騎士団長との淫らな秘めごと~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~

二階堂まや

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♡診察と言う名の説教

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プレイ内容
+検尿 (容器放尿)


 倒れてから数日後、私は王室の宮殿にある医務室に向かっていた。

 ウェンデに言われた通り、専門家の意見を聞いた方が良いと思ったのだ。宮殿には王室付きの医師が数人在中しており、王室メンバーから宮殿で働く使用人に至るまでの健康管理を行っている。彼等は医者の中でもトップクラスの技術を持つ人々であった。

 私はもう結婚して家を出ているので頼って良いのか迷ったが、フィオネに相談したら直ぐに診察の予約を取ってくれたのである。 

 王室付きの医師は全員顔見知りばかりなので、気分としてはかなり楽である。久しぶりに誰に会えるのかなと思いつつ医務室の扉をノックして入ると、意外な人がそこにいたのだった。

「あ……オリヴァル様」

「久しぶりで」

 まさかとは思ったが、そのまさかであった。 

 オリヴァルはマーリットの夫であり、王室付きの医者の一人である。どうやら、偶然にも彼が担当になったようである。

 彼は、ウェンデとはまた違う意味で近寄り難い人であった。元々王立騎士団付きの医者だったが、実績を買われて若くして王室付きとなった非常に優秀な人ではある。しかしナイフのように容赦の無い物言いをするために敵も多く、周囲から恐れられている人でもあった。

 私も、オリヴァルに対してほんの少しだけ苦手意識を感じていた。

「姉がいつもお世話になっております」

「いいえ、こちらこそ」

 度数の強そうな眼鏡越しに、鋭い視線が投げられる。眉尻に向かってにつり上がった眉の下で、切れ長な瞳がこちらを見つめていた。元来彼は、目付きがあまり良くないのだ。

「生憎、今日は女医が全員不在の日でね。唯一予定が空いていた自分が来たのだが……やはり、担当を変えた方が良さそうだな」

 申し訳無さそうに、オリヴァルは言った。外見は怖いけれども、彼もウェンデと同じく悪い人では無いのだ。

「別日に予約を取り直すか、宮殿にいる医者以外が良いなら紹介状を書くが、どうしたい?」

 彼に言われ、少し考え込む。

 オリヴァルは真面目な人だし、いかがわしいことを考える人ではないのは明らかである。ある意味、医者としては非常に信頼がおける人だ。ならば、彼に診察を任せても問題無いだろう。

 それに、ウェンデの心配そうな顔を思い浮かべると、この件は早急にカタをつけたいと思えたのだった。

「その、予定通りこのまま診察をお願いしたいですわ。主人にも早めに診て貰った方が良いと言われてまして……」

「成程。分かった」

 何の感情も出さずに、オリヴァルは二つ返事で了承した。マーリットやウェンデ以上に、彼は仕事以外の余計なことを考えない合理的な仕事人間なのである。

「じゃあ、まず問診票を見させてもらおうか。そこに座ってくれ」

「はい。よろしくお願いします」

 そう言って、私は問診票を渡してから椅子に腰かけた。

「……ふむ、今の健康状態を確認したい、と」

 途中までオリヴァルは平然と問診票に目を通していたが、急に顔つきが険しくなった。

「三食のメニューがスープとロールパン四分の一切れ? それにスープは健康食の薬草スープ? それを一ヶ月?」

「は、はい」

「服はそのままで良いから、そこの体重計に乗ってもらえるか?」

 彼に促されるまま靴を脱いで体重計に乗ると、針が数字の上で止まった瞬間にオリヴァルの顔つきは更に険しくなった。

「痩せすぎだ、ルイーセ」

「え? え?」

「君がやや小柄なことを差し引いても、平均体重より全然足りない。残念だが、華奢という言葉で終わらせられない」

「あの、オリヴァル様?」

「取り敢えず、''ゆっくりと''もう少し話を聞こうか」

 そう言ったオリヴァルの目つきは、完全に悪さをした子供を叱る大人の目になっていた。

+

「それで、肥満になると妊娠し辛いと聞いて不安になり急激に体重を減らしたと」

「……はい」

「まず、やり過ぎだ。それに、痩せすぎても生理が止まって結局は妊娠し辛くなるように人間の身体はできてるんだ。過ぎたるは及ばざるが如しといったところだ」

「で、でも。生理はきちんと来てますので」

「生理期間を見ると明らかに生理不順だ。健康管理どころか不健康まっしぐらなのだが?」

 私が書いた問診票の字を一つ一つ指差しながら、オリヴァルは容赦無く切り捨てていく。それは最早、診察と言う名の説教であった。

「今日は簡易的な健康診断希望とのことだったが、予定変更だ。全項目検査だ」

「え、でも、オリヴァル様も次のご予定があるでしょうし、そんなお時間割いていただくなんて……」

「私の予定は後からいくらでもどうにかなる。悪いがルイーセ。拒否権は無い」

 義兄をこれ程までに怖いと思ったのは、人生で初めてのことだった。私はもう、頷く他無かったのである。

+

「じゃあ、自分は部屋から出ているから、''検体''はそこに置いておいてくれ。後で取りに行く。帰る時は終わった目印としてドアノブにハンカチをかけておいてくれ」

 そう言って、オリヴァルは足早に医務室を去っていった。

 彼が部屋の扉を閉めた瞬間、私は大きくため息をついたのだった。ドレスから布の軽い検査着に途中着替えたものの、緊張で肩が凝ったような気がしてならない。

「つ、疲れた……」

 予想通り、オリヴァルは変なことをするでもなくテキパキと健康診断をしてくれた。そして、検査項目は残り一つである。

 検尿だ。

 医務室に残されたのは、私と銀の洗面器、そしてグラスと水の入ったボトルだけ。グラス一杯分水を飲んで、私は尿意が来るのを待った。

 しばらくすると、水分が下腹部に降りていき、それは排泄欲へと変わっていった。

 私はドロワーズを脱いで、床に置いた洗面器を跨ぐようにしゃがんだ。

 太腿に洗面器の縁が当たり、無機質な冷たさが刺激となって尿意を煽る。一瞬家の近くの森の光景が思い浮かんだが、始まりかけたいやらしい妄想を振り切るように頭を振った。

 今は検査に集中せねば。そう自分を叱咤したところで、尿道口が開くのを感じた。

「んっ……」

 おしっこが流れ出て、容器の底に少しずつ溜まっていく。朝一の排尿ということもあり、それはやや濃ゆい茶色をしていた。

 野外でなく密閉された空間のため尿独特の匂いが鼻を掠めて、段々と恥ずかしさが増していく。地面に吸い取られること無く出したものが目に見えるため、森とはまた違ういやらしさを感じてしまうのだった。

「は……あ、」

 放尿が終わってから、私は秘所をちり紙で拭ってゴミ箱に捨てた。洗面器を所定の場所に置き、ドロワーズを履き直して着替えた後、ドアノブに目印のハンカチを巻いてから医務室を後にした。

 数日後、検査結果を知らせる手紙が家に届いた。

 結果は、栄養不足による痩せすぎ。

 その日から、薬草スープと激しい運動が禁止となったのは言うまでもない。
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