不安に感じていることであった。
母上は生前、周囲からとても慕われていた。それもあり、愛妾が禁じられてからもテルクスタの人々は私に変わらず接してくれていた。あくまで風当たりが強いのは、国外の人間に限ったことなのだ。
しかし、母上を知らない世代の人々からすれば私はただの「第二王妃の子」にすぎない。その世代が私を見てどう思うかと考えると、やはり不安になってくるのだった。
そんな暗い気持ちを抱えつつ庭園に足を踏み入れると、すぐさま一組の老夫婦が私たちの元へとやって来た。
「侯爵閣下、ワルレ様。お二人とも、お久しぶりです」
「こちらこそ、ドミトリー様もアンジェリカ様もお久しぶりでございます。……おや」
父上たちと軽く挨拶をしてから、侯爵夫婦は視線を私に向けた。その瞬間、緊張のあまり嫌という程に心臓が跳ねた。
……が、しかし。
「レイチェル王女殿下ではないですか、ご無沙汰しております」
「い、いえ、こちらこそ……」
「こんなにお美しくなられて……ルフィナ様にそっくりですこと」
「その、よくお分かりで」
「もちろんです、久しぶりにお会いできて光栄ですわ」
意外にも、侯爵夫婦は私をすんなり受け入れてくれた。そして歓談も、問題なく始まったのである。
この場にも、私の居場所は残っていた。そう思うと、言い表せない嬉しさが込み上げてくるのだった。
しかし歓談の終わりがけ、侯爵夫人は思わぬ言葉を口にしたのである。
「実は、私の甥がもうすぐ成人を迎えまして……大人しい子なのですがきっとレイチェル王女殿下ともお話が会うかと思います。機会があれば、ご紹介させていただいてもよろしいですか?」
「……え?」
「もちろんです。まだ帰ってきたばかりなので、もう少し落ち着いたらぜひお願いしますわ」
私が困惑していると、義母上が先にそう言ったのだった。
「ふふ、ありがとうございます。急ぐことではございませんので……この件は、また改めて」
「ええ、それではごきげんよう」
侯爵夫婦が立ち去ったタイミングで、私は慌てて義母上に声をかけた。
「待って、お義母様。さっきの紹介っていうのはおそらく……」
「まあ、結婚相手の候補としての紹介でしょうね」
「な……っ」
「離婚するとは決まってないけど、保留されてる間にも今後を考えてかなきゃダメよ。そうでしょう?」
義母上の言うとおりだ。それに、私は今リュドミラではなくテルクスタの王族という立場だ。つまりは自分一人の感情ではなく、国のためとなる選択をしていかねばならないのだ。
しかし、ヴィルヘルムの妻という立場である以上、他の男性との縁談を進めるのはやはり気が進まないものであった。
「私の世代だったら、再婚なんてざらよ。二人目の旦那様と上手くいくケースなんてよくあることだわ」
「……」
「だから、負い目に感じることはないわ」
兄上も義母上も、私のことを大切に思ってくれているのは事実だ。
しかしその‘‘優しさ’’で、自分ががんじがらめになっている。不意に、そんな気がしてしまったのである。
「そうねえ……今日はガーデンパーティーだから、こっちの方が良いんじゃないかしら?」
そう言って、私は鏡の前でナタリヤに小花柄のドレスを当ててみた。ちょうど、今の時期に庭園で咲いている花々と同じ色合いだったのである。
「ふふ、お花の妖精さんみたいでとっても可愛いわよ、ナタリヤ」
「本当? じゃあ、これにするわ!」
そこまで話していると、衣装部屋のドアがノックされたのだった。そして部屋へとやって来たのは、先に身支度を済ませた兄上であった。
「ドレスは決まったか? ナタリヤ」
「うん。ナタリヤね、今日は花の妖精さんになるの!」
「う、うん?」
「あ、私が言ったんです、妖精みたいだって。じゃあナタリヤ、奥の部屋でお着替えしてきなさい」
「はぁい、ちょっと待っててね!」
ナタリヤは元気に返事をして、メイドと共に奥の着替え用の部屋へと入って行ったのだった。
そして部屋に二人きりとなったタイミングで、兄上は口を開いたのだった。
「ナタリヤに付き合わせて、悪かったな。大変だっただろう。お前も自分の支度があるのに」
「いえ、私は身支度と言っても着替えて化粧するぐらいですから」
私が今日選んだのは、若草色のドレスであった。そして化粧はしたものの、髪は完全に下ろしている。
テルクスタへ帰ってきてから、私は一度も髪を結んでいない。ドレスもあえて赤を避けていた。無意識に、身体がそれらを拒絶してしまうのだ。
「やはり、お茶会なのに地味すぎましたか?」
「そんなことはない。それに、変なところで無理しなくていい」
「ふふ、ありがとうございます」
兄妹の和やかな会話。しかし、その穏やかな空気を破ったのは、以外にも兄上であった。
「やはり気になるか? ……ヴィルヘルムのことが」
「!!」
久々に耳にした、夫の名前。それを聞いた瞬間に、結婚指輪がはまった左薬指が締め付けられるように疼いたのだった。
「……はい」
「そうだよな。具体的な話も何もできてなくてすまなかった。ただ、その前に一つ聞きたい」
「?」
「レイチェル、お前はどうしたい?」
兄上の問いかけに、私は言葉を詰まらせた。
『今すぐにでも、ヴィルヘルム様に会いたい』
喉まで出かかった言葉。しかし、私はすぐに呑み込んだ。
ヴィルヘルムと夫婦でいたい。せめて、一目で良いから顔を見たい。それが私の願いである。
しかし、家族の彼に対する怒りを知ってしまった今、それを口にする勇気はなかった。
ヴィルヘルムは大切な家族だ。
けれども、だからといって兄上たちが家族でなくなった訳ではない。
私は悲しませたくないのだ。……家族‘‘みんな’’を。
「その……まだ頭の中の整理ができてないので、何とも言えません。……ごめんなさい」
「気にするな。そもそも、ひと月もせず今後のことを全部決めるだなんて無理な話だ。……ただな」
兄上は一度言葉を切った。いつしか彼の表情は、怒りを湛えたものとなっていた。
「お前を危険に晒しておいて、手紙一通でリュドミラに呼び戻すなんて真似は、絶対許さない」
「……っ」
「だからヴィルヘルムには……離婚するにしてもしないにしても、直接テルクスタに来るように言った。それくらいして当然だろう」
兄上の言葉を聞いて、私は足から崩れ落ちてしまいそうになっていた。なぜなら、その条件であれば夫婦関係の継続が絶望的だからだ。
離婚する場合は手続きを踏むだけだが、離婚しないならばそうはいかない。ヴィルヘルムに私を迎えに来させるということは、暗に謝罪を要求しているのだ。
対立する国の王族に国王自らが頭を下げるなんて、絶対ありえないことだ。それは個人のプライドだけの問題ではない。謝罪してしまえば、今後リュドミラはテルクスタに強く出れなくなってしまうからだ。
「残念だが、まだヴィルヘルムから連絡はない。だからしばらくは保留だ。お前は気分転換でもしながら、ゆっくり今後のことを考えていればいい」
「……はい、承知しました」
「ただ、奴が結婚を‘‘自然消滅’’とするならば、保留は無期限になることだってある。そこは覚悟してほしい」
「……」
自然消滅とは、そのままの意味だろう。私と離婚の手続きをしないまま、側妃を娶って世継ぎをもうけることだ。そもそも、敵国を訪れるなど我が身を危険に晒すに等しいことだ。離婚せずとも、彼がこれを選ぶ可能性は十分にある。
「……まあ、そんなふざけた態度をとった暁には、相応の報いを受けることを覚悟してもらわねばならないがな」
「っ、お兄様」
「悪い、物騒な物言いになってしまったな」
「お父様、レイチェル叔母様、お待たせー!」
そこまで話したところで、ナタリヤが奥の部屋から戻って来た。会話は途切れ、私はそれ以上何も聞けなかったのだった。
+
宮殿の庭園で行われたガーデンパーティーは、大勢の招待客で賑わっていた。花の香りを感じながら、みな歓談を楽しんでいる。今回招待したのは国内の貴族のみということもあり、庭園には和気あいあいとした和やかな空気が漂っていた。
本来ならば、私は参加しないはずのパーティー。しかし、兄上たちの提案で私も参加することになったのである。
兄夫婦家族と姉上はすでに会場入りして、来客を出迎えていた。そして私と父上と義母上も、庭園へと向かっていたのだった。
「……その、やっぱり私は場違いなのでは?」
歩きながら、私はそんな言葉を口にした。リュドミラ王妃としてではなくテルクスタ第二王女という立場であるならば、こんな立派なパーティーに参加するべきではないと今更ながら思い始めていたのだ。
「何言ってんの。誘った時も言ったけど、今日は何も心配しなくて大丈夫よ」
「ああ、歓談の時も何かあったら助けるから安心しなさい」
歓談。それこそが、私が一番不安に感じていることであった。
母上は生前、周囲からとても慕われていた。それもあり、愛妾が禁じられてからもテルクスタの人々は私に変わらず接してくれていた。あくまで風当たりが強いのは、国外の人間に限ったことなのだ。
しかし、母上を知らない世代の人々からすれば私はただの「第二王妃の子」にすぎない。その世代が私を見てどう思うかと考えると、やはり不安になってくるのだった。
そんな暗い気持ちを抱えつつ庭園に足を踏み入れると、すぐさま一組の老夫婦が私たちの元へとやって来た。
「侯爵閣下、ワルレ様。お二人とも、お久しぶりです」
「こちらこそ、ドミトリー様もアンジェリカ様もお久しぶりでございます。……おや」
父上たちと軽く挨拶をしてから、侯爵夫婦は視線を私に向けた。その瞬間、緊張のあまり嫌という程に心臓が跳ねた。
……が、しかし。
「レイチェル王女殿下ではないですか、ご無沙汰しております」
「い、いえ、こちらこそ……」
「こんなにお美しくなられて……ルフィナ様にそっくりですこと」
「その、よくお分かりで」
「もちろんです、久しぶりにお会いできて光栄ですわ」
意外にも、侯爵夫婦は私をすんなり受け入れてくれた。そして歓談も、問題なく始まったのである。
この場にも、私の居場所は残っていた。そう思うと、言い表せない嬉しさが込み上げてくるのだった。
しかし歓談の終わりがけ、侯爵夫人は思わぬ言葉を口にしたのである。
「実は、私の甥がもうすぐ成人を迎えまして……大人しい子なのですがきっとレイチェル王女殿下ともお話が会うかと思います。機会があれば、ご紹介させていただいてもよろしいですか?」
「……え?」
「もちろんです。まだ帰ってきたばかりなので、もう少し落ち着いたらぜひお願いしますわ」
私が困惑していると、義母上が先にそう言ったのだった。
「ふふ、ありがとうございます。急ぐことではございませんので……この件は、また改めて」
「ええ、それではごきげんよう」
侯爵夫婦が立ち去ったタイミングで、私は慌てて義母上に声をかけた。
「待って、お義母様。さっきの紹介っていうのはおそらく……」
「まあ、結婚相手の候補としての紹介でしょうね」
「な……っ」
「離婚するとは決まってないけど、保留されてる間にも今後を考えてかなきゃダメよ。そうでしょう?」
義母上の言うとおりだ。それに、私は今リュドミラではなくテルクスタの王族という立場だ。つまりは自分一人の感情ではなく、国のためとなる選択をしていかねばならないのだ。
しかし、ヴィルヘルムの妻という立場である以上、他の男性との縁談を進めるのはやはり気が進まないものであった。
「私の世代だったら、再婚なんてざらよ。二人目の旦那様と上手くいくケースなんてよくあることだわ」
「……」
「だから、負い目に感じることはないわ」
兄上も義母上も、私のことを大切に思ってくれているのは事実だ。
しかしその‘‘優しさ’’で、自分ががんじがらめになっている。不意に、そんな気がしてしまったのである。
33
お気に入りに追加
435
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる