特殊装甲隊 ダグフェロン 第一部 蘇る火付盗賊改方 (ひつけとうぞくあらためかた) とは……殺人許可書を持つ「特殊な部隊」

橋本 直

文字の大きさ
上 下
55 / 60
色々とややこしいパイロット達

かなめの誠の評価 『真性ロリコン革命』の可能性

しおりを挟む
「そう言えば、僕の制服に……何もついてない……階級章は少尉候補生……どこの『少尉候補生』の階級章を付ければいいんだ?とりあえず士官になってから聞こう……そもそも、支給されるの?」

 そう言ってこの元の『東和の警察』なら『白地』の巡査から警視総監までついている空欄のことが気になった。

 襟の士官になれば襟章につく、今は……そう言いながら考えているところに静かに叩く手があった。そして、その手は女の手。そして、その女は振り向こうとする女ガンマンのたれ目が明らかに冷酷な一言を告げた。

「それは……十分に考えた方がいい……とりあえず何でもいい『赤』が連想されるものと、『白』を連想させるものは避けろ……」

 それだけ言うと手をかざしてうなづきながら静かに自分の『赤』と『白』のラインが後付けされているだけの誠と同じような椅子に座った。そして、画面を表示させると何か調べ始めた。

「赤いものだけを付けると?」

 そう言ったかなめの顔は考え事をしながら適当なこととして。

「『ロリコン』革命が始まる……結果的に。アタシがお前を……最悪……お前を『殺す』」

 かなめはそう言うとまた何事も無かったかのように、誠の見守る中、かなめは静かにまた画面を見つめて、その脳と直結して入力可能な首の後ろにある、『サイボーグ用狙撃修正汎用デバイス』にも使える汎用ジャックに、どう見ても音楽用の有線コードにしか見えないプラグを刺した。

 明らかにやる気のないかなめに、誠は試しにその女サイボーグに聞いてみた。

「じゃあ、白いのを付けると……」

 そうするとかなめは顔を誠に向け、はっきりと殺意を込めた視線を湛えた鋭い瞳でにらみつけて、誠にこう言った。

「小隊長が『ロリコン』反対だから!当然、お前の頭がザクロのように割れる『アタシの手』」でな!」

 そんな、かなめの殺意を込めたにらみに、誠は持っていた制服の入ったビニール袋を何もない机に落とし、怯えながらかなめに目を向けた。

「カウラさんが『ロリコン』反対だって……どうしてわかるんですか?」

 このかなめの一言が、『ロリコンのご本尊』のランと『ロリコン』は『特殊な性癖』と認識しているカウラの居ない理由が誠にもはっきり分かった。

 そして、背後の扉が開いた時、どちらの『真性ロリコン』誠の命の火を終わらせるような武器を構えているのか確認すべく、静かに後ろを振り向いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

謎の隕石

廣瀬純一
SF
隕石が発した光で男女の体が入れ替わる話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

年下の地球人に脅されています

KUMANOMORI(くまのもり)
SF
 鵲盧杞(かささぎ ろき)は中学生の息子を育てるシングルマザーの宇宙人だ。  盧杞は、息子の玄有(けんゆう)を普通の地球人として育てなければいけないと思っている。  ある日、盧杞は後輩の社員・谷牧奨馬から、見覚えのないセクハラを訴えられる。  セクハラの件を不問にするかわりに、「自分と付き合って欲しい」という谷牧だったが、盧杞は元夫以外の地球人に興味がない。  さらに、盧杞は旅立ちの時期が近づいていて・・・    シュール系宇宙人ノベル。

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

処理中です...