1 / 14
プロローグ
しおりを挟む
それはそう遠くはない過去の話。とある人物により、現実世界とはまた別の世界が生み出された。
生み出された世界は【魔法】【特殊武器】【幻想生物】といった、想像でしかあり得ないような物が存在している。この世界の存在を知るごく一部の人間からは、【造られた世界】【想像上の世界】これらを合わせて【創造世界】と名付けられた。
創造世界で貴族、海賊、新撰組、盗賊などといった様々な組織の思惑が錯綜し、日々争いが絶えない。
誰しもが平和を望む現実世界の人々にとって、創造世界に行きたいと思う方が少数派だ。ただ創造世界での生活は、否応なしに突如として始まる。
現実世界から創造世界へと不本意に足を踏み入れた人物がまた一人。
---まず最初に感じたのは生暖かく、乾き切った風だった。その風の中には粒子が混ざっており不快感を感じざるを得ない。
次に閉じていた瞼を虚ながらに半分ほど開く。ぼんやりと見える光景は、薄茶色に広がる大地だけだった。
粒子の風、薄茶色の大地、朦朧とする意識の中で分かったのは、ここが砂漠だということ。ただ状況までは理解できていなかった。
「どこだ……ここ。」
呟いては見たものの応えが返ってくるわけでもない。当然だ。周りに人の声が聞こえるわけでもなければ、手がかりがあるわけでもない。
ただ視覚や感覚以外にも状況を理解できる唯一のものがある。
記憶だ。そしてその記憶が蘇るまで思いの外時間はかからなかった。
「そうか……始まったのか……」
重く苦しい体をゆっくりと立ち上がらせ、途方もない砂漠を歩き出した。
生み出された世界は【魔法】【特殊武器】【幻想生物】といった、想像でしかあり得ないような物が存在している。この世界の存在を知るごく一部の人間からは、【造られた世界】【想像上の世界】これらを合わせて【創造世界】と名付けられた。
創造世界で貴族、海賊、新撰組、盗賊などといった様々な組織の思惑が錯綜し、日々争いが絶えない。
誰しもが平和を望む現実世界の人々にとって、創造世界に行きたいと思う方が少数派だ。ただ創造世界での生活は、否応なしに突如として始まる。
現実世界から創造世界へと不本意に足を踏み入れた人物がまた一人。
---まず最初に感じたのは生暖かく、乾き切った風だった。その風の中には粒子が混ざっており不快感を感じざるを得ない。
次に閉じていた瞼を虚ながらに半分ほど開く。ぼんやりと見える光景は、薄茶色に広がる大地だけだった。
粒子の風、薄茶色の大地、朦朧とする意識の中で分かったのは、ここが砂漠だということ。ただ状況までは理解できていなかった。
「どこだ……ここ。」
呟いては見たものの応えが返ってくるわけでもない。当然だ。周りに人の声が聞こえるわけでもなければ、手がかりがあるわけでもない。
ただ視覚や感覚以外にも状況を理解できる唯一のものがある。
記憶だ。そしてその記憶が蘇るまで思いの外時間はかからなかった。
「そうか……始まったのか……」
重く苦しい体をゆっくりと立ち上がらせ、途方もない砂漠を歩き出した。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
強制フラグは、いりません! ~今いる世界が、誰かの二次小説の中だなんて思うかよ! JKと禁断の恋愛するなら、自力でやらせてもらうからっ!~
ハル*
ファンタジー
高校教師の俺。
いつもと同じように過ごしていたはずなのに、ある日を境にちょっとずつ何かが変わっていく。
テスト準備期間のある放課後。行き慣れた部室に向かった俺の目の前に、ぐっすり眠っているマネージャーのあの娘。
そのシチュエーションの最中、頭ん中で変な音と共に、俺の日常を変えていく声が聞こえた。
『強制フラグを、立てますか?』
その言葉自体を知らないわけじゃない。
だがしかし、そのフラグって、何に対してなんだ?
聞いたことがない声。聞こえてくる場所も、ハッキリしない。
混乱する俺に、さっきの声が繰り返された。
しかも、ちょっとだけ違うセリフで。
『強制フラグを立てますよ? いいですね?』
その変化は、目の前の彼女の名前を呼んだ瞬間に訪れた。
「今日って、そんなに疲れるようなことあったか?」
今まで感じたことがない違和感に、さっさと目の前のことを終わらせようとした俺。
結論づけた瞬間、俺の体が勝手に動いた。
『強制フラグを立てました』
その声と、ほぼ同時に。
高校教師の俺が、自分の気持ちに反する行動を勝手に決めつけられながら、
女子高生と禁断の恋愛?
しかも、勝手に決めつけているのが、どこぞの誰かが書いている某アプリの二次小説の作者って……。
いやいや。俺、そんなセリフ言わないし!
甘い言葉だなんて、吐いたことないのに、勝手に言わせないでくれって!
俺のイメージが崩れる一方なんだけど!
……でも、この娘、いい子なんだよな。
っていうか、この娘を嫌うようなやつなんて、いるのか?
「ごめんなさい。……センセイは、先生なのに。好きに…なっちゃ、だめなのに」
このセリフは、彼女の本心か? それともこれも俺と彼女の恋愛フラグが立たせられているせい?
誰かの二次小説の中で振り回される高校教師と女子高生の恋愛物語が、今、はじまる。

セリオン共和国再興記 もしくは宇宙刑事が召喚されてしまったので・・・
今卓&
ファンタジー
地球での任務が終わった銀河連合所属の刑事二人は帰途の途中原因不明のワームホールに巻き込まれる、彼が気が付くと可住惑星上に居た。
その頃会議中の皇帝の元へ伯爵から使者が送られる、彼等は捕らえられ教会の地下へと送られた。
皇帝は日課の教会へ向かう途中でタイスと名乗る少女を”宮”へ招待するという、タイスは不安ながらも両親と周囲の反応から招待を断る事はできず”宮”へ向かう事となる。
刑事は離別したパートナーの捜索と惑星の調査の為、巡視艇から下船する事とした、そこで彼は4人の知性体を救出し獣人二人とエルフを連れてエルフの住む土地へ彼等を届ける旅にでる事となる。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる