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第28話 台本
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「すいませんさっきは……」
実働部隊の詰め所のドアを開けた誠はそこまで言って口を閉ざした。目の前に立って金色の飾りの付いた杖を振り回しているのは誠達のたまり場の焼鳥屋『月島屋』の看板娘家村小夏である。彼女が着ている白とピンクの鮮やかな服をデザインしたのが誠だけに、それが目の前にあるとなると急に気恥ずかしさが襲ってきた。
「おい、神前。アタシはこれでいいのか?」
黒っぽいその小さな肩を覆うような上着とスカートの間から肌が見える服を着込んでいる少女に声をかけられてさらに誠は驚く。その少女、クバルカ・ラン中佐は気恥ずかしそうに視線を落とすとそのまま自分の実働部隊長席に戻っていく。
「作ったんですか?あの人達」
誠は運行部の人々の勤勉さにあきれ果てた。そして誠の机に置かれたラーメンを見つめた。
「あ、もう昼なんですね」
そう言う誠に白い目を向けるのは彼の正面に座っているかなめだった。
「もう過ぎてるよ。伸びてるんじゃないのか?」
かなめの言葉に誠はそのままラップをはずしてラーメンを食べ始める。汁を吸いすぎた麺がぐにぐにと口の中でつぶれるのがわかる。
「伸びてますね、おいしくないですよ」
「それだけじゃないだろうな、一水軒か。あそこ。……味が落ちたな」
そう言いながらじっとかなめは誠を見つめている。隣の席のカウラも誠に付いていたために冷えたチャーハンを口に運んでいた。
「おい、神前。なんとかならねーのかよ!」
「何がです?」
麺を啜りながら顔を向ける誠にもともと目つきの悪いランの顔が明らかに敵意を含んで誠をにらみつけている。
「えー!ランの姐御!とってもキュートですよ!」
「そうだ!かわいいぞ!」
いつもは犬猿の仲の小夏とかなめがはやし立てる。それを一瞥した後、ランのさらに凄みを増した視線が誠を射抜いた。
「でも、このくらい派手じゃないと……ほら、子供に夢を与えるのが今回の映画の趣旨ですから」
「まあ、演じている二人はどう見ても自分が子供だからな」
かなめのつぶやきにあわせてランが手にした杖を思い切りかなめの頭に振り下ろした。先端のどくろのような飾りがかなめのチタンの頭蓋骨に砕かれる。
「ああ、この杖強度が足りねーな。交換するか」
「おい!糞餓鬼!何しやがんだ!」
真っ赤になって迫るかなめを落ち着いた視線でランは見つめる。二人がじりじりと間合いを詰めようとしたとき、詰め所のドアが開いた。
「はーい!こんどは完全版の台本できました!」
アメリアの軽やかな声が響く。全員が彼女のほうを向いた。
「ちょっと待て、いくらなんでも早すぎるだろ?それにアタシ等の意見もだな……」
「釣り部の新藤さんが協力的だったから。やっぱりあの人こういうこと慣れてるわね。今回は誠ちゃんが嫌がったプロットを組み合わせたら結構面白く出来たから。それじゃあ配りますよ!」
そう言ってサラとパーラが手にした冊子を次々と配っていく。
「題名未定ってなんだよ」
受け取ったかなめがつぶやく。
「プロットを組み合わせただけだからしょうがないのよ。なに?それともかなめちゃんが考えてくれるの?」
アメリアが目を細めるのを見てあからさまに不機嫌になったかなめは仕方なく台本を開く。
「役名は……ここか」
カウラはすぐに台本を見て安堵したような表情を浮かべる。深刻な顔をしていたのはランだった。彼女はしばらく台本を自分の机の上に置き、首をひねり、そして仕方がないというようにページを開いた。
「ブラッディー・ラン。血まみれみてーな名前だな」
「いいじゃねえか。……勇名高き中佐殿にはぴったりであります!」
いやみを言って敬礼するかなめをランがにらみつける。そして誠も台本を開いた。
『マジックプリンス』
まず目を疑った。だが、そこには明らかにそう書いてあった。そしてその下に『神前寺誠二』と名前が入る。
「あの、アメリアさん?」
「なあに?」
満面の笑みのアメリアを見つめながら誠は言葉に詰まる。
「僕もあれに変身するんですよねえ?」
「そうよ!」
あっさりとアメリアは答える。昨日調子に乗ってデザインしたあからさまにヒロインに助けられるかませ犬役。そして自分がその役をやるということを忘れて描いた全身タイツ風スーツの男の役である。
「ざまあみろ!調子に乗っていろいろ描くからそう言う目にあうんだよ!」
かなめが誠の肩を叩きながら毒を吐く。その後ろで魔女姿のランが大きくうなづいている。
「じゃあ私の憧れの人が神前の兄貴なんだね!もしかしてそのままラブラブに……」
そんな小夏の無邪気な言葉が響き渡るとアメリア、カウラ、かなめ、三人の女性の顔色が青くなった。そんな空気を完全に無視して小夏は誠の腕にぶら下がる。口元を引きつらせながらアメリアはそれを眺めている。
「あ!そうだった!じゃあ台本書き直そうかしら」
そう言ってアメリアがかなめの手から台本を奪おうとする。かなめは伸ばされたアメリアの手をつかみあげると今度は小夏の襟をつかんで引き寄せた。
「おい、餓鬼は関係ねえんだよ……ってカウラ!」
小夏の言葉にいったん青ざめた後に、頬を真っ赤に染めて誠を見つめていたカウラがかなめに呼びつけられてぼんやりとした表情でかなめを見つめていた。
「オメエが何でこいつの彼女なんだ?」
かなめがカウラを指差す。誠は台本の役の説明に目を落とす。
『南條カウラ、ヒロイン南條小夏の姉。父、南條新三郎の先妻の娘。大学生であり自宅に下宿している苦学生神前寺誠二と付き合っている』
自然と誠の目がカウラに行く。カウラもおどおどしながら誠を見つめた。
「アメリア。さっき自分が神前の彼女の役やるって言ってなかったか?」
大声で叫ぶかなめに長い紺色の髪の枝毛をいじってアメリアは無視している。
「そうよ、そのつもりだったけどどこかの素直じゃないサイボーグが反対するし、どうせ強行したら暴れるのは目に見えてるし……」
「おい、誰が素直じゃないサイボーグだよ!」
叫ぶかなめを全員が指差した。ランに助けを求めようとするが背の低いランはかなめの視界から逃げるように動いた。
「神前!テメエ!」
「なんで僕なんですか!」
いつもストレスのはけ口にされている誠はずるずると後ずさる。かなめはアメリア達から手を離してそのまま指を鳴らしながら誠を部屋の隅に追い詰めていく。
「オメエがはっきりしないからこうなったんだろ?責任とってだな……」
そこまで言ったところでかなめの動きが止まる。次第にうつむき、そのまま指を鳴らしていた手を下ろしてかなめは立ち尽くす。
「あ、自爆したことに気づいたね。それにしても誠ちゃんがなにすればかなめちゃんは許すのかなあ」
小声で小夏がランに話しかける。その間にも生暖かい二人の視線に目が泳いでいるかなめが映っていた。
「そうだな……なんだろな」
「本当に素直よねえ、かなめちゃんは。だから面白いんだけど」
そうランに言ったアメリアの顔面にかなめは台本を投げつける。
「ったく!やってられるかよ!」
そのままかなめは走って部屋を飛び出していく。
「あーあ。怒らせちゃった。どうするの?アメリアちゃん。このお話、かなめちゃんの役はやっぱりかなめちゃんじゃないと似合わないわよ」
駆けつけたサラの言葉にアメリアは台本をぶつけられて痛む頬をなでながら苦笑いを浮かべる。
「市からの委託事業の一つだからな。一応これも仕事だぞ。神前、迎えに行け」
小さな魔女の姿のランがそう誠に命令する。小悪魔チックな少女が軍の制服の誠を見上げて命令を出すと言う極めてシュールな絵に見えたが、誠には拒否権が無いことに気づいた。
実働部隊の詰め所のドアを開けた誠はそこまで言って口を閉ざした。目の前に立って金色の飾りの付いた杖を振り回しているのは誠達のたまり場の焼鳥屋『月島屋』の看板娘家村小夏である。彼女が着ている白とピンクの鮮やかな服をデザインしたのが誠だけに、それが目の前にあるとなると急に気恥ずかしさが襲ってきた。
「おい、神前。アタシはこれでいいのか?」
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「作ったんですか?あの人達」
誠は運行部の人々の勤勉さにあきれ果てた。そして誠の机に置かれたラーメンを見つめた。
「あ、もう昼なんですね」
そう言う誠に白い目を向けるのは彼の正面に座っているかなめだった。
「もう過ぎてるよ。伸びてるんじゃないのか?」
かなめの言葉に誠はそのままラップをはずしてラーメンを食べ始める。汁を吸いすぎた麺がぐにぐにと口の中でつぶれるのがわかる。
「伸びてますね、おいしくないですよ」
「それだけじゃないだろうな、一水軒か。あそこ。……味が落ちたな」
そう言いながらじっとかなめは誠を見つめている。隣の席のカウラも誠に付いていたために冷えたチャーハンを口に運んでいた。
「おい、神前。なんとかならねーのかよ!」
「何がです?」
麺を啜りながら顔を向ける誠にもともと目つきの悪いランの顔が明らかに敵意を含んで誠をにらみつけている。
「えー!ランの姐御!とってもキュートですよ!」
「そうだ!かわいいぞ!」
いつもは犬猿の仲の小夏とかなめがはやし立てる。それを一瞥した後、ランのさらに凄みを増した視線が誠を射抜いた。
「でも、このくらい派手じゃないと……ほら、子供に夢を与えるのが今回の映画の趣旨ですから」
「まあ、演じている二人はどう見ても自分が子供だからな」
かなめのつぶやきにあわせてランが手にした杖を思い切りかなめの頭に振り下ろした。先端のどくろのような飾りがかなめのチタンの頭蓋骨に砕かれる。
「ああ、この杖強度が足りねーな。交換するか」
「おい!糞餓鬼!何しやがんだ!」
真っ赤になって迫るかなめを落ち着いた視線でランは見つめる。二人がじりじりと間合いを詰めようとしたとき、詰め所のドアが開いた。
「はーい!こんどは完全版の台本できました!」
アメリアの軽やかな声が響く。全員が彼女のほうを向いた。
「ちょっと待て、いくらなんでも早すぎるだろ?それにアタシ等の意見もだな……」
「釣り部の新藤さんが協力的だったから。やっぱりあの人こういうこと慣れてるわね。今回は誠ちゃんが嫌がったプロットを組み合わせたら結構面白く出来たから。それじゃあ配りますよ!」
そう言ってサラとパーラが手にした冊子を次々と配っていく。
「題名未定ってなんだよ」
受け取ったかなめがつぶやく。
「プロットを組み合わせただけだからしょうがないのよ。なに?それともかなめちゃんが考えてくれるの?」
アメリアが目を細めるのを見てあからさまに不機嫌になったかなめは仕方なく台本を開く。
「役名は……ここか」
カウラはすぐに台本を見て安堵したような表情を浮かべる。深刻な顔をしていたのはランだった。彼女はしばらく台本を自分の机の上に置き、首をひねり、そして仕方がないというようにページを開いた。
「ブラッディー・ラン。血まみれみてーな名前だな」
「いいじゃねえか。……勇名高き中佐殿にはぴったりであります!」
いやみを言って敬礼するかなめをランがにらみつける。そして誠も台本を開いた。
『マジックプリンス』
まず目を疑った。だが、そこには明らかにそう書いてあった。そしてその下に『神前寺誠二』と名前が入る。
「あの、アメリアさん?」
「なあに?」
満面の笑みのアメリアを見つめながら誠は言葉に詰まる。
「僕もあれに変身するんですよねえ?」
「そうよ!」
あっさりとアメリアは答える。昨日調子に乗ってデザインしたあからさまにヒロインに助けられるかませ犬役。そして自分がその役をやるということを忘れて描いた全身タイツ風スーツの男の役である。
「ざまあみろ!調子に乗っていろいろ描くからそう言う目にあうんだよ!」
かなめが誠の肩を叩きながら毒を吐く。その後ろで魔女姿のランが大きくうなづいている。
「じゃあ私の憧れの人が神前の兄貴なんだね!もしかしてそのままラブラブに……」
そんな小夏の無邪気な言葉が響き渡るとアメリア、カウラ、かなめ、三人の女性の顔色が青くなった。そんな空気を完全に無視して小夏は誠の腕にぶら下がる。口元を引きつらせながらアメリアはそれを眺めている。
「あ!そうだった!じゃあ台本書き直そうかしら」
そう言ってアメリアがかなめの手から台本を奪おうとする。かなめは伸ばされたアメリアの手をつかみあげると今度は小夏の襟をつかんで引き寄せた。
「おい、餓鬼は関係ねえんだよ……ってカウラ!」
小夏の言葉にいったん青ざめた後に、頬を真っ赤に染めて誠を見つめていたカウラがかなめに呼びつけられてぼんやりとした表情でかなめを見つめていた。
「オメエが何でこいつの彼女なんだ?」
かなめがカウラを指差す。誠は台本の役の説明に目を落とす。
『南條カウラ、ヒロイン南條小夏の姉。父、南條新三郎の先妻の娘。大学生であり自宅に下宿している苦学生神前寺誠二と付き合っている』
自然と誠の目がカウラに行く。カウラもおどおどしながら誠を見つめた。
「アメリア。さっき自分が神前の彼女の役やるって言ってなかったか?」
大声で叫ぶかなめに長い紺色の髪の枝毛をいじってアメリアは無視している。
「そうよ、そのつもりだったけどどこかの素直じゃないサイボーグが反対するし、どうせ強行したら暴れるのは目に見えてるし……」
「おい、誰が素直じゃないサイボーグだよ!」
叫ぶかなめを全員が指差した。ランに助けを求めようとするが背の低いランはかなめの視界から逃げるように動いた。
「神前!テメエ!」
「なんで僕なんですか!」
いつもストレスのはけ口にされている誠はずるずると後ずさる。かなめはアメリア達から手を離してそのまま指を鳴らしながら誠を部屋の隅に追い詰めていく。
「オメエがはっきりしないからこうなったんだろ?責任とってだな……」
そこまで言ったところでかなめの動きが止まる。次第にうつむき、そのまま指を鳴らしていた手を下ろしてかなめは立ち尽くす。
「あ、自爆したことに気づいたね。それにしても誠ちゃんがなにすればかなめちゃんは許すのかなあ」
小声で小夏がランに話しかける。その間にも生暖かい二人の視線に目が泳いでいるかなめが映っていた。
「そうだな……なんだろな」
「本当に素直よねえ、かなめちゃんは。だから面白いんだけど」
そうランに言ったアメリアの顔面にかなめは台本を投げつける。
「ったく!やってられるかよ!」
そのままかなめは走って部屋を飛び出していく。
「あーあ。怒らせちゃった。どうするの?アメリアちゃん。このお話、かなめちゃんの役はやっぱりかなめちゃんじゃないと似合わないわよ」
駆けつけたサラの言葉にアメリアは台本をぶつけられて痛む頬をなでながら苦笑いを浮かべる。
「市からの委託事業の一つだからな。一応これも仕事だぞ。神前、迎えに行け」
小さな魔女の姿のランがそう誠に命令する。小悪魔チックな少女が軍の制服の誠を見上げて命令を出すと言う極めてシュールな絵に見えたが、誠には拒否権が無いことに気づいた。
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