特殊装甲隊 ダグフェロン 第一部 蘇る火付盗賊改方 (ひつけとうぞくあらためかた) とは……殺人許可書を持つ「特殊な部隊」

橋本 直

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第一印象が大事

機動部隊長の『萌え萌え』な将棋指しの指示

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 私服のまま誠が機動部隊の『詰め所』に入ると、何もない机の上にランとカウラが来ているのと同じ東都警察の制服があった。

「うちのは東都警察とおんなじ制服に、東和軍の略称つけて、胸に刺繍で『火盗』と書くだけで制服の出来上がりだからな。オメーみたいに規格外なの……結構余ってんだわ……あそこも」

 そうあっさり言うと機動部隊長の席に、唯一、遅刻せずに座っていたランは目の前の将棋盤だけがあった。

「あの……カウラさんとかなめさんは……」

 そうビニールに入った制服を紺色の制服を眺めていた誠を無視して将棋盤が中央に置かれている大きな机に座っているランに誠はそう言いながら目を向けた。

「来てるよ……屯所のどこかにいる……それより……隊長が待ってるぞ」

 そう言ってランは手にした駒を持ち上げて、一手指し、将棋盤を再び難しい顔で眺めた。

「隊長が……」

 そう言ってみたがランは誠を一瞥もせずに黙って将棋盤を眺めている。

「行ってきます……着替えます?」

 そう言って机から制服を持って、誠は何処で着替えるかの回答を求めてランを眺めて。

「いーよ。かなめも私服だろ?うちは制服自由。司法局のお偉いさんが来たとき、それ着て座ってればカッコが付く。そんだけ」

 そう言ってランは指した手が気に入らなかったのか、大駒を指しなおす。

「それでは……」

 そう言って誠はドアを開けた。誰もいない廊下。背後の機動部隊の詰所でもランの声は響かない。

 ただ、そこから見える突き当りの扉。その中に隊長こと嵯峨惟基特務大佐が座っているだろうことは誠にも予想がついた。
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