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おると

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あなただけのお話。

私の将来の夢は…でした。

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 「6年×組 ○○○○。私の将来の夢は…です!理由は…」
「○○さんは…になりたいんだ?先生、応援してるね!」

 いつから、現実を見るようになったのだろうか。無限にまで思えた世界の大きさに希望を抱き、夢を持つだけで満たされて、前を向いて、透明だと言わんばかりの行動ができたのが懐かしい。


 「それじゃ、今から進路希望調査票を配るから再来週までに書いとけよ」
17歳、今までなんとなく高校生活を送ってきたので、進路なんて学部くらいしか知らない。

「っえ、××、建築学部なんだ?」
「そそ、父さんみたいな建築士になりたいからね」
「へぇ…」
「そっちは?」
「情報学部かなぁ…」
「なんで、ハッカーにでもなるの笑?」
「そう!世界を股にかける…って違うよ、なんとなくだよ、なんとなく、」
「へぇ~とかないんだ」

ある訳がないのだ。自分の将来のことなんて、1時間先のことも分からない私たちに、自分で探し出すなんてのはとても難しい。

 小学校の卒業文集を見てみた。正直いって、黒歴史で溢れている。
建築士さん(仮)はサッカー選手になりたかったらしく、私は…になりたかったらしいし、初めて連絡先を交換した子は表参道で美容師になりたかったらしい。

穴があったら入りたくなるのはこういう時なのだなと感じるとともに何か複雑なモノが湧き上がってきた。彼等はずっと本の中では、なのだ。なんにでもなれると思い、0.1秒先にでさえ厖大ぼうだいな期待を抱え、真っ直ぐに育っていくと思っていた彼等に。

憧れと懐古と称賛を混ぜて、1つの言葉にするとしたら、なんと言おう。そんな複雑なモノ 後悔 は日本語にないのかもしれない。


 先を生きる自分に短編集 日記 を作ることにした。此処に来るまでどうやって来たかをを残すために。二度と後悔しない為に。

 君は、まだ青さをもっているだろうか。完全な黒になっていないだろうか。
明日不確かさに、明かりを灯しているだろうか。
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