3 / 5
欲を解き放つため浴室へ
しおりを挟む
「……っ、申し訳ございません」
何よりも性的欲求と異性への興味を優先した自分が浅ましく思えて、罪悪感でどうにかなってしまいそうだった。子作りの時だけ許される感覚を既に感じてしまった自分が、情けなくて堪らない。どうしようもなくなり、目尻から涙が零れてきたのだった。
「……っ、げほ、っ、ううっ」
浴巾で私の身体を拭ってから、ウェンデは何も言わず私を抱きかかえた。そして、赤子をあやすように背中を軽く叩いたのである。
「一体どうしたんだ? ルイーセ。済まないが泣いてるだけじゃ分からん」
「……っ、こんなはしたないこと、貴方に嫌われてしまうから言えませんわ」
「何を言っても嫌わないと約束する。だから、教えてくれ」
そう言った彼の声色は穏やかで、私の混乱した気持ちを落ち着けていった。暫く泣きじゃくりながらかぶりを振っていたものの、とうとう私は白状したのだった。
今朝の一件以降、性的な意味で彼への興味と欲が湧いてしまって抑えられないのだと私はウェンデに告げた。まさか、自分の妻がこんなふしだらな女だとは彼も思っていなかったに違いない。そして私も、ここまで自分がどうしようも無い女だとは、つい今朝まで思っていなかった。
恥ずかしさのあまり、私は顔を合わせられずにいた。
「それは別に、悪いことではないと思うが」
「ふ……え?」
「何はともあれ、興味を持たれるというのは悪い気はしない」
驚いてウェンデの顔を見たが、彼は嘘を言っているようにも見えなかった。
「ところで、さっきまでのでその湧き上がった欲は満たされたのか?」
「……」
正直、まだ身体の芯は熱いままで肉体的には''不満足''であった。けれどもそうとは言い出せず、私は無言で俯いた。
「物足りないなら、満たせば良い。だが、場所だけ変えた方が良さそうだな」
そう言って、ウェンデはサイドテーブルに置かれた水の入ったボトルを手に取った。
「喉乾いたか?」
「その、少しだけ」
困惑しながらもそう言うと、ウェンデはグラスに水を注いで渡してくれた。それを飲んでいると、彼はボトルの水を一気飲みしたのである。
「は……じゃあ行くか」
私が水を飲み終えたのを見計らって、ウェンデは私の身体に毛布を巻き付けた。そのまま彼は、右肩の上に私を抱え上げたのである。
無論、彼は一糸まとわぬ姿のままだ。
「ウェンデ様!?」
「ん? 抱えられるのは苦手だったか?」
「ち、違います!! その、こんな姿誰かに見られたら……」
「夜も遅い。こんな真夜中なら、使用人も誰も寝てるだろ」
意に介さない様子で、ウェンデは裸のまま廊下を歩き続ける。上手く行けば自分の欲を満たせるかもしれないという期待もあり、私はそれ以上強く言うことが出来なかった。
「……」
胴体を持たれて前向きに担ぎ上げられているので、自然と視線が下に行く。すると、恥毛の下にある肉竿につい目がいってしまった。
先程精を放ったせいかそこは柔らかさを取り戻し、萎えている。そして彼が歩みを進める度に、そこはブラブラと揺れ動いていた。 見てはいけない部分を盗み見てしまっているような気がして、私は慌てて視線を逸らした。
ふと、自らの下半身が涼しいことに気がついた。どうやら毛布が巻かれているのは自分の胸元から腰あたりまでで、長さが足りず尻までは隠せていないようだった。
つまりは、後ろから誰か歩いてきた場合、自分の恥ずかしいところが見られてしまう訳だ。
とはいえ、抱えられて動きが制限された状態で、それをどうにかすることは出来ない。せめてもの抵抗として、私は脚を閉じてなるべく秘所をさらけ出さないようにする他無かった。
早く、早く……!!
別の意味で焦りを感じ始めたところで、彼はとある部屋の前で立ち止まり、ドアノブに手をかけた。
辿り着いたのは、浴室だった。
脱衣所で毛布を取り払われ、二人で浴室に入る。扉を開けると、部屋に立ち込めていた暖かい湯気が身体にぶつかってきたのだった。
浴槽のお湯は抜かれておらず、そこには筋肉疲労の回復のために入れられた乾燥したハーブが浮いている。その薬草めいた香りは、森を彷彿とさせた。
匂いのせいで条件反射のように、あの光景が目に浮かんだ。
「ここだったら、何をしても水で流せば良い」
「……はい」
「それで、どうしたい?」
「その……もう一度だけ、……用を足してるとこが、見たいです」
私は自らの欲望を口にした。
何よりも性的欲求と異性への興味を優先した自分が浅ましく思えて、罪悪感でどうにかなってしまいそうだった。子作りの時だけ許される感覚を既に感じてしまった自分が、情けなくて堪らない。どうしようもなくなり、目尻から涙が零れてきたのだった。
「……っ、げほ、っ、ううっ」
浴巾で私の身体を拭ってから、ウェンデは何も言わず私を抱きかかえた。そして、赤子をあやすように背中を軽く叩いたのである。
「一体どうしたんだ? ルイーセ。済まないが泣いてるだけじゃ分からん」
「……っ、こんなはしたないこと、貴方に嫌われてしまうから言えませんわ」
「何を言っても嫌わないと約束する。だから、教えてくれ」
そう言った彼の声色は穏やかで、私の混乱した気持ちを落ち着けていった。暫く泣きじゃくりながらかぶりを振っていたものの、とうとう私は白状したのだった。
今朝の一件以降、性的な意味で彼への興味と欲が湧いてしまって抑えられないのだと私はウェンデに告げた。まさか、自分の妻がこんなふしだらな女だとは彼も思っていなかったに違いない。そして私も、ここまで自分がどうしようも無い女だとは、つい今朝まで思っていなかった。
恥ずかしさのあまり、私は顔を合わせられずにいた。
「それは別に、悪いことではないと思うが」
「ふ……え?」
「何はともあれ、興味を持たれるというのは悪い気はしない」
驚いてウェンデの顔を見たが、彼は嘘を言っているようにも見えなかった。
「ところで、さっきまでのでその湧き上がった欲は満たされたのか?」
「……」
正直、まだ身体の芯は熱いままで肉体的には''不満足''であった。けれどもそうとは言い出せず、私は無言で俯いた。
「物足りないなら、満たせば良い。だが、場所だけ変えた方が良さそうだな」
そう言って、ウェンデはサイドテーブルに置かれた水の入ったボトルを手に取った。
「喉乾いたか?」
「その、少しだけ」
困惑しながらもそう言うと、ウェンデはグラスに水を注いで渡してくれた。それを飲んでいると、彼はボトルの水を一気飲みしたのである。
「は……じゃあ行くか」
私が水を飲み終えたのを見計らって、ウェンデは私の身体に毛布を巻き付けた。そのまま彼は、右肩の上に私を抱え上げたのである。
無論、彼は一糸まとわぬ姿のままだ。
「ウェンデ様!?」
「ん? 抱えられるのは苦手だったか?」
「ち、違います!! その、こんな姿誰かに見られたら……」
「夜も遅い。こんな真夜中なら、使用人も誰も寝てるだろ」
意に介さない様子で、ウェンデは裸のまま廊下を歩き続ける。上手く行けば自分の欲を満たせるかもしれないという期待もあり、私はそれ以上強く言うことが出来なかった。
「……」
胴体を持たれて前向きに担ぎ上げられているので、自然と視線が下に行く。すると、恥毛の下にある肉竿につい目がいってしまった。
先程精を放ったせいかそこは柔らかさを取り戻し、萎えている。そして彼が歩みを進める度に、そこはブラブラと揺れ動いていた。 見てはいけない部分を盗み見てしまっているような気がして、私は慌てて視線を逸らした。
ふと、自らの下半身が涼しいことに気がついた。どうやら毛布が巻かれているのは自分の胸元から腰あたりまでで、長さが足りず尻までは隠せていないようだった。
つまりは、後ろから誰か歩いてきた場合、自分の恥ずかしいところが見られてしまう訳だ。
とはいえ、抱えられて動きが制限された状態で、それをどうにかすることは出来ない。せめてもの抵抗として、私は脚を閉じてなるべく秘所をさらけ出さないようにする他無かった。
早く、早く……!!
別の意味で焦りを感じ始めたところで、彼はとある部屋の前で立ち止まり、ドアノブに手をかけた。
辿り着いたのは、浴室だった。
脱衣所で毛布を取り払われ、二人で浴室に入る。扉を開けると、部屋に立ち込めていた暖かい湯気が身体にぶつかってきたのだった。
浴槽のお湯は抜かれておらず、そこには筋肉疲労の回復のために入れられた乾燥したハーブが浮いている。その薬草めいた香りは、森を彷彿とさせた。
匂いのせいで条件反射のように、あの光景が目に浮かんだ。
「ここだったら、何をしても水で流せば良い」
「……はい」
「それで、どうしたい?」
「その……もう一度だけ、……用を足してるとこが、見たいです」
私は自らの欲望を口にした。
12
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
騎士団長のアレは誰が手に入れるのか!?
うさぎくま
恋愛
黄金のようだと言われるほどに濁りがない金色の瞳。肩より少し短いくらいの、いい塩梅で切り揃えられた柔らかく靡く金色の髪。甘やかな声で、誰もが振り返る美男子であり、屈強な肉体美、魔力、剣技、男の象徴も立派、全てが完璧な騎士団長ギルバルドが、遅い初恋に落ち、男心を振り回される物語。
濃厚で甘やかな『性』やり取りを楽しんで頂けたら幸いです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる