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エリザ様が大好きだから
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+エリザ視点
+嘔吐描写注意
幸せな結婚生活を送りたい、家庭を築きたい。そう思って、私は結婚相手を探し始めた。
ただただ私は、幸せになりたかった。嫌いな女に似た自らの顔を使ってでも、幸せな結婚をしてみせると誓ったのである。
やがて、私はとある夜会でセレスディンと出会う。穏やかで聡明な彼に、私は次第に惹かれていった。彼もまた、私を気に入ってくれた。
そして私達は、無事夫婦として結ばれたのである。
しかし。ドラフィアでの生活は上手くは行かなかった。
人と話すのが苦手であるため友人が増えず、私は次第に孤立していった。必死に周りに馴染めるように努力したものの、空回りするばかり。慌てなくて良いとセレスディンは言ってくれたが、私は焦りを募らせていった。
そんなある日、私は偶然陰口を耳にしてしまったのだ。
「リクスハーゲンのルイーセ王女。社交的で、素敵な方だわ」
「本当に。セレスディン王太子殿下との結婚話も噂されてましたのに」
「エリザ様よりも、ずっとお似合いだわ」
その言葉を聞いて、私は心の中で何かが完全に壊れてしまったのだ。
+
「晩餐会のお料理には、いくつか仕掛けをしておく予定です」
花の決闘直前、私とフランチェスカは本番に向けて打ち合わせをしていた。準備を全て丸投げしたというのに、彼女は段取り良く進めているようだった。
「リクスハーゲンではウミガメを食べる習慣が無いので、食材として取り入れました。また、食後のデザートでは苦味のあるハーブを……」
「色々やってくれるのね」
「勿論。ルイーセ様には今後に響かない程度に失敗してもらおうと思いますので」
そう言って、フランチェスカは穏やかに笑ったのだった。
「また、招待客に兄夫婦も入れて貰ったので、ご心配なく。エリザ様が会の最中に危害を加えられないよう、陰ながらお守りしますわ」
「貴方の兄上は二人共、昔から怖いものね」
「ふふっ、頼もしい護衛でしょう?」
昔些細なことで助けて以降、フランチェスカは私をやけに慕っていた。
友達の少ない私にとっては、貴重な友人だ。しかし、社交的な彼女からすれば私は数多いる友人の一人に過ぎない。大したことの無い存在だ。
「……と、こんな具合で準備しております。ご不明点等はございますか? エリザ様?」
私は何も言わず、フランチェスカの手を見つめた。そこには痛々しいミミズ腫れが刻まれていた。
ルイーセとお茶会で言い合いとなった際、仲裁に入ったフランチェスカを、力任せに私は振り払った。その時爪で彼女を引っ掻いてしまったのである。
「……ごめんなさい。貴女を傷付けるつもりは無かったの」
ルイーセの噂を聞くようになってから、私は精神的なバランスを崩して感情を抑えられないことが増えていた。セレスディンやフランチェスカに迷惑をかけたくないと思っても、こうして傷付けてしまうこともあるのだった。
「ああ、どうぞお気になさらず。大したものではありませんので」
どんなに理不尽に当たり散らしたとしても、彼女が私に怒りをぶつけてくることは無かった。時折それが、ありがたくも恐ろしく感じるのだった。
私が嫁いで暫く経ってから、フランチェスカはドラフィアの隣国バルティデルの王と結婚した。本人は偶然と言ったが、私の後を追ってきたのは明白だった。
そしてバルティデルの王ゴードンはと言うと、無愛想でバツイチの、決して魅力的とは言い難い男であった。
「……貴女なら、もっと良い嫁ぎ先があったんじゃなくて? 旦那様、随分お年が離れているのでしょう?」
「ふふっ、主人は兄上達と同年代なので、とっても話が合いますの。それに、博学で頼もしい方ですわ」
ゴードンは堅物で融通の効かない性格で有名だ。それにより、再婚話がまとまらなかったとも聞いたことがある。
それに、フランチェスカの両親は娘に政略結婚させるような人間ではない。彼女のことを大切に育てていた。
彼女の美貌と社交的な性格をもってすれば、大国に嫁ぐことは出来たはずだ。
「それに結婚してからもこうしてエリザ様と定期的にお会いできて、私は幸せです」
何故フランチェスカが、ここまで私のために尽くすのかは分からない。むしろ、彼女が私のことを友人とみなしているかも怪しいところだ。腹の中では私を馬鹿な女と見下しているのかもしれない。
それでも、構わない。
支えとなる存在を、私から手放すことは無いだろう。彼女から離れていくまで、この関係を続けよう。そう私は密かに考えていたのだった。
+
「うっ……、ううっ……」
部屋に着いた瞬間、私の我慢は限界に達した。そのまま床に座り込み、嘔吐したのである。
「野菜ばかり食べる食事制限をしていたのに、いきなり肉や魚を一気に食べたら気分が悪くなるに決まってるだろ。無理をしないでくれ」
「……っ、う、っ……ぇ、」
「ここなら誰もいないから、何も心配しなくて良い。コルセット、緩めるからな」
そう言って、セレスディンは私のコルセットの紐を解き始める。その間も彼は、ずっと背中をさすってくれていた。
そのままドレスが脱がされていき、下着姿となる。腕や脚に刻まれた無数の自傷痕が、顕となる。俯いて吐き散らかしたせいで、垂らした長い髪も汚く濡れてしまった。
全部、本当に酷い有様だ。
「少し、落ち着いたか?」
「……もう、このまま放っておいてください」
ドレスの上に落ちた吐瀉物をぼんやりと見つめながら、私は呟いた。
「この状況で、一人にしておける訳が無いだろ? すぐ着替えを持って来させるから……」
「貴方だって、こんな陰険な女よりもあの子が良いくせに」
嘔吐の刺激により涙目になっていた瞳から、滴が滴り落ちる。
「大切にされて、曲がることなく純新無垢に育った王女様の方がずっと魅力的ですものね。こんな、汚くて、傷だらけの女より……っ!!」
太ももを引っ掻きながら、私は思ったことをそのまま喚き散らした。もう自分を抑える術が無くなっていたのだ。
「私なんて、っ、最初から居ない方が……っ!!」
そこまで叫んだところで、自らの手に彼の手が重ねられた。
「離してください。……汚い」
吐き出された汚い胃液に、セレスディンの手が汚されていく。けれども彼は、手を離そうとはしなかった。
「誰がなんと言おうと、お前が私の妻であることに変わりは無い」
「義務に縛られた愛情なんて、いりません」
「義務、か。お前からすればそう見えるかもしれないな。私はそう言ったことを抜きにして愛している訳だが」
「……嘘」
「嘘じゃない。まあお前がどんなに滅茶苦茶を言ったとしても、私と''もう1人''は絶対離れることは無いな」
「……?」
「エリザ様!! お身体は大丈夫ですか!?」
突然、フランチェスカが、息を切らして部屋にやってきたのだった。
慌てて傷痕の刻まれた腕を隠そうとしたものの、手遅れであった。
フランチェスカは昔から、私の容姿を褒めてくれた。まさか褒めた相手がこんな酷い有様になっているなど想像していなかったに違い無い。
彼女の憧れを壊してしまった。きっと私に失望しただろう。
しかし。
「顔色が悪くてとても心配で、お着替えとお水をすぐ用意するよう言ってきましたので……!!」
そう言ってフランチェスカは、私の隣にしゃがんで背中をさすり始めた。そして彼女もまた、セレスディンと同じく私の手を握り締めたのだった。
「あとは、薬を……」
「何で……そんなに優しいの」
俯いて、私は呟いた。
「酷くて、醜くて、内面も外面も何もかも駄目なのに。どうして……」
「エリザ様が、大好きだからですよ」
フランチェスカは、迷うことなくそう言った。
「虐めから助けて下さったあの日から、ずっと変わりません。大好きだから、愛しているから離れないし、役に立ちたい。単純なことです。ね、セレスディン様?」
「ああ、違い無い」
家族の温もりは分からない。でも、今ここにあるのが人の温かさであることはすぐに分かった。
「うっ……ううっ、二人共……」
ありがとう。
嗚咽混じりに、私はそう呟いたのだった。
+嘔吐描写注意
幸せな結婚生活を送りたい、家庭を築きたい。そう思って、私は結婚相手を探し始めた。
ただただ私は、幸せになりたかった。嫌いな女に似た自らの顔を使ってでも、幸せな結婚をしてみせると誓ったのである。
やがて、私はとある夜会でセレスディンと出会う。穏やかで聡明な彼に、私は次第に惹かれていった。彼もまた、私を気に入ってくれた。
そして私達は、無事夫婦として結ばれたのである。
しかし。ドラフィアでの生活は上手くは行かなかった。
人と話すのが苦手であるため友人が増えず、私は次第に孤立していった。必死に周りに馴染めるように努力したものの、空回りするばかり。慌てなくて良いとセレスディンは言ってくれたが、私は焦りを募らせていった。
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「晩餐会のお料理には、いくつか仕掛けをしておく予定です」
花の決闘直前、私とフランチェスカは本番に向けて打ち合わせをしていた。準備を全て丸投げしたというのに、彼女は段取り良く進めているようだった。
「リクスハーゲンではウミガメを食べる習慣が無いので、食材として取り入れました。また、食後のデザートでは苦味のあるハーブを……」
「色々やってくれるのね」
「勿論。ルイーセ様には今後に響かない程度に失敗してもらおうと思いますので」
そう言って、フランチェスカは穏やかに笑ったのだった。
「また、招待客に兄夫婦も入れて貰ったので、ご心配なく。エリザ様が会の最中に危害を加えられないよう、陰ながらお守りしますわ」
「貴方の兄上は二人共、昔から怖いものね」
「ふふっ、頼もしい護衛でしょう?」
昔些細なことで助けて以降、フランチェスカは私をやけに慕っていた。
友達の少ない私にとっては、貴重な友人だ。しかし、社交的な彼女からすれば私は数多いる友人の一人に過ぎない。大したことの無い存在だ。
「……と、こんな具合で準備しております。ご不明点等はございますか? エリザ様?」
私は何も言わず、フランチェスカの手を見つめた。そこには痛々しいミミズ腫れが刻まれていた。
ルイーセとお茶会で言い合いとなった際、仲裁に入ったフランチェスカを、力任せに私は振り払った。その時爪で彼女を引っ掻いてしまったのである。
「……ごめんなさい。貴女を傷付けるつもりは無かったの」
ルイーセの噂を聞くようになってから、私は精神的なバランスを崩して感情を抑えられないことが増えていた。セレスディンやフランチェスカに迷惑をかけたくないと思っても、こうして傷付けてしまうこともあるのだった。
「ああ、どうぞお気になさらず。大したものではありませんので」
どんなに理不尽に当たり散らしたとしても、彼女が私に怒りをぶつけてくることは無かった。時折それが、ありがたくも恐ろしく感じるのだった。
私が嫁いで暫く経ってから、フランチェスカはドラフィアの隣国バルティデルの王と結婚した。本人は偶然と言ったが、私の後を追ってきたのは明白だった。
そしてバルティデルの王ゴードンはと言うと、無愛想でバツイチの、決して魅力的とは言い難い男であった。
「……貴女なら、もっと良い嫁ぎ先があったんじゃなくて? 旦那様、随分お年が離れているのでしょう?」
「ふふっ、主人は兄上達と同年代なので、とっても話が合いますの。それに、博学で頼もしい方ですわ」
ゴードンは堅物で融通の効かない性格で有名だ。それにより、再婚話がまとまらなかったとも聞いたことがある。
それに、フランチェスカの両親は娘に政略結婚させるような人間ではない。彼女のことを大切に育てていた。
彼女の美貌と社交的な性格をもってすれば、大国に嫁ぐことは出来たはずだ。
「それに結婚してからもこうしてエリザ様と定期的にお会いできて、私は幸せです」
何故フランチェスカが、ここまで私のために尽くすのかは分からない。むしろ、彼女が私のことを友人とみなしているかも怪しいところだ。腹の中では私を馬鹿な女と見下しているのかもしれない。
それでも、構わない。
支えとなる存在を、私から手放すことは無いだろう。彼女から離れていくまで、この関係を続けよう。そう私は密かに考えていたのだった。
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「うっ……、ううっ……」
部屋に着いた瞬間、私の我慢は限界に達した。そのまま床に座り込み、嘔吐したのである。
「野菜ばかり食べる食事制限をしていたのに、いきなり肉や魚を一気に食べたら気分が悪くなるに決まってるだろ。無理をしないでくれ」
「……っ、う、っ……ぇ、」
「ここなら誰もいないから、何も心配しなくて良い。コルセット、緩めるからな」
そう言って、セレスディンは私のコルセットの紐を解き始める。その間も彼は、ずっと背中をさすってくれていた。
そのままドレスが脱がされていき、下着姿となる。腕や脚に刻まれた無数の自傷痕が、顕となる。俯いて吐き散らかしたせいで、垂らした長い髪も汚く濡れてしまった。
全部、本当に酷い有様だ。
「少し、落ち着いたか?」
「……もう、このまま放っておいてください」
ドレスの上に落ちた吐瀉物をぼんやりと見つめながら、私は呟いた。
「この状況で、一人にしておける訳が無いだろ? すぐ着替えを持って来させるから……」
「貴方だって、こんな陰険な女よりもあの子が良いくせに」
嘔吐の刺激により涙目になっていた瞳から、滴が滴り落ちる。
「大切にされて、曲がることなく純新無垢に育った王女様の方がずっと魅力的ですものね。こんな、汚くて、傷だらけの女より……っ!!」
太ももを引っ掻きながら、私は思ったことをそのまま喚き散らした。もう自分を抑える術が無くなっていたのだ。
「私なんて、っ、最初から居ない方が……っ!!」
そこまで叫んだところで、自らの手に彼の手が重ねられた。
「離してください。……汚い」
吐き出された汚い胃液に、セレスディンの手が汚されていく。けれども彼は、手を離そうとはしなかった。
「誰がなんと言おうと、お前が私の妻であることに変わりは無い」
「義務に縛られた愛情なんて、いりません」
「義務、か。お前からすればそう見えるかもしれないな。私はそう言ったことを抜きにして愛している訳だが」
「……嘘」
「嘘じゃない。まあお前がどんなに滅茶苦茶を言ったとしても、私と''もう1人''は絶対離れることは無いな」
「……?」
「エリザ様!! お身体は大丈夫ですか!?」
突然、フランチェスカが、息を切らして部屋にやってきたのだった。
慌てて傷痕の刻まれた腕を隠そうとしたものの、手遅れであった。
フランチェスカは昔から、私の容姿を褒めてくれた。まさか褒めた相手がこんな酷い有様になっているなど想像していなかったに違い無い。
彼女の憧れを壊してしまった。きっと私に失望しただろう。
しかし。
「顔色が悪くてとても心配で、お着替えとお水をすぐ用意するよう言ってきましたので……!!」
そう言ってフランチェスカは、私の隣にしゃがんで背中をさすり始めた。そして彼女もまた、セレスディンと同じく私の手を握り締めたのだった。
「あとは、薬を……」
「何で……そんなに優しいの」
俯いて、私は呟いた。
「酷くて、醜くて、内面も外面も何もかも駄目なのに。どうして……」
「エリザ様が、大好きだからですよ」
フランチェスカは、迷うことなくそう言った。
「虐めから助けて下さったあの日から、ずっと変わりません。大好きだから、愛しているから離れないし、役に立ちたい。単純なことです。ね、セレスディン様?」
「ああ、違い無い」
家族の温もりは分からない。でも、今ここにあるのが人の温かさであることはすぐに分かった。
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