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遼州星系国際情勢と栄光の?05式特戦(愛称未定)
『公家とサムライ』の国 『焼き畑農業』の国
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カウラの機体の色が東和陸軍の『アサルト・モジュール』と全く同じなのは、おそらく彼女が東和陸軍からの出向者だからだろう。恐らく前面の右胸には部隊通称と所属を表す『火盗-」と東和陸軍書体で刻印されているだろう。
「身元がばれる典型がカウラさんだ。オメエの予想、おそらく当たり。あの人東和陸軍の出身。まあ、『ラスト・バタリオン』は、普通は日本語ですべての知識、教養を脳に刷り込まれてロールアウトするわけだから。まあ普通なら東和か甲武、また焼き畑農業フェチなら遼南帝国って言う日本語と焼き畑農業さえできれば生きていける珍妙な国が存在するからな」
そう言って島田は格納庫で二本目のタバコを吸い始めた。
「まあ、甲武は『サムライ』の国で、身分制度をマジでやってる国ですからね。どうせ足軽から始めるんでしょ?その人達」
誠はそう言って島田に向けて笑った。
「いや、軍事的専門知識があるからな。それでもまあ、偉い人に気に入られない限り……出世は絶望的だな。生まれた身分が低ければ……名誉職0な国だからな、あそこは。昔から言うじゃねえか『武士は食わねど高陽樹』って。戦争のないときのサムライなんて単なる被差別階級だってかなめさんが言ってたぜ。聞いた話じゃ甲武国の軍人になったの1人。しかもレアな男しかいねえんだ」
誠は最後の言葉にかなめが出てきたことに驚いた。
「え?かなめさんて甲武の出身だったんですか?」
驚きの表情を浮かべて誠はそう言った。島田は頭を掻きながら渋々タバコを手にもって煙を吐き出しながら言葉をつぐむ。
「なんだよ……俺が言ったの失敗だったかなあ……しかも、公家だぜ、あの人。かなりのお嬢様。あの義体だって最新型の警察の特殊部隊用のをチューンした自前。あんなの持てるの貴族の上流の……そうだな、領地を持ってりゃ担保に入れて買うって手もあるぐらいの高級特注品」
そう言いながら誠は唖然として島田を見つめた。そして島田は誠の方を向いて、タバコの煙を誠に吹きかけた。
「あと、俺に隊長……あの駄目人間が言ったことから推測するに……おそらく奴は遼南帝国の出だな。しかも、遼南……8年前に皇帝が王政復古やるまで内戦の嵐だったじゃん。あの戦争に関わってる。そして……あの人、オメエと同じだ」
誠はちょっと戸惑った。東和共和国は上空に飛行禁止空域を設けて、お得意の電子戦の用意をしていただけで、それ以上の関与はしていない。当然、海外旅行の経験のない誠は戦争に関わったことが無い。島田と『オメエと同じ』の意味が解らなかった。
「なんだよ、肝心な時に察しが悪いな。『神前』なんてけったいな名字。東和じゃほとんどが遼南王朝の王族と関係者しか名乗ってねえぞ。オメエ名字が『神前』ってだけで、『遼南王家』ですってふれて回っているようなもんだ」
あきれ果てたというようにそう言うと島田はゆっくりとタバコをふかした。
「俺は地球人の血は一滴も引いてねえ。そして、遼州人の血が入っている典型的な遺伝子の特徴……俺にもあるそうだ……つまり、日本人のコスプレが徹底した宇宙人なんだよ俺。オメエも……そうだ。つまり、50万年前から200年前まで、地球人が文明の便利さを教えるまで、ずーと焼き畑農業しかしてねえの。俺達のご先祖様は。つまり、今でも当時の暮らしをしているのは遼南帝国だけ……まあ、あそこも話しているのは全部日本語。焼き畑農業の技術しか、結局俺達は残せなかったんだ……」
島田はそう言って目をつぶる。口のタバコは静かに煙を上げていた。
「身元がばれる典型がカウラさんだ。オメエの予想、おそらく当たり。あの人東和陸軍の出身。まあ、『ラスト・バタリオン』は、普通は日本語ですべての知識、教養を脳に刷り込まれてロールアウトするわけだから。まあ普通なら東和か甲武、また焼き畑農業フェチなら遼南帝国って言う日本語と焼き畑農業さえできれば生きていける珍妙な国が存在するからな」
そう言って島田は格納庫で二本目のタバコを吸い始めた。
「まあ、甲武は『サムライ』の国で、身分制度をマジでやってる国ですからね。どうせ足軽から始めるんでしょ?その人達」
誠はそう言って島田に向けて笑った。
「いや、軍事的専門知識があるからな。それでもまあ、偉い人に気に入られない限り……出世は絶望的だな。生まれた身分が低ければ……名誉職0な国だからな、あそこは。昔から言うじゃねえか『武士は食わねど高陽樹』って。戦争のないときのサムライなんて単なる被差別階級だってかなめさんが言ってたぜ。聞いた話じゃ甲武国の軍人になったの1人。しかもレアな男しかいねえんだ」
誠は最後の言葉にかなめが出てきたことに驚いた。
「え?かなめさんて甲武の出身だったんですか?」
驚きの表情を浮かべて誠はそう言った。島田は頭を掻きながら渋々タバコを手にもって煙を吐き出しながら言葉をつぐむ。
「なんだよ……俺が言ったの失敗だったかなあ……しかも、公家だぜ、あの人。かなりのお嬢様。あの義体だって最新型の警察の特殊部隊用のをチューンした自前。あんなの持てるの貴族の上流の……そうだな、領地を持ってりゃ担保に入れて買うって手もあるぐらいの高級特注品」
そう言いながら誠は唖然として島田を見つめた。そして島田は誠の方を向いて、タバコの煙を誠に吹きかけた。
「あと、俺に隊長……あの駄目人間が言ったことから推測するに……おそらく奴は遼南帝国の出だな。しかも、遼南……8年前に皇帝が王政復古やるまで内戦の嵐だったじゃん。あの戦争に関わってる。そして……あの人、オメエと同じだ」
誠はちょっと戸惑った。東和共和国は上空に飛行禁止空域を設けて、お得意の電子戦の用意をしていただけで、それ以上の関与はしていない。当然、海外旅行の経験のない誠は戦争に関わったことが無い。島田と『オメエと同じ』の意味が解らなかった。
「なんだよ、肝心な時に察しが悪いな。『神前』なんてけったいな名字。東和じゃほとんどが遼南王朝の王族と関係者しか名乗ってねえぞ。オメエ名字が『神前』ってだけで、『遼南王家』ですってふれて回っているようなもんだ」
あきれ果てたというようにそう言うと島田はゆっくりとタバコをふかした。
「俺は地球人の血は一滴も引いてねえ。そして、遼州人の血が入っている典型的な遺伝子の特徴……俺にもあるそうだ……つまり、日本人のコスプレが徹底した宇宙人なんだよ俺。オメエも……そうだ。つまり、50万年前から200年前まで、地球人が文明の便利さを教えるまで、ずーと焼き畑農業しかしてねえの。俺達のご先祖様は。つまり、今でも当時の暮らしをしているのは遼南帝国だけ……まあ、あそこも話しているのは全部日本語。焼き畑農業の技術しか、結局俺達は残せなかったんだ……」
島田はそう言って目をつぶる。口のタバコは静かに煙を上げていた。
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