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やっつけ仕事
第54話 復活
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「宣伝?ならねえよ!ただ痛い映画が一つ増えるだけだ」
吐き捨てるようにそう言うとかなめが稲荷寿司に手を伸ばそうとする。アメリアはすぐにそれを取り上げる。
「なんだよ!」
「だって宣伝にならないってことはこれは仕事じゃないんでしょ?働かざるもの食うべからずよ」
そう言ってアメリアはかなめから取り上げた重箱の中の稲荷寿司を口に放り込む。勝ち誇ったようにかなめを見ながらおいしそうに頬張る。
「屁理屈言うんじゃねえよ!返せ!」
「いつからかなめちゃんの稲荷寿司になったの?名前も書いてなかったし」
アメリアの言葉にかなめは頭にきたとでも言うように立ち上がって重箱を奪おうとする。アメリアもさるものでひょいひょいとかなめをかわす。
「暴れんじゃねーよ!」
ランの一喝で二人ははしゃぐのを止める。誠はどう見ても小学校一、二年生にしか見えないながらも貫禄のあるランに目を見張った。やっていることは小学校だが、明らかに大人のかなめとアメリアを生徒にしか見えないランが注意する。その奇妙な光景に誠は噴出しそうになる。
「でもかなり修正するんだろ?新藤」
そんなランの一言で話の中心に戻された新藤は口にとんかつをくわえながらうなづく。
「それなら最初からアタシ等のデータを打ち込んでお前が動かしゃいいじゃん」
かなめはようやくアメリアから取り上げた重箱の中の稲荷寿司を独占して食べ始める。
「そんな面倒なこと俺に全部任せようってのか?そんなに給料もらってないぞ俺は」
そう言った新藤は今度は嵯峨を見つめた。
「なに、俺の方見てるんだよ。それにしてもこの蕪の煮付け良い出汁が聞いてますね。かつおですか?」
「ええ、確か嵯峨さんはかつお出汁の煮物が好きだったと思って……」
そう言って今度は春子がこんにゃくの似たものを取り出す。
「ああ、クバルカさんもどうですか?こんにゃくは嫌いだったかしら?」
春子にそう言われてランは複雑な表情でそのそばまで紙皿を手に歩く。
「すみません……気を使わせて、いただきます」
殊勝な表情でランでは箸を伸ばす。彼女をニヤニヤ笑いながら見つめているのはかなめだった。
「やっぱり料理ができる女が良いよな、叔父貴も」
誠は状況が分からないでランと春子を見つめていたが、ランが殺意すら感じるような鋭い視線でかなめを見つめたところから、深くは突っ込まない方が身のためだと思って皿の上のとんかつにかぶりついた。
「それでさあ、あとどんだけやるんだ?」
相変わらず春子の差し出す重箱から煮物を口に運びながら嵯峨がつぶやいた。
「ええと、後は。クバルカ中佐が日野少佐に見捨てられて最後の決戦に挑むところとリンとの最終決戦……」
「つまりカヌーバ皇太子を倒すところまでは行かないんですね」
そんな誠の言葉に首を縦に振るアメリア。カヌーバ皇太子役と振られていたかえでががっかりしたような表情を浮かべる。かなめの騎士を自負する彼女はいいところを見せたいという気持ちなのだろうか。そんなことを考えながら出来るだけ目立たないようにと誠は部屋の隅でとんかつを食べる。
「やっぱりあれでしょ、基本は『戦いはまだまだ続く!これまで応援ありがとうございました』じゃないの?」
完全にゆがんだアメリアの趣味に誠は呆れた笑いを返す。
「ロマンだなー、いいなー」
言葉の響きだけはサラは感動している。そんな小夏の後頭部を新藤がペンでつつく。
「なによ!」
「いや、なんでもないから」
そう言うと新藤は笑顔で再び作業に戻る。
「はい、飯も食ったな。次のシーンは誰が出るんだ?」
「隊長、いきなり仕切り始めないでくださいよ。次は小夏ちゃんとサラとかなめちゃんの三人。それに……」
「僕が出るんだね」
そう言って笑みを浮かべたのはかえでだった。隣のかなめはあからさまに嫌そうな顔をする。
「おい、こいつ女だぞ。皇太子って……普通男じゃないのか?」
かなめが不服そうにつぶやく。
「仕方ないじゃないか……先日の『司法局イケメンコンテスト』一位になってしまう僕の美貌が罪なんですよお姉さま」
その言葉が事実だっただけにかなめは呆れて誠を見る。
「まあ、うちの男子は……どいつもこいつも……女に負けて悔しくないのか?」
そう言ってかなめは今度は嵯峨を見る。そして深く大きなため息をついた。
「まあな。こいつが選択肢に入っていること自体おかしいんだけど……まあそうなっちゃったしな」
女子隊員全員にアンケートをした運用部主催の自主イベントで、ぶっちぎりのトップをかえでが飾ったことにより隊の男性陣の士気が著しく落ちたことは事実だったので、ただ呆れてかえでを見つめる誠だった。
「ったくこいつこういう時だけナルシストに成りやがって……」
そうつぶやいたかなめを見るとかえですたすたと歩み寄りかなめの手をがっちり握り締める。
「いえ!お姉さまに与えていただくならどんな辱めでも僕は……」
そこまで言うといきなりかえでの後頭部にアメリアの台本が振り下ろされた。
「そんな個人的な趣味の話は後!ランちゃんが驚くでしょ!」
「なんでアタシが驚くんだよ。こいつらの趣味なんか別にどーでも良いからはじめろよ」
すでにカプセルの中にスタンバイしているランの文句にアメリアはしぶしぶ引き下がる。誠はとりあえずこの状況がどう展開するのか気になってカプセルの縁に腰掛けてバイザーをかけた。
しばらく暗闇が続き、すぐに以前見たアジトっぽい雰囲気の部屋が映し出される。
相変わらずかえでの役のカヌーバ皇太子の前には緞帳のようなものが下りていて素顔を見ることができない。静々とランが進んできた。そのまま彼女は緞帳の前に立てひざでかしこまる。
「黒太子、メイリーン将軍の作戦は失敗しましたが……」
「もう良い!」
かえでの凛とした声が響く。さすがの誠もこういう凛々しい感じはかえでに向いているなあと思いながら見つめていた。
「もう良いとは?もう良いとはどういうことでしょうか?」
ランはすがるような声で顔を上げて影だけのかえでを見上げて叫ぶ。
「有機生命体には期待するなと父上がおっしゃっていたが……貴様を見てそれが真実だと私は気づいたところだそれにメイリーンが倒れただと?」
その言葉とともにいかずちのようなものがランに放たれる。
「ウグッ」
「私を勝手に破壊されたと判断されては困るなあ」
ランはそのまま倒れこむ。そしてその視線の前に現れたのは以前の姿よりさらに機械の部分が増えて悪役っぽくなった機械魔女のメイリーン将軍ことリンだった。
『アホだ、あの人アホだ』
その怪しげな笑いを見て心の中で叫ぶ誠だが、妖艶な笑みを浮かべながら動けずにいるランのあごを手で持ち上げる姿にひきつけられる誠だった。
「やはり弱いな、有機生命体は。あの程度の仕置きで動けなくなってしまうとは……」
明らかにノリノリなリンをこちらも乗っているランが見上げている。
「貴様……貴様達はじめから……」
「そうだ、お前に期待などしてはいない。運がよければあの雑魚どもの始末もできるかと思ったが、刺し違えることすらできないとは……ほとほと情けないものだな」
緞帳の後ろのかえでの冷酷な声にランは唇をかみ締める。
「さあ、亡国の姫君。今すぐに父上と母上のところに行ってしまいなさい!」
そう言うとリンは鞭を振り上げた。だが、ランはその鞭をすんでのところでかわす。焼け焦げたマントの下で肩で息をしながらリンをにらみつけている。
「まだ動けたとは……さすがと言っておこう」
そう言うとリンは次々と鞭を自在に操って攻撃を仕掛ける。だが、傷つけられながらも致命傷は受けずにランは逃げる機会を探す。
「しつこい!いい加減に!」
そう言って一度鞭を引いたのを見るとランは手を顔の前にかざした。
「しまった!」
リンが呪文を唱えて電流を含んでいるようなエフェクトのかかった鞭の一撃を放ったのは何もいない空間だった。
「転移魔法……」
「失態だな、メイリーン将軍。ここでの処分は君に任せる。あらゆる手段を用いてこの世界を征服したまえ。いいか、あらゆる手段を使ってだ」
緞帳の裏のかえでの言葉に戸惑ったような顔をするリンだが、そのまま去っていく影に深々と頭を下げた。
「あらゆる手段……仕方あるまい」
そう言うとリンは立ち上がって謎っぽい機械の中に消えていった。
吐き捨てるようにそう言うとかなめが稲荷寿司に手を伸ばそうとする。アメリアはすぐにそれを取り上げる。
「なんだよ!」
「だって宣伝にならないってことはこれは仕事じゃないんでしょ?働かざるもの食うべからずよ」
そう言ってアメリアはかなめから取り上げた重箱の中の稲荷寿司を口に放り込む。勝ち誇ったようにかなめを見ながらおいしそうに頬張る。
「屁理屈言うんじゃねえよ!返せ!」
「いつからかなめちゃんの稲荷寿司になったの?名前も書いてなかったし」
アメリアの言葉にかなめは頭にきたとでも言うように立ち上がって重箱を奪おうとする。アメリアもさるものでひょいひょいとかなめをかわす。
「暴れんじゃねーよ!」
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「でもかなり修正するんだろ?新藤」
そんなランの一言で話の中心に戻された新藤は口にとんかつをくわえながらうなづく。
「それなら最初からアタシ等のデータを打ち込んでお前が動かしゃいいじゃん」
かなめはようやくアメリアから取り上げた重箱の中の稲荷寿司を独占して食べ始める。
「そんな面倒なこと俺に全部任せようってのか?そんなに給料もらってないぞ俺は」
そう言った新藤は今度は嵯峨を見つめた。
「なに、俺の方見てるんだよ。それにしてもこの蕪の煮付け良い出汁が聞いてますね。かつおですか?」
「ええ、確か嵯峨さんはかつお出汁の煮物が好きだったと思って……」
そう言って今度は春子がこんにゃくの似たものを取り出す。
「ああ、クバルカさんもどうですか?こんにゃくは嫌いだったかしら?」
春子にそう言われてランは複雑な表情でそのそばまで紙皿を手に歩く。
「すみません……気を使わせて、いただきます」
殊勝な表情でランでは箸を伸ばす。彼女をニヤニヤ笑いながら見つめているのはかなめだった。
「やっぱり料理ができる女が良いよな、叔父貴も」
誠は状況が分からないでランと春子を見つめていたが、ランが殺意すら感じるような鋭い視線でかなめを見つめたところから、深くは突っ込まない方が身のためだと思って皿の上のとんかつにかぶりついた。
「それでさあ、あとどんだけやるんだ?」
相変わらず春子の差し出す重箱から煮物を口に運びながら嵯峨がつぶやいた。
「ええと、後は。クバルカ中佐が日野少佐に見捨てられて最後の決戦に挑むところとリンとの最終決戦……」
「つまりカヌーバ皇太子を倒すところまでは行かないんですね」
そんな誠の言葉に首を縦に振るアメリア。カヌーバ皇太子役と振られていたかえでががっかりしたような表情を浮かべる。かなめの騎士を自負する彼女はいいところを見せたいという気持ちなのだろうか。そんなことを考えながら出来るだけ目立たないようにと誠は部屋の隅でとんかつを食べる。
「やっぱりあれでしょ、基本は『戦いはまだまだ続く!これまで応援ありがとうございました』じゃないの?」
完全にゆがんだアメリアの趣味に誠は呆れた笑いを返す。
「ロマンだなー、いいなー」
言葉の響きだけはサラは感動している。そんな小夏の後頭部を新藤がペンでつつく。
「なによ!」
「いや、なんでもないから」
そう言うと新藤は笑顔で再び作業に戻る。
「はい、飯も食ったな。次のシーンは誰が出るんだ?」
「隊長、いきなり仕切り始めないでくださいよ。次は小夏ちゃんとサラとかなめちゃんの三人。それに……」
「僕が出るんだね」
そう言って笑みを浮かべたのはかえでだった。隣のかなめはあからさまに嫌そうな顔をする。
「おい、こいつ女だぞ。皇太子って……普通男じゃないのか?」
かなめが不服そうにつぶやく。
「仕方ないじゃないか……先日の『司法局イケメンコンテスト』一位になってしまう僕の美貌が罪なんですよお姉さま」
その言葉が事実だっただけにかなめは呆れて誠を見る。
「まあ、うちの男子は……どいつもこいつも……女に負けて悔しくないのか?」
そう言ってかなめは今度は嵯峨を見る。そして深く大きなため息をついた。
「まあな。こいつが選択肢に入っていること自体おかしいんだけど……まあそうなっちゃったしな」
女子隊員全員にアンケートをした運用部主催の自主イベントで、ぶっちぎりのトップをかえでが飾ったことにより隊の男性陣の士気が著しく落ちたことは事実だったので、ただ呆れてかえでを見つめる誠だった。
「ったくこいつこういう時だけナルシストに成りやがって……」
そうつぶやいたかなめを見るとかえですたすたと歩み寄りかなめの手をがっちり握り締める。
「いえ!お姉さまに与えていただくならどんな辱めでも僕は……」
そこまで言うといきなりかえでの後頭部にアメリアの台本が振り下ろされた。
「そんな個人的な趣味の話は後!ランちゃんが驚くでしょ!」
「なんでアタシが驚くんだよ。こいつらの趣味なんか別にどーでも良いからはじめろよ」
すでにカプセルの中にスタンバイしているランの文句にアメリアはしぶしぶ引き下がる。誠はとりあえずこの状況がどう展開するのか気になってカプセルの縁に腰掛けてバイザーをかけた。
しばらく暗闇が続き、すぐに以前見たアジトっぽい雰囲気の部屋が映し出される。
相変わらずかえでの役のカヌーバ皇太子の前には緞帳のようなものが下りていて素顔を見ることができない。静々とランが進んできた。そのまま彼女は緞帳の前に立てひざでかしこまる。
「黒太子、メイリーン将軍の作戦は失敗しましたが……」
「もう良い!」
かえでの凛とした声が響く。さすがの誠もこういう凛々しい感じはかえでに向いているなあと思いながら見つめていた。
「もう良いとは?もう良いとはどういうことでしょうか?」
ランはすがるような声で顔を上げて影だけのかえでを見上げて叫ぶ。
「有機生命体には期待するなと父上がおっしゃっていたが……貴様を見てそれが真実だと私は気づいたところだそれにメイリーンが倒れただと?」
その言葉とともにいかずちのようなものがランに放たれる。
「ウグッ」
「私を勝手に破壊されたと判断されては困るなあ」
ランはそのまま倒れこむ。そしてその視線の前に現れたのは以前の姿よりさらに機械の部分が増えて悪役っぽくなった機械魔女のメイリーン将軍ことリンだった。
『アホだ、あの人アホだ』
その怪しげな笑いを見て心の中で叫ぶ誠だが、妖艶な笑みを浮かべながら動けずにいるランのあごを手で持ち上げる姿にひきつけられる誠だった。
「やはり弱いな、有機生命体は。あの程度の仕置きで動けなくなってしまうとは……」
明らかにノリノリなリンをこちらも乗っているランが見上げている。
「貴様……貴様達はじめから……」
「そうだ、お前に期待などしてはいない。運がよければあの雑魚どもの始末もできるかと思ったが、刺し違えることすらできないとは……ほとほと情けないものだな」
緞帳の後ろのかえでの冷酷な声にランは唇をかみ締める。
「さあ、亡国の姫君。今すぐに父上と母上のところに行ってしまいなさい!」
そう言うとリンは鞭を振り上げた。だが、ランはその鞭をすんでのところでかわす。焼け焦げたマントの下で肩で息をしながらリンをにらみつけている。
「まだ動けたとは……さすがと言っておこう」
そう言うとリンは次々と鞭を自在に操って攻撃を仕掛ける。だが、傷つけられながらも致命傷は受けずにランは逃げる機会を探す。
「しつこい!いい加減に!」
そう言って一度鞭を引いたのを見るとランは手を顔の前にかざした。
「しまった!」
リンが呪文を唱えて電流を含んでいるようなエフェクトのかかった鞭の一撃を放ったのは何もいない空間だった。
「転移魔法……」
「失態だな、メイリーン将軍。ここでの処分は君に任せる。あらゆる手段を用いてこの世界を征服したまえ。いいか、あらゆる手段を使ってだ」
緞帳の裏のかえでの言葉に戸惑ったような顔をするリンだが、そのまま去っていく影に深々と頭を下げた。
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